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「PasarRaya/ぱさらや」のオーダーメイド・オリジナル家具はインドネシアの自社工場・提携工房にて製作しています



― ヨーロッパ家具紀行2007 ―


2007年4月末よりの約2ヶ月間、フィレンツェを中心にパリ、ロンドンなどヨーロッパへ家具の研修に行って参りました。
 短い期間ではありましたが、いつも家具と向き合っているインドネシア日本とは全く違う環境で別の角度からあらためて
「家具」について考え、また見ることができたように思えます。
 今後より一層「PasarRaya」家具の品質・デザインを磨いていきたいと考えております。



   Vol.1 / Vol.2 Italia編

2005年に続き今回2度目のイタリア。
アパート暮らしでの6週間は前回の短期滞在とは違い少なからずともイタリアのよい所・悪い所を実感できた。
イタリアでの生活を中心に、BLOGの続きを更新しています。
(イタリア生活前半の様子はBLOG(2007年4-6月)にて紹介しています)


 ■ Parazzo Medici での展示会 ■


 今日で午前中のイタリア語のレッスンは一旦終了。今日でお別れになるフィリピン出身のRさん、一旦日本に戻り一ヵ月後に帰ってくるH君達と教室で写真をとり、一旦アパートでランチをとることにする。今日もMOKAで入れたエスプレッソと市場で買った生ハムとレタスをパンに挟んだものを食べる。朝食と全く同じメニューだ。
昼からは、マエストロのR氏が参加する「Parazzo Medici」で行われる職人さんたちの展示会があるので、見物がてらに手伝いに行った。
サンロレンツォ教会の裏手にあり、門のところから見るとR氏が見える。何とか気づいてもらい一緒に入れてもらうことができた。入場料10ユーロの節約。

講演会の様子

彫刻の職人さん
他にもバイオリン作りの職人さんなどもいた

maestroのR氏のブース
ここで作品や技術を見せながら、家具の修復に興味のあるお客さんを探していく。一種の営業活動なのだそうだ。


 ■ 工房研修3 〜ソレントテーブルの修復 ■

 次は天板の寄せ木細工が美しいソレントテーブルの修復だ。まずは古い塗膜をペーパーで取り、作業に入っていく。

ペーパーがけ後、ゴマラッカーで下塗り ⇒

接着材を混ぜたパテを作り、虫食いの穴を埋めていく ⇒

後日パテが乾燥したらペーパーがけをし、ぐらぐらした脚の部分をばらしていく

天板の虫食い・傷部分も色にあわせたパテを埋めていく ⇒

天板裏の虫食い穴には注射器で薬をなみなみに入れて ⇒

コンパウンドのような「ポミチ」を軽くまぶしながら薄いゴマラッカーで円を描くように塗装。塗装部分がはげないように軽く・手早くするのがポイントだ

薄い塗装を何度も何度も繰り返し、色の調整

再度ゴマラッカーをウールに染み込ませ綿でくるんだもので塗装

かなりツヤも出てきました


いよいよ脚の固定
側面に穴を開け、木の棒を差し込む
釘は一切使わない

ここは通常の木工用ボンドで十分
終了


■ マエストロR氏の作品〜キャビネットドアの修復 ■
 工房の中に、大切そうに布にくるまれているものがあった。中を見せてもらうと金細工のきれいなキャビネットの扉。修復前の扉と比べると一目瞭然の仕上がりだ。この状態に仕上げるまでの事を考えると、気が遠くなるほどの技術と根気がいることがうかがえる。
 後日、北イタリアからのお客さんが工房へ入ってきて、家具修復の商談を始めていた。R氏いわく計算はまず家具の状態をみて、今までの経験をもとにその作業にかかる時間に工賃(時間給)をかけて算出するとのことだ。お客さんには値段が高く、値下げを要求していたが、R氏も写真の扉の仕上がり具合をアピールしながらも値段を下げる様子はない。どちらも引かず、ここで一旦お客さんは帰っていった。

全体のイメージ写真

修復前の扉

修復後の扉


 
■ 工房研修2 〜フレンチチェアの修復(2008.1.13更新) ■
工房には、修復中の家具がいろいろと置かれている。
写真のものは、19世紀のフランスのチェアとのこと。フランスのチェアは、イタリアの家具に比べて全体的に小さいので判断できるようだ。

