ロマンス1〜10
ロマンス11〜20
ロマンス21〜30
ロマンス31〜40
ロマンス41〜50
ロマンス51〜60
ロマンス61〜70
ロマンス71〜80

ロマンス81〜90

ロマンス91〜100
ロマンス101〜110
ロマンス111〜120

ロマンス121〜130

ロマンス131〜140
ロマンス141〜150
ロマンス151〜160
ロマンス161〜170
ロマンス171〜180
ロマンス181〜190
ロマンス191〜193・自伝
スペシャルエディション1
スペシャルエディション2
ライブラリー・オブ・ラブ(特別編集)

囚われのプリンセス 81 サンリオ  発刊:1991.12.31
ヒロイン:リネッタ・マリニー(仏国の伯爵令嬢) ヒーロー:ダリル・チャーンクリフ(伯爵)

あらすじ
革命の余波はリネッタの住む城まで及んだ。解雇されたことを恨んでいたジャック・シーガーが、暴徒を率いてマリニー伯爵夫妻を捕らえ粛正してしまったのだ。秘密通路に隠れたことで危うく難を逃れたリネッタは、城に居座ったジャック・シーガーに怯えながらも三年間、隠れ部屋で息をひそめ暮していた。
老いた家庭教師が運んでくれる食料を買うお金も底をつきかけた時、英国貴族チャーンクリフ伯爵が城に残っている家具を買い付けにやってきた。家庭教師の「信頼できる紳士だと思えます」という言葉に縋って、リネッタは彼に救いの手を求めるのだった。

財もあり美丈夫な伯爵。今年、社交界デビューしたエレインの余りの美しさに我を忘れて行動し出します。エレインのつれない態度に挑戦心を煽られ、振り向かせるために彼女の欲しがった精巧な家具を求めて、
「なにがなんだかさっぱり、わけがわからない」うちにとうとう仏国まで行く始末。
そして愚痴りながら買い付けにいった先の城で、偶然、助けることになったリネッタ。彼女の余りの美しさと可憐さに心惹かれてます……気が多過ぎるよ、伯爵(苦笑)
しかし、リネッタは伯爵のことを命の恩人と感謝しているだけで「男として見ていない」
三年間、怯えて暮していたリネッタを更に怯えさせてはならないと
「いけない、自分の欲望に負けてはいけない」とお手々をつなぐだけで我慢する伯爵。取り合えず、プレゼント攻勢だーっとばかりに、ドレスからはじめて小物、一財産にもなる装身具一式と買いまくり……。
リネッタをジャック・シーガーから守り通すことができるのか、エレインへの求婚を反古にすることは大変なスキャンダルであるという状況をどう打開するのかが、後半の読みどころとなっております。
リネッタが、ひたすら怯えて伯爵に頼ってばかりいるのがねぇ。その伯爵は、札束で物事を解決しすぎ……持ってない者のヒガミか(笑)


愛のサーカス 82 サンリオ  発刊:1992.01.31
ヒロイン:セルマ・ファーンハースト(貴族の娘・18歳) ヒーロー:マーストーン(伯爵)

あらすじ
フランスとの戦いから生き延びて、故郷に帰ってきたマーストーン伯爵の眼前に広がっていたのは、荒れ果てた自邸と動物園の餓えかけた動物達だった。従軍している間、管理を頼んでいた従兄が、悪意のある采配を振るっていたらしい。その上、伯爵が自由にお金を使えないよう、財産目録を作成し目ぼしいもの全てが次代の伯爵に受け継がれる相続財産にしてしまったのだ。
前途に何の希望も見出せない中でありながら、何とか金を得ようと思いついたのが、動物園の動物を調教して、サーカスを興業することだった。その最終調整に手間取っていた時、若やいだ女性の笑い声が聞こえてきた……目に入ったその姿は、まるで天使のようだった。

