16.公園を貫通するあやしいカーブ
〜ユニチカ豊橋工場専用線〜
(愛知県豊橋市)
かつて全国各地にあった貨物引込線。案外身近なところにその痕跡が残っていたりします。あやしいカーブに御用心(笑)
豊橋駅から南へ4kmほどの場所に、高師緑地公園がある。
松林に囲まれた緑豊かな公園だ。四季を通じて市民の憩いの場となっている。
公園内には何本か遊歩道があるが、その中に1本だけゆるやかなカーブの道を発見。
このような道を、鉄道廃線探訪ファンの言葉では、「あやしいカーブ」と言ったりする。
この道を進むと、地形的に低い部分も盛り土にて通過している。ますますあやしい。(左写真)
さらに行くと公園の端に出るが、道路を隔てた向こう側もあやしい雰囲気だ。(右写真)
道路を渡ってみる。ななんと、線路を発見!
100m程でまた道路にぶつかり、その向こう側のユニチカ豊橋工場内に続いている。
この道は、ユニチカ豊橋工場専用線址であることは明らかだ。頭上には架線柱も残っている。
この部分は現在ユニチカの資材搬入用道路になっているようだ。線路脇は小さな畑になっている。
工場内の取材は出来ないので引き返し、公園反対側に行ってみよう。
この道が公園内から出る部分には、豊橋鉄道渥美線が走っている。
写真右側が公園だが、線路の分岐がある。引込線址かな?画面向こう側が豊橋駅方面(北方向)。
この分岐線は50mほどで行き止まり。車両留置または非常用に残していると思われます。
その分岐点から約50m南側に、高師駅があります。左写真の後方の森が高師緑地公園。
ユニチカ専用線が生きていた時代にはこの駅で貨物列車の中継が行われた名残か
構内には線路が何本かあります。かつて活躍していた旧型電車が静かに佇んでいました。
近現代産業遺構というとちょっと大袈裟かもしれないけど、身近なこんな場所にかつての貨物列車を思い浮かべるのも一興でしょう。
また、この高師緑地公園の森はこのあたりの開拓前の姿を唯一伝えるものでもあるそうです。