いいわけなど 9.



「ナンギな性分のことなど」

  与えられた世界の中で"うまくやること"を最上と思える人間であったなら、

もう少し、わかやすいものを欲しがることができたはず…と、思います。

ところが、本当に見たいものは、言葉にすることもできない、よくわからないもの。

たとえば、ヒトがつくった諸々の制度に風穴をあけて、一瞬、深々と美しい宙を見せてくれるようなもの。

自分の中にあって、自分を運んでゆくはずの、何か意識と無意識のすき間にあるようなもの。

何の役にも立たず、自分をさえ救うものではないのに、そんなものが気になるのは、

コートの下に、こっそりと分不相応なものを隠し持ったコソ泥か

"自分の帰るべき場所"がどこかにあると勘違いして、道ばたで果てる行路病者のようなもの…。

絵や物語をつくらずにはいられない多くの方が持っておられる、そんなナンギ(難儀)な性分の種子を、

抜きん出た能力もないのに私もまた手の中に持って、いつの頃からかひそかに育ててしまったようです。


こんな細かな部分までめくっていただいてありがとうございました。