アン・ウィール

ミステリー・ガール I-71 ハーレクイン社  発刊:1983.05.05
ヒロイン:アミーリア・デボン(孤児) ヒーロー:ネール・フェリック(帆船の船長/大富豪)

あらすじ
アミーリアは、途方に暮れていた。父がハリケーンの犠牲となり、天涯孤独の身となってしまったのだ。そんなアミーリアを引き取って躾けを施してあげると息巻いているミス・フィンチと宣教師シオドアー姉弟の魔の手から、何としてでも逃げ出さなきゃ。アミーリアは、半年ぶりに島にやってきた帆船シルバー・ドルフィン号に夜半こっそり忍び込んだ。船長ネールに「助けて下さい」とお願いすれば、バミューダまでは連れて言ってもらえる筈だわ……帆船が島を出た後、アミーリアは隠れていたロッカーを密やかに出て、ネールの前に立った。ネールが投げ掛ける静かな視線に、不安で押しつぶされそうだった。

バミューダの自分の屋敷にまず、連れ帰ってアミーリアが大人になったら、結婚を申し込もうと一度は自分を無理矢理、納得させたネール。でもね……ネールだけが素敵なアミーリアに気づくわけじゃなく、出会う男性全てが、彼女の不思議な雰囲気に惹かれていくのに「焦って」、結婚を申し込んでます。アミーリアを「若いだけの男にやるものか」「自分と同じ年齢の薄汚れた(←ネール視点)男には更に渡せないッ」と嫉妬に悶絶しかけてるネールですが、その嫉妬を分厚いオブラートに包みすぎてアミーリアからは、「私、愛されてない(涙)」とすれ違う二人の心模様は王道です。
ネールにすれば憎き薄汚れた男ブランドン・ハートがアミーリアにだけは、とってもいい男で、「いい人」で終わらせるのにはもったいない〜。


七つの噴水の館 I-84 ハーレクイン社  発刊:1983.07.05
ヒロイン:ビビアン・コーネル(22歳) ヒーロー:トム・ストランソム(地元民対象の開業医)

あらすじ
世代は違っていたが、親しくしていた友人カニングハム氏が亡くなった。
彼が余生を過ごしていた屋敷は、どうやら名付け子に譲られることとなったらしい。
遺産の確認の為に、イギリスからやってくるその人物が、俗物でないことを願うしかない。
トムは、お高くとまっている西欧の人間向けに開業する煩わしさより、地元住民を診る方が、医者として生き甲斐を感じていた。

遺産を受け取りにやってきた、ビビアンは22歳という年齢でありながら、異性経験はおくてもおくて。
けれども、人との付き合いの仕方は、バランス感覚が優れていて、筋が通ってます。
その上、弱者に対して包容力のある姿勢で接し、自分の非も、きちんと認められる女性です。
そんな彼女にほぼ一目ぼれ状態(イギリスからの飛行機で隣同士という縁が2人にあるんですが)であったトムは、年長の人間として助言、説教をついビビアンに与えてしまいムッとされてます。
女性に対してだらしない輩が、ビビアンを連れ回したりすると苦言も口をつくし、2人の後を追ってしまうし(笑)
余りに、異性として見てくれていないビビアンに、つい濃厚なキスを落として、逃げられたりと前途多難な恋模様でありました。


サラ祭まで I-101 ハーレクイン社  発刊:1983.05.05
ヒロイン:ジョスリーン・ビショップ(開業医の娘・家事手伝い・19歳) ヒーロー:ジェルベ・サントーヌ(仏国カマルグ地方の牧場主)

あらすじ
家族の意に染まない結婚をした弟ジャン・マルクの妻カミラが妊娠した。モデルだった彼女は自分の身体の線が妊娠によって崩れていくのを他人に見せるのを嫌がって、部屋に閉じこもってばかりだという。
仕事で出張の多いジャン・マルクは、精神的に不安定な妻を1人、家に置いておくのが心配で、実家の牧場にやってきた。到底、牧場の生活にカミラが馴染めるわけでなく、益々、ヒステリーになっていく彼女が、従妹ジョスリーンを呼び寄せたいと言い出すのだった。
繁忙期の今、これ以上手のかかる人間を客として長逗留されてもと、暗に拒絶を仄めかしたジェルべの態度に、カミラは、従妹の美点を滔々とまくしたてあげた。