亡くなった大伯母が、セルマに莫大な財産を遺し、それを狙う継母とその愛人リチャード卿。リチャードとセルマを結婚させ、財産を自由に使おうと目論んでます。
「 そんな事、絶対にさせない」としばらくの間、身を隠そうと頼りになる馬丁を連れて家出をするセルマ。彼女がとっても、しっかりしてます。身を隠している間に財産を継母達に使われないよう手配したり、家をでる際にもまとまったお金を持ち出し、半金は馬丁に預けるという周到さ。ホント、深窓のご令嬢とは思えないほどしっかり者さん。でも、抜けているところもあったり(本名で行動しかけたり)するのが可愛い。
伯爵の従兄が餓えたトラを使って、伯爵を殺そうとしたり、相続権のない財宝を探したり、継母の企みを退けたりと大忙しの展開を見せる作品となってます。
荒れ果てた屋敷、動物園の運営難、自分も含めて雇用人全員の生活の目処が立たないという心労を背負い込んでいる伯爵には、恋愛をする余裕がほとんど無い状況の為、ロマンス度がかなり低めに感じるのが残念。


レディ・アイナの奇跡 83 サンリオ  発刊:1992.02.29
ヒロイン:アイナ・モンド(父は画家・18歳) ヒーロー:アーヴィン・チェイル(侯爵・30歳)

あらすじ
伯爵家の次男坊であり画家であった父が亡くなった後、近所に住む裕福な老婦人の親切からアイナはその女性宅で孫娘のように可愛がられ教育された。しかしその老婦人も亡くなり、伯父夫婦の元に身を寄せることになったのだった。伯父であるワイモンド伯爵は、姪を歓迎していたが、妻である伯母のルーシィは自分が後見人になることを嫌い、アイナを邪険に扱うのだった。それもこれも、今、ルーシィはチェイル侯爵に夢中で、ようやく彼と逢引できるかもしれない状況ができつつあったからだった。

ワイモンド伯爵がアイナをとても大事にしていることが、そこかしこでわかるのが良い感じ。伯母ルーシィは、ホントに馬鹿丸出しで(苦笑)、純真無垢なアイナとの対比が際立ってたんだけど……。夫婦でチェイル侯爵のパーティに招待されて、そこで侯爵といちゃつく気満々。その為にアイナがとっても邪魔な存在なんだよね。若くて未熟な筈なのに、話題が抱負で魅力的なアイナ(どうやらとっても小柄で妖精のようらしい)が侯爵と少しでも話そうものなら、血相変えて突進。
逢引きしようとしている最中に、ワイモンド伯が戻ってきたから、さー大変。隣室のアイナのところに駆け込んで、「アイナと侯爵の2人が結婚することになったんですって」と見え見えの釈明が〜。侯爵への愛情に気付き始めていたアイナは有頂天に承諾するし、伯父はその喜びに溢れる姪の気持ちを壊したくないけど、翌日、ちゃんと侯爵に釘を刺すのよね。
自分が隠れみのになっていたと知らされて、絶望したアイナが姿を消し、侯爵は必死にその行方を探し求めるのでした。
ルーシィの心情が一番、詳しく描かれているのは、いかがなものかと思いつつ楽しく読めた作品。


愛の聖堂 84 サンリオ  発刊:1992.03.31
ヒロイン:シリラ・モンソー(伯爵令嬢・18歳) ヒーロー:アリスティード・サビーニュ(公爵・30歳)

あらすじ
10年近く前に女性に裏切られてから公爵は、放蕩の限りを尽くしていた。女性を漁っては冷たく捨てるという荒んだ生活に溺れきっていたのだ。病身の母親である公爵未亡人は、そんな一人息子の行状に心を痛め、荒れた生活から、引き離してくれる花嫁探しを友人の枢機卿に頼むのだった。
頼まれた枢機卿は、独身の令嬢をもつ格式の高い貴族を訪ねるが、「サビーニュ公爵の花嫁を」と切り出す度に、体よく断られる事態に陥っていた。そんな中、偶然通りかかった地が、学生時代に大親友だったモンソー伯爵の居住地であることに気付き訪問し、伯爵令嬢であるシリラに理想の花嫁像を見出すのであった。

