ネプロス処理ABC

1.表面処理技術を『寸法の増減』で分類してみよう

 

表面処理には様々な種類があります。

例えば『ペンキを塗る』のだって、立派な表面処理技術ですし、金属たわしでゴシゴシこすってゴツゴツとした赤錆を落とすのだって表面処理です。

金属の表面に物理的・化学的になんらかの処理を施すとき、処理前と処理後の寸法(または重量)に注目すると、大きく3つに大別できます。

大きくなる、重くなる、いわば『太るグループ』、まったく変わらないか変わったとしてもほんの少しだけの、いわば『ほとんど変わらないグループ』、小さくなる、軽くなる、いわば『痩せるグループ』の3つです。

先ほどの『ペンキ塗り』は『太るグループ』、『錆び落とし』は『痩せるグループ』と言えるでしょう。

 

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abc_1.gif (60373 バイト)『太るグループ』には、『塗布』とか『鍍金』とか『コーティング(CVD・PVDなど)』などが含まれ、簡単にいえば素地の上に何かを乗せる(貼り付ける)技術です。

ここで、ちょっとしか乗せない極薄の鍍金などの場合、寸法上も見た目上もほとんど変わらないように感じますが、『何かを付加している』という意味で『太るグループ』とします。

 

『ほとんど変わらないグループ』には、『不動態化』とか『窒化(ちっか)』とか『焼き入れ』などが含まれ、寸法上はほとんど変わりません。

これら技術は酸素や窒素を取り込んで酸化・窒化して、厳密にいえば重量も寸法も大きくはなっていますが、分子レベル・原子レベルでの増量であって、金属表面の組成や界面の『改質』をしていると言えるでしょう。

 

『痩せるグループ』には、『○○研磨』と呼ばれるものが含まれます。

『バフ研磨』『バレル研磨』『ラッピング』『電解研磨』『化学研磨』など、いずれも『削る』工程を経て処理後に寸法が小さくなります。

削る目的は、たいていの場合は表面の粗度改善で、i-Podのピカピカ鏡面は『バフ研磨』です。

また『痩せるグループ』の技術は少なからず必ず寸法が小さくなってしまうため、失敗したときには元に戻せない(やり直しがきかない)というリスクを併せ持っているのも特徴です。

 

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