ジョスリーンを一目見て、気に入ってしまったジェルベ。長身のほっそりとしたその姿は、まるでモデルのようで、時代遅れの牧場生活などカミラと同じく彼女に馴染める筈も無いよなぁ……と、いきなり機嫌が悪くなってます。
ところがどっこい、不便な牧場生活を苦にせず(何せ父が開業している場所は辺鄙な農村地帯だったし)、どちらかというと楽しんでいる様子。
そして、ヒステリーに我が儘を言い募るカミラの相手を辛抱強く務めてて(どう見たって都合よく利用されてるとしか思えないッ)、不測の事態で牧場の家事を任せざるをえなくなったら、見事に切り回してくれる……。
これを褒めずにいられようかッ(牧場主の妻にぴったりだッ)!!
で、ジェルベったら、隣接する牧場主の一人娘で彼の妻の座に座る気満々のセリーに、ジョスリーンの美点を、滔々と述べてたらしい(苦笑)
嫉妬に駆られたセリーが、ジョスリーンの作ったオニオンスープにロウソクを投げ入れたり、暴れ馬に見せかけて蹄にかけようとしたりと、かなり悪辣なことを仕掛けてきます。


世界に一つだけの恋 I-1644 (株)ハーレクイン  発刊:2003.11.05
ヒロイン:サラ・アンダーソン(ウェブサイト作成・47歳) ヒーロー:ニール・ケネディ(衣料ジャーナリスト・医師・36歳)

あらすじ
近々開催されるエベレストマラソンの裏方として、ネパールにやってきたニールは、飛行機が一緒になったツァー客達の中に1人の魅力的な女性がいるのに気づいた。
サラ・アンダーソンと名乗った彼女の落ち着いた物腰は、好感が持てるもので、それ以上にニールを惹きつけて離さなかった。
乗り換えた飛行機で、彼女の隣に首尾よく座ることに成功したニールとサラの間の会話は予想以上に弾んだ。
このまま別れてしまうのは惜しい。
「今夜は疲れているだろうから、明日の夕食を一緒にどうかな?」

物語の出だしは旅先の情事。
遊び人ではないけれど、修行僧では断じてないニールが、一目見て惹かれたサラをスマートに口説いていく展開です。
母親が娘の名前で書いた懸賞が当って、ネパールまでやってきたサラは、旅行前に同僚から旅先での情事をけしかけられていたのですが、まさか本当に体験することになるとは……と、ドキドキ。
容貌も職務に対する姿勢も魅力的なニールにサラも急速に惹かれていくことになります。体調を崩した人たちに対して、誠実な態度をとるニールは確かに素敵です。
でも、なんというか自分が女性にもてるという自信家さんでしてねー。
旅が終われば、この情事も終わりだと2人は暗黙の了解で空港で別れるのですが、このまま別れたくないと動き出したのは、ニール。
サラの自宅を調べて電話をかけてみれば、よそよそしい対応しかされなくて、ムッ。
「初めて僕に肘鉄をくらわせた女性」を諦める気など毛頭なく、玄関先まで押し掛けていくこととなります。
下半身不随の母の介護と年の差、そしてニールより7歳年下の息子がいるという現実をシビアに受け止めているサラの気持ちを、解きほぐしていくのが物語の後半となります。


マドリードの恋人 I-1655 (株)ハーレクイン  発刊:2004.01.05
ヒロイン:キャリスタ・ヘイグ(ロンドンの出版社の編集者・27歳/愛称キャリー) ヒーロー:ニコラス・リョルカ(宿泊客・34歳/スペイン貴族・伯爵・インターネット関連の事業者

あらすじ
勤めている出版社が大手の書店チェーン店に吸収合併され、いつ解雇を言い渡されても不思議ではない状況下で、ロンドンから離れるのはキャリーにとって気が気ではなかった。けれども、スペインで宿泊施設を営んでいる両親のために、行くしかなかった。
飲んだくれることしかしない父は、当てにすることはできない。 久方ぶりに休暇をとる母の代わりとなる人間は、キャリーしかいないのだ。
朝から、せっせと用事を済ませていたキャリーの耳に、かすかに呼び鈴の音が聞こえた。開けたドアの外に立っていたのは、キャリーが頭の中で思い描いた通りの素敵なスペインの男性だった。

