いいわけなど 4.



「スリリングなことなど」

"これ以上はない…"というほど密着し、互いに互いの体を埋め込むように抱きあって、

濃密な時間を共有する関係であっても、また、その密度が増せば増すほど、

"ワタシハ、コノ人ヲ知ラナイ"という思いが、ふいにアタマの中をよぎります。

愛情や信頼で支えられた、長く続いている安定した関係であっても、

日頃は抑えている強い感情が溢れ出す関係であったとしても、

ひたひたと満たされていく幸福感とともに、核のような互いの孤独と距離に触れる気がすることがあります。

偶然の出会いから生まれた人と人の絆は、思いのほか強く、時にはあっけなく脆い。

最も身近で量り難い他者。身近でありながら、実は大きなスリルとサスペンスを孕んだもの。

そんな関係は往々にして、なんとも厄介で面白く、深い歓びと

ヒリヒリする痛みをもたらす、実にミステリアスなものだと……

などと書きつつ、私自身は現実には"どうも修業が足りないなぁ…"というちょっと情けないヤツなのですが。


こんな細かな部分までめくっていただいてありがとうございました。