注射器を使ってアルコールを流し込んで接着剤「にかわ」を溶かし一旦分解する。

かなりひどい壊れ方

背もたれ部分の装飾


 
■ 
工房研修1 〜縁の装飾 ■
他の作業の合間に、今度は縁の装飾作業。テーブルやキャビネット類の天板の装飾に使われる技法だ。
インドネシアでは、ルーターといった機械で、装飾にあわせて刃を替えて削っていくが、「まさか!」とは思ったがなんと当某では工房では全て手作業で行った。
 まず作業内容を聞いて「いったいどんな工具を使うのだろう」と興味津々で作業をおこなった。「アンティーク家具を作っていた数百年前は、当然機械もなくこんな作業をしていたのだろう」、と気が遠くなるような作業を想像した。

まずは見本を写し ⇒

しっかりと線を入れる ⇒

装飾の深さ、形にあわせたかんな

まっすぐ削っていきます ⇒

だいぶ形になってきました ⇒

サンドペーパーで仕上げ
アンティーク家具の修復のため、あまりきれいにし過ぎないのがポイントだ。


 ■ 別の工房での実習がスタート (2007.8.29更新) ■

 ようやくフィレンツェでも有名なマエストロのR氏の工房での実習がスタート。5月の前半までは時間がとれないと聞いていたので、バカンスにでも行ってるのか思っていたが聞けば、アルバニアの美術館の仕事で2週間ほどフィレンツェを離れていたとのこと。家具の仕事の他に、アルバニア以外にも、ブラジルやその他のヨーロッパへも絵画の修復の仕事で出張へ行くこともよくあるという。
 工房はアルノ川の反対側にあるので、イタリア語の授業が終わると、歩いて工房へ。昼食には、DUOMO近くのレオナルドでパスタをテイクアウェイするか、S.Spirito広場の前にある小さなレストラン兼パン屋で、ピザやパニーニ(いずれも約3ユーロ)とファンタを買い、工房で食べる。
 研修時間が限られているので、しっかり事前にカリキュラムのうち合わせから始めた。インドネシアで家具の仕事をしていることを話し、何を学びたいかしっかり伝え、アドバイスをもらいながら決めていく。
 まずは、寄木細工の実習から始めた。毎日が新しい事の出会いばかりでとても興味深い。

寄木細工の実習にて。手前はにかわ(接着材)。


 
■ イタリア事件簿その1「イタリアで洗礼を浴びる」 (2007.8.22更新) ■
 少し前の話だが、イタリア語の授業が終わり家へ戻り、昼食を済ませて工房へ初めて行く日のことだ。駅の前から23番のバスに乗るのだが、23Aと23Bの2種類がありどっちに乗っていいいかわからない。駅の前で人にも尋ねたが、旅行者で彼もよくわからない。とりあえずバスが来たので乗ってしまったが、実際はバス停のその時点で狙われていたようだ。
 バスには、どんどん人が乗ってきてDUOMOの前に停まった時は、ほぼ満員状態だった。ちょうどバスの真ん中に立っていたが、降りるバス停の事だけが気になって肩にかけたバッグの事など全く気に留めていない。隣にやたら目が合う長身の欧米人がいるなあというぐらいだった。乗客が少し降りスペースがあいたのに、彼は窮屈な場所から動かない。すると着ていたジャケットを脱いだが、左肩にはまだそのままジャケットを着ている。「変なやつだなぁ。」と思っていて、すぐに「あっ!!!」と思った。
 肩にかけたバッグをみると閉じていたはずのファスナーが開いていた。中には本、ノート、携帯、デジカメなどを入れていたが中身は無事だ。今までの隣の長身の欧米人の奇妙な行動を思い返してみると、奴が犯人だということはすぐに確信した。ジャケットを私のバッグにかぶせ、見えないようにしてバッグのファスナーを開けていたのである。腹が立ってきたので、英語で「お前さっきこのバッグ開けただろう」というと、イタリア語で
「non capsico〜何言っているかわからない」とか言ってくる。そうこうしていると次のバス停に着くとすぐに降りて行った。
 あとで思うと警察に突き出す技量と勇気があればよかったと考えたが、あまり時間もなく外国の事だし何があるかもわからないし、被害もなかったのでそのまま工房へ行った。
 その日以来、すごく気をつけるようになりお陰でそれからはそんな目に遭うことはなかった。今考えると被害に合わなかったので逆に「いい洗礼を浴びた」と思った。
 イタリアではスリがとても多く、他の学生もよく被害にあっているようなので皆さんもお気をつけ下さい。

イタリアのバスの参考に。(ローマ・コロッセオ前にて)
通常チケットをタバコ屋などで買って、乗るたびに機械に入れて刻印する仕組みです。
社内でいちいちチェックすることがほとんどないのでただ乗りする人も多いようです。