9歳の時に観た公爵の馬上試合で、既に一目惚れ状態であったシリラ。枢機卿が持ち込んできた結婚話に、夢心地で了承。シリラの父も世間に疎く、公爵が放蕩者であることを知らないため、結婚式が超特急で行われることになります。……親友を騙し、その無垢なる令嬢をあの荒んだ公爵に差し出す役目を担ってしまった枢機卿。後ろめたさ一杯ですが、シリラなら公爵を救い出せるかもしれないと希望しちゃってます。
式さえ挙げれば、パリに戻って以前の生活に浸ると公言する一人息子に母親は返す言葉も無く……。
でもここからが、シリラの天然パワー全開♪ 式に招いていた女性客の会話から、公爵の心の中には今も尚、10年近く前に非業の死を遂げた女性がいると思い込み。公爵の行状を、良い方に良い方に解釈して、尊敬の眼差し光線をバシバシ。その清らかさに、本当のことが言えず仕舞いの公爵のしどろもどろ感とか彼女が本当のことを知ったら、軽蔑されてしまうと心配し出すあたりがなかなかグー。


レディ・アジャンタの決意 85 サンリオ  発刊:1992.04.30
ヒロイン:アジャンタ・ティバートン(牧師の娘・20歳) ヒーロー:クウィタンス・ストウ(侯爵・30歳)

あらすじ
牧師であり宗教学の権威である父は、生活面では頼りにならなかったから、母が亡くなった後、家族の世話を一手に引き受けていたのはアジャンタだった。父の仕事の管理、弟ライリーのオックスフォード大学生活費や妹チャリスの教育費の捻出、末の妹ダリスの世話。家計はいつも苦しくて、そのことを考えると不安に駆られて仕方がなかった。そんなアジャンタに、二千ポンドを用立てようとストウ侯爵が提案してきたのだ。
「2・3 ヶ月の間、偽装婚約の相手をしてくれることを了承してくれたら千ポンド。終了時に、もう千ポンド支払う」と居丈高に言い放つ侯爵に、アジャンタは嘘をつく羞恥心と反発を覚えずにはいられなかった。しかし、自分が我慢すれば、家族が豊かに暮せるのだという侯爵の言葉に、婚約者となることを了承してしまうのだった……。

犬猿の仲であるバーナム卿の鼻を明かすスリルもあって、彼の妻であるレオーナと情事に耽っていたストウ侯爵。この方、かなり高慢ちきさん(苦笑)で、バーナム卿のことを馬鹿にしきっていたところ、不倫の証拠を握られるという手痛いしっぺ返しを喰わされます。世間に不倫の証拠を公表した上で、妻との離婚のスキャンダルに陥れてやると息巻くバーナム卿、「窮鼠、猫を噛む」
公表するまで、3日しかない中、婚約相手の女性を探すことになる侯爵。この婚約者となる女性の心を射止める為に、
「レオーナの助言を仰いでいたのさ〜」という言い訳を展開するつもりらしいんですが……そんな戯れ言、誰が信じるのか問い詰めたい(苦笑)
たまたま知り合ったアジャンタが、聡明な上に美しくて俺様にピッタリ、偽装婚約者にしてやるよと上から見た態度で接すれば〜、俺様の魅力になびくどころか厭わしい感情まで見え隠れ、ムッ。自分の計画に乗ってこないアジャンタに、家族の窮状を救おうとしないのは冷たい限りだなと論点をすり替えての説得をするんだもん……札束で頬を叩く俺様な侯爵。確かにスキャンダルを避ける為には、婚約者が必要なんですが、他の女性でもオッケーなのに、何としてでも、アジャンタを言い負かして自分の支配下に引き込みたいと必死。その上、侯爵ってば、アジャンタが自分には決して向けてはくれない愛情溢れた輝く表情を、弟ライリーに惜しみなく注ぐのに嫉妬。更にアジャンタの歓心を買おうと、その家族にかなり愛嬌を振りまいてます。完璧、一目会った時から、恋に落ちてますなー(笑)


