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賃金・労働時間 <ミニ解説>             最新情報(トップ)へ  ミニ解説目次へ


2010/09/19 年俸制と人間模様
私は、質問に答えるのは比較的好き(より正確にいうと、およそ思考の形跡が見られない質問に対して答えるのが嫌なのであって、研究の形跡がうかがえる質問に答えるのは大好き)なのですが、疲れていたり、めんどくさくなっているときにボロ(失言)が出るように思います。例えば、「何故、日本では職能給制度が普及したのでしょう?」と聞かれて、「当時はそれが一番安くついたからに決まってるじゃないですか(別にこれは「うそ(誤り)」ということでもありません、「不親切」な回答をしているだけです)」とか、「何故、職能給は減少傾向に転じたのでしょうか?」という質問に対して、「高くつくようになったからに決まっているじゃないですか」みたいな具合です。

このような「ボロ」が一番出そうで「(その意味で)私にとって危険な話」が、「年俸制」の話で、これにまつわる話ほど「アホみたいな話」がでてくるのはないように思っています。「年俸制」というのは、賃金形態(賃金の支払いの形態)の一種にすぎませんので、「月給制」を「年俸制」に変えたからといって、何ら本質的な変化が生じるものではありません(例えば、「月給制」を「日給制」や「時給制」に変えたのと同じことです)。はっきりいっておきますと、「年俸制」でできることはすべて「月給制」でできます。従って、純粋理論的には「年俸制」を採用しなければならない場合などあり得ないのです。

では、この「採用しなくてもよい制度」が何故導入されたのでしょうか? 実は、そこに「人間模様」があるのです。おそらく、「年俸制」を最初に導入した人たちは、「中高年(管理職)の定期昇給(賃金上昇)を阻止」したかったのだろうと思います。ところが、それには、何らかの「口実」が必要で、それが「年俸制」だったのだろうと思います。「今後は、月給制をやめて、年俸制にする。年俸制というのはだね、今までと全く違ってすべてが業績(成績)で決まるんだ。業績がよければ給料は上がるし、悪ければ下がる。今までのように自動的に昇給になるなんて思わないでくれよ。」といった具合です(でも、別に「月給制」のままでもそうしたければそうできるんです)。

おそらく、これは、同じような悩みを抱えていた企業の一部には「クリ−ンヒット」したので、話題となり、広がりを見せていったのでしょう。しかし、これが広まるにつれ、「年俸制は今までの制度(月給制)とは全く違う制度だ」という「誤解」も拡大し、「年俸制では年に1回給料を払えばよい」とか「年俸制を採用すると残業代を払わなくてよくなる」とか「年俸制を採用するといくらでも減給できるようになる」とか「年俸制を採用すると欠勤控除ができなくなる」といった話まで登場するようになりました。

もっとも、そこまで「法律知らず」ではなくても、「ズル」を考えた人たちもいたわけで、それが、「年俸制」を導入する際に、「年俸(月給の年額)を12等分ではなく、14等分(16等分)しよう」という考えです。これは、総報酬制が導入された今となっては、全く無意味なのですが、当時は、賞与に係る保険料(特別保険料)が安かったので、月給部分の額を減らし、賞与部分の額を増やすと、保険料が安くついたのです。

もっとも、これを厚生労働省が見過ごすはずもなく、総報酬制の導入により、賞与に係る保険料率も月給に係る保険料率と同じになってこれは「徒労」に終わるのですが、厚生労働省は、前後して「引き締め(一部の企業では、年俸制が残業代未払いの口実になり始めていたという背景もあると思います)」を図りましたので、格好としては、まるで「ズルした人」に「追い打ち」がかかったかのようなかたちになりました。それが、「賞与とは、あらかじめ支給額が決まっていないものをいう。年俸制で支給額があらかじめ確定している賞与部分は賞与ではない。」という「キツーいお達し(通達)」です。

