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2010/11/13 「ねんきんネット」の話
最近、「『ねんきんネット』とは何のことですか?」と聞かれるようになりましたので、ここで簡単に解説しておきたいと思います。
1.「ねんきんネット」とは?
「ねんきんネット」とは、「自宅のパソコンから、インターネットを通じて、自分の年金記録や将来見込額を確認できる仕組み」のことで、平成23年2月末に開始することが予定されています。
2.パソコンを持ってない人はどうなるの?
「ねんきんネット」を利用するには、インターネットを通じて「ユーザーIDとパスワード」を取得する必要がありますが、その当然の前提として、パソコンを持っていることやパソコンが使えることが必要になります。世に中には、そうでない人もたくさんいるわけですので、その対策として、厚生労働省では、「市区町村や郵便局の窓口」で記録の確認(併せて加入記録等を印字したものを受領)することができるよう、市区町村等に協力要請を行っているところです。これに協力する市区町村に対しては交付金を支給することになっていますので、大部分の市区町村窓口で実施されると思われますが、実際のところはフタをあけてみないとわかりません。
注)市町村窓口での手続としては、「ねんきんネット申込書(基礎年金番号又は照会番号の記載要)」に「本人確認書類(原則写真付き)」(代理人の場合は「委任状」も)を添えて申し込むことになります。
・日本年金機構からの案内(年金ネットの構築)についてはこちら
3.「ねんきん定期便」はどうなるの?
「ねんきん定期便」については、相当お金がかかっていますので、政府としては、これを「ねんきんネット」に切り替えたいところです。当面は希望者に限ってということになるのでしょうが、早ければ平成23年度から、順次切り替える方向で進むと思われます。
<蛇足>
政府(行政刷新会議)の「読み」では、「20〜40代ではネット利用率は95%を超える」として、この「ねんきんネット」が相当普及する(市町村窓口に聞きに行ったり、ねんきん定期便の送付を希望する人はさほど出ない)と見込んでいるようですが、その「読み」は「外れる」と思いますね(まあ、やってみればわかるでしょ)。

2010/06/22 年金額が「据え置き」どころか「減額」になった話
先般、日本年金機構から、6月から年金が減額改定される人に対し、「年金額改定通知書」が送付されました。「今年度の年金額は『据え置き』だったはずなのに、『減額』」になるのはおかしいではないか」という質問(疑問)が生じているようですので、少しお答えしておきたいと思います。
まず、今年度の年金額が減額になる理由としては、在職老齢年金の支給停止に係る基準額の「48万円」が「47万円」に引き下げられたことがあげられます。これは低在老(65歳未満)の場合ですと、これまで総報酬月額相当額のうち「48万円」を超えた額が「2分の1」停止から「全額停止」になっていたところ、改定により、「47万円」を超えた額から「全額停止」になるためであり、高在老(65歳以上)の場合ですと、これまで「年金月額+総報酬月額相当額」のうち「48万円」を超える額が「2分の1」支給停止になっていたところ、「47万円」を超える額から「2分の1」支給停止になるためです。
ところが、どうやら、在職中でなくても「減額」となった人が発生しているようで、これは、「物価スライド特例措置(平成6年水準の従前額をベースとした額)」より、「法律通りの本来額(平成12年改正後の額)」の方が高い人が発生してきているということを意味しています(この話は耳にはしていたのですが、よくは確認していませんでした)。つまり、平成12年改正で年金額水準が5%切り下げられたので、当初は「物価スライド特例措置による額(平成6年の従前額をベースとした額)」の方が高かったのですが、近年は、「従前額」の算定に用いられる「旧再評価率」より、「新再評価率」で計算した方がだんだん有利になってきていて、ついに逆転現象が生じてきたということです。こうして、すでに「本来額」が「物価スライド特例措置による額」を超えてしまった人(ここ数年の間に年金をもらうようになった人だろうと思います。)については、「法律通りの改定」となりますので、「1.4%」引き下げられることになります。

