近視
チュ−リップ 近視は病気ではありません。遠視、乱視もそうです。ただ、それらが特に強い場合、いくつかの障害を起こすことがあります。そのときは注意が必要です。

近視が強いと網膜剥離を生じやすい状態であったり、網膜・脈絡膜萎縮が進行して視力が低下したり、黄斑円孔を生じたり、あるいは眼球が内転して動かなくなってしまうことがあります。遠視や乱視が強い場合には、それだけで弱視になることもありますし、遠視が強いと内斜視を生じることもあります。また左右の屈折(遠視、近視、乱視の度合)に差があり過ぎる(例えば右眼は近視で、左眼は強い遠視など)と弱視を生じることがあります。

両眼とも同程度のそれほど強くない近視であれば、何も心配することはありません。正しい眼鏡を装用し、姿勢を正して勉強しましょう。ご両親が無闇に眼鏡を嫌ったりすると、敏感な子供の心は頼りにしているご両親の心を読みとって、眼鏡を余計に嫌うようになります。どこもかしこもすっきり見えるようにして、大切な多感な少年時代を思いっ切り楽しませてあげましょう。


        ■平成17年2月8日更新






老視
調節力とは、どこまで近くを見ることができるかということで、この力が衰えてくると近くが見にくくなり、いわゆる老眼という状態になります。これは、眼の中にある水晶体というピント合わせをしているレンズの弾性力が低下することにより起こります。

この調節力の衰えは全ての人にほぼ同程度に現れますが、その人の持っている元々の近視、遠視の度合によってその現れ方に違いが生じます。近視でも遠視でもない人(正視)では、40歳頃から近見障害(新聞の字など、近くのものが見にくくなること)が出始めます。近視や強い遠視で眼鏡をかけている人では、眼鏡をかけた状態では正視とほぼ同じ状態ですから、眼鏡上では同様に40歳頃から近見障害が出始めます。

正視
左は、正視の人の眼です。その下は遠視の人の眼です。遠視眼で網膜上に像を結ぶためには、調節する(水晶体を分厚くする)か、凸レンズ(眼鏡、コンタクトレンズなど)を用いて屈折させる必要があります。




遠視 眼鏡なしで遠くがよく見える軽い遠視の人では、遠くを見るときにも知らず知らずのうちに調節力を使っています。ですから近くを見るときには、正視の人よりもさらに力を必要とします。そのため近見障害は、正視の人、近視や強い遠視で眼鏡をかけている人よりも少し早く感じることになります。このような軽い遠視の人では、さらに高齢になり遠方を見るのに必要な調節力もなくなると、眼鏡なしでは遠くも見えにくくなることがあります。

調節力がなくなるのは、髪の毛が白くなったり、しわが増えたりするのと同じことです。無理をして眼鏡をかけないでいると、眼精疲労が起こり、眼が痛い、頭が痛い、肩が凝るなどの症状が出てきます。自分の眼をいたわるために眼鏡をかけて、読書に、手芸に、絵画に、近見ライフを楽しんでください。


        ■平成17年1月13日更新






飛蚊症(ひぶんしょう)
硝子体
左は眼球の断面図です。

眼球の中には、硝子体と呼ばれる玉子の白身のようなものがつまっています。99%の水と1%の蛋白質の線維でできています。

この硝子体中に濁りがあると、それを飛蚊症として自覚するのです。


飛蚊症とは、青空や白い壁、白い紙などを見ているときに、ふと目の前に黒い点や糸屑、虫が飛んで見える現象のことです。目を動かすと、目の動きにわずかに遅れて移動します。

濁りの原因により、@生理的飛蚊症(病気ではありません)、A後部硝子体剥離(加齢現象で病気ではありません)、B出血などの病的なものに分けられます。


液化硝子体
@生理的飛蚊症

血管のなごりが硝子体中に残存したり、加齢にともなって水分と硝子体線維とが分離してできた硝子体ポケット(左図)があると、それらが硝子体の中の濁りとなって見えることがあります。


後部硝子体剥離 A後部硝子体剥離
40歳以降にみられる飛蚊症のうち、最も頻度の高いものです。
老化などによって硝子体の液化が進行すると、硝子体全体が収縮して硝子体線維と液体成分とに分離します。 収縮した硝子体は網膜から剥がれますが、視神経乳頭付近は特に強く接着していて、接着剤の役割をしていたものが混濁として硝子体にくっついて剥がれます。
これも老化現象のひとつであって、病気ではありません。