ニコラスってば、物分かりが良過ぎる〜。
公爵夫人である母親の乱れた異性関係を見て育ったせいか、彼の出自と莫大な財力に目が眩んだ女性達のアタック攻勢が原因なのか、女性全般に対して斜に構えてます。
来る者は厳選して、飽きたら次を選ぶという女性関係をし続けているニコラス。
そんな中、宿泊客としての興味でしか接してこないキャリーに新鮮味を覚えるのは当然のことで、手を出してみれば、きっぱりと拒絶の憂き目にあうこととなります。で、あっさりと退却するんだよね……育ちが良いせいなのか、がっつかない(笑)
でも心惹かれるものがあるので、離れた所でうろちょろりん。
誘惑の温度が低めな感じで、展開されています。
メモ:「侯爵に愛されて(I-1812)」 の主人公達の6年後(息子が1人、現在、妊娠中)、「再会のイスタンブール(R-1256)」のヒロイン、ニコラとメールでやり取りをしてます。


侯爵に愛されて I-1812 (株)ハーレクイン  発刊:2006.03.05
ヒロイン:カシア・ブラウニング(グラナダの高級ホテルのフロント係・22歳) ヒーロー:シモン・モンドラゴン(スペインの侯爵)

あらすじ
カシアは、画家であった父とともに地中海周辺を放浪しながら大人になった。
その父が亡くなり、天涯孤独の身となった彼女だったが、運良くグラナダでも最高級のホテルのフロント係の職を得ることができ、真面目に勤務するのだった。
父親は、愛娘であったカシアを掌中の珠のように慈しんだが、ある意味、強い束縛の中で育てられたようなもの。
だから、放浪生活をしていたにもかかわらず、カシアは俗世の垢に全く染まっていなかった。
そんな彼女の前に現れたのが、スペイン貴族のシモン・モンドラゴン侯爵と、先だってまでフランスの外人部隊に所属していたジャック・ロックだった。
高貴な生れと育ちが滲み出ている洗練された優雅な雰囲気をまとう侯爵と、ロンドンでも治安の悪さでは最悪の地区で生き延びたあと、まだ少年の内に軍に入隊して大人になったジャック。
2人の男性は両極端だった。

あぁ、もう、ジャックの武骨なところにグッときてしまった私としては、なんとも切ない物語とあいなりました。
手を出そうと思えば、手の出せる関係だったにもかかわらず、キス一つ強要せず、自制しているジャック。
まぁ、その代わりに、カシアの靴擦れの手当てとか、一緒に泳いだ時にさりげなく(?)急接近を仕掛けてたりしてるんですけど。
対して、侯爵の方もカシアを怯えさせることなく、優雅でありながらも着実に迫っていくという見事な手腕を発揮しております。
無垢なカシアに、メロメロな男性陣。
カシアが、どちらの男性を選ぶのか?……と、言っても題名が「侯爵に愛されて」
もう、題名を読んだ時点で勝負はついているわけですが(笑)、2人の男性の内、どちらを選ぶのかというドキドキ展開が盛り込まれているのにこの題名をつけちゃうなんてー。
(原題は『A Night to Remember』)


薔薇の刺 R-272 ハーレクイン社  発刊:1983.09.20
ヒロイン:アニス・ロジター(伝記作家の父親と二人きりで島に居住→化粧品店頭販売員・19歳→21歳) ヒーロー:ドロゴ・J・K・ウルフ(実業家・29歳?→31歳?)

あらすじ
ドロゴ・ウルフがアニス・ロジターに出会ったのは、ヨットでクルージングをしている最中のことだった。
伝記作家である ロジター氏が個人所有する小島の沖で錨を下ろしていた時、覗いていた双眼鏡に、何も身につけず、浜辺で寝そべっている彼女の姿があったのだ。立ち上がって海へと入っていく姿を見なければ、人魚がそこにいると錯覚をしてしまいそうな光景に、ドロゴは目を離すことができなかった。
俗世間に全く汚れていないアニスに、ドロゴは強く心惹かれていくのだった。