2010/01/19 日本年金機構はどこへ行く
今回は「解説」というほどのものではなく、「22年度税制改正大綱(昨年12月22日閣議決定)」からの抜粋です。
まず、「社会保障・税共通の番号制度導入」と題して、次のように記載されています。
社会保障制度と税制を一体化し、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させるとともに、社会保障制度の効率化を進めるため、また所得税の公正性を担保するために、正しい所得把握体制の環境整備が必要不可欠です。そのために社会保障・税共通の番号制度の導入を進めます。
番号は基礎年金番号や住民票コードなどの既存番号の活用、新たな付番など様々な選択肢が考えられます。付番・管理する主体については、次に詳述する歳入庁が適当であると考えます。
以上、徴収とも関連しますが、主として給付のための番号として制度設計を進めます。その際は、個人情報保護の観点が重要なことは言うまでもありません。

続いて「歳入庁の設置」と題して、次のように記載されています。
年金制度改革と並行して、年金の保険料の徴収を担っている日本年金機構(2010 年1月に社会保険庁より改組予定)を廃止し、その機能を国税庁に統合、歳入庁を設置する方向で検討を進めます。
歳入庁は税と社会保険料の賦課徴収を一元的に行います。行政の効率化が進み、行政コストも大幅に削減できます。国民にとっても、税は税務署、保険料は社会保険事務所など別々の場所に納付する手間が省けます。
歳入庁は、国税と国が管掌する社会保険料の徴収を行うこととなりますが、国税と徴収対象や賦課基準が類似の税について自治体が希望する場合、地方税等の徴収事務を受託することも検討します。

そして、「納税環境整備に係るPTの設置」と題して、次のように記載されています。
社会保障・税共通の番号制度導入、歳入庁の設置等について、具体化を図るため、税制調査会の下にプロジェクト・チーム(PT)を設置します。特に、社会保障・税共通の番号制度導入については1年以内を目途に結論を出します。

今日は折しも日航が会社更生法の適用の申請をしたところで、機構発足式における長妻厚生労働大臣の「すべての職員に申し上げます。日本国民の老後を支えるのは自分たちだとの使命感と誇りをもって職務に励んでいただきたい」という言葉が何故か空しく聞こえてしまい、「やっぱり人間はまじめに働くのが一番(ズルして自分だけ得しようなんて考えちゃいけない)」と思った次第です。

2009/10/18 個人住民税の年金からの天引き
一部の市町村を除き、本年10月支給分の老齢基礎年金等から個人住民税の特別徴収(天引き)が開始されていますので、今回は、この内容を確認しておきたいと思います。
<対象者>
前年中に公的年金等の支払いを受けた人で、特別徴収する年度の初日(4月1日)において老齢基礎年金等の支払いを受けている65歳以上の人が、特別徴収の対象となります。
ただし、次の人は対象外(普通徴収)となります。
@ 公的年金に係る個人住民税が非課税となる人
A 老齢基礎年金等の年額が18万円未満である人
B 天引きされる税額が老齢基礎年金等の年額を超える人
C 老齢基礎年金等から、所得税・介護保険料・国民健康保険料、後期高齢者医療保険料を控除した後の額が天引き額より少ない人
D 介護保険料を普通徴収(納付書払い又は口座振替)で納める人
注)国民健康保険(税)・後期高齢者医療保険料の場合と異なり、本人の希望により口座振替に変更することはできません。
<対象となる税額>
厚生年金、共済年金、企業年金などを含む全ての公的年金等に係る所得に対する所得割額及び均等割額です。
注1)給与等他の所得に係る税額は、年金から特別徴収されません(公的年金以外の所得に係る税額は、従来通り「納付書払い」、「口座振替」又は「給与からの天引き」で納付することになります)。
注2)年金に係る所得以外に給与所得がある方については、均等割額は年金から特別徴収されません。
注3)対象となる年金を複数受給している場合は、定められた優先順位に基づき、高順位の1つの年金から天引きされます。
<対象となる年金>
老齢基礎年金等の老齢等年金給付から特別徴収(天引き)されます。
注)介護保険料・国民健康保険(税)・後期高齢者医療保険料の場合と異なり、障害年金や遺族年金からは特別徴収されません。
<その他の注意点>
・年金から個人住民税が引き落とされている人が、他の市町村に住所変更した場合は、特別徴収が中止され、普通徴収に変更になります。
・個人住民税の公的年金からの特別徴収は、個人住民税の納税方法を変更するものであり、これにより新たな税額負担は生じません。