これは、「賞与込みの年俸制」を採用している場合の賞与部分は、「月給」として処理しなさいということですので、例えば、「賞与部分」は「平均賃金」の算定基礎に含めなければならず、従ってその額が高くなり、従って例えば支払わなければならない休業手当や解雇予告手当等の額が高くなるということでもありますが、一番「効いた」のは、「割増賃金」の算定基礎に算入しなければならなくなったということで、残業代が高くつくようになったということでしょう。

注)実際にどの程度の企業が「賞与込みの年俸制」を採用し、それを辞めたのかは、統計がないのでよくわかりませんが、現時点の統計でいうと、いまだにそうしている企業はごく少数派で、大部分の企業では「賞与とは別建ての年俸制」を採用していますので念のため。さらに付け加えると、「賞与込みの年俸制」を採用した企業は、賞与を事実上「月給化」してしまい、「固定給化(労働者の既得権化)」してしまいましたので、月給制における「賞与」みたいに業績等に応じて変動(減額)させることができず、その意味でも苦労していると思いますし、また、「賞与の支給日在籍要件」が通常の「賞与」みたいには適用できないことになるでしょうから、その扱いにも苦労することになると思います。

ところで、このような「人間模様」は、いろいろな場面で出てきます。詳しい話は、今後の「OURSセミナー(実務や実例を交えた小磯代表の講義)」に譲ります(社労士の方も含め、ぜひ参加して知識を広めてください)が、ここではその「予告編」として2つほどお話して、オシマイにしましょう(労働時間関係については、OURSセミナーでは全3回をかけて詳しく解説することにする予定です)。

例えば、フレックスタイム制では、欠勤控除(遅刻・早退・欠務に対する賃金カット)はできないということはご承知でしょうか? フレックスタイム制では「始業・終業の時刻を労働者に委ねた」のですから、遅刻も早退も欠務(始業開始時刻の24時間程度のズレ)もヘッタクレもないのです。カットしようとしたって、それができる仕組みにはなっていません。労働者は、清算期間(変形期間)における「総労働時間として定められた時間」を働けば事足りるのであって、それ以外のことで文句を言われるいわれはないというわけです。このことは、コアタイムを設けている場合も同様であって、コアタイムに「遅刻」したからといって「欠勤控除」できるわけではありません(ただし、服務規律違反として制裁の対象にすることは可能です)。

注)フレックスタイム制は、「きちんと時間管理できる人であること」を前提とする制度なのです。ついつい余計な深夜テレビ番組を見てしまって朝寝坊したり、放置しておくとどんどん起床時刻が遅くなり果ては昼と夜が逆転してしまう人や、決まって約束の時刻に遅刻するような人に適用するとしたら「相当の困難(支障)」を生じる制度なのです。

ところで、ある意味、フレックスタイム制よりもっと「労働者に自由を与える制度」が、みなし労働時間制です。みなし労働時間制では、「実際の労働時間にかかわらず、その時間働いたとみなした時間(みなし労働時間)労働したもの」とみなされます。そこで、例えば、専門業務型裁量労働制について、「専門業務」に該当するかどうか、はなはだ疑わしい業務に従事する労働者の業務にこれを適用し、残業代を減らそうとする「ズル」を考える「使用者」も出てくるのですが、そういうことをやっていると、同じように「ズル」をしようとする「労働者」も出てくるものです。その労働者は、例えば1日5時間しか働かないでしょう。でも、理論上はそれでかまわないのです。何故なら、実際に労働した時間にかかわらず、「みなし労働時間」働いたとみなされるのですから、これまた使用者に文句を言われるいわれはないというわけです。タイムカードを見せて「君は5時間しか働いてないじゃないか」といっても、法律上は通用しません。何故なら「みなした」以上(「推定した」わけではないのです)は、反証することはできない(たとえ、明らかに違っているのがわかっていてもくつがえせない)からです。

注)専門業務型裁量労働制(みなし労働時間制)は、「業務の時間(労働の時間)」に対して(応じて)ではなく「業務の実績(労働の成果)」に対して賃金を支払うという考え方なのです。従って、それを採用した以上(それが嫌なら採用しなければいいのです)、はっきり言って(健康管理等の側面を除き)「労働時間」なんか「どうでもいいこと」であり、「業績が上がらない(成果がでない)」ならともかく、「労働時間が足りない」などと文句をいっていはいけないのです。

ということで、人事労務管理の世界も、いろんな「人間模様」が垣間見えて面白いものだと思いません?