島での素朴な暮らしに満足しているアニスに心惹かれたドロゴは、立ち去り際に大人のキスを強引に彼女の唇に落とします。
そして、再会するのが2年後のロンドン。
父親が亡くなって、島の売却を考え始めたアニスは、以前、売却する際には一番に声をかけて欲しいと言っていたドロゴに連絡をとります。
ドロゴの前に現れたアニスは、記憶のままに美しく、ロンドンの世俗に生きながらも、染まっていない様子。で、つい抑制できずにアニスを押し倒しかけちゃったドロゴ。手痛い拒絶に会うのですが、そこは辣腕の実業家。
彼女の弱みにつけこんで、ちゃっかり結婚まで掻っ攫ってます。
新婚生活は、以前、ドロゴが付き合っていた女性の影が見え隠れしたり、アニスに横恋慕する男性(ドロゴと同年配)が出てきたりと、波風が立つのはお約束。
それにもまして、ドロゴの溺愛ぶりにはくらんくらん。
「僕が彼女を愛しているように彼女に愛してもらえれば、どんなに幸せだろう」


夜汽車に乗って R-649
ハーレクイン社  発刊:1988.12.20
ヒロイン:サラ・ランカスター(保母・23歳) ヒーロー:カルロス・ヘイスティングズ(ポロ選手・銀行の跡取り・36歳)

あらすじ
上品に装った彼女が、階段の途中に立っていた。
サラ・ランカスター
1年前、結婚を間近にした婚約者がいるのに、カルロスの恋人になろうとした女だった。
カルロスを自宅に招待したティム・アーズレーの声が遠くで聞こえる。
「息子の保母なんです」
まだ、ここにいたのか……。

再会もの。
恋人同士になったばかりのサラとカルロスが、彼女の義母がしでかしたお節介(サラがカルロスに玩ばれているのをなんとかしなければと、サラは幼馴染みとの結婚が間近だと追い返してます)ですれ違ってしまい破談。
1年後、再会して、再び仲を取り戻す展開となってます。
サラ視点で、展開していくので仕方がないと言えば仕方がないのですが、カルロスの心情が説明不足。
1年前、サラにたった紙切れ1枚の手紙を投函して別れを言い渡したカルロス。彼女がどこに住んでいたかを知っているわけで。別れを告げても、やっぱり忘れられなくて、サラの雇い主ティムのことを調べ上げ、ティムが経営しているギャラリーを訪れ、自宅に招待するよううまく誘導したに違いないと思うんですよね。そんなこと全く書かれてないんですが、妄想すると楽しくて仕方がありません。
物語の大半は1年前の出会いから、恋人同士になって、別離してしまうまでを丹念に描いてます。
再会後の2人については、サラのことを諦められなかったカルロスが財力を駆使してちょっと頑張ってます。スペインにまで、アーズレー家とともに、呼び寄せてるし。
サラは、幼馴染みジェイミーからの求婚とカルロスへの愛情を天秤にかけているしたたかさが天然であります。最初の頃、見目良い自分を無視したカルロスにムッとしてるし。対してカルロスは女性に群がられているのに、女性に対して免疫がない感じで何と言うか純粋。
……サラ(程度の女)でいいのか、カルロスという読後感でありました。


タイ・シルクの花嫁 R-912(ハーレクインロマンスII) (株)ハーレクイン  発刊:1992.04.20
ヒロイン:クラリッサ・ハットフィールド(東南アジアを旅行中・27歳/愛称クラリ) ヒーロー:アリステア・リンカン(大企業の会長・36歳)

あらすじ
出勤前の一番忙しい時間にその電話はかかってきた。
クラリッサ・ハットフィールドと名乗った女性は、アリステアの義妹のニーナが、タイでマリファナ所持の容疑のため逮捕され、刑務所に収監されていることを伝えてきた。
日ごろの行状の悪い義妹の心配より、アリステアはわざわざ電話をかれてくれたクラリッサ・ハットフィールドの方が気になって仕方がなかった。