2009/08/18 年金を受給している専業主婦の返金の話
最近、新聞等で報道されたこともあり、「専業主婦の年金の返還」に関する話があって、「何のことかさっぱりわからないので説明して欲しい」という要望があるようですので、今回は、その説明をしておきたいと思います。

1.「さっぱりわからない話」とは
まず、そのさっぱりわからない話とは、次のような話です。
年金の裁定請求をしてすでに年金を受給していた専業主婦(国民年金の第3号被保険者であった人)について、厚生年金保険の被保険者期間(会社勤めして社会保険に入っていたいた期間)が見つかることがあるが、この場合、年金額の返還を求められることがあった。しかし、今後は、この返還は求めない扱いに変更された。

2.まずは復習から
まず、国民年金の被保険者は、
(1)第1号被保険者(自営業者・失業者・学生・社会保険に加入していないフリーター等)
(2)第2号被保険者(社会保険に加入している会社員や公務員)
(3)第3号被保険者(第2号被保険者の専業主婦)
の3つに大別されます。

次に、これらの被保険者と保険料の関係については、次のようになります。
(1)第1号被保険者の場合は、「保険料を滞納した期間」については、年金額に反映されません(「保険料を収めなかった期間」であっても、「滞納した期間」ではなく、「免除を受けた期間」であれば、一定程度年金額に反映されます)。
(2)第2号被保険者の場合は、保険料は会社(事業主)が支払いますので、基本的に「滞納」という問題は発生しません(原則として、第2号被保険者であった全期間が「保険料を納付した期間」になります)。
(3)第3号被保険者の場合は、保険料を1円も納めなくても、その被保険者期間は「保険料を納付した期間」として扱われます。

3.以前から問題になっていたこと
「第3号被保険者であった期間」は、保険料を納めなくても「保険料を納付した期間」とされるわけですが、そうなるためには、「第3号被保険者としての届出」を市区町村にしていなければなりません。
たとえ、「第2号被保険者の専業主婦」であっても、届出をしていなければ、「第1号被保険者」になりますので、保険料を納めていない以上、その期間は「滞納期間」となり、年金額に反映されなくなります。

4.年金の裁定(請求)前の上記3の問題については、平成16年改正で、基本的に解消された
上記の「第3号被保険者の未届期間」の問題については、平成16年に改正が行われ、平たくいいますと、現在では、後から届け出ても「第3号被保険者であった期間」として取り扱う(「滞納期間」としては取り扱わない)ことになっています。

5.年金の裁定(請求)後については、上記4.のような救済規定が設けられていないので、法律上は、「未届期間」が発覚した場合には、その期間が、「保険料を納付した期間(第3号被保険者期間)」から「保険料滞納期間(第1号被保険者期間)」に訂正されることになり、その分の余計に支払われた年金の返還を求められるケースが発生していた
さて、裁定請求後に、「未届期間問題」が発生する場合とは、例えば、「専業主婦が第3号被保険者であった期間の途中で数年間会社勤めをした(社会保険に加入した)」ような場合です。「第3号被保険者」から「第2号被保険者」への種別変更の届出は、今も昔も会社がやってくれますが、辞めたときの「第2号被保険者」から「第3号被保険者」への種別変更の届出は、昔は「自分で」しなければなりませんでしたので、それをしていなかったことが、(現在行われている年金記録の突き合わせ・統合などにより)発覚した場合です。
この場合は、会社を辞めた後の期間が、「保険料を納めた期間(第3号被保険者期間)」から「滞納期間(第1号被保険者期間)」に訂正されますので、その「滞納期間」分の年金の返還を求められるケースが発生していたわけです。

