アン・クリスティ

過去からの旅立ち 1(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1982.09.17
ヒロイン:ローラ・ハガティ(記者・4歳になる息子がいる) ヒーロー:キール・アンドレアス・ペトラキス(海運業、航空会社経営)

あらすじ
経営している会社のパーティ会場に遅れてやってきたキールは、舞踏室の入り口で入るのに躊躇しているのか、不安気に佇んでいる見事な赤毛をもつ美しい女性に思わず見とれてしまった。そして、そっと彼女の肘に大きな手を添えた。
キールの手に驚いた彼女が、さっと振り返り見上げてきた。
エメラルドを思わせるような瞳がキールをうつしている。
彼女とどうしてもお近づきになりたくて、普段は絶対にしないような誘いの言葉が、キールの口から漏れでた。
しかし、返ってきたのはキールを打ちのめすものだった。
「いえ、ありがとう。主人を待っているんです」
ローラ・アレッシオと名乗った彼女が一秒でも早く、キールから離れたがっているのが、手に取るようにわかった。自分に対して興味が一欠片もないと思い知らされるのは、つらいことだった。しかし、キールはローラのことを諦めきれず、パーティの間中、彼女の側を離れないのだった。

ローラの夫ルーディが品行方正の真逆を行く男で、そんな男に従順でいようと努力するローラがなおさら腹立たしいキール。
パーティに居残り続け、その後は他の女性としけこむ気満々のルーディを尻目に、ちゃっかりとローラを送り届ける役目についています。そして、そのまま自分のアパートにお持ち帰りしていただいちゃってますよー。
お酒を飲ませて雰囲気をつくってと、必死のキール。この一晩で、ローラの身も心も奪おうと迫ってきます。
至福の一夜を過ごしたキール。
対して、余りに甘美であったとしても、一夜の過ちを犯してしまったと罪悪感にかられるローラに、夫が事故死したとの連絡が入ります。
葬儀後、ローラは故郷のアメリカに戻り、4年後から物語が始まります。
再会したローラに、独占欲丸出しのキール。
ローラがキールの息子を出産したという秘密がいつばれるのかという緊張感をはらみながら、物語は進みます。
ローラに近づく男性は老若関係なく排除したがるキールのいかれっぷりがお見事な作品。


ひきさかれても 愛 9(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1982.11.19
ヒロイン:クレオラ・オーウェル(服飾デザイナー・27歳/愛称クレ) ヒーロー:デブォン・ウィレット・チャールズ・アルバート・エルドレッド・カーステアズ(弁護士・英国貴族・37歳)

あらすじ
恋人デブォンの高級アパートで一緒に暮らし初めて、一年が経った。
最近、2人の生活パターンで、譲歩するのはいつも、クレオラの方ばかり……。弁護士の彼から見れば、服飾デザイナーの仕事は、取るに足らないものかもしれないけれど、彼女にとってはとても大事なものだった。
最近では、大きな仕事も任され始め、ますますのめり込んでいるのが、更に気に入らないらしい。
ショーを間近に控えているこの時期に、イギリスに出張するデブォンが同行を求めてきたが、クレオラは心無い中傷に怖じ気づいて直前になって行くのを取りやめるのだった。
そのことで、大げんかとなったまま、渡英したデブォンから1週間、何の音沙汰もない事態に至って、クレオラは彼との別れを決意した。
デブォンには行き先を告げず、上司であるジェイムが紹介してくれたオーストラリアへと、旅立つことにしたのだ。
仕事にも慣れ始めたクレオラを、デブォンが急襲するとは思いもしていなかった。

クレオラを一目見た瞬間に、求婚したくなったデブォン。でも、現代的な女性に違いないクレオラに求婚しても拒絶されるだけだ……。
彼女を何とか手に入れたくて、強引に食事に誘って、そのままお付き合いに持ち込んで、2週間後にはベッドを供にすることに成功します。
その後は、必死に彼女をつなぎ止めようとかなり束縛したりするデブォン。
何せ、クレオラの上司であるジェイムが、彼女のことを虎視眈々と狙っているのだから、心配でなりません。クレオラが、ジェイムの想いを全く気付いてないのが唯一の救い。
でも、余りに自分の我を押し過ぎて、とうとうクレオラに捨てられちゃったデブォン。
「きみがぼくから去ったとき、ぼくは気が狂いそうだった」
クレオラを今度こそ、自分だけのものするためになりふり構わず、行動するデブォン。彼女の抗議など馬耳東風で突き進んでいく姿勢には、鬼気迫るものがあります。