クラリから連絡をうけたアリステアはその日の内に、タイへと向かうという時間を無駄にしない男です。そして、彼女を夕食に招待し、どんな女性がやってくるのだろうと鵜の目鷹の目で待ち焦がれてます。ホテルのロビーにやってきたクラリに理想の女性像を重ね合わせ、旅行者である彼女を自分の元にとどまるよう色々と画策していくこととなります。
釈放させたニーナの付き添いになって欲しいだのなんだのと、いろいろ。複雑な家庭事情のなかで育ったアリステア(私生児、リンカン夫妻に養子として引き取られる、優しかった養母の死後、後添えにやってきたニーナの母アイリーンとの確執というか浮気の相手をさせられそうになる)は、ニーナに対してかなり冷たいです。まぁ、女性に対する見方が全般的に低いんですけどね。
タイのあちこちの観光地を舞台に、2人のロマンスが花開く展開となってます。
メモ
クラリの頭の上にヤシの実が落ちそうになり、アリステアが慌てて突き飛ばす。クラリは高所恐怖症。ニーナ・リンカンは19歳でかなり無分別。画家の卵であるピート・アルバニーが当て馬っぽい役割。


再会のイスタンブール R-1256 (株)ハーレクイン  発刊:1996.06.20
ヒロイン:ニコラス・テンプル(出版社の編集者→大手書店の秘書・23歳→26歳) ヒーロー:リチャード・ラッセル(出版社経営者・34歳)

あらすじ
元々、トルコ国内を巡るツァーに申し込んでいたのは友人だった。しかし友人の父親が危篤状態に陥ったということで、そのチケットをリチャードが譲り受けたのだった。一緒に見て回る旅行者達は、なかなか多様なようだった。
その中の一人、ニコラス・テンプルの態度にリチャードは首を傾げざるを得なかった。初対面であるにも関わらず、どこか棘を含んだような、身構えるような対応をしてくるのだ……。

3年前、勤めていた出版会社でリストラにあったニコラス。そのリストラを断行したのが、リチャード・ラッセルで、首になる時に、かなりキツイ言葉を投げつけられたという忘れたくても忘れる事のできない苦い思い出があります。
そのリチャードとツァー旅行で再会してみれば、彼の方は、ニコラスのことなど髪の毛一筋も覚えていなかったという現実。リチャードに反発してしまうのは、当然のことなのですが、旅行していく内に、彼の良さもわかってくることとなります。自分が彼を愛していることに気付いて、相手も、憎からずと思っていると知り、肌を重ねることとなるのですが……。
過去のいきさつが、恋の成就をすんなりさせるわけもなく、当然、明るみに出た時、一波乱がおこるのでした。
ニコラスは、ともに放り出された作家と組んで、ベストセラーを生み出そうと頑張り、きちんと結果を掴んでくるやり手の女性でもあります。


テキーラは恋の味 R-1261 (株)ハーレクイン  発刊:1996.07.20
ヒロイン:マリア・ローリングズ(家事手伝い → デザイナー・19歳→26歳/デザイナー名はアンドリナ) ヒーロー:ロール・ダイサート(リゾート建設会社の御曹子)

あらすじ
7年前に亡くなった画家ジョージ・ローリングズの絵画移動展を企画したのは、もうこれしか思いつかなかったからだ。彼の愛娘マリアが、消息を断ってから7年。
自分が彼女を導くのだと思い上がっていたしでかしたあの時の行動が、今もなお、ロールを苦しめていた。
マリアを自分だけのものにしたいがためにした身勝手で傲慢だったやり口が原因で、彼女はロールをばっさりと切り捨て、忽然と姿を消したのだ。
ロールは、ジョージ・ローリングズの作品がほぼ網羅されているこの移動展に、マリアが足を運ぶことに一縷の望みをかけた。

プロローグとエピローグだけが、現在の話で、後は過去の物語が描かれてます。ハーレクインロマンスの中で、こういう展開の物語はかなり異色。
マリアが何故、消息を断ったのかを丁寧に描いてます。
ロールが策におぼれるんですよね。
亡くなったばかりのジョージが遺した絵画がさほど値打ちがないと、マリアに思わせて彼女の未来を操ろうとして失敗してます。
自分の保護下において、マリアの能力を伸ばしてあげようと上から目線の対応に足をすくわれてます。マリアと同年代のクリスチャン・エリクセン(デンマーク人の記者、マリアに好意をもつ、好青年)に頭を下げてまで彼女の行方を血眼になって探したのですが、掴めず……。さぞかし、焦燥感に駆られていただろうなあと楽しく妄想(自業自得で苦しむヒーローを楽しく読むのは暗いですよね。でも大好きな設定だ〜)