6.今回、裁定(請求)後についても、裁定(請求)前と同様に救済する扱いに、運用が改正された
今回行われたのは、裁定後であっても、裁定前と同じ扱いにする(「滞納期間」とせずに、「保険料を納付した期間」として処理する)という「運用改正(通達−平成21年8月7日庁保発0807001号・社業発15号−による改正)」です。
従って、今後は、裁定後に「未届期間」が発覚したとしても、その期間は「保険料を納付した期間(第3号被保険者期間」として扱われますので、年金額が減額されたり、返還を求められたりすることはありません。
なお、既に「返還」した人(相続人を含みます。)については、原則として、管轄の社会保険事務所又は市区町村に届け出ることにより、その額の支払を受けることができる扱いになっていますので、そのような人については、関係窓口で相談してみるのがよいでしょう。

2009/04/07 公的年金の年金額の据置き−その2
平成21年度の公的年金の額の据置きについては、1月末に一度コメントしたところですが、今回は、少し数値を用いて補足説明しておきたいと思います。

年金額は物価が下がれば引き下げることになっていますが、以前は「物価は上がるもの」と決まっていましたので、現実に物価が下がるようになってきた当初は、なかなか実際に年金額を下げる「勇気」が与党や政府の側にありませんでしたので、本来引き下げるべきところを引き下げないで様子見をしていた時期がありまして、具体的には、「平成12年度から平成14年度」がその時期でした。

この時期の3年間で物価は累計で「1.7%」下がりましたので、年金額も「1.7%」引き下げなければならなかったところ、これを据置きましたので、年金額は、「本来の額」より「1.7%」だけ高い額になってしまい、この額のことを「物価スライド特例措置による額」と呼んでいるのです。

「この物価スライド特例措置による額」は、物価・賃金が1.7%以上上昇したところで「解消」するのですが、その後平成15年度から20年度までは、物価は横ばい若しくは低下(この間の下落分については、年金額も減額改定されています)又は物価が上昇しても賃金が横ばい(平成19年度)という状況が続いたため、「1.7%」は一向に「解消」されませんでした。

平成21年度になると、物価スライド特例措置実施後、初めて物価・賃金が共に上昇しましたので、その上昇幅が大きかったら「解消」されたところだったのですが、物価が「1.4%」上昇に、賃金が「0.9%」上昇に止まり、物価がどれほど上昇しても賃金上昇幅を超えては年金額を上げない仕組み(マクロ経済スライド)になっていることから、「本来の年金額」は、「0.9%」の引上げという計算になったわけです。
しかし、実際には「1.7%」の格差があったわけですから、「解消」するほどには至らず、その結果、年金額は据置き(物価スライド特例措置による額)となったのです。

しかし、これで少し「解消」に近づいたとはいえるわけです。つまり、現在(平成21年度)の年金額(物価スライド特例措置による額)は、本来の年金額より「0.8%(1.7%-0.9%)」だけ高い年金額なのです(なお、この計算は、話をわかりやすく説明するために簡略化したもので、実際にはこのような「引き算」で計算するのではなく「もっと複雑なかけ算」をして算出します)。

<参考>
この先は、頭が混乱しそうな人は読まない方が無難なようにも思いますが、「本来の額」は、「所定の基本額×改定率」で計算します。そしてこの「改定率」は原則として「前年の改定率×物価又は賃金変動率(平成21年度は賃金変動率)」で計算します。
「平成20年度の改定率」は「0.997」、「賃金変動率(名目手取り賃金変動率)」は「1.009(0.9%上昇)」でしたので、平成21年度の改定率は、「1.006(0.997×1.009)」となっています。
一方、「物価スライド特例措置による額」は、「所定の基本額×0.985(この0.985は物価が下がったときにのみ引き下げられます)」で計算します。

これを基礎年金額で例示しますと、
本来の額は、780,900円×1.006=785,600円
物価スライド特例措置による額は、804,200円×0.985=792,100円となりますので、
平成21年度の基礎年金額は、高い方の額である792,100円となり、本来の額より0.8%高い額となっています(792,100÷785,600=1.008)。

