アメリカン・ロマンス
全242冊で刊行ストップ。

アリス・モーガン
ハッピー・ハート A-56 ハーレクイン社  発刊:1986.03.05
ヒロイン:ハニー・アイリーン・ボウマン(ウェイトレス兼年金保険会社員・26歳) ヒーロー:ロバート・ウェストン(年金保険会社経営・34歳/愛称ボブ)

あらすじ
ゴシップ蘭を散々、賑わしていたボブの境地は、
「女性と交際しているより、仕事の方が楽しい」
しかし、伯母が経営する結婚相談所でたまたま見ることになったビデオに映っていた女性のおかけで、その考えは脆くも崩れ去ろうとしていた。
「今度の日曜日に行われる結婚式に一緒に出席してくれる男性を紹介して欲しい。その式には、気の合わない母が無理やり押し付けてくる男性も出席することになっていて……」
ビデオの中で窮状を訴える彼女を、冷笑しながら眺めていたボブだったが、日曜日当日、披露宴会場に足を向けてしまっていた。
そして、会場で探し当てた彼女の背後に立ち……

病に倒れた最愛の父を最期まで看取る為、学業を中断したり、考え方の違いから母親から学費の一切合切を打ち切られたおかげで、ハニーは生活苦に喘いでいます。でも、アルバイトの掛け持ちなどをして学費、生活費を稼ぎ出して、卒業を勝ちとります。
が、残せた成績は今一つだったため、就職先が場末のレストランのウエイトレス。
その上、母が勧めてくる結婚相手は、最低の品性の持ち主で、踏んだり蹴ったりという状況に陥っています。
そんなハニーの人生に現れたのが、ボブ・ウェストンというジゴロ。彼と出会ってからは、一流企業に就職できるし、高級マンションに住むことができるようになるしと、夢のように運勢が上向き。
……もちろん、ハニーの人生が上向いた陰には、ボブの手回しがあるわけです。
「現時点では、君は14歳の子供とさして変わりはしない」 純情無垢なハニーのために、頑張るボブ。
ハニーとの長期間のハネムーンを確保する為に、疲れた身体に鞭打って残業に励んでおります……まだ、プロポーズも身分明かしもしてないうちから(笑)


アリス・レマリー
クリスマスツリー A-97 ハーレクイン社  発刊:1987.12.05
ヒロイン:アレクサ・サンティニ(クリスマスツリーの育成林の農場主・27歳) ヒーロー:トレヴァー・スティーヴンス(開業医・36歳)

あらすじ
自転車に乗っていた女性を、信号無視をした車が轢き倒した。怪我をした女性は、すぐにこの地域の医療を一手にになっているトレヴァー・スティーブンス医師の元に運び込まれた。
縫わなければいけない腕の傷以外は、大きな怪我がなかったのだ不幸中の幸いだった。
しかし、アレクサ・サンティニと名乗ったその女性は、大の医者嫌いだったらしく、治療を受けたがらない。トレヴァーは、治療の妥当性を静かに彼女に言って聞かせ、ようやく処置を受けさせることに成功するのだった。
治療後、そそくさと医院をあとにしたアレクサは、その後、理由を作り上げて抜糸の予約をすっぽかすという手段をとった。
トレヴァーは診療鞄をもって、彼女の住居である農場へと向かうのだった。

トレヴァーの忍耐強さに脱帽。「自立」に固執するリザを、ひたすらトレヴァーは見守り続けます
農場の仕事に、自宅のあちこちは待ったなしの修繕が必要で、その作業を一人でやり遂げようとしているリザ。
彼女は、手助けをしようと差し伸べるトレヴァーの手を取ろうともしません。
問題が起きた時、「相談する」はもちろんのこと、「話題にのぼらせる」ことすら避けるリザの態度は、トレヴァーを傷つけるよなぁ……と思うのでありました。
メモ:植林が盗伐されていることをトレヴァーには教えず、泥棒がやってくるのを見張るのも一人でしようとするリザ。


