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「哄笑するもの」


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まさにそのとき、
いたるところで激しく軋む音が聞こえ
頭上に石材が降り注ぎはじめた。
世界はいまや崩れつつあった。






あのとき、避難した建物の片隅が
そのまま遺体の安置所だった。
次々に運びこまれたおびただしい死者の群れ…。
何年かを経て、私たちの都市は、ふたたび
それらの記憶のうえに幻のように広がっている。




(new!)


一瞬のうちに、目に見えるものたちが大きく失われたとしても
どんな力も、人からすべてのものを奪うことはできない。
かけがえのない記憶を、愛する人への思いを、 頭と体に蓄えた力を、
ことごとく奪い去ることはできない。

だから、ここに、こうして。





ジグザグに街を歩く。
ゆっくりと、坂を上る。
空に風、地に鳥影。
人も街も、言葉も、つかの間。
ただ、空が近い。






小さなバラ園を見下ろす高台の病院の
木々に囲まれたその内部は、
迷路のように入り組んでいるという。
物理的な時間が静止する、そんな時こそ、
知ることが許されるものもあるのだ。




塔の上から落ちることを課すその教室では、
下降しながら、
無限に地上から遠ざかっていくという
放れ業を教えている。



それは、ヒトであるのか、
力そのものなのか。
正体を見たと感じた刹那、
世界を裏返しにするほどの強烈な哄笑を聞いた。
 



   
白みかけた空に一筋の白い帯が現れる。
ほのかな光が一点を目指して集まり
形づくろうとする
その場所に、解き放たれたモノの姿が立ち上った。

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