注)名目手取り賃金変動率(1.009)=実質賃金変動率(0.997)×物価変動率(1.014)×可処分所得割合変化率(0.998)

2009/04/03 6月からの日・チェコ社会保障協定の発効について
「社会保障に関する日本国とチェコ共和国との間の協定」(平成20年2月21日署名)の批准書の交換が3月31日(火)、プラハ(チェコ)にて行われました。これにより、本協定は平成21年6月1日に効力を生じることとなります。
<解説>
日・チェコ社会保障協定は、日・チェコ両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者等(企業駐在員など)が、年金、医療保険等の社会保険料の二重払い等の問題に直面することのないようにすることを目的としています。
具体的には、この協定の規定により、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者等は、原則として、派遣元国の年金制度及び医療保険制度にのみ加入することになります。また、両国での保険期間を通算してそれぞれの国における年金の受給権を確立できることになります。
<参考>
1.チェコとの社会保障協定の発効は、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダに続き、10か国目となります。
2.上記のほか、スペイン、イタリアとの社会保障協定が今国会に提出されており(2月24日)、承認待ちとなっています(2年以内を目途に発効予定)。
3.現在、政府は、アイルランドとの社会保障協定の締結を進めているところで、3月2日〜6日には、第1回政府間交渉がダブリンで行われています(来年の通常国会に提出見込み)。

2009/02/05 国民年金保険料の免除期間 [重要]
国民年金の保険料免除期間(以下単に「免除期間」ということにします。)について、少し学習してみましょう。

1.老齢基礎年金(国民年金の老齢年金)においては、免除期間は保険料を納付した期間(以下「納付期間」ということにします。)の3分の1のパワーを持っている。

極端な事例で考えてみましょう{全員が、自営業者(健康保険や厚生年金保険に加入しないアルバイト・パート・派遣等の人として設定してもかまいません)」とします}。

Aさんはまじめな人で低所得でもありませんでしたので40年間一度も国民年金の保険料を滞納することなく全額収めました。
Bさんはまじめな人でしたが低所得でしたので40年間ずっと保険料の全額を免除してもらい、保険料は1円も払いませんでした。
Cさんは低所得でしたがめんどくさがりやでいいかげんな人だったので、保険料は1円も払わず、ほったらかしにして40年を過ごしました。

さて、結果はどうなるでしょう?
Aさんは、当然ながら満額の老齢基礎年金(ここではその月額が6万円としましょう。)をもらうことができます。
Bさんは、保険料を1円も納めなかったにもかかわらず月額2万円の老齢基礎年金をもらうことができます{なぜ、こうなるのかというと、6万円のうち、保険料で賄っているのは4万円(3分の2)で、2万円(3分の1)は国が出しているからです−従ってまた国庫負担割合が引き上げられればBさんはもっともらえるようになります}。
Cさんは、これまた当然と言えば当然なのですが、老齢基礎年金は1円ももらえません。

念のため確認しておきますと、BさんとCさんの違いは「手続きをしたかどうか」だけであって、「保険料を納めたかどうか」ではありません。

2.障害基礎年金や遺族基礎年金(国民年金の障害年金や遺族年金)においては、免除期間は納付期間に匹敵するパワーを持っている。
一般に障害年金や遺族年金については、保険料を滞納しているとペナルティーが課される確率が高くなり、滞納期間が長かったり、滞納している期間中に障害になったり死亡したりした場合には、もらえたはずの障害年金や遺族年金がもらえなくなることがあります。でもこのペナルティーは「滞納」している場合に課されるのであって「免除」されている場合には課されません。
しかも、障害基礎年金や遺族基礎年金の年金額は「老齢基礎年金の満額+α」の「定額」であって、保険料をいくら納付したかとは関係がないのです。

そこで、先ほどのA、B、Cの3人の人が例えば50歳のときに障害等級が2級の障害になったとしましょう。すると、今度はAさんだけでなくBさんも「6万円(満額)(+子の加算額)」の障害基礎年金(1級だと満額より多くなります)がもらえます。一方、Cさんは1円ももらえません。