B出血などの病的なもの

網膜裂孔が生じたり、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症によりできた新生血管が破綻した場合などにみられます。治療が必要ですが、頻度は後部硝子体剥離に比べるとずっと少ないものです。

以下に、最も頻度の高い後部硝子体剥離による飛蚊症例をいくつかお示しします。


          
後部硝子体剥離



左の写真では、ちょうど視神経乳頭部にくっついていたと思われる円形から馬蹄形の混濁が見えます。


後部硝子体剥離



蟷螂のような、天女のような混濁。


        
後部硝子体剥離



アルファベットのSの形の混濁。
後部硝子体剥離



ハート型の混濁に続いて、硝子体線維の影が見えます。


        
後部硝子体剥離



まさに虫のような形の混濁。飛蚊症という名は、ここからきています。
後部硝子体剥離



かなり大きな混濁ですが、これも加齢変化によるもので心配ありません。


ここでお示ししましたように、大抵の飛蚊症は病的なものではなく、生理的な、あるいは加齢変化によるものです。ただ、頻度としてはごく少ないものの、網膜裂孔(網膜に開いた穴)や新生血管からの出血による場合もありますから、飛蚊症が生じたら眼科を受診してみてください。



        ■平成16年12月15日更新






 
乱視
ワインボトル



左の写真は、空になった透明のワインボトルに水を満たしたものです。
乱視 このボトルを通して格子を見ると、横方向の線はそのままの同じ幅で見えていますが、縦の線は横方向に広がって見えます。

このように、どの方向にもぼやけるのではなく、一方向だけがぼやけて見えるのが乱視です。通常、角膜の歪みのために生じます。

これを矯正するには、この水を満たしたワインボトルと同様の働きをする円柱レンズを用います。


        ■平成16年11月22日更新






 
巨大乳頭結膜炎
巨大乳頭結膜炎
巨大乳頭結膜炎は主にソフトコンタクトレンズ装用中に見られる慢性アレルギー性疾患ですが、時にハードコンタクトレンズ装用者にも見られることがあります。

左の写真は、ハードコンタクトレンズ装用中に生じたものです。
巨大乳頭結膜炎治療後
基本的には、コンタクトレンズの装用を中止することが大切です。

ただこの方はコンタクトレンズを中止することができず、コンタクトレンズを装用したままで点眼治療を続けました。

きちんと治療し通院していただき、治療開始後1.5ヵ月でかなり改善しました。


        ■平成16年10月27日更新






 
先天性鼻涙管閉塞症
先天性鼻涙管閉塞症 涙腺から分泌された涙は、角膜を潤し、栄養し、洗浄したあと、上下のまぶたにある涙点から鼻、喉へと流れていきます。この流れが先天的に閉塞しているのが、先天性鼻涙管閉塞症です。先天性鼻涙管閉塞があると涙がうまく流れないため、生直後から流涙、眼脂(めやに)などの症状が現れます。

自然に治ることがあるので生後3カ月くらいまでは様子をみても構いませんが、できれば生後2カ月(少なくとも生後3カ月)の時点で眼科を受診してください。ブジーで比較的容易に治すことが可能です。受診が遅れると赤ちゃんは急速に大きく力強くなるだけでなく、可愛い目で見つめるようになりますから治療がしづらくなります。


        ■平成16年10月26日更新






 
失明の原因疾患
糖尿病網膜症
失明の原因疾患に、糖尿病網膜症と緑内障があります。かなり病態が進行してからでないと自覚症状が現れないため、発見が遅れてしまうからです。

左図は糖尿病網膜症ですが、こんなに出血していても自覚症状はありません。
糖尿病と診断されていれば、自覚症状がなくても定期的に眼科を受診してください。
緑内障眼底

緑内障の眼底です。

かなり視神経萎縮が進んでおり、視野の欠損も広範囲に認められるのですが、それでも自覚症状がありませんでした。

40歳を過ぎたら、まず検診を受け、緑内障、あるいは高眼圧症と診断されたら、定期的に眼科を受診してください。


        ■平成16年3月29日更新






 
自分でできる視力検査
視力表

視力表を用いて測定するものだけが視力検査ではありません。自分で簡単にできる視力検査もあります。

まず、片眼ずつで見てください。どちらかの眼が見えにくくなってませんか?両方の眼で見たときにはよく見えると思っていても、片眼ずつで見ると案外見えていなかったりするものです。

さらにこのとき、近くのものが見えにくいのか、遠くのものが見えにくいのかも確かめてみましょう。


        ■平成16年3月12日更新

        


 
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