かぎりなく愛に燃えて 40(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.06.18
ヒロイン:テレーズ・エレン・バレット(障害児向け特殊学校の指導員・27歳/愛称ティール) ヒーロー:チャールズ・ハーマン(実業家/愛称チャッツ)

あらすじ
「シスター」
チャッツの嘲るような口調の呼びかけに、ティールは顔をしかめるばかりだった。
叔母に強引に誘われて中南米へ布教活動にやってきたティールは、現地の治安状況が余りによくないことからシスターに扮装していたのだ。
不注意からティールはジャングルで道に迷い、ようやくたどり着いた浜辺で、チャッツに救助されたのは僥倖だった。
ヨットの故障でたまたま停留していたらしい。
豪華なキャビンで丁重な看病を受けたティールは、次第に健康を取り戻していった。
それにつれて、ヨットの持ち主であるチャッツとの距離が、首を傾げるくらい近いのにティールは、不安になった。
チャッツは、スラム街出身のたたき上げの実業家で、女遊びの激しいことが周知の事実だったから。
ティールは、シスターだと思い込んでいる彼らに訂正していなかったのだ……。

助け出したとき、疲れ果ててボロボロになって気を失っているティールに一目ぼれしたチャッツ。
彼女は自分のものだと決意を固め、親身に看病にあたり、体調が戻ってくれば強引に迫っていきます。
押しの一手とお酒の力とムードに酔わせて、見事、ティールとベッドを共にすることができるのですが……翌朝、深酒が祟って逃げられることとなります。
すぐに、後を追いたいのにキャンセルできない仕事のために、しばしの別れ。
なので、再会後は、輪をかけて強引な求愛行動をご披露するチャッツ。
18歳の時に、チャッツのような男性ベンに玩ばれたことのあるティールは、警戒して何とか退けようとするのですが……押し切られっぱなしの展開が続いております。
ティールを傷つけたベンが、最終局面で、再登場し品性下劣な言動を繰り広げますが、チャッツが一刀両断。


愛、そよ風にのせて 148(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1985.03.20
ヒロイン:ジノービア・ドリスカル(ファッションデザイナー・28歳/愛称ジーン) ヒーロー:デイモン・アリスタイディーズ(米国で海運業、航空会社経営・36歳)

あらすじ
姉夫婦が海難事故で亡くなった後、遺されたのはデイビッドとダニエルという双子の男の子たちだった。姉夫婦は、デイビッドの後見人としてジーンを、ダニエルの後見人に義兄の兄デイモンを指名していた。
ジーンとデイモンが婚約していたことから、2人が結婚すれば、双子が別れ別れになることはなかった。
しかし、デイモンの叔母ダリアと母ソフィーが2人の仲を裂くような告げ口をしたのだ。
デイモンに今も愛人がいることをジーンに暴露したのだ。
激しい口論が繰り広げられたあと、ジーンはデイビッドを引き連れて、就職先のアイルランドに旅発ったのは3年前の出来事だった。

ジーンが折れてくるのが当然だと思ってやせ我慢をしていたデイモン。しかし、このまま我を張り続ければ、アイルランドで、ジーンが他の男性と結婚して本当に手の届かない存在になってしまったら……。
母ソフィーがデイビッドに会いたがっているからと、情に訴えてジーンをおびき寄せることにまずは成功することとなります。ソフィーもジーンが去ったあとの息子デイモンの荒れ具合や、断絶してしまった親子の関係を修復できるのなら、どんな機会でも掴みたいとジーンにした仕打ちを悔やんでいます。
アメリカにやってきたジーンを出迎えたデイモン達は、彼女がアイルランド男性と結婚する機会が間近に迫っていたことをデイビッドから知らされ、二度と、アメリカから出国などさせるものかと決意を固めてます。
事あるごとに、求婚をしまくるデイモン。嬉しく思いながらも、派手な女性遍歴のある彼のことを信じきれないジーン。 2人の駆け引きが、派手に繰り広げられることとなります。
そして、明かされるのは、デイモンがどれだけ長い間(ジーンが17歳の時から)、秘かにジーンのことを思い続けていたかというエピソード、最後に華を添えてくるのでした。


愛が奏でるメロディー 173(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1985.08.20
ヒロイン:ミスティー・カーバー(高級クラブのピアニスト/愛称ミスティーク) ヒーロー:ルーカス・スタイブサント・ハリソン(老舗銀行の頭取/愛称ルーク)

