ボトックス®治療
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患者様各位
患者様各位
近い将来、コロナウィルス感染拡大に対する緊急事態宣言は解除に向かうと考えられます。
しかしながら、すぐにこのウィルスが消滅して我々の日常が安全になるわけではありません。いま、私たちがこのウィルスと戦う手段は、密接、密集、密閉の3密を防ぐことのみです。そこで、当クリニックでは、通院、通勤の混雑を少しでも避ける目的に6月1日より朝の受付時間を以下のように変更させていただくことといたしました。
火曜日から金曜日は9時30分、土曜日はこれまで通り8時30分より受付開始。
ご協力、ご理解お願いいたします。
令和2年5月20日 院長 長沼芳和
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はじめに
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ボトックス®は、注射した局所の筋肉を弛緩させ、発汗を止める作用のある薬剤です。
すでに、この薬剤を用いて筋肉の異常運動、腋窩の多汗を緩和する治療が確立されており、多くの患者さんの苦痛を取り除くことに成功しています。
近年、ボトックス®の持つ力を応用して額や目じりのシワ、歯ぎしり、胸郭出口症候群等の症状にも有効なことが知られるようになりました。これらの悩みをお持ちで、ボトックス®治療を受けてみたいとお考えの方は、以下の説明(注意事項含む)を良くお読みいただき、内容を十分理解したうえで治療に臨まれることをお願いいたします。
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ボトックス®について
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ボトックス®とは
ボトックス®とはアラガン社の製造によるボツリヌス菌から抽出した毒素を精製した薬品です。少量のボトックス®を注射すると、局所の筋肉の動きを止めることが出来ます。また、汗腺にも作用して発汗を促す神経を遮断します。
ボトックス®の効果は注射をしてから3~4日目より現れます。個人差はありますが、上随意運動の場合3~4ヶ月、腋窩多汗症の場合6~7ヶ月持続します。したがって効果を維持するためには、繰り返して治療を受ける必要があります。
ボトックス®の副作用
ボトックス®の副作用は、注射を打つ場所により異なります。たとえば瞼に注射をすると目が閉じにくくなったり、乾いた感じがしたりします。肩や腕の筋肉に注射すると脱力感を生じます。また、まれに軽い倦怠感や微熱が出ることがあります。アレルギーについての報告は極めてまれですが、初めて注射を受ける方は20~30分休憩していただき、異常の無いことを確認してから帰宅していただきます。
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当クリニックでのボトックス®治療実績
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当クリニックでは、厚生労働省の認める上随意運動疾患および腋窩多汗症に対して積極的にボトックス®療法を行って参りました。
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ボトックス®治療の可能な疾患
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1.顔面痙攣
2.眼瞼痙攣
3.痙性斜頚
4.わきの多汗症(腋窩多汗症) アラガン社Webサイトよりわきから大量の汗が出て、衣朊に大きなしみを作ってしまう腋窩多汗症の治療法です。腋臭症(わきが)の治療法ではありません。
ボトックス®による発汗停止の効果は6~7ヶ月間持続しますので、薄着になる初夏に治療を受けて、秋まで快適に過ごすという利用の仕方を提案いたします。
ボトックス®を皮膚に注射すると針先の周囲5mmほどの範囲の汗が止まります。したがって注射は1cm間隔で打たなければならず、体格にもよりますが両方の腋で60~80箇所(合計100単位のボトックス®)の注射が必要となります。注射の前に皮膚に局所麻酔をしておくと注射の苦痛を軽くすることが出来ます。わきの汗が減ると、顔や首筋の汗が多少増える場合があります。
ボトックス®以外の腋窩多汗症の治療としては、制汗剤の塗布、交感神経切断、美容外科的に手術する方法があります。交感神経遮断では、その効果は上完全なことが多く、治療に伴って現れた副作用は生涯続くという問題があります。美容外科的な方法では、わきの汗を止めることは可能ですが、大きな傷跡が残る欠点があります。
5.目じりや額のシワ | ↓ |  | アラガン社Webサイトより |
通常、目じりのシワには左右2~3箇所、額のしわには4箇所、眉間には2~4箇所のボトックス®を注射します。効果は1週間ほどすると現れ3~4ヶ月持続します。
ボトックス®を打ったところは、こわばりを生じるため、最初は控えめな量で行うことをお勧めします。瞼の近くを注射すると目が閉じにくくなることがありますが、3~4週間で治ります。治療に際しては細い注射針を使用しますが、顔面は血管の豊富なところですから内出血する場合があります。これは1~2週間で自然に消えます。
6.その他の疾患痙縮、歯ぎしり、胸郭出口症候群など
欧米では偏頭痛の予防や激しい肩こりなどにもボトックス®が使われています。
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注意事項▽必読▽
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ボトックス®は非常に高価な薬剤です
国内での価格は1本(100単位)が約9万円となっており、保険診療で上随意運動の治療を受ける場合も約3万円の個人負担となっています。
健康保険が適用されない疾患があります
日本では、ボトックス®注射は6つの疾患(顔面痙攣、眼瞼痙攣、痙性斜頚、腋窩多汗症、痙縮、斜視)のみに保険適応がみとめられており、それ以外の目的での使用は健康保険の利かない自由診療となります。
※自由診療となる場合の料金
目じりや額のシワ | 30,000円 |
その他疾患 | 50単位未満 | 30,000円 |
50~100単位 | 60,000円 |
※疾患により使用量は異なりますが、胸郭出口症候群では片側20単位、歯ぎしりやでは片側30~40単位、肩こりでは80~100単位を使うのが標準的です。
同意書の記入をお願いいたします
ボトックス®注射について効果、副作用の説明をいたします。治療前に同意書にサインしていただくことをお願いいたします。
類似品に注意
当クリニックで使用するボトックス®は、アラガン社製の純正品です。市中には中国製や韓国製のボツリヌス毒素製剤が出回っていますが、上純物が混入していることから皮膚炎やアレルギーなどのトラブルを多数生じているようです。
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