キャスリン・G・シーデル
森と湖の祝祭 A-4 ハーレクイン社  発刊:1984.01.05
ヒロイン:エイプリル・ラムゼイ(森林警備官・25歳) ヒーロー:クリストファー・D・ラムゼイ3世(弁護士・29歳/愛称クリス)

あらすじ
応募者が列をなすほどの人気職業である森林警備官になって、1年が経った。自分の力で生活をしていると、胸を張れることの喜びをエイプリルは噛みしめていた。
そんな彼女の前に、逃げるように断ち切った過去が姿を現した。
エイプリルが管理しているキャンプ場にやってきたニューヨークの弁護士グループが提出した名簿に、忘れようとしても忘れることの出来ない名前を見つけたのだ。
『クリストファー・D・ラムゼイ3世』
彼は、4年前に離婚した夫だった。

6年前、自分がいかに大人になりきれず、クリストファーに犠牲を強いたのか。溢れ出る愛情を彼に注いでも、返ってくるのは自制の効いた礼儀正しい好意だけ。
結婚する原因となった妊娠は早産となり、生まれた娘は、たった2、3時間しか生きることが出来なかった。エイプリルは、一番欲しいクリストファーの愛情が得られないのなら、彼を自分から開放するべきだと、立ち去ります。
再会した元妻は、昔と変らず美しく、まだ大人になりきれてない少女のような無垢さをその身にまとっています。つい、昔と同じように庇ったり、指図してしまうクリストファー。
けれども、森林警備官として時間を惜しまず働くエイプリルを見るにつけ、自分の見方が間違っていたことを気付かされます。そして、そんな彼女を愛し出していることに気付くクリストファー。
エイプリルが好意を寄せてくれているのはわかるけれど、それは愛情ではないという状況に、6年前、自分が彼女にしていたことの残酷さを思い知るこの展開!!
脇を固める登場人物達もしっかりとストーリーに絡んできて、しっとりと、読ませてくれる作品です。


ジェシカ・ジェフリーズ
合鍵泥棒 A-18 ハーレクイン社  発刊:1984.08.05
ヒロイン:ボビー・アン・モロー(債権者調査員・26→27歳) ヒーロー:ブレイン・ピアソン(プロバスケットボール選手)

あらすじ
バスケットボールのプロ選手となって十年。ポイントゲッターとしてチームの要であるブレインは、シーズン中、各地を試合巡業してただひたすら忙しかった。
既に全額返済している愛車のコルベットについて、支払いの滞納云々を警告している書類に煩わされる暇など無かったのだ。
地元で開催される試合に出場するために、故郷に戻ってきたブレインが巻き込まれたのは、そのコルベットが不当に差し押さえられるというトラブルだった。
差し押さえを敢行したミス・モローに、電話で抗議を申し入れても、なしのつぶてだったため、電話帳に載っていた住所を頼りに彼女の自宅に苦情を言い立てにいくのだった。
扉の向こうに現れたのは、想像していた頑固で猛烈な女傑ではなく、少女のように小柄な女性だった。
そのいかにも小さな頼りなげなその様子に強く惹かれたブレインは、手を伸ばして彼女をつまみ上げたいという衝動と戦うのだった。

会社のコンピュータミスとは言え、間違って高級車を取り押さえてしまったことに、ボビーは素直に頭を下げるしかない状況に陥ります。
その寄る辺無い姿に、グラッときたブレインは、つい悪代官になってしまうのでした。
ボビーのミスで、この週末の足がなくなった代償を支払え。さもないと会社に言いつけちゃうぞ。
ということで、彼女のアパートに宿泊する権利をまんまと入手したブレイン。ボビーの週末をとことんかき回しております。
プロバスケット選手が過す日常生活の華やかな世界をかいま見て、馴染めないと思うボビーが素敵だったりします。
会社の上司との安全な恋愛とプロ選手とのアバンチュール。どちらを選ぶのかという葛藤展開が続きます。と、言ってもブレインがぐいぐいと行動しているので、勝負は決っているのです♪