再度確認しておきますと、BさんとCさんの違いは「手続きをしたかどうか」だけであって、「保険料を納めたかどうか」ではありません。

3.滞納した保険料は2年しかさかのぼって納付できないが、免除された保険料は10年さかのぼって納付することができる。

仮にBさんとCさんが途中で「お金持ち」になって、老齢基礎年金の年金額を増額(Cさんの場合はたぶんそもそも「もらえない」−納付期間と免除期間の合計で原則25年以上でないと老齢基礎年金はもらえません−確率の方が高いでしょうが)しようとした場合、Bさんなら10年さかのぼって収められますがCさんは2年しかさかのぼって収めることはできません。

再々度確認しておきますと、BさんとCさんの違いは「手続きをしたかどうか」だけであって、「保険料を納めたかどうか」ではありません。

2009/02/01 失業した場合の国民年金保険料の免除
国民年金の保険料は、低所得の場合のほか、失業(退職)した場合にも免除されます。
この免除の手続きは、住民票のある市区町村役場で行います(郵送可)。必要な書類は、通常、国民年金手帳(又は基礎年金番号通知書)と基本手当(失業手当)の受給資格者証(又は離職票)です。世帯主や配偶者(保険料の連帯納付義務者)に一定の所得がある場合は免除されませんが、その所得は、転居して間もないような場合を除き、市区町村の方で把握できますので、通常は、別途その所得証明書を用意する必要はありません。また、失業者本人の所得は審査されません。

2009/01/30 公的年金の年金額の据置き−その1
平成21年度の公的年金の年金額は据置きになりますが、どのような仕組みでそうなるのかを正確に説明しようとすると、非常に難しい話になってしまいます。

そこで、今回は、思い切って「相当ざっくばらん」にお話しておきますと、昔の年金は、「毎年物価上昇に併せて引上げ、さらに5年に1回は賃金上昇に併せて引上げる」仕組みだったのですが、少子高齢化が進むにつれその維持が困難となり、平成16年の法改正で、いわゆる「マクロ経済スライド方式」に変更したのです。

この「マクロ経済スライド方式」が非常に複雑な仕組みなのですが、あえて一言でいいますと「賃金上昇の範囲内でしか年金額は上げない(ただし、賃金が下がっても年金額は下げない)」という仕組みです(なお、物価が下がれば年金額は下がりますが、これは昔からそういう仕組み−ただ、昔は物価が下がることはなかったので年金額が下がることがなかっただけ−です)。

この「賃金の範囲内で」というのには、次の2つの意味があります。
1.賃金が上がった分だけ年金額も同じように上げるのではなく、年金額は賃金の上昇よりは若干低めにしか上げない。
2.物価がいくら上がっても、賃金が上昇しなければ年金額は上げない。

昔のように賃金が右肩上がりの時代であれば、1.の問題がクローズアップされたのでしょうが、近年のように賃金がほとんど上がらない(又は下がる)時代には、2.の仕組みが「ズシリと効いてくる」ように思います。

物価がいくら上がっても、賃金が上がらなければ年金額は上がらないのですから、「物価は上がるが賃金は上がらない」状況では、年金額は実質的に目減りすることになります。

「平成21年度の年金額の据置き」とは、ざっくばらんにいうとそういうことであり、物価は上昇(1.4%)しましたが、賃金がほとんど上がらなかった(0.9%)ために(物価スライド特例措置を解消するほどには上がらなかったために)年金額は据置きとなりましたので、その分年金額は実質的に目減りしたということなのです。

2009/01/25 基礎年金に対する国庫負担割合引上げの効果
<問題>
基礎年金に対する国庫負担割合が引き上げられると、具体的には何が変るのでしょう?
<答え>
その分保険財政が豊かになるわけですが、具体的な効果としては、保険料の免除を受けた人の年金額が多くなります。例えば、保険料の全額免除を受けた期間については、今までは「3分の1」の額の年金しかもらえませんでしたが、引上げ後の期間については「2分の1」の額の年金がもらえるようになります。


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