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久遠の絆 再臨詔

発売元:Fog


概要・・・
Fogより発売されたシネマティックノベルです。

現代と平安時代・元禄時代・幕末の3つの時代をまたいで、土蜘蛛やら神剣を巡る日本神話をモチーフにした物語が展開されます。

主人公は妹のような従兄弟の斎栞の家に居候している普通の高校生です。しかし、美貌の転校生高原万葉が現れた時から状況が変化します。担任の女教師常磐沙夜の昏倒、クラスメート吉川絵里の豹変、繰り返される悪夢・・・。「過去の体験に原因がある」と感じた主人公は、ミステリアスな先輩天野聡子のいざないをきっかけとして、平安時代・元禄期・幕末の3つの時代における自分自身の姿を追体験していき・・・、

1998年にプレステで「久遠の絆」が発売されたのをオリジナルとして、2000年には「再臨詔編」と呼ばれるシナリオを追加した「久遠の絆 再臨詔」がドリームキャストに移植、更に2002年の7月18日にプレステ2にて「久遠の絆 再臨詔」が移植されました。


巫女さんあれこれ・・・
さて、肝心の巫女さんですが、実は3人のヒロインがどこかの時代では巫女をやってます。

まず平安編では、斎栞の前世「桐子」と常磐沙夜の前世「泰子」が緋袴に小袖という巫女装束(?)で登場します。彼女ら二人はそれぞれ「魂鎮めの巫女」と「魂振りの巫女」という対を成す存在で、前世の記憶に覚醒した後は、現代編でもその力を振るいます。

また、メインヒロインの高原万葉については、残念ながら平安編では巫女装束で登場しません。もちろん十二単で登場しますので、下には小袖と緋袴を着ているのですが、それはそれ、ここではおいておきます。 しかし、その代わりに幕末編の澪はそのものずばり巫女さんです。

以上のように、ヒロインは3人とも、いずれかの時代では巫女さんを行ってます。さて、「巫女さんを紹介する」という企画の意図から考えると巫女さんが登場する時代のみを語るのが正しいのかもしれません。しかし、転生ものという特性上、一つの時代のみについて語っても、それぞれのキャラクターの魅力はわかりづらいです。そこで、現代編を軸にしてすべての時代を通して書くことにします。



私は……世界より貴方がほしい…… 「高原万葉」

ガラス細工のように整った美貌と感情を押し殺した表情から、ミステリアスな印象を漂わせている久遠の絆のメインヒロインです。 平安編では田舎に住むお金持ちの娘 蛍、元禄編では吉原の遊女綾、幕末編では名無しの巫女澪でした。

なお、万葉に限った話ではありませんが、時代ごとに性格付けが微妙に異なってます。綾と澪はどちらかというと受動的自分の陥った境遇に流されてますが、平安編の蛍と現代編の万葉は能動的で、良くも悪くも自分の運命を自分で切り開いていきます。また、その容貌についても、触れれば壊れてしまいそうな儚げさを感じさせる綾・澪に対して、蛍と万葉はどこか一本芯の通った透き通るような美貌を持っています。

ここら辺の違いは物語の流れに起因するものかと思います。蛍が取った思い切った行動が発端になり物語が始まり、その影響によって自分自身が流されているのが元禄編と幕末編で、現代編の万葉がその流れを断ち切るということでしょう。

平安時代から、何度も巡り合って互いに愛し合ってきた主人公に対して、今生でも巡り合うことが出来ました。しかし、主人公は前世とはまったく違う存在になっているかも知れないし、全く別の人に心変わりしているかもしれない。確かめるのは怖いけれども、確かめないことには前に進めない。そんな葛藤が彼女のシナリオの見所かと思います。

私も刺し殺されるぐらい愛されてみたい・・・。


にいさま…大好き 「斎栞」

平安編では加茂家の姫桐子、元禄編では道場の一人娘菊野として登場します。

まだまだ若々しい母親斎節子と一緒に暮らしてます。主人公はこの家庭に居候していて、朝は毎晩のように栞を起こしに行きます。ここらへんは痛いほどお約束ですよね♪

平安編では桐子として登場します。彼女は主人公たちの妹のような間柄で、細やかな優しさで周囲を励まし、また周囲の人々も彼女をかけがえのない存在としてかわいがってます。また、元禄編の菊野は、道場の一人娘として、元気一杯に振舞ってます。

主人公に近い立場にいるのだけれども、近い立場にいるがゆえに恋心を意識させることが出来ない。そうしている間にも、どこからともなく現れた良くわからない女(万葉)が主人公のことを狙っている・・・。そんな焦燥感が、すごく健気でかわいらしいです。

側にいるだけで安心させてくれる・・・、そんな女の子です。


行きなさい…いい子ね… 「常磐沙夜」

高校の教師で、新学期から主人公のクラスの担任になります。大人の女性としての色香と優しさ、そして知性を漂わせています。しかし、生徒たちの度を越えた悪ふざけに対しては毅然として叱ることもあり、そこらへんも含めて生徒からは人気があります。

平安編の泰子も現代編と同様に年上の女性で、主人公や桐子の母親のような存在で、主人公を見守っていきます。また逆に、幕末編の観樹は逆に主人公よりも大幅に年下で、とある事情から巫女 澪の命を付けねらっています。年齢を超えた愛がテーマだとか・・・。(笑)

さて、一見した印象では落ち着いた大人の印象を受ける彼女ですが、内面では、自分自身の持った特殊な力と性質に苦悩しています。そして、ここら辺の二面性こそが、このキャラクターの魅力かと思います。

「普段は落ち着いた魅力の大人の女性なのだけれども、実は内面には深い懊悩を抱えていて、それを理解して受け止めてあげられるのは自分しかいない・・・。」

ここでがんばらなきゃ、漢はありません!!


雑談

実は私、悲劇が好きなんですよね。でもそれ以上にハッピーエンドが好きなだったりもします。しかし、悲劇とハッピーエンドは背反な事象ですから、両方の要素を兼ね備えたストーリーにはなかなかお目にかかれません。そして、その数少ない例外がこういう転生物かと思います。仮に前世が不幸だったとしたら、今生ではそれを糧にして幸せになりたい and 彼女を幸せにしたいですよね!!

多くのゲームでは、お互いの気持ちを確認して結ばれることをストーリーの最終目標としています。しかし久遠の絆の場合は、お互いに愛し合ってしまったがための苦悩や葛藤をテーマにしています。いわば、一組の男女が結ばれたところが出発点なわけで、そこら辺が他の多くのそれ系ゲームとは一線を画しています。 お互いに愛し合っていればそれですぐに幸せになれるほど世の中は甘くないです。だからこそ厳しい世の中を手を取り合いながら乗り越えていくというストーリーには燃えるものがあります♪

というわけで、私自身のつぼにぴったりとはまってしまった作品です。

PS2版も発売されたことですし、ぜひとも楽しんでくださいな。


追伸・・・
基本的に浮気が許されないタイプのシステムです。ですから、ゲームをする前に好きなキャラを一人に絞り、そのキャラクターのみに愛を捧げましょう。

それからこのゲーム、やたらと時間がかかります。私が始めてやったときは、トゥルーエンディングルートで、40時間ほどかかりました。しかも、経験上、途中でやめられなくなる公算も高いので、2・3日家にこもるつもりで遊ぶのをお勧めします。