48.消えゆく最後のレール
〜旧国鉄細島線跡〜
(宮崎県日向市)
廃線跡にわずかに残った最後のレール。ここにあるのもあとわずか。
以前から地図上で気になっていた場所がある。日豊本線日向市駅から海の方向へ短い鉄道線。
かつては各地にあったろう、港と駅を結ぶ鉄路。今や残りわずか。
この路線は比較的新しい地図にも載っている。でも、載っていない地図もある。
おそらく廃線になっているのだろうが、線路がそのまま残っているのかも?
と、いうわけで現地です。まずは起点日向市駅付近。
貨物線との分岐点付近では日豊本線の高架化工事が行われている。
廃線跡の一部は線路用地として復活。左写真左側の茶色の部分が本線から分岐する廃線跡。
分岐部から先、左(東)へカーブして進む部分に信号機器らしき残骸が見える。(右写真)
この先の部分は新しい直線道路になっている。一部は工事中で進入禁止。
歩道に木を残し、その両側に道路という珍しい構造の部分もある。
従来からの道と、廃線跡の道。
この先、道路化工事が進んでいないところも。
線路は撤去してあるが、踏切跡には痕跡が残る。
そしてついに、唯一線路が残る踏切跡を発見。
前後の工事は進んでおり、この踏切跡の撤去も間近かも。
さらに東へ進むと、線路跡にもうひとつ信号機器らしきものが残る。(左写真)
南側(写真左側)には大駐車場を備えた真新しいショッピングセンター「ロックタウン日向」。
郊外型ショッピングセンターは全国の地方都市の商業中心となりつつあるが、鉄道とはほとんど無縁。
この付近の線路跡には枕木が残っている部分がある(右写真)。写真手前側が細島港方向。
ここの廃線跡は将来の歩道設置用地か。だが車社会の地方都市では歩行者は少ない。
小さな川を渡る部分に橋脚が残っていた。この先(写真右)細島港に至る。
このあたりには運送関連の事業所が多い。細島は昔も今も港町だが、臨港線は今はない。
休日にはショッピングセンターに多くの人々が集まる場所。周辺道路も新しく、広い。
その端に、錆び付いた鉄道信号機器。車で通過する人達の目に留まることはあるのでしょうか。
この旧国鉄細島線は全長3.5Km。1921年開業、1972年に客扱廃止して日豊本線貨物支線になる。
1989年休止、1993年廃止。地方の臨港線としては比較的最近まで現役だった路線のようです。