キャンディス・キャンプ
クリスティン・ジェイムズの別名義

 狙われた貴婦人  LS-176  (株)ハーレクイン  発刊:2004.01.20
ヒロイン:アントニア・キャンベル(上流階級出の獣医・30歳) ヒーロー:ダニエル・サットン(牧場主・37歳)

あらすじ:サットン家長男
大事にしていた雌馬が難産で苦しんでいる。
牧場主であるダニエルは、獣医が到着するのをいまかいまかと待ち望んでいた。ようやく、獣医がやってきたと、厩舎から飛び出して、迎えようとしたところ、目の前に立っていたのは若い女性だった。
一目見て惹かれてしまった、優雅な雰囲気をまとうその美しい女性が、待ち望んでいた獣医だとわかった時、ダニエルは思わず失礼な態度をとってしまったのだった。
「こんな若い娘が獣医だとはー」

昔からデートをうまくこなせたためしがないと自嘲するダニエルが、武骨に礼儀正しく、アントニアを誘う姿が微笑ましい。でもまぁ、大人の男性なので(バツいち、18歳の息子あり)、お付き合いも早々に大人向けモードに一直線。
けれども、元夫アランに家庭内暴力を振るわれ未だに心の傷を抱えているアントニアの告白に、癒そうと抱擁するだけという姿勢を貫こうとする度量の深さを見せます。
アントニアをもう一度支配しようとやってきたアランをつい、叩きのめして追い払うということをしでかす程、彼女にぞっこんのダニエル。
その求愛に、殻をまとったアントニアがどう、とかされていくのかが、話しの筋となってます。
メモ:サットン家の構成
長男ダニエル(牧場主)・次男ケイター(ミステリー作家)・長女ベス(大物プロデューサーの妻・一男あり)・三男クイン(保安官)・四男コーリー(大学三年生) ・ジェームズ(ダニエルの息子・高校3年生)


 移り気なプレイボーイ  LS-180  (株)ハーレクイン  発刊:2004.02.20
ヒロイン:リサ・メンドーサ(弁護士・27歳) ヒーロー:クイン・サットン(保安官・32歳?)

あらすじ:サットン家三男
保安官であるクインが緊急出動するのは交通事故ぐらいの平和な地域であるエンジェル・アイで、何か不穏なことが起こっている。クインは、急に人の出入りが激しくなった家を慎重に見張っていた。
なんとかとっかかりだけでも得ることはできないものかと 、その家に出入りしている地元の若者ベニーを、ささいな交通違反を理由に拘置していたのも、それが理由だった。また、ベニーの祖母にあたる女性から、
「孫が仕事を辞めたにもかかわらず、金回りがよくなってるみたいで心配でならない」という相談も、考慮してのことだった。
そのベニーの拘置が不当であると、いきなり保安官室に乗り込んできたのは、弁護士のリサ・メンドーサだった。彼女を一目見た時、クインは時間が止まったような、スタンガンで撃たれたような衝撃を覚えるのだった。

クイン保安官に不当な理由で、拘留されているベニーを助ける為、やってきた弁護士であるリサ。
しかし敵対関係であるにも関わらず2人は、一目会った時から互いのとりこ。
けれども、職業倫理に反するからと、必要以上に、疎遠になろうとするリサ。
早々に、誘惑をしかけだすクイン。追いかけっこが始まります。
まぁほとんど、クインの迫り勝ちなんですが……。
クインが何故、女性と軽いお付き合いばかりを繰り返しているのかが当然、判明する作品。
メモ:サットン家の状況
前作の長男ダニエル(牧場主)とアントニアの結婚式が、行われています。・次男ケイター(ミステリー作家・出版キャンペーンに出る予定)・長女ベス(大物プロデューサーの妻・一男あり)・四男コーリー(大学四年生・教育実習中) ・ジェームズ(ダニエルの息子・大学一年 映画関係の学部)
それにしても、リサが「後ろめたさ」だけで仕事に打ち込んでいる姿勢とか、仕事の倫理観に対して他人には厳しいのに自分には甘い感じが、イマイチ。