舞いおりた天使 86 サンリオ  発刊:1992.05.31
ヒロイン:ベネディクタ・カルヴィン(牧師の娘・19歳) ヒーロー:ノーラン・キングズウッド(公爵)

あらすじ
父が任じられていた教区を飛び出し、伝道の旅に出た時、ベネディクタがそれに同行するのは当然のことだった。教えを説くその姿は、生き生きとして娘として自慢の父であった。
その父が、旅の途中に一夜の宿として無断で借りた厩で、どうやら卒中を起こし意識が戻らなくなった。助けを呼ぼうと、外に走り出したベネディクタが見たものは、乗馬を楽しんでいる2人連れの立派な紳士だった。

19歳の時、敬愛していた母が不倫をしていた現場を見ることになった公爵。聖なるものと崇めていた母の変貌ぶりに、女性不信へと一直線。一生、結婚などするものかと固く誓うこととなります。
自分の相続人は、従弟のリチャードにまかしたと思っていたのですが、このリチャードが婚約発表した女性が、とんでもない身持ちの悪い女だったから、公爵、愕然。
何としてでも、阻止をしようとしていた所に、父親が卒中で倒れて困っていたベネディクタを拾うことになります。
ベネディクタとリチャードをひっつければいいと短絡的に考えて、彼女を甲斐甲斐しく面倒みる公爵がとても楽しそうです。リチャードを振り向かせる為にと、ドレスを新調させ、小物をあつらえ、と気を配ってくれる公爵に、ベネディクタが好意を寄せるのは当たり前。
牧師の娘である自分は、公爵と全く不釣り合いだとその思いを胸に秘めるベネディクタ。
ベネディクタに対する好意が、愛情だとは露とも思わず、従弟との結婚を強引に勧めようとする公爵。
2人のすれ違った感情は、牧師の死で真正面からぶつかり、ベネディクタは公爵の元から逃げ去ることを選ぶのでした。去られて初めて気付いた自分の感情に、後を慌てて追いかける公爵。いいですね〜♪


星をかぞえて 87 サンリオ  発刊:1992.07.31
ヒロイン:バロラ・ミルフォード(貴族の娘・18歳) ヒーロー:グレヴィル・アレクサンダー・ブロッケンハースト(公爵・30歳/愛称ブロック)

あらすじ
病がちだった母を蔑ろにし続けた父のやり方に、母は失意の内にこの世を去った。そして、父は有名俳優の妻だった女性と駆落ちをした上に、その俳優が急死した後、その女性と再婚したのだ。継母は、父から絞り取れるだけ絞り取って享楽の生活に浸り切っていた。父が亡くなった後、ほとんど無一文となっていたのは当然のことだった。
そして新たにお金を手に入れる為、バロラを千ポンドで悪い噂しかきかないモーティマー卿に売り渡したのだ。モーティマー卿の屋敷に無理やり連れていかれる道中の宿屋で、必死に拒絶するバロラに継母は、
「愛人ではなく、妻として扱ってもらうだけでもありがたいと思いなさい。もし、逃げようとしたらその時は、鞭打ちますからね」
ベッドで泣き伏していたバロラの耳に、隣室から低い穏やかな声がかかった。
「もし逃げたいのなら、手を貸してあげようと思っているんだが……」

