アン・スチュアート

ファベルジュの卵 U-16 (株)ハーレクイン  発刊:1990.05.20
ヒロイン:フェリス・バード(慈善事業団体のまとめ役・30歳・本名フランセスカ・ベルダホフスキ) ヒーロー:ジョン・パトリック・ブラックハート(警備会社経営・元宝石泥棒・38歳・改名前エドウィン・バンス)

あらすじ
ブラックハートと婚約して6カ月。 それは、フェリスの気が安まることがなかった期間でもあった。
不意に行方不明になったり、戻ってきても一言も説明もせず、挙げ句の果てに3週間前に姿を消してからは、一切、音沙汰がなかった。
フェリスを不安に陥れたのは、ブラックハートが姿を消している間に、ヨーロッパで宝石泥棒が暗躍しているという事件のせいだった。
ブラックハートは、その昔、宝石泥棒として名を馳せていたのだ。
警備会社を経営するまでに、堅気になったというけれど……何の説明もしてくれない婚約者にフェリスは不信感を募らせていた。

「信頼は一方通行じゃないはずよ」
何の説明もしてくれないブラックハートに言い放ったフェリスの言葉に首肯いた私。
真相を知れば、フェリスが堪え性なく動き回って、折角お膳立てしたものが壊れてしまうと思ってのことなのですが……フェリスを子供扱いしててなんだか、イヤン。
隠されるから、余計にフェリスは動き回ることとなるし、トラブルに巻き込まれるし、と思うのですがねー。 虎に食い殺されそうになってるし。
今作品でも、高所恐怖症であるのにフェリスは、何度も何度も高いところを登ったり綱渡りをしたりする羽目に陥ってます(笑)
メモ:「泥棒と探偵を(U-54)」から6カ月後の話なので、こちらの作品は後から読んだ方がすっきりします。


泥棒と探偵を U-54 (株)ハーレクイン  発刊:1991.12.20
ヒロイン:フェリス・バード(メリアム議員の総務アシスタントで婚約者・29歳・本名フランセスカ・ベルダホフスキ) ヒーロー:ジョン・パトリック・ブラックハート(警備会社経営・元宝石泥棒・36歳・改名前エドウィン・バンス)

あらすじ
有名な宝石泥棒だったジョン・パトリック・ブラックハートは、その頃の経験を生かして警備会社を経営していた。今回、受けることになった仕事は、「フォン・エマリング・エメラルド」というネックレスの警備だった。
舞踏会で、そのネックレスを身に付ける機会を得るというくじ引きをするというのだ。
仕事の前準備として、関係者の徹底調査をしたところ、素性を偽っている女性が運営の中心にいることが判明した。
舞踏会の主催者である女性の息子フィリップ・メリアム議員の婚約者フェリス・バード。「ヴォーグ」から抜け出たような女性だった。

互いに信頼することの大切さを描いている作品。
フェリスが頑張ってます。高所恐怖症にもかかわらず、高層ビルのハシゴをよじ登ったり、ビルとビルを飛び渡ったり。それもこれも、全てはブラックハートにかけられた冤罪をはらすため。
それだけ頑張ったのに、当の彼からは、あらぬ疑いをかけられて、がっくり……でも、潔くその場を立ち去る姿が、本当に格好が良い。
もちろん、後で血相をかえて、ブラックハートが謝罪にくるので、溜飲は下がります。
メモ:エメラルドの押付け合い・カボシャールの香水・コーヒーの銘柄


愛はワイルドに LS-130 (株)ハーレクイン  発刊:2002.02.20
ヒロイン:エリザベス・ホールデン(人類学者・29歳?/愛称リビー) ヒーロー:ジョン(猿人?/ジョン・バーソロミュー・ハンター・植物学者・33歳

あらすじ
上司でもあり婚約者でもあったリチャードが、大学院生に手を出した挙げ句、リビーを捨てたのは1年ほど前の出来事だった。失恋の痛手より、ホッとした気分になったリビーは、自分が出来そこないの人間のような気がしてならなかった。
そんなリビーに、世界で7番目に大富豪だと言われているハニカット氏から、研究費の助成金を出すと申し出られて、のこのこと南の孤島に出向いてしまったのだ。都会の大好きな私が、こんな辺鄙な島に……。
2ヶ月前まで無人島だったその島に、豪勢な殿堂が建てられていた。
そして、その深部に据えられた観察室に囚われていたのは、「野生の子」だった。

ありえねー、ありえないよ、この設定。
8歳の時に無人島にセスナ機が墜落して両親が死亡、生き残ったジョンは17歳までその島で生き延びることとなります。
文明社会に戻った後、どうしても馴染めないことに気付いた彼は、一定期間、無人島で暮らすという生活をしていた時に捕獲されて薬漬けの観察対象になりさがります。
これ以上監禁生活が続けば精神崩壊してしまうというギリギリのところで 、リビーがやって来て、彼にかけられていた鎖を解き放ちます。
で、島のジャングルの中を二人で逃避行するのですが、リビーはジョンのことを「野生人」と思っているので、自分が喋っていることを理解していないだろうと、懐かしい思い出やら、愚痴やら、恥ずかしいことやらをひたすら喋りまくり。
うるさい女が一番苦手だったジョンは、そのお喋りを聞くのが楽しくて仕方のない自分にびっくり。そして、彼女の性生活を聞かされて妄想大爆走となってます。
当然、ジョンが言葉を理解していることがわかった時には一波乱。楽しー。