 ハリウッドに恋して  L-1180「恋は気まぐれ」に所収  (株)ハーレクイン  発刊:2006.05.20
ヒロイン:エリザベス・アン・サットン(肖像画家・29歳/愛称ベス) ヒーロー:ジャクソン・プレスコット(プロデューサー兼映画監督・36歳)

あらすじ:サットン家長女
新作映画のロケ地探しと息抜きも兼ねて、広大な西テキサスの平地で車を走らせていたジャクソンの目に、道路上でうずくまって苦しんでいる女性の姿が入った。
売れっ子の映画監督であるジャクソンに何としてでも取り入ろうとする輩が多いこともあって、無視して通り過ぎてしまおうという考えが、一瞬でも頭の中をよぎった。
その考えを実行に移さずにいて本当によかったと、ベス・サットンと名乗ったその女性が助手席で陣痛に耐えている様子を見て、ジャクソンはつくづく思った。
何としてでも、ベスとお腹の赤ちゃんを病院に無事に送り届けなければ……ジャクソンは、アクセルを静かに踏み続けるのだった。

ベスは、妻子ある男ロバートに騙されていた揚げ句に、別れた後、妊娠が判明。19歳の時に自立してから、初めて父と兄弟達を頼って実家に戻って出産に備えることとなります。
が、予定より一週間も早くに破水、陣痛を迎えることになって大慌て。それも、幹線道路から外れていることから通行する車が極端に少ない西テキサスの道路に立ち往生……。
そんなベスを病院まで送り届け、出産にまで立ちあってくれたのがジャクソン・プレスコット。
ハリウッドでも特に有名な映画監督である彼ですが、それに驕らずとても包容力のある素敵な男性です。
ロバートに騙されて男性不信になっていたベスが、早々にジャクソンの真摯な態度に心に負った傷が癒されていくこととなります。
ハリウッドにあって、損得のみという荒んだ人間関係を嫌というほど体験したジャクソンは、ベス(サットン家)の誠実さと自分が取り上げた赤ん坊ジョゼフの存在に、心が和むとともに、彼女が欲しくて仕方がなくなります。
かなり早くから「愛している、結婚したい」とはっきり意思表示をして、ベスの心が決るのを待つジャクソン。ベスが、納得するまで無理強いをしないところが、大人の男性です。


 愛と癒しの湖  L-1175「ずっと忘れない」に所収  (株)ハーレクイン  発刊:2006.03.20
ヒロイン:カサンドラ・ウィークス(写真家・36歳/愛称キャシー) ヒーロー:サム・ブキャナン(建設業経営)

あらすじ
心から愛し合っていた夫フィリップが難病に冒され亡くなってから、2年半が経った。友人達は、故人を偲んでばかりいるキャシーに、未来を見つめた方が良いと説得ばかりする。彼女は苛立ちを隠しながら、友人達の思いやりを聞き流していた。
この静かな環境の中で、穏やかにひっそりと暮らしていきたいだけなのに……。
だから、ここ数ヶ月近く、隣接する土地で行われている改装工事の騒々しさに辟易していた。
そして、騒音を撒き散らしている隣家の新しい持ち主サム・ブキャナンの厚かましさには、怒りが押さえることができなかった。
ボートの発着場に必要だからと、キャシーの土地を売ってくれと何度もしつこく申し込んでくるのだ。
「相場より代金をはずむ」から、売ってくれて当然というその態度に、キャシーの堪忍袋の緒が切れた。
「いくらお金を積まれても、わたしは売りません!」

キャシーのヒステリックな態度にムッとしたサム。意固地で不愉快な態度しかとらない彼女をなんとしてでも説き伏せてやると、こちらも意固地になって、再度、訪問を敢行したサムの目の前に現れたのは、今にも紙おむつがずり落ちそうな赤ん坊を抱いているキャシー。
サムは、ねまき姿にくしゃくしゃの髪という、いつもと違う彼女に、早々と、虜にされていくこととなります。
義理の娘ミシェルが押し付けてきたその赤ん坊の世話に夢中のキャシーを、フットワークも軽く手助けするサム。
赤ん坊の世話、ミシェルが抱える問題をキャシーにだけ背負わせないよう支え、助言する姿は誠実そのものです。そして、キャシーに迫るところは迫って、熱々ー♪


