あらすじ
テレビの画面に映っているジェードを初めて見たのは、3、4年前のことだった。バーニーは、既に、欲しいと思ったものは何でも手に入れることが出来るようになっていた。しかし、テレビで優雅に微笑んでいる彼女は、幼かった頃、どれだけ望んでも手に入れることができなかったあらゆるものと同じような存在だった。
「目の前にいる。それなのに手が届かない」
だからといって、積極的にジェードとお近づきになるのは、怖くてできなかった。素晴らしい夢のような存在であって欲しかった。
けれども、雇った記者レオの腕にしなだれかかったジェードが、バーニーの前に現れたのだ。
レオしか見ていないジェード……なんとか、2人の間に割り込むすきがないかと、バーニーは毎晩、悶々と過ごすことになるのだった。
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