2010/09/15 賃金について
人事労務管理のコンサルティングも社労士の仕事の1つで、一応、(本音をいうとしぶしぶ)私もやっている(たいてい、いいたいことをポロッといってしまうので、「そんなことでは商売にならない」とよく誰かさんに怒られてるのですが)わけで、時間があれば、その辺の理論的な話とか、全体的にもう少し本質的な話とかもしたいとは思っているのですが、何せ「貧乏暇なし」ですので、なかなかその機会がありません。もっとも、今年の夏の暑さには「参った」という感じで、仕事能率は落ちるはやる気はなくなるはで、半ば「ヤククソ」で「雑談」めいた話もしたくなり、昨日に引き続き、久しぶりに「ミニ解説」ということで、今度は「賃金」の話をしてみたいと思います。

さて、「賃金」とは何でしょう? 社労士であれば、「労働の対償」という言葉が浮かぶのではないでしょうか? この「対償(『対価』ではありません)」という表現は、ある意味「的を得た表現」で、なかなか味わいのある表現です。翻訳すると、賃金は、「使用者が労働者の自由時間を奪い取ったことに対する『償い』として支払うもの」なのです。従って、賃金は、「労働させたから支払うもの=労働させなければ支払わなくてもよいもの」ではなく、「たとえ現実に労働させなくても、たとえどんなに働きが悪くても、労働者の自由時間を奪ったからには支払う必要がある性格のもの」なのです。この理解は、「労働時間」や「休憩時間(仮眠時間)」等の理解とも密接に関係してきます。例えば、「労働時間」とは単に「労働した時間」をいうのではありません。「手待時間」や「作業準備時間」なども基本的に算入されます。そして「休憩時間(仮眠時間)」といえども、「労働からの解放が保障」されていなければ「労働時間」として「賃金」の支払い対象としなければならないのです。

上記の「賃金の定義」は、賃金の「発生要件」に該当すると私は考えています。ところで、賃金は「決定要因(要件)」からも考察することができますが、こう言われて何か言葉を思い出すでしょうか? これに関しては、最低賃金法や労務管理論の記憶をたどれば、「労働者の生計費、企業の支払能力、世間相場」という3つの要因が思い浮かぶと思います。このうち、「世間相場」はどちらかというと外的要因(影響を及ぼす要因)ですので、決定的な要因は、「生計費」と「支払能力」と考えて差し支えないと私は思っています。

そしてこの「生計費」こそ、賃金の最も本質的な側面を表すものだと私は思っています。資本主義的経済活動が行われるためには、労働力商品が不可欠であり、そうである以上それは再生産されなければなりません。再生産されるためには、それなりの費用がかかります。その費用が「労働者の生計費(生活費)」であり、賃金の本質です。このことは、職種別の賃金が違うこととしても現象します。例えば、医者が典型でしょうが、一般に専門職の賃金水準は高く、単純労働者の賃金水準は低くなります。これは、前者の生計費には高い教育費が含まれるからであり、再生産費用が相対的に高くつくからでもあります。

次に「支払能力」ですが、これは労働者集団が創造する付加価値の総和(企業利益の総和)であり、これを個人別に分解すると「その労働者が生み出した付加価値(会社に与えた利益や会社に対する貢献度)」ということになります。「生計費」が「賃金の最低額の決定要因」であるとすれば、「支払能力(労働者が生み出した利益)」は「賃金額の最高額の決定要因」(企業は儲けた以上には労働者には支払えない)であり、実際の賃金額は、基本的にはこの「(経営方針や世間相場や労使の力関係や労働力の需給関係や景気変動等の影響を受けつつ)中間をさまよう額」となるのです。

