イメージから始まるフルオーダー家具

フルオーダー家具は、実物を見て選ぶでもなく、カタログもありません。心に描く「イメージ」からのスタートです。
白い紙とエンピツと、ちょっとした絵心があればだれでも「自分設計」が出来ます。

収納家具を取り付ける場所を決めましょう。吊り戸棚ならトイレの上部、洗濯機の上など、探せば案外付けられる場所はあります。
壁面収納を付けたいなら、お部屋のどの面に取り付けるか、コンセントの位置はどうか、カーテンボックスとの取り合いなどを確かめます。
次に、何を収納するかによって形状を検討します。前に述べたように、モノを見せたいのか、隠したいのか、並べたいのかによってどこを扉にするか、引き出しを付けるかなどを検討します(引き出しは目線より下の位置に設置します)。
最後に色、柄を決めます。既存の木製建具の柄に合わせたり、面積が大きい場合は、壁の色に近付けると部屋に溶け込んでよいでしょう 。
もちろん、何のアイデアを用意されなくても、お部屋を拝見した上でこちらから「たたき台」を用意してご提案します


材料のお話

家具に使われる木材のお話をします。

1、まずは「無垢材」。文字通り切り出した木をそのまま板に加工してテーブルなどに使われます。自然木の風合も値段も最高級。木材特有の反りやねじれも生じやすいので桐たんすを除けば収納家具にはあまり使われません(当社では扱っていません)

2、集成材。幅3センチほどの無垢材の木片を剥ぎ合わせて一枚の板にした材料です。木目の風合いもあり、加工もしやすく反りやねじれも生じないのでカウンタートップや造作材に広く使われます。タモやオークなどの堅木、パインなどの南洋材があります。

3、ランバーコア。間伐材などを寄せて両面にベニヤ板をサンドして一枚の板にします。900mm×1800mm(3尺×6尺)と1200mm×2400mm(4尺×8尺)の規格があります。厚みが均一の製品なので家具の本体に最も多く使われます。当社ではランバーコアを5センチの幅に割いて家具本体の「骨組み」に使っています。

4、廃材などのチップ(小さな木片)を特殊な接着剤で固めて板に形成した「パーチクルボード」同じく木の粉を固めた「MDF」があります。量産家具にはこれらが多く使われています。木ねじが利かない(割れる)や重たいなどの欠点があるので当社ではこれらはほとんど使いません。

次に、家具の表面に使われる「化粧合板」のお話です

1、ポリ合板・・・ラワン合板*の上にポリエステル樹脂をコーティングした材料で、硬度もあり、加工も容易、薬品にも強く、家具の内外に最も多く使われます。

2、メラミン化粧板・・・厚さ1mmの表面化粧材。ポリ合板よりもさらに硬度があり、耐水、耐熱性も高いので、什器のカウンタートップ、木口貼りなどあらゆるところに使われます。コストはポリ合板よりもはるかに高額。1,2ともにメーカーによるカラーバリエーションが豊富で、サンプルも充実しています。

3、天然木練り付け合板・・・無垢の天然木のごく薄い単板(剥いたものを「剥き板」、スライスしたものを「突板」)をラワンベニヤに「練り付け(貼る)」した化粧合板です。天然木そのままの風合いが出ます。必要に応じて塗装します。シナ合板もこの一種ですが、木目がないのでペンキ塗り下地には最適。低コストなので家具内部に多く使われます。

4、シート合板・・・ラワンベニヤに木目や単色の塩ビシートを貼り付けた化粧合板です。質感はポリ合板よりソフトで温かみがあります。

5、プリント合板・・木目柄などが印刷された薄い紙をラワン合板に貼られた合板です。傷や熱には弱いですが安価なのが利点です

(*ラワン合板はホームセンターでも売っているベニヤ板の事です。建築の型枠に使われるコンパネもラワン合板です。そのまま家具に使われることもありますが、化粧合板と比べると、言わば「すっぴん」の合板です.いちばん安価です。)


コストを下げるための設計のポイント 1  「寸法」

家具に使われる化粧合板には何種類かのサイズがあります。一番スタンダードで安価なのは「3×6(サブロク)板」と呼ばれる3尺(幅約90cm)×6尺(高さ約180cm)のサイズです。他にも3×7、3×8、4×8(化粧板の種類にもよる)がありますが、単価が高くなります。