水辺の幻惑 AS01-01 (株)ハーレクインMIRA文庫  発刊:2004.12.15
ヒロイン:ソフィー・デイヴィス(ホテル経営準備中・エッセイスト・29歳?) ヒーロー:ジョン・スミス(弁護士・40歳?・本名トーマス・イングラム・グリフィン)

あらすじ
トーマス・イングラム・グリフィンは、ジョン・スミスという偽名を使って、20年前、自分の身に降りかかった犯罪の真相を探ろうとしていた。
美しい湖畔のホテルの翼棟で、3人の若い女性が惨殺されたのだ。
酒とドラッグを痛飲していたせいで、殺した記憶のない殺人事件の犯人に、状況証拠だけで仕立てあげられ、五年もの間、刑務所でグリフィンは服役させられていた。
無罪を勝ち取り、弁護士として成功した今、あの時、何か起こったのか、調べる必要があった。
湖のほとりの今にも崩れ落ちそうなコテージを借り受け、どうやって事件の起きた翼棟に忍び込めるか算段していたところ、ホテルの現在の持ち主である女性ソフィーがマフィンを持って現れた。
他人と話す気分ではなかったが、彼女に取り入ることが出来れば何の苦労もなく屋敷に入り込むことができるかもしれない……。

20年前に起こった殺人事件の真相を明らかにするために、考えないといけないことは山ほどあるのに、グリフィンの頭を悩ましているのはソフィーの
「フリルのついた花柄のスカートの下にどうやって手に入れようか」
一目会った時から、下半身が暴走し出しているグリフィン。
お堅いソフィーを誘惑し、奪っております。
ソフィーとて、やらなければいけないことが山積。
アルツハイマーの初期症状が見られる母親と、不良娘としか言えないような言動を取りつづける異母妹、そして、どこもかしこも修理が必要な屋敷。
けれど、隣に越してきたグリフィンの動向が気になって仕方がなくて、ついちょっかい(?)を出しに行ってしまい……飛んで火にいる夏の虫(笑)
「連続殺人事件の真犯人は誰?」という謎解きは、さほど重要ではないような……


秘めやかな報復 AS01-03 (株)ハーレクインMIRA文庫  発刊:2006.04.15
ヒロイン:ジェニー・キンケイド(私立学校教師・28歳) ヒーロー:ディロン・ゲイナー(自動車修理工場経営・30歳/通称キラー)

あらすじ
昔つるんでいた不良仲間のネイト・キンケイドが撲殺された。
警察は前科のあるディロンを疑ったが、それも晴らされた。
殺されたネイトの荷物を実家に送り返さずに、そのまま預かっていたのは、ジェニーが受け取りにくるかもしれないという願望があったからだ。
キンケイド家の養女だったジェニーは、養父母の甥、ネイトを盲目的なほどに慕っていた。しかし、送り返さなければ、すぐにでも取りに来ると思っていたジェニーは、やってこなかった。
そのことが、これほどまでに強く苛立つのは何故か。それは、真正面からは向き合いたくない感情だったが、いつもディロンの心に燻っていた。
ネイトがこの世から消え去って3ヶ月後、そのジェニーが雪にまみれて、ディロンの住む家の戸口に立っていた。

口ではさっさと帰れ、2度と顔を見せるなとジェニーに暴言を吐きまくっているディロンですが、裏では、ジェニーの貴重品が入っているハンドバックを金庫に隠したり、故障した車をすぐに修理できるくせに部品がないなどほざいてみたり、果てはタイヤの空気を抜く、極め付けは靴を隠したりなどと姑息な手段を取りまくってます。
おかしい、ディロンがやったんじゃないかとジェニーは疑ってみるのですが、知らぬ存ぜぬを通すディロンに丸め込まれてます。
……そりゃーもう、あっさりと、ジェニーてば、ディロンの言葉を信じてます(えー!?)
「昔からすぐに真に受けるたちだったが、今でも変わっていないようだ。俺の話はなんでも信じてしまう。そこがなんともたまらない」
ディロン、すっげー、いじめっ子(苦笑)なんですが、養父が亡くなった時に撮られたジェニーの一葉や、彼女が着た大人びたドレスを後生大事に持ち続けていたりしてるんですよ。
幽霊となっているネイトが、ふらふらと悪いことをしでかしているので、読者もディロンがしたのか幽霊の仕業か最初は「?」なところがあるんですけど。足止めするためのあれやこれやは、ほぼディロンの仕業でした。
ネイトがディロンに対して情欲を溢れさせている場面や、12年前にレイプされた過去がジェニーにはあります。苦手な方はご注意下さい。