 裸足の伯爵夫人  CC01-01  MIRA文庫  発刊:2001.09.15
ヒロイン:チャリティ・エマーソン(父が伯爵の三男坊・5人姉妹の真ん中・17歳) ヒーロー:サイモン・ウェストポート(伯爵・30歳/呼称デュア卿)

あらすじ
思いを誓い合った相手のいる姉セリーナが、両親の勧めるままに意に染まぬ結婚を受け入れようとしているのを、チャリティは何としてでも止めるつもりだった。その結婚相手であるサイモンに、姉の代わりに自分を選んで貰うよう説得するために、約束はもちろんのこと、付添も無しで彼の屋敷にチャリティは出向くのだった。

この作品は、「こんなに幸せすぎて困る」サイモンとチャリティの熱々物語。
サイモンへの悪意ある噂が、チャリティを巻き込んでいくサスペンスというかミステリー(←これの説明は苦手。本当に苦手) は、さほど重要ではない(たぶん)くらい、べたべたと2人が幸せを垂れ流してます。
爵位と財産を次代に継がせるためだけに再婚しようとしたサイモン。本当は心優しい紳士なのですが、悪意のある噂にまみれて「悪魔のデュア」と陰口を叩かれてます。その容貌(緑灰色の瞳に黒髪の大男)が更に噂に拍車をかけてます。この大男が、チャリティ一筋で暴れまくってます。
対して、チャリティは肉付きのよいおきゃんな娘さん。無邪気で正義感が強くて、怖い物知らずで、世情に長けているようで実際は疎くて、サイモンの愛情表現が大好きな、うら若き女性。
必死に積み上げているものの、今にも崩れそうな彼の自己抑制に、チャリティが果敢に体当たり。


 令嬢とスキャンダル  CC01-02  MIRA文庫  発刊:2002.05.15
ヒロイン:プリシラ・ハミルトン(貧乏旧家の娘・作家・24歳/作家名エリオット・プルーエット) ヒーロー:ジョン・ウルフ(記憶喪失中にプリシラ父娘に勝手に命名される/本名ブライアン・エイルズワース・28歳

あらすじ
科学にしか才能が発揮されない父は、当然、家計に無頓着でプリシラは世間的には認められない能力で日々の糧を稼ぎ出していた。2人の弟達が希望する進路に就けたのも彼女のおかげだった。
2作の冒険小説を書き上げた作家エリオット・プルーエットとは、プリシラ・ハミルトンのもう一つの顔だったのだ。
弟達が巣立った後、父と元家庭教師の三人で、「それなりに」平穏な暮らしをしていたハミルトン父娘の住む家の戸口に、珍客が訪れたのは夜分の出来事だった。
尋常でない叩きかたをされていた戸を開けたところ、そこにふらふらと立っていたのは素っ裸の大男!!

ジョン・ウルフと名付けられた青年の身元探しと、記憶が戻った後は30年前に引き起こされた殺人事件の解明という2段階の謎解き構成となってます。毎度のことながら、私、推理は得意じゃないんで、そのあたりの感想はパス(笑)
ジョンとプリシラのああ言えば、こう言うの会話が楽しかった♪
記憶喪失だと気付いた青年(←発熱中)に慰めの言葉のつもりか
「具合が悪いときは頭がぼんやりするものでしょう」
「これほどぼんやりとはしないと思うのだが」
プリシラに言い負かされて
「きみみたいにいらいらさせられる女の人は初めてだ」と文句を言えば、
「この二、三日の出来事しか思い出せないあなたがそんなことを言っても」と切り返されてるジョン。 登場人物間で交わされる弾んだ会話がナイス♪
好みの問題ですが、ヒーローは、ヒロインへの惚れ込みよう無限大、こうなんというか欲情は自己抑制で悩んで欲しかったなぁと(笑)


 初恋のラビリンス  CC01-03  MIRA文庫  発刊:2003.01.15
ヒロイン:アンジェラ・スタナッフ(没落貴族令嬢・兄はブリッドベリー伯爵・挿し絵作家・29歳/愛称エンジェル) ヒーロー:キャメロン・モンロー(アメリカの実業家・元馬丁・33歳)