さて、もう少し話を展開しておきましょう。賃金は、時系列的に見ると、「生計費対応型」から「支払能力=貢献度対応型(職務給型)」へと発展していきます。
「生計費対応型賃金」とは、「生活給」のことであり、その典型が、年齢給を主軸とする「属人給」です。資本主義の初期の段階、労働者が貧しい段階、後進国である段階においては、賃金はここから出発します。まずは、メシが食えないと話にならないということです。しかし、資本主義が成熟してくるにつれ、労働者が豊かになるにつれ、先進国に発展してくるにつれ、企業の支払能力=労働者が創造する付加価値(これは、前回に述べましたように、成熟すればするほど、主に能力の高い人のみが増大させるようになるので、自然的には賃金格差の拡大を含むものです)も増大しますので、そちらの方に「目が向く」ようになります。これが、その後の日本の賃金制度の流れでもあり、属人給から職能給へ、職能給から役割給(職責給・職務給)へという流れでもあるのです。

このあたりはもう少し詳しくお話した方がよいと思いますので、別の機会に譲るとして、今回は「属人給(年功賃金)」について少し話をしておきたいと思います。「年功賃金」は何か「封建的制度」、ヘタをすると「悪い制度」のように考えられているフシがありますが、決してそんなものではありません。何故なら、賃金の本質は「生活給」であって、それは「年齢とともに上昇するのが最もオーソドックスな姿」だからです。今日でも「属人給(年齢給)」体系の賃金制度を貫いている会社はたくさんあるのであって、それはそれなりの「立派なポリシー」であって、端からとやかくいわれるすじあいのものではありません。それに、属人給には、安心感、安定感、おおらかさ、家族主義的雰囲気があるなど、それなりに良い性格も保有し、労使関係の安定やモラールの向上にプラスに働く場合も多いものです。

「属人給(年齢給)」制度は、「高齢化に対応できない制度」と考えられているフシもあるのですが、それも「誤解」というものです。ここに20歳1名、30歳1名、40歳1名、50歳1名、60歳1名の計5人だけで構成されている会社があって、20歳は20万円、30歳は30万円、40歳は40万円、50歳は50万円、60歳は60万円の給料だったとしましょう。10年経ちました。何か問題が起こるでしょうか? 60歳の人は引退しますので、60万円は浮きます。それは、今まで50歳で50万円もらっていた人が10万円の昇給込みの賃金としてもらいます。同じようにみんな年齢上昇yとともに昇給した額をもらっていき、最後に新しく20歳の人を20万円で採用すれば何の変化もないのです。ポスト不足を問題にする必要もありません。年齢と役職は関係ないことにしておけばよいし、関係づけたい場合は、例えば、50代が副社長、60代が社長等としておけばよいだけの話です。

この意味合いはおわかりでしょうか? 決定的なのは、この会社の形(年齢構成の形)は「長方形」であることであり、その形を崩しさえさなければ永続的に持続可能なのです。逆にいうと、ある年だけ20代を2人雇ったり、逆に1人にも雇わなかったりするなどして、この形を崩してしまうと、後日必ず「中高年・賃金原資不足問題等」に突き当たることになるのです。
日本で騒がれたこれらの中高年問題等の本質は、「属人給」にあるのではなく、形式的にいうと「ピラミッド型」であったところにあるといえますが、それは実は「形式問題(ピラミッド型問題)」に止まるのではなく、その制度(仕組みや運用)にあり、その秘密は「伝統的な職能資格制度」に内包されているのです。ということで、疲れてしまいましたので、「職能資格制度の秘密」の話はまた後日。

2009/02/15 一時休業と休業手当−その3 [重要]
休業手当について、「その他の注意点」を述べておくと次の通りです。

1.休業手当の支給額は、原則として「平均賃金の6割以上」です。就業規則にどのように定められていようが、その日の所定労働時間がたまたま短く定められていようが、そんなことは関係ありません。