あらすじ
これ程までに欲しいと思った存在に、ルークは今まで出会ったことがなかった。
ミスティークという愛称で呼ばれるピアニストから、視線を外すことができない。
ルークが経営陣に加わっているホテルのクラブでピアノを弾いていた彼女が休憩で席を立つのを待ちかまえて、名乗るのだった。そして、マンハッタンの半分の地主であり、老舗銀行の頭取でもあるルークは、生来の性格のままに彼女に誘いをかけた。
「テーブルに招いて、一杯おごりたいんだけど」
当然やって来ると思っていた彼女は、見るからに職業的な笑みを浮かべて、拒絶の言葉をやんわりと口にしてから、そそくさと離れていくのだった……。

すんなりとなびかないミスティーに、俄然やる気を出すルーク。彼女の瞳にあわせて、エメラルドのイヤリングを贈ったり、彼女の友人であるデザイナーへの融資を決定したり(後に融資をしてあげたんだから見返りをと、脅迫してみたり)、長時間働き詰めとなっている彼女のために、胃にやさしい食事を用意したりと、硬軟絡めて押し迫っていきます。
ミスティーは両親から虐待に近い扱いを少女時代から受けてます。その上、親密な付き合いをしていた男性2人からは、都合のよい相手として扱われた結果、男性に対して強い不信感を持つことに。
何度も言い寄ってくるルークを退けるために、身分の違う女とは結婚しないだろうと踏んで、ミスティーは条件を提示するのでありました。
「一つは、病気がないということの証明書。もう一つは、プロポーズよ」
これで、完璧にルークを追い払えると思ったミスティーですが……。
最初、ミスティーを愛人にしようとしていたルークは、彼女の最後通牒にどう対処していくのか……まぁ、なんというか、「強引」のひと言につきるんですよ、うっとり。


夢を踏むなら、そっと 1(エメラルドロマンス) (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.02.20
ヒロイン:キャスリーン・ダイアン・ネスビッド・デンスモア(政治家の妻・30歳) ヒーロー:レイフ・デンスモア(アメリカ上院議員・40歳)

あらすじ
5ヶ月前に遭った飛行機事故は、レイフの命を奪いかねないものだった。救助されたものの脊椎のあちこちに損傷をうけたレイフは、意識が戻った時、自分が動かせるものがまぶたの開け閉めだけということに、絶望した。
そんなレイフを支えたのが、結婚して12年になる妻キャディだった。ここ数年、夫婦仲が上手くいっていなかったにもかかわらず、献身的に看護に当ってくれたのだ。
レイフの代わりに慣れぬ政治活動に奔走し、くたくたになりながらも見舞いに日参し、何も応えることができない夫に日々の報告をし続けてくれた。何よりも感謝しているのは、損傷した脊椎を機能させるための手術を敢行してくれたことだった。レイフの父親を筆頭に、実家の誰もが反対していた手術を受けさせてくれたおかげで、レイフは自分の足で立つことが出来るようになった。どれだけ、キャディに感謝してもしきれない。
そして、あれだけキャディが、献身的に尽くしてくれたのだから、自分はまだ彼女から愛されている筈だ……。
レイフは、距離を置こうとするキャディを手放すつもりなど毛頭なかった。

レイフは、大学で世話になった教授の自宅を訪問した時に、教授の一人娘で、18歳のキャディに出会います。失恋したと大泣きしているキャディに、一目ぼれしてしまったレイフ。まだ、学生だった彼女を攫うように結婚して、自分のものにしてしまいます。
若手政治家として活動も順調、最愛の妻が側にいると順風満帆……と、思っていたのはレイフだけ。
キャディは、レイフの父親エメットを筆頭に2人の姉、そして、 エメットの片腕ブルーノからことあるごとに冷酷な仕打ちを受けていくこととなります。そんな仕打ちを受けているとは全く思いもしていないレイフは、実家に近寄ろうとしないキャディに苛立ちを隠せません。けれども、飛行機事故の後、父親達の酷薄な家族愛や、キャディに対する仕打ちを知るにつけ、彼女を守ろうともしていなかったすかぽんたんの過去の自分を責めることとなります。
しっくりといっていない夫婦仲をなんとか改善したいと思っているレイフの前に現れたのが、友人でもある若手政治家ロブ・アードモアの存在。入院している間、キャディが頼っていた相手です。
キャディとロブの間に通い合う、信頼しきった空気に大嫉妬のレイフが美味しいです。
何としてでも、レイフが推進しようとしている環境法案を阻止したい輩の暗躍(合成写真を使っての脅迫)をからめて、夫婦がもう一度、寄り添うまでのお話しとなっています。