自分設計ノススメ

フルオーダー家具の醍醐味・・・それは何と言っても自分で設計できることです!

フルオーダー家具は、実物を見て選ぶでもなく、カタログもありません。「イメージ」からのスタートです。ちょっとした想像力があれば誰でも「自分設計」が出来ます。通販カタログやwebサイトの「施工例」も参考になります。
取り付ける場所を決めましょう。吊り戸棚ならトイレの上部、洗濯機の上など、探せば案外付けられる場所はあります。
壁面収納を付けたいなら、お部屋のどの壁面に取り付けるか、コンセントの位置はどうか、梁やエアコン、カーテンボックスとの取り合いなどを確かめます。
次に、何を収納するかによって形状を検討します。モノを見せたいのか、隠したいのか、並べたいのかによってどこを扉にするか、引き出しを付けるかなどを検討します(引き出しは目線より下の位置に設置します)。収納したいモノの寸法をきちんと測っておきましょう。
最後にこちらで提示するサンプルから色、柄を決めます。既存の木製建具の柄に合わせたり、面積が大きい場合は、壁の色に近付けると部屋に溶け込んでよいでしょう 。
また、どうしたらよいかわからない場合は、お部屋を拝見した上でこちらから「たたき台」の図面を用意してご提案します。

家具の表面に使われる「化粧合板」について

1、ポリ合板・・・ラワン合板の上にポリエステル樹脂をコーティングした材料で、硬度もあり、加工も容易、薬品にも強く、家具の内外に最も多く使われます。
2、メラミン化粧板・・・厚さ約1mmの表面化粧材。ポリ合板よりもさらに硬度があり、耐水、耐熱性も高いので、カウンタートップ、木口貼りなどあらゆるところに使われます。単価はポリ合板よりもずっと高額です。ポリ合板もメラミン化粧板も各メーカーによるカラーバリエーションが豊富で、サンプルも充実しています。均一な質感、柄で強度、耐久性にも優れているので、ショッピングモールの店舗家具や表面の造作仕上げ材にはほとんどこのメラミン化粧板が使われています。なお、ポリ合板とメラミン化粧板は同じ品番で柄を揃えているのがほとんどです。
3、天然木練り付け合板・・・無垢の天然木のごく薄い単板(剥いたものを「剥き板」、スライスしたものを「突板」)をラワンベニヤに「練り付け(貼る)」した化粧合板です。天然木そのままの風合いが出ます。必要に応じて塗装します。シナ合板もこの一種ですが、木目なないのでペンキ塗り下地には最適。低コストなので家具内部に多く使われます。
4、シート合板・・・ラワン合板に木目や単色の塩ビシート(オレフィンシート)を貼り付けた化粧合板です。質感はポリ合板よりソフトで温かみがあります。
5、プリント合板・・木目柄などが印刷された薄い紙をラワン合板に貼られた合板です。傷や熱には弱いですが安価なのが利点です。

フラッシュ家具(フラッシュ工法)とは?
芯材(当社ではランバーコア)をハシゴ状に組んで骨組みを作り、そこに合板を貼り合わせて作る「フラッシュ板」を構成材としてくみ上げた家具です。当社のオーダー家具本体はすべてフラッシュ工法で製作しています。

フラッシュ家具のメリット

*全体的に軽いので、大きな壁面収納家具をつけても建物への負担が小さい。運搬も容易 。
*材料のロスが少ないのでコストダウンが図れる。
*あらゆる化粧板の色柄に対応できる。塗装コストがかからない

フラッシュ家具のデメリット
*フラッシュ板を作る工程で*プレス機が必要になる 。  (*芯材と化粧板を接着した状態で圧力をかけ続ける大型機械)
*製作図を見てフラッシュ板の芯材を組み立てるには熟練が必要になる。
*芯材組という工程が増えるので量産には向かない。
すなわち、お客様にはメリットしかないのです

