会社法

最低資本金制度の撤廃

(会社法改正による最低資本金制度の撤廃について)



     会社の設立に際して出資すべき額につき、従来は最低資本金について法による規制がありました。
     この規制は、会社の債権者を保護するために設けられたものです。
     
     しかし、実態としてこの規制は会社債権者保護に役立っているところは少ない、と言われていました。
     また、起業や新規事業の参入を妨げる原因となっていました。
     
     そこで、今回の改正で、最低資本金額の規制はなくなりました。
     そのかわり、設立時には、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」を定めることに
     なりました。
     (従来の商法・有限会社法の特例法により、いわゆる「一円起業」が可能でしたが、
     この特例は期限付きであり、設立から5年が経過する前に最低資本金額まで資本金を
     増加させなければならないとされていました。)


     従来、商法では、会社設立の際に出資金の払い込みが確実になされるようにするため、
     規制がありました。
     
     今回の改正で、発起設立の場合には、その規制が緩和されました。
     (募集設立の場合は、従来どおりの規制があります。株式引受人を保護するためです。)
     発起設立の場合、発起人は、株式を引き受けた後、各自が引き受けた株式の発行価額の全額を、
     遅滞なく払込取扱機関に対し払い込まなければならないとされています。
     
     そして、この払い込みがあることの証明のためには、払込取扱機関の発行する
     株式払込金保管証明書が必要でした。
     しかし、この証明書の発行にはかなりの時間がかかります。(2ヶ月かかることもあるそうです。)
     
     今回の改正で、発起設立の場合には、払い込みの証明としては残高証明で足りるということに
     なりました。
     残高証明書は、1週間程度で発行されるので、これまでよりも迅速な会社設立ができる
     ようになります。


     設立時の最低資本金制度の撤廃と、発起設立の場合の払込証明方法の簡易化により、
     株式会社の設立が容易にできるようになります。
     起業・独立を考えている人にとっては、とても有意義な改正です。
     
     他方、会社と取引をして会社債権者となる人にとっては、リスクが増大します。
     会社と取引をする人は、相手方の同一性の確認や財務状況の確認が必要となってきます。
     取引の相手方が財務状況をチェックできるようにするためという理由もあって、
     株式会社は、その規模や機関設計のあり方にかかわらず、決算公告が必要とされました。
     
     新しい会社法の下では、有限会社と同じような機関設計の株式会社を設立できますが、
     そのような会社であっても、決算公告が必要ということになります。
     (従来から株式会社は決算公告をする必要がありましたが、中小会社においては
     ほとんどこの規制は守られていません。有限会社は公告をする必要はありません。)


会社法 会社法改正の概要」[有限会社法の廃止」についてのページもあります。



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