14.決して赤にならない信号機
〜衣浦臨海鉄道末端部〜
(愛知県碧南市)
かつては多くの工場が、資材搬入・製品出荷に鉄道を利用していた。
港や海沿いの工業団地への便宜を図るため高度成長時代には臨海鉄道が設立され多いに利用されてきた。
愛知県・衣浦湾沿岸(知多半島の東側)に衣浦臨海鉄道という鉄道会社がある。
一般にはあまりなじみがないが、当地臨海地区の工場への輸送を手がける貨物鉄道だ。
半田市内の半田線と、東浦町から高浜市を経て碧南(へきなん)市に至る碧南線がある。
いずれもJR武豊線から分岐する貨物専用線。1975〜77年に開業した比較的新しい路線。

碧南線の終点が権現崎貨物駅(上写真)。現在この線の末端部・碧南市〜権現崎間(約3Km)には列車がない。
権現崎駅は線路は一部を残して撤去され、廃線のような状態。線路が山積みになっている。

権現崎駅から分岐して近くの工場構内に向う引込線が道路と交差する部分。
道路脇の草は伸び放題。列車が通った形跡は見あたらないが踏切用信号機は生きている。
この信号が赤になることはもうないだろう。向こう側が権現崎駅。

線路は権現崎駅の北側で高架に上がる。線路はそのまま残っている。夏だと草に覆われて探索できないかも。
かつて、この線路を飼料などを積んだ貨物列車が走った。今はトラックで右側に写る立体交差の道路などを使って運ばれている。

1975年完成の立派な高架部分。もう役目を終えてしまったのか?
一方、東側(写真右側)の道路には大型トラックがひっきりなしに通っている。
廃線址探訪シリーズですが、ここは正確には廃線ではなく休止線です。ひょっとしたら休止でもなく単に「列車設定なし」の状態かも?
なお、この路線全体がこんな状態なのではなく、この先の碧南市貨物駅では碧南火力発電所への炭酸カルシウムの搬入と石炭灰の搬出を行っているようです。
新しい路線で立派な路盤ですが時代の流れは早く、末端部分はトラック輸送に切り替わりました。
踏切の信号機は、ずっと青です。
参考文献:鉄道ダイヤ情報1999年3月号(弘済出版社)
追記:当線末端部(碧南市貨物駅〜権現崎貨物駅)はその後2006年に公式廃止されました。