シャロン・マカフリー
毛皮のヴィーナス A-116 ハーレクイン社  発刊:1988.09.05
ヒロイン:メグハン・ブロンソン(ブティック店長・31歳/愛称メグ) ヒーロー:ロバート・クラーク・ダウエル(保険会社勤務・42歳/愛称ロブ、ロビー)

あらすじ
学生の時に結婚した相手、デインのアルコール依存症は、結婚生活を破綻させた。直接的に暴力を振るわれることは無かったが、一人息子マイクが肺炎に罹り生死の境をさまよっている間、デインは飲んだくれて連絡が全く取れなかったのだ。
離婚後、実家の援助もあって、なんとか生活を立て直したメグだった。
親しく付き合う男性はいないものの、生活は充実していた。支店長として任されているブティック店は盛況だったし、息子マイクは、これ以上ないというぐらい良い子に育っていた。
周囲に異性の気配が全くないメグの様子を機会ある事に、焦がれるように見守っている男性がいることを彼女は全く、気づいていなかった。

メグが支店長を勤めるブティック店と保険契約を結んだロブ。大口の保険しか取り扱っていなかった彼が、小口の契約を結んだのはメグが働いていたから。
初めて会ってから1年間も、彼女の気持ちがこちらを向いてくれるのを待っている恋煩いのような少年のように、近くでじっと見つめ続けたという忍耐力のある男性です。
元夫との泥沼だった結婚生活のおかげで、男性に対して臆病になっているメグを支えながら、彼女が自分の気持ちに気付くのを辛抱強く待ち続けます。
年齢が高めということで、落ち着いた大人のカップルですが、心の華やぎ方は初々しいというか微笑ましい。
でもまぁ、メグが素っ裸の上に毛皮を羽織ってロブを誘惑するシーンもあって、ムフフフ〜ンなシーンは多め。


デアドル・マードン
バスルームの人魚 A-31 ハーレクイン社  発刊:1985.03.05
ヒロイン:クローディア・ニコール・クリアリー(グラフィックアーティスト・29歳) ヒーロー:オースティン・レミントン・ハーウッド4世(弁護士・40歳前後?)

あらすじ
現在、オースティンが担当している刑事事件は、世間の衆目を浴びていた。
由緒正しい家柄出身の裕福な男性が、泥棒と間違われて撃ち殺されたのだ。
妻であるグレンダが、撃ったのだった。
依頼主であるグレンダを無罪にするためにオースティンは雇われていた。
しかし、グレンダの情緒は不安定で、陪審員への心証を悪くするようなことを言いかねない状況にあった。
「わたくしは長いあいだ彼を殺したいと思っていたのよ。ほんとは泥棒だなんて思っていなかったし、今だって悪いとも思っていないわ。憎くて……」
事件の真相を口走るグレンダの告白を自分以外の人間が、聞いているとは思ってもいなかった。
宿泊しているスイートルームの浴室に、見知らぬ女性が入浴を楽しんでいたのだ。

謀殺事件の真相を知ってしまったクローディアの口を何としてでも封じ込めたいオースティンは、ちょいとばかし強引で汚い手を使ってます。
離婚をして自由になったクローディアを手放すのが、苛立たしい前夫ピーターは、彼女に対して居丈高な上に下品で卑しい態度ばかり取ってます。
クローディアの男運が、悪いような気がしてなりません。
養子であるクローディアが、必死になってやっている実母探しの足を引っ張る義姉ティーナとか、対人関係でいつも割にあわない位置に追いやられてます。
妻の影がちらほら見えるのに、オースティンは
「妻はいない」としか説明をせず、クローディアの心をやきもき。
対人関係の歯車が、到頭うまく噛みあわなくなって、クローディアが大爆発するのは当然の展開となります。
クローディアの実母が誰なのか、オースティンがいないと言っている妻の真相をからめてロマンスが展開していく事となります。
メモ:オースティンから漂ってくるレモン系の香りにくらくらしているクローディア。前夫ピーターが留守番電話にいたずら。