3.遺跡になりかけた橋

〜未完成の旧国鉄線橋脚の再出発〜

(静岡県天竜市)

★森のかけ橋完成に伴い全面改訂(2000/04/26)★

 

かつて政治的意図により採算を無視して各地に作られた旧国鉄ローカル線。その中には日の目を見ず、未完成のまま遺跡になってしまったものも多い。

昭和時代の政治の一例を示す遺跡としての価値がありますね。中には、この遺構を生かす試みも行われているようです。

 

天竜川を河口から溯ること約30Km、平地から山間に入ったあたりに船明(ふなぎら)ダムがある。

細長いダム湖はボート競技場として使われ、若者たちの威勢のいい掛け声が聞こえる。

このダム湖の上流部に、つい最近まで「幻の橋」の光景があった。

橋脚だけ一列に4基並んでいたが、その上にはなにもなかった。かつてあったわけでもない。

 

これはかつて国鉄佐久間線として建設が進められた未完成鉄道橋の遺構である。

1974年に橋脚だけ完成して以来長い間放置されていた。

ここに鉄道を通しても大赤字なのは必至。もはやこの上を鉄道が通ることはありえない。

 

そして2000年春、この橋脚を生かすことになった。自転車・歩行者専用の橋が建設された。ついに橋桁が橋脚の上に。

夢のかけ橋(北から見る) 夢のかけ橋(南から見る)

長さは500mくらいかな。周囲の山々を眺めながらの湖上散策を楽しめる。やはり橋脚は橋になってこそなんぼ。(笑)

夢のかけ橋プレート

橋は「夢のかけ橋」と名付けられた。

建設以来26年ぶりに橋脚が橋の脚となりました。遺跡になりかけたが現役復帰・・・

ん・・、現役だったことはないから何と言うべきか?しかし、めでたしめでたしとも言いきれない。

橋脚は既にあるものを利用したが、新たにお金をかけて橋を完成させたのだから

その橋を利用する者が少なければこれまた税金の無駄遣いとなってしまうのである。

 

鉄建公団プレート 橋の北側の未完成路盤

さて、ついでに橋の前後の部分も見てみよう。

左写真は橋台(橋の前後の基礎)に埋め込まれたプレート。鉄建公団の名前があり、

鉄道用として作られたのがわかる。しかし残念ながら由来を説明する案内板がなにもない。

右写真は橋の北側入口(駐車場)のすぐ先の部分。未完成のコンクリート橋と、トンネル入口が見える。

 

橋の南側の鉄道予定地は遊歩道に ダム湖の対岸にトンネル

橋の南側の部分。鉄道予定地は遊歩道になっているが300mくらいで終る。(左写真)

その先は再びダム湖と交差する。ここにも橋脚があったが撤去されている。対岸にトンネル入口が見える(右写真)

なお、旧国鉄佐久間線の遺構は天竜浜名湖鉄道・天竜二俣駅から天竜市横山までの約10Km区間に多数現存します。

 

未完成の旧国鉄線遺構の場合、巨大なコンクリートの建造物が残る場合が多い。墓標のようでもある。

遺跡と言ってもいいのだが、現役時代がないだけになんとも半端な感じがする。いつから遺構になったかもあやふやだ。

施設もわりと新しく立派で、時代の流れの中で役割を終え消えた他の廃線跡とは違う趣がある。

夢のかけ橋(東から見る)

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