魔王からの伝言 R-1447 (株)ハーレクイン  発刊:1998.12.20
ヒロイン:オリヴィア・ジェーン・ハートリー(旧家専門のインテリアデザイナー・28歳/愛称オリー) ヒーロー:ルータヴィク・ウェブ(大人向け美術工芸学校経営・36歳)

あらすじ
経営するラミイー・カレッジのインテリアを任せられる人物をルータヴィクは探していた。今までは、秘書のアネットのセンスで整えられていたが、やはり専門家の手が必要だった。
旧家や、城の内装を主に取り扱っているオリヴィア・ハートリーの手腕にルータヴィクは、目をつけていた。彼女に仕事をしてもらえれば、ラミイー・カレッジは更に発展するに違いない。伝手を駆使して手に入れた彼女の自宅の電話番号は、ルータヴィクにその不在を告げるばかりだった。
「こんばんは、ミス・ハートリー。ラミイー・カレッジのルータヴィク・ウェブです。あなたが才能のあるインテリアコーディネーターだと聞き………」
あとは、彼女から電話が折り返されてくるのは待つしかない。

2人が最初に出会ったのは9年前。ルータヴィクは、オリヴィアと再会した時、そのことを思い出せません。優雅になったオリヴィアと、9年前の不愉快な出来事につながる小娘とイメージが合致しなかったから。オリヴィアは、屋敷を受継いだルータヴィクが執事だった祖父を老人ホームに追いやりアルコール中毒死させたと認識しており、復讐心に囚われてます。
ルータヴィクが、オリヴィアの祖父を屋敷から叩き出したのは正当な理由があるのですが、やっぱりまだまだ若造だったせいで、少しばかり大人げない対応だったのかも。
過去を隠して、ルータヴィクの仕事を受けるオリヴィア。
オリヴィアに会った途端に、彼女に惹かれてしまったルータヴィク。個人的な接触を避けようとするオリヴィアを、雇い主権限を駆使して追いかけてます。
ルータヴィクに対する秘書アネットの中年の恋心が生々しくて、一味違う恋物語となってます。


恋に恋したあとは R-1536 (株)ハーレクイン  発刊:1999.11.20
ヒロイン:フランセスカ・ターナー(資産家令嬢・22歳/愛称フラン) ヒーロー:リード・ケナード(投資銀行経営者・34歳)

あらすじ
パーティの席上で撮影されたに違いない写真の中で、一人の女性が生き生きと人生を謳歌していた。
この女性が早急に欲しい、
潤沢な資金を惜しげも無く投下して、リードは彼女のことを調べ上げた。
フランセスカ・ターナー。
調査書には、投資家の父親に贅沢三昧に育てられた我が儘娘という像が浮かび上がっていた。 特別な相手はいなかったようだが、浮き名を流しているようだった。目を引く赤毛に、整った容貌、そしてどうやら奔放な性格。
情熱的な妻を手にいれることができそうだった。

父親を介して、フランセスカとお近づきになろうという計画は、早々に崩れ去ります。無謀な投機に失敗し、破産後、心不全でこの世を去ったフランの父親。遺された家族は、舞い込んでくる請求書の処理に四苦八苦。長年住み慣れた屋敷も手放さなければならくなったところに、リードが直球勝負仕掛けてきます。
妻になってくれれば、負債は肩代わりする。
一文無しになって動揺している母親のために、フランはリードの提案を受け入れていくこととなります。
はっきりきっぱり「私はバージンですっっ」と、フランセスカは確かに言わなかった。でも、
「わたしはいつだろうと、結婚前にベッドはともにしたくないの。とても古風かもしれないけれど、それがわたしの気持ちなの」と、リードに伝えてるんですよ。
これって、バージン宣言じゃない?
結婚式を挙げて、ハネムーンで、初めてさんだったフランセスカを抱いた時に、話しが違うと怒りだすリード。わけが分からない……それ以外は、いい感じの展開で好みの作品です。
フランが幼馴染みのジュリアンに初恋の上、長い間、つらい片思いをしていたことを知って、がく然とするリードとか。
挙式当日のプレゼントとして、フランセスカがリードへと用意したのが稀覯本。フランセスカが駆使した入手経路の種明かしで、それはちょっとズルと思うのですが、リードが長年探し続けていたというくだりに本の収集ってそうだよねーと親近感。
集めてる本の価格は雲泥の差ですが(笑)