コストを下げるための設計のポイント 1  「寸法」
家具に使われる化粧合板には何種類かのサイズがあります。一番スタンダードのは「3×6(サブロク)板」と呼ばれる3尺(幅約90cm)×6尺(高さ約180cm)のサイズです。他にも3×7、3×8、4×8(化粧板の種類にもよる)がありますが、単価が高くなります。
家具の寸法を決めるときに、この化粧合板をいかに効率よく分取りするかがポイントになります。たとえば、家具の奥行きを45cmにすれば、3×6の板から2枚取れますが、50cmにすると、1枚しか取れず、残りの40cmが無駄になります。同じように間口90cm未満の家具の両開き扉なら、1枚の幅は45cm未満になり、無駄なく合板の分取りが出来ますが、間口100cm以上になると、家具本体も扉も4×8サイズを使うことになり、材料コストが上がります。
50cmとか100cmは、一見ちょうどよい寸法と思われがちですが、製作者からすれば実は「いやらしい寸法」なのです。なお、ここではcmで表しましたが、実際はmm単位が使われます。

コストを下げるための設計のポイント 2  「形、機能」
収納家具を構成する要素は、大きく分けて「本体(箱)」「扉」「引出し」「棚板」に分類できます。さらに家具の扉にも「開き戸」と「引き戸」があります。
開き戸は本体の加工も少なく、製作コストが比較的低く抑えられる上、フラットで違和感のないデザインになります。
引き戸は狭いスペースでの開閉には便利ですが、金具などの製作コストは開き戸よりも上がり、さらに戸の厚みの分奥行きが狭くなるマイナス面もあります。
引き出しは、小物の収納には便利ですが、さらにコストが上がります。
家具本体をシンプルな箱にして、扉の中に市販のプラスチック製の引き出し箱を入れてしまうのも1つの方法です。
棚板は取り外しの効くダボ式可動棚にしておくと、収納物が変わった時に高さが調整出来ます。

コストを下げるための設計のポイント 3  「色、柄えらび」
色柄選びはとても大切なポイントですが、選び方によってはコストに多少の差が出てきます。単色の化粧合板は木目柄に比べて単価が安いばかりではなく、縦横どちらの方向にも裁断できるのでコスト削減になります。
例えば、3×6の合板で幅60cm×高さ90cmの材料を木取る場合、木目だと(木目を縦方向にそろえた場合)タテに2枚しか取れず、30cmの幅の「落とし(端材)」が出てしまいますが、単色だと横に3枚取ることができます。縦横同じ柄の「抽象柄」なら単色と同様の取り方が出来ますが、単価の面では単色がいちばんコストがかからないと言えます。家具内部の、扉に隠れる部分は単色の「白」を使うことで一番コストを抑えられるので、こちらからまず提案させていただいています。とは言え、木目調の家具は何と言っても落ち着いた風合いがあります。柄選びは人それぞれの好みですから、こだわりも大切ですね。
近年では、木目を横方向に使うのが好まれます。時代の反映でしょうか、成長を思わせる縦方向の木目より、水平に延びた木目は人の心を癒してくれます。


スケール(巻尺)は必需品
部屋の寸法や、収納するもののサイズを測るために、ご家庭でもスケールは必需品です。出来ればプロが使うようなバネ式の物が良いでしょう。家具の有効奥行きはゆとりを持って設計することが大切です。扉が閉まらないくらいにギッシリものを詰め込むと扉の蝶番の調子も悪くなってしまいます

今までにこんな方々が・・
個人のお客様から、これまでにこのような注文をいただきました。
*リビング一面を壁面収納にしたい・・
*既存の家具に合わせて食器棚を増設したい・・
*キッチン対面カウンターの下にピッタリの収納家具が欲しい・・
*戸建ての家を新築するので、リビング家具をオーダーしたい・・
*新築マンションのオプション家具が高すぎる・・・
*大型家具店で安い壁面棚を買って自分で組み立てて使ったが、納得が行かず自分で設計した。
*子どもの進学に合わせて、勉強机をシンプルな作り付け机にしたい・・
*賃貸マンションの各部屋に造り付け家具をを設置して価値を高めたい(マンションオーナーの方)・・
*既存の棚に扉をつけて欲しい・・
*とにかく書籍類が多いので、空いたスペースをすべて書棚で埋めたい
など
いずれも建築やインテリアに興味がある方々で、最初からある程度のイメージをお持ちでした。是非、私の施工例やインテリア雑誌などをご覧になり、どんな収納が欲しいかをイメージしてみて下さい