広河隆一パレスチナ記録映画制作委員会より
(supported by『1コマ』サポーター)
1948年にイスラエル国家が誕生し、パレスチナ難民が発生しました。

しかし本当に何が起こったか、その詳細は未だに歴史の闇に埋もれています。
中東の地で繰り返される暴力は、これまでずっと、あたかも一過性の理由で起こっているかのような報道解説が繰り返され、そのたびに私たちはこの問題の根源に目を向ける機会を失ってきました。あるいは避けて きました。

掘り起こしたって混乱を深めるだけだからなのか、今さら何も変わらないと思うからなのか、問題に目を向 けることはイスラエルを否定していくことになると思うからなのか、解決方法が見つからない不甲斐なさからなのか。

こうして今年の夏もレバノンへの侵攻は悲惨を極め、何の解決も追求もなく形だけの幕引きが報じられ、結局その背景についてはほとんど触れられませんでした。
同じときにパレスチナでどのような軍事侵攻と占領政策の続きが行われていたかは、ほとんど誰も気に留めていません。

こんな繰り返しの中で私たちは踊らされ、揺さぶられ、忘れていくのです。
広河隆一さんは、この40年ずっと、その背景で何が起きているのか、誰が何を進めているのか、人々は何と闘っているのか、イスラエルは何故強引な占領政策を続けなくては存在できないのか・・・たくさんの疑問を抱えながら、現地に何度も赴き、消えた村の跡地を捜し求め、歩き、人々と会って、現在と過去を行き来しながら探り続けてきました。
そしてその度に1948年へと引き戻されて行ったのです。
イスラエルが建国され、パレスチナ難民が発生した1948年です。
広河さんは、1948年のことを知らなければ、現在起こっている事態を理解することはできないと言い続けています。

結局イスラエルの人々も、パレスチナの人々も、私たちも、何か問題が起きているとき、その根源から目をそらさず、向き合うことによってのみ乗り越えて行けるのです。
真実と向き合う目の中にのみ、私たちの未来は宿っていくのです。
私たちは状況を大きく変えることは出来ないかもしれないけれど、人々の記憶を丁寧に ひろい、記録していくお手伝いは出来ます。

広河さんの映像の中に出てくる人々の言葉を聞いていたら、私たちは語り継がれ受け継いできた人々の記憶や希望を伝え残し、向き合うことが出来るのか問われている気がしました。

『1コマ』サポーター呼びかけ人  森澤典子


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