退屈しきっていたブロッケンハースト公爵。求婚間近と思われている女性の余りの知性の無さと、自分を財布としか見なしていないその父親の放蕩ぶりに心底、嫌気が差してます。そんな彼に親友が身分を隠して下々の生活に触れろと助言します。ロンドンからヨークの自領地まで、無位の男となって侍従の助けを借りずたどり着けるか?
「たどり着けない」と親友が煽れば、
「絶対にたどり着いてみせる」と公爵は決意し出発します。1日目がようやく終わろうとした時に、隣室から聞こえてきた言い争いと若い女性のすすり泣き。最初は無視しようとするのですが、モーティマー卿の行状を知っているだけに義憤に駆られて首を突っ込むことになります。
公爵が、超然とした存在ではなく人間味ある男性として描かれてます。
怠惰な生活のうちに太ってしまったことに気付いて憮然としたり……その気持ちわかるわ〜(笑) 逃避行中、バロラが愛馬を世界中で1番愛してると話すのに、 自分を世界で1番愛してると言って欲しいものだと悶々。バロラを抱きしめたくて、こめかみがずきずきすると自分の感情の激しさに驚いていたり、田舎紳士としか見てくれないバロラの態度に、
「本来の身分がにじみ出ていないらしい」と苦笑している公爵。そして彼女に愛してもらう為に、一生をかけて努力するぞと熱くなっております。
作品中、
8割以上が、公爵視点によるストーリー展開です。


美しい嘘つき 88 サンリオ  発刊:1992.07.31
ヒロイン:ノエラ・ウェイクフィールド(亡くなった父は退役軍人・18歳) ヒーロー:ラヴェンズディル(伯爵・27歳)

あらすじ
母の従姉妹キャロラインは伯爵家に嫁いでいたが、息子が11歳の時に2歳の娘だけを連れて駆け落ちをしたのだった。それから15年後、駆け落ちした男性が決闘で亡くなった為、母を頼ってやってきたキャロラインとその娘ノエリーに会った時、ノエラは心底、驚いた。2人は、双子のようにそっくりだったのだ。
贅沢はできない生活の中、4人はそれなりに穏やかに暮していたが、キャロラインを訪ねてきた男性からうつされた熱病でノエラ以外の3人の命は奪われてしまった。しかし生き残ったノエラと年老いた乳母、父の部下だったホーキンスも、食べるにも事欠く日々で、このままでは飢え死にしてしまうほどだった。
そんな中、ラヴェンズディル伯爵となったノエリーの兄の使者であり従兄弟でもあるジャスパー・ラヴェンズディルが、訪ねてきた。ノエリーが既に亡くなったことを知った彼は、ノエラにある提案をするのだった

このまま飢え死にしてしまうよりは、ノエリーとなって伯爵に庇護してもらったらいい」というジャスパーの命令に近い囁きに、ノエラは了承してしまいます。でもそれは、乳母とホーキンスも一緒じゃなきゃダメだと頑張るんですね〜。だから、乳母もホーキンスもノエラを必死になって守ろうとしてます。特にホーキンス。70歳を過ぎてるのに、ノエラの危急の為なら何でもする覚悟の下、行動しています。あぁ、忠実なじいや♪ 
愛していた母に見捨てられた苦しみで女性不信を極めていたにも関わらず、ノエラを一目見て、愛してしまった伯爵。自分の妹に対してなんという感情を抱いてしまったのかと地獄の苦しみの中で、のたうち回っていたようです。ノエラを褒める時ほど「そっけない口調」になる彼。優しく接したいのに、つい怖がらせたりと、あぁ悩んでる〜、悩んでる〜。自分のものにならないのなら、せめて幸せに暮して欲しいと金持ちの独身貴族を花婿相手に探してきたりと、涙ぐましい努力をするのですが、ノエラから拒絶されてぶち切れ(笑) その後、叔父が亡くなって半年以上は喪に服さないといけないという免罪符が与えられ、ホッとしているんだけど。
表紙絵のノエラの髪形が金髪の「サザエさん」にしか見えない〜(笑)


幽霊の警告 89 サンリオ  発刊:1992.08.31
ヒロイン:セデラ・クレイヴァン(将軍の娘・18歳) ヒーロー:アイヴァン・ウィンドルシャム(侯爵・27歳)

