和カフェ




”和”をテーマにした全曲オリジナル作品集です。

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竹林に静かに降り注ぐ雨
雪解け水の冷たくも暖かい柔らかい流れ
風に揺れてきらきらと光を反射する葉上の雫
”和”は、すばらしい繊細な世界を持っています。

しかし、それを音楽で表現するにはどうすればよいか、長年その方法を求めていました。
”和”だからといって和楽器を使えば良いと言うわけではありません。
また、”和の音階”を使えば良いというのでもありません。
例えば、和の旋法を琴の音で演奏すれば、簡単に”和の音”になります。
もっと言えば、琴の音で演奏しさえすれば
クラシック曲でもポピュラー曲でも、何でも簡単に”和の音”になります。
けれど、それでは”繊細な世界”を作り出すことは出来ません。

繊細な世界を作り出すには”常なるものはない”と、”未完の美”という二つの考え方が必要だと思います。
作曲する際、この二つのことをいつも考えながら制作を進めました。

CDには書かなかった、曲ごとの解説を以下に書きました


収録曲と解説


1. かしごころ 〜和心〜

ピアノとウッドベースがメインとなって曲が進行します。
”曲進行”の単位は通常、”小節”が使われます。
ですが、この曲は小節の概念を持っていません。
この曲は、「あるフレーズが聞こえたらそのフレーズの響きを感じながら、
次のフレーズを感覚的なタイミングで演奏する」
というように作りました。



2. ひらひら 〜花片〜

瑞々しさを湛えた葉や枝が風にひらひら揺れてきらきらと光る情景を、
ピアノをメインとした音楽で表現しました。
日本人は昔からこういった小さな自然の中に美を感じてきたことは
万葉集などの古い歌などからも伺い知ることが出来ます。



3. なめらか 〜春水〜

水粒を踊らせながら絶えず変化する緩やかな春水の流れを、
シンセサイザーの和音と短い点描的な音を使って描写しています。
また、この曲は最初から最後までひとつの和音でできています。
そうすることで水がすぐ手の届くところにある感じを表そうとしています。


4. しぐれ 〜竹時雨〜

竹林一面に静かに降りかかる雨の情景をピアノを主に使って表現しました。
竹の葉はどれも同じ形をしていますが、
コピー機で複製したようにはなっていません。
この曲も同様で、4音の同じような下降アルペジオ音型の繰り返しで曲が出来ているのですが、
次の音との隙間や音の弱さなどが微妙に変化して、同じ演奏は二つとありません。
時折、ピアノの和音が入りますが、和音の各音は同時に演奏されていません。
少しだけずれています。
きっかり同じタイミングで弾いてしまうと美しい響きは得られません。



5. あるままに 〜野花〜

野に咲く花々を想像してみましょう。風や虫たちは花粉を遠くまで運んでくれるでしょう。
けれど、日照りや嵐のような天候は野の花たちには過酷なものとなります。
そういう、あるがままの自然の中で生きている花たちを、和を感じさせるシンプルなメロディで表しています。
曲の後半では、日本海の荒波を想起させる津軽三味線をヒントに、
厳しい自然の中で懸命に咲いている花たちを、ソフトなタッチのピアノとハープで表現しています。



6. くつろぎ 〜関時〜

アルバム中盤にあって、ちょっと一呼吸、間奏曲的な意味合いを持っています。
もちろんこの曲も和の世界を表現しているのですが、いざ曲が出来上がってみると、
普段あまり作ったことがないジャズテイストな曲に仕上がりました。
作っている時にはただひたすら表現したい世界を描いていたのですが、
和とジャズはどこか共通するものがあるのでしょうか。


7. いにしえ 〜古舞〜

平安時代の雅の世界をフルート、ヴァイオリン、コントラバスなどの
西洋の楽器を用いて表現しました。
この曲集では琴やヒチリキなどの和楽器を一度も使っていません。
それらの楽器はとても個性が強く(日本人にとっては特にそうであるのかも…)、
その音を少しでも入れるとたちまち和の世界が立ち上がってしまい、聞き手に迫って来ます。
そういった感触はこの曲集には合いません。
和楽器を使わずに、いわゆる西洋の楽器を繊細に使って
和の世界をそこはかとなく表出させることが、この曲集の軸となる方法です。



8. わび 〜侘庭〜

庭というものは空間的に限られたものですが、
古来から日本人はそこに空間的にも時間的にも広がりを見出し、それを演出してきました。
日本古来の楽器”笙(しょう)”の特徴を借りて、その広がりを表現しています。



9. いちえ 〜一会〜

Now Writing


10. かさね 〜十二単〜

この曲集で唯一、小節の概念で出来ている曲です。
最初、4小節のリズムを刻み、それに続いてピアノが基本4小節のコードパターンを演奏して、、、という具合です。
また、西洋風の和音進行(*)を使っていますが、これがこの曲の重要なポイントとなっています。
和音とは音を重ねることです。曲のタイトルもここから取っています。
作曲後に考えたことですが、小節が進んで行くイメージは時間がかさなって行く様子とダブっているような気もします。
(*)西洋風の和音進行とは、例えばコードCの次にはFが来て、次にG7...というようなことを指しています。


全10曲