2.休業手当の支給額は原則として平均賃金の6割以上ですが、一部休業(1日の一部についてのみの休業)の場合で、現実に就労した時間に対する賃金が平均賃金の6割に満たないときは、その差額以上の休業手当を支払えば足ります。

3.休業手当は「賃金」ですので、所定の賃金支払日に支払わなければなりません。

4.所定休日(労働の義務がない日)についてまで休業手当を支払う必要はありません。

5.私傷病休職者など休職命令が発令されている人(元々労働の義務が免除されている人)についてまで休業手当を支払う必要はありません。

2009/02/14 一時休業と休業手当−その2 
民法第536条第2項後段には、債務者が「自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない」とも規定されています。

従って、休業手当が支給されている期間中に労働者がアルバイトなどをして利益(中間利益)を得た場合は、労働者はその額を使用者に償還しなければならないという解釈が成り立ち、従って、使用者は休業手当の額からその利益に相当する額を控除してもよいということになります。

この問題については、最高裁の判例(いわゆる米軍山田部隊事件)が出ていまして、結論的にいいますと、その控除は、平均賃金の60%相当額(法定額)を超える部分についてのみ行うことができ、平均賃金の60%相当額については行うことはできないと判断しています。

従って、例えば、休業手当として平均賃金の80%相当額を支給している場合に、労働者が10%相当額を利益として得た場合であれば、休業手当を10%減額して70%支給とすることができますが、元々休業手当として60%しか支給していないのであれば、このような減額を行う余地はないということになります。

2009/02/13 一時休業と休業手当−その1
最近は雇用調整助成金等の話題が多くなっていますが、この背景には、不況によって「一時休業(一時帰休)」が実施されているということがあるでしょうし、それは「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当しますので「平均賃金の60%以上の休業手当」が支払われているということでもあるでしょう。

そこで、少し気になったので、確認しておこうと思うのですが、それは、「労働基準法上は話がそれでオシマイ」だったとしても「実際には(民法上は)話はまだ終わっているとは限らない」ということです。

というのは、知っている人は知っていると思いますが、民法第536条第2項には「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない」と規定されていますので、ここにいう「債権者(使用者)の責めに帰すべき事由」によって、債務者(労働者)が休業したとしたら、労働者は「60%」ではなく「100%」の賃金を受ける権利を有するということになるからです。

ただし、労働基準法の休業手当でいう「使用者の責めに帰すべき事由」が相当広範囲に解釈されている(「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しないのは、天災・火災等の場合ぐらいで、不況などの経営障害によって休業せざるを得なくなった場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当する)のに対し、民法にいう「債権者の責めに帰すべき事由」は、そこまで広くは解釈されていません(不況などの経営障害によって休業せざるを得なくなった場合は、一般的には、「債権者の責めに帰すべき事由」には該当しない)ので、結果的に、使用者は、100%ではなく、60%を支払えば足りる「だろう」ということなのです。

従って、「(不況による)一時休業」といっても、そこに「合理性が見いだせない(経営障害というより故意や過失による休業である・休業するほどの事態ではない・休業対象労働者の選定がおかしい・他の目的や意図があって休業している)」ような場合は、「100%」の賃金支払い義務が生じることが「あり得る」ということも一応押さえておく必要はあるということです。

なお、ついでに述べておきますと、「一時休業にした」ということは「労働の義務を免除した」(従って、例えば、年次有給休暇は、原則として労働の義務を免除されている日については取得できませんので、一時休業日について年次有給休暇を取得することは、それが全日ではなく、1日の一部の休業であるなどの例外的な場合を除き、できません)ということですので、一時休業期間中に「業務命令を出すようなこと(過度の制約を加えること)」は基本的にできません。具体的にみないと何ともいえませんが、例えばもし「自宅待機命令」を出していると判断されるということになれば、理屈上はこの場合も「100%」の賃金支払義務が生じることになりますので、念のため。


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