あらすじ
幼なじみで尊敬していたアイヴァンが、フランスから凱旋した。セデラはもちろんのこと、領地の者達、皆が新しくウィンドルシャム侯爵となったアイヴァンの帰郷を楽しみにしていたが、彼はロンドンに留まったままだった。
戦況の報告もあるから、領地に戻ってくるのが遅くなっているのだと思っていたセデラだったが、アイヴァンと自分の乳母に届いた親戚からの手紙には信じられない真相が書かれていたのだ。
手紙に書かれていたのは、アイヴァンが、ロンドンで身持ちの悪いレディー・エスターと恋仲になり、求婚するのも間近というゴシップだった。レディー・エスターの行状は、どう考えてもウィンドルシャム侯爵夫人になることと相容れなかった。どうすれば、アイヴァンにレディー・エスターを退けて貰えるのかしら……必死になって、ようやく考えついたのは、ウィンドルシャムの血筋が危機に陥った時に出ると噂されてる先祖の幽霊レディー・コンスタンスになりすまして、アイヴァンに警告することだった。

荒んだ戦場から華やかなロンドン社交界にいきなり戻ったアイヴァン。早々に、エスターとその愛人ベイフォード卿の財布と化します(苦笑) セデラが扮装した幽霊からの警告が元で、エスター達の悪事を見ることになるのが物語半ば。ベッドの中でいちゃいちゃしている現場に、踏み込んでいく珍しい展開となってます。早々に彼女達に三行半を突きつけて領地に戻るのですが、社交界に目が眩んでいた事を反省したり、プライバシーを侵害したセデラに説教しようとして彼女の無邪気さに呑まれて出来ず仕舞いな様子が微笑ましい限り。
地元の人たちとの懇親会を兼ねて、サーカスを招き花火を打ち上げる盛大なパーティの準備をセデラと取り組む中で、彼女の成長し切れてない(俗世間に汚されていない)部分に強く惹かれてることに気付いていきます。セデラの上品なお転婆ぶりも良し♪
これでエスター達が、社会的にも罰せられたら言うこと無しだったんだけどなぁ。


愛は突然炎のように 90 サンリオ  発刊:1992.09.30
ヒロイン:エメリン・ネヴァダ・ホルツ(米国石油王の忘れ形見・18歳/愛称ヴァーダ) ヒーロー:ピエール・ヴァーモント(仏ジャーナリスト)

あらすじ
愛娘ヴァーダを
「マスコミの餌食にはさせない」という両親の姿勢は徹底していた。幾人もの家庭教師を雇うことで学校にすら通わせず、屋敷の奥深くに閉じ込められたまま、母の操り人形のように育てられていたヴァーダ。
仕上げは、英国の公爵との結婚だった。
「愛のない結婚など、したくない」と、懇願するヴァーダを、母は優しく諭しながらも、ねじ伏せるのだった。
渡英する前に、パリで花嫁衣装を調達しようという計画を立てていた母が、背中をねじって、医者から安静を申し付けられたのが救いだった。
母の束縛を受けないで、パリ観光ができる……ヴァーダは期待に胸を弾ませた。

パリ観光を楽しもうとしていたヴァーダが宿泊するホテルの一室に忍び込んできたのがピエール・ヴァーモントと名乗るジャーナリスト。それは、莫大な遺産を受け継いだミス・ホルツのスクープをとる為にしたことらしい。
そんな彼に、ヴァーダはミス・ホルツの付添人であると身分を偽り、ピエールが誘ってくれたパリ観光に繰り出すこととなります。
ヴァーダが、ピエールに注意されたにもかかわらず、他の男の誘いにホイホイとついて行く〜。
その男性がまとっている雰囲気を不穏に感じながらもついて行く〜。パリ観光さえできれば、誰でもいいという姿勢が見え隠れしてて、残念。
散々、金目当てと身分目当ての結婚を軽蔑していたピエール。そんな彼自身が財政の逼迫した領地を継がないといけなくなった途端、ヴァーダの莫大な財産の「有効な使い道」を述べ出した……えっ? だよねぇ。