家具の寸法を決めるときに、この化粧合板をいかに効率よく分取りするかがポイントになります。たとえば、家具の奥行きを45cmにすれば、3×6の板から2枚取れますが、50cmにすると、1枚しか取れず、残りの40cmが無駄になります。同じように間口90cm未満の家具の両開き扉なら、1枚の幅は45cm未満になり、無駄なく合板の分取りが出来ますが、間口100cm以上になると、家具本体も扉も4×8サイズを使うことになり、材料コストが上がります。

50cmとか100cmは、一見ちょうどよい寸法と思われがちですが、製作者からすれば実は「いやらしい寸法」なのです。なお、ここではcmで表しましたが、実際はmm単位が使われます。

コストを下げるための設計のポイント2  「形」

収納家具を構成する要素は、大きく分けて「本体(箱)」「扉」「引出し」「棚板」に分類できます。さらに家具の扉にも「開き戸」と「引き戸」があります。扉の無いオープン棚が一番低コストなのは言うまでもありません。

開き戸は本体の加工も少なく、製作コストは安上がりになります。

引き戸は狭いスペースでの開閉には便利ですが、金具などの製作コストは開き戸よりも上がり、さらに戸の厚みの分奥行きが狭くなるマイナス面もあります。

引き出しは、小物の収納には便利ですが、扉に比べて当然材料や製作コストは上がります。
家具本体をシンプルな箱にして、扉の中に市販のプラスチック製の引き出し箱を入れてしまうのも1つの方法です。

棚板は取り外しの効くダボ式可動棚にしておくと、収納物が変わった時に高さが調整出来ます。

コストを下げるための設計のポイント 3  「色、柄えらび」

色柄選びはとても大切なポイントですが、選び方によってはコストに多少の差が出てきます。単色の化粧合板は木目柄に比べて単価が安いばかりではなく、縦横どちらの方向にも裁断できるのでコスト削減になります。

例えば、3×6の合板で幅60cm×高さ90cmの材料を木取る場合、木目だと(木目を縦方向にそろえた場合)タテに2枚しか取れず、30cmの幅の「落とし(端材)」が出てしまいますが、単色だと横に3枚取ることができます。縦横同じ柄の「抽象柄」なら単色と同様の取り方が出来ますが、単価の面では単色がいちばんコストがかからないと言えます。家具内部の扉に隠れる部分は単色の「白」を使うことで一番コストを抑えられるので、こちらからまず提案させていただいています。

とは言え、木目調の家具は何と言っても落ち着いた風合いがあります。柄選びは人それぞれの好みですから、こだわりも大切ですね。

近年では、木目を横方向に使うのが好まれます。時代の反映でしょうか、成長を思わせる縦方向の木目より、水平に延びた木目は人の心を癒してくれます。

 


スケール(巻尺)は必需品

部屋の寸法や、収納するもののサイズを測るために、ご家庭でもスケールは必需品です。出来ればプロが使うようなバネ式の物が良いでしょう。3mまで測れるものなら十分です。家具の有効奥行きはゆとりを持って設計することが大切です。扉が閉まらないくらいにギッシリものを詰め込むと扉の蝶番の調子も悪くなってしまいます。

検査のポイント

具の取り付けが済んだらお客様が検査をしましょう。ゆるみなくしっかり壁に固定されているか、傷、よごれ、剥がれなどはないか、扉のずれ、可動部(引き戸や引き出しなど)はスムーズに動くか、取り付けビスの頭はキャップで処理されているか、などが検査のポイントです。疑問に感じたことはその場で尋ね、よく納得してから引渡しを受けましょう。

今までにこんな方々が・・・

個人のお客様から、これまでにこのような注文をいただきました。

*リビング一面を壁面収納にしたい・・

*既存の家具に合わせて食器棚を増設したい・・

*キッチン対面カウンターの下にピッタリの収納家具が欲しい・・

*戸建ての家を新築するので、リビング家具をオーダーしたい・・

*新築マンションのオプション家具が高すぎる・・・

*大型家具店で安い壁面棚を買って自分で組み立てて使ったが、納得が行かず自分で設計した。

*子どもの進学に合わせて、勉強机をシンプルな作り付け机にしたい・・

*賃貸マンションの各部屋の洗面所に吊り戸棚をつけて価値を高めたい(マンションオーナーの方)・・

*既存の棚に扉をつけて欲しい・・

*とにかく書籍類が多いので、空いたスペースをすべて書棚で埋めたい

など

いずれも建築やインテリアに興味がある方々で、最初からある程度のイメージをお持ちでした。是非、私の施工例やインテリア雑誌などをご覧になり、どんな収納が欲しいかをイメージしてみて下さい。