 ■ 家具修復「傷は家族の歴史」 ■
 修復の際、まずやらないといけないのが古い塗装落とし。基本的にはサンドペーパーだけで寝入りにおとしていく。機械を使うとせっかく何十年・何百年とかけてつくられた味が一瞬にしてなくなるからだ。特に彫刻が入っているところは、ペーパーを小さく折ってその角で塗装を落としていくのでとても手間がかかる。
 「ここは犬がかじった跡」「ここは鍵でついた傷」などと以前に使っていた人のことについて思いを馳せながら作業をしていく。まさに「傷は家族の歴史」だ。傷の特徴を見究め、残しておいた方がよいもの、見栄えが悪く削ってしまった方がよいものを判断していく。塗装が落ちてくると、それに使っている木の古さ、修復方法などから以前に修復作業をした人の腕前までわかってくる。そうやって木の地肌がでてくるとあまりの「すべすべ感」「何ともいえない風合い」に職人さんと二人で時にニヤニヤしながらの作業は続く。

1900年代初頭に作られたSMORKING TABLE
サイドの花瓶の形が特徴のプロバンススタイルのレプリカ。


■ Corsini 庭園にて ■
 今日は工房の職人Renatoに「家具を勉強するなら是非」と誘われ、彼の友人のアメリカンスクールの先生と3人でCorsini庭園での職人による展示即売会のようなものへ。ここは年に3日だけ一般公開されるようだ。陶器や貴金属、ファブリックなど手作りのものばかりが展示されていた。イタリア人のお客さんが多く、中には貴族の人もいるようだった。Renatoは最後まで「来年はお前のところの家具をここで売ろう!」と言っていた。来年はもしかすると・・?!


 
■ 職人さんの話 ■

 最近は作業をしながらイタリアについての世間話もするようになった。
 イタリアでは、まず家具職人をはじめいわゆるブルーカラーの職業は若者には全く人気がなく(日本でも同じことが言えるが)、日本に比べるとかなり深刻なようだ。ニートのようなイタリアの若者も多く、ブルーカラーの仕事は、モロッコ、アルバニアなど移民が多くを占めるという。ヨーロッパまで来るとやはりアフリカが近く感じる。そのためかどろどろになってずっとペーパーがけをしている私を見て、「こんな若者はイタリアにはいない」と職人さんによく言われていた。私も「日本人はよく働く、勤勉だ」とイメージを払拭させないためにも少しだけ頑張った。旅行とは違い、長く滞在してイタリア人と話をしたりすることによって、日に日にイタリアの実情がわかってきた。

ブラジル人が経営する道場からの注文の木刀を仕上げる職人さん


■ Galleria degli Uffizi / ウフィッツィ美術館  ■
 今週はフィレンツェではたまたま年に一度の美術館の入館料が無料の週。
昼から30分ほど並んで入館。ミケランジェロやボッティチェッリ、レオナルドダビンチなどの作品があった。写真は美術館から見たポンテベッキオ(橋)とアルノ川。なかなかいい眺めである。
 4時間ほどいたが慣れない美術館鑑賞の後は、男二人でポンテベッキオから2つ目の橋の近くのいつものジェラート屋へ。1.3ユーロからで2種類選ぶことができ、いつも客が多い。今日は「ヨーグルト」と「オレンジ&チョコ」にしたが「オレンジ&チョコ」は失敗だった。ただ来てそうそうにジェラート店で12ユーロ(約2000円)払わされた事に比べると何ともないが・・・。特に観光客相手に商売をやっている店では必ず値段、お釣りを確認して下さい。平気でごまかしてきますのでご注意を。


■ 5月のある日曜日 ■
 今日はルームメイトのメキシコ人とサッカーへ。日曜日で特にすることもなく、たまたま試合があるとのことで歩いて1時間ほどかけてFiorentinaの本拠地であるスタジアムへ。そこでまた1時間ほど並び24ユーロの当日券を買う。パスポートのコピーがあったので無事に買うこともできた。
 途中で列に割り込みをしてきたイタリア人は、それを警備員に指摘されても「ひとりぐらいいいだろう」などと言って居直っていたが、最後にはその列を後にしていた。さすがイタリアだ。
 思えばサッカー観戦はカズが代表に居た頃に観た広島でのアジアカップ以来の十数年ぶりである。
 さすがに入場時の警備が厳しく、ペットボトルは持って入ってもいいが、キャップだけはその場で外さないといけない。
 試合は1対0でFiorentinaが勝利。観客のやじ・歓声が楽しく、また違ったイタリアを感じることができた一日だった。

ハーフタイムの売店。
この日は、水とアイスクリームを買った。


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