いいわけなど 6.



「震災(阪神・淡路大震災)のことなど」

たとえば「明日何が起きても不思議はなく」「死は私たちの周りをいつも漂っている」のだと

阪神・淡路大震災は私に実感させてくれました。余震の中で、ヘリのごう音と 救急車と消防車のサイレンが鳴り渡り、

死者を弔う僧侶の読経が地を這うように響き続けていた夜が、記憶の底にたたみこまれています。

大切な人を亡くされた方々のことを思うと今でも、もらい泣きしてしまいます。ところが、たんに

イエとモノを失っただけの人間たちは、多くの方が想像されるよりもずっとハイで(興奮して)、元気でした。

住民同士、一種の運命共同体の連帯感の中で、不思議な絆と助け合いが生まれました。

肩書きや世代の垣根を取り払った助け合いを、"震災ユートピア"と名付けた人もあったほど。

外から見れば真っ暗でも、内に入れば、微妙な色彩や光はあるということでしょうか。

"否定"のカードを、ひらりと裏返して"肯定"に変えていく可能性は、どこにでもあるのだと思います。

とはいえ、その後の神戸がずっと逼塞状態にあるのも現実。その中をどこにも帰属せずにどう泳いでいけるのか…。


こんな細かな部分までめくっていただいてありがとうございました。