45.空へと向う線路
〜旧国鉄二俣線連絡線跡〜
(愛知県豊橋市)
国鉄民営化時に多くのローカル線が廃止されました。そのうちいくつかの路線は地元の熱意により、第三セクター線として
再出発を果たしています。ただし、既存施設の見直しがあり、全てを引き継いだ訳ではありません。
静岡県最西端の駅、JR東海道線・新所原駅から西へ歩くとすぐに県境があり、愛知県に入る。
そこから線路方向を見ると、高架線路らしきものがあるが空中で区切れている。
線路反対側に廻ってみると、線路を越えた反対側(写真手前)にも高架線らしき物が見える。
その高架線は、かつてJR東海道線を斜めに越えていた。
これは新所原駅で分岐していた旧国鉄二俣線が、豊橋方面に直通していた頃の下り連絡線跡。
東海道線の上り線に支障無く線路を越えるための跨線線路だった。
当時は貨物列車もあり、ここを通ってセメントなどを運んだ。
旧二俣線は第三セクター天竜浜名湖鉄道に引き継がれたが、直通列車は廃止され連絡線の役割は終った。
登る途中で切られてしまった高架線は銀河鉄道の発射線のようでもある。
そのすぐ脇を、JR東海道線のコンテナ貨物列車が通過していった。
連絡線のコンクリート高架は跨線部分のみ。他は盛り土で、現在は深い薮。
駅から800mくらいのところで盛り土部分は地平レベルまで下がる。
再び本線に合流する直前、小さな川を渡る。ここに鉄製の橋桁が残っている。
蒸気機関車も通った線路橋にしては、少々頼りないようにも見える。
旧連絡線のうち、現役線路にかかる部分だけを撤去した状態で現在に至っています。
現役を終えた線路は、今度は夢を乗せた宇宙へのカタパルトになったようです。