あらすじ
11歳の時に、ブリッドベリー伯爵が所有する厩舎で働くようになったキャメロンは、伯爵の孫娘エンジェルの快活な愛らしさに惹かれていくのだった。
年を追うごとに彼女への思いは募るばかり。互いに深い愛情を抱きあっているとわかった時の天にも昇るような心地は、長くは続かなかった。
2人の秘め事が伯爵に知れることになり、恋人達は引き裂かれた。
伯爵にひどく打ち据えられ折られた肋骨が痛まなくなる頃には、キャメロンが恋した少女は、あとかたも無く消え去っていた。馬丁のキャメロンを捨て、資産家のダンスタン卿の花嫁となってしまったのだ。

幼馴染みもの、身分違いの恋、性的虐待の被害者。
表紙のイラストが「ホラー」と評された2003年発行の初版をようやく、読了。
アンジェラの前夫、ダンスタン卿の「変態性癖」に躊躇して読んでなかった作品です。
その性癖の矢面に立たされ続けたアンジェラが負った傷を、キャメロンが手を尽くして癒します。それと並行して、私生児と思われていたキャメロンの父親探しが展開。
そして、そのキャメロンを亡き者にしようとする魔の手。黒幕は一体誰なのか?
アンジェラに対するキャメロンの愛情の深さが、中盤以降、更に深まって一気読み。


 偽りのエンゲージ  CC01-04  MIRA文庫  発刊:2003.07.15
ヒロイン:カミラ・フェランド(貴族の娘・独身主義者・25歳) ヒーロー:ベネディクト・ウィンクロス(英国軍少佐・対仏諜報部員・男爵)

あらすじ
脳卒中で倒れた祖父の容体は一時期に比べて、小康を保っていた。ここにきて、カミラは危篤状態に陥っていた祖父を喜ばせるためについていた嘘が、二進も三進もいかない状況であることを認めざるを得なかった。独身を謳歌していたカミラの行く末を心配する病床の祖父に
「婚約しました」と、つい言ってしまったのだ。 その男性に、是が非でも会いたいと祖父が言い募ってると聞くにつれカミラは途方に暮れるのだった。

祖父の見舞いに一人で行くしかないカミラの窮状を救ったのが、濃霧の夜道で怪しげな振る舞いをしていた男性ベネディクト。すったもんだがあったものの、彼を婚約者に仕立て上げて、祖父の元に意気揚々と到着してみれば、偽婚約の事情を知る伯母が、更に
「カミラは結婚したんですよ」と嘘をもう一つ積み上げていたから、さぁ大変。
雪だるま式に、ロマンス(偽)を頭の中で組み立てて説明する羽目に陥るカミラとベネディクト。2人が互いに作り出し披露する過去話に、「ぎょっ!?」としているのがなんともおかしい展開となってます。
対仏諜報の中心人物だった組織の一員が殺害され、組織自体を存亡の危機に陥れたのは誰か?という犯人探しは、カミラの偽婚約騒動で影が薄いです。ベネディクトも任務を忘れてカミラの尻を追いかけてたり……(笑)
カミラの親戚に、かなり個性的な人たちが多くて会話が弾んでます。


 ときめきの宝石箱  CC01-05  MIRA文庫  発刊:2004.03.15
ヒロイン:カサンドラ・ヴェレア(貧乏貴族の娘・5人姉弟の長女・27歳) ヒーロー:フィリップ・ネビル(准男爵・富豪)

あらすじ
父が病で亡くなった後、崩れかけた自邸を出て、カサンドラ達姉弟は母方の伯父夫妻の家に引き取られることになった。伯父は良い人であったが、伯母とその娘は、カサンドラ達をみじめにするとこに生き甲斐を感じてるに違いないと思うほど、いただけない人たちだった。
年長者であるカサンドラは、自邸で何の気兼ねもなく暮らしたいという望みを叶える為に、先祖が150年前に隠したという財宝を探しだそうと決意したのだった。その手がかりであるご先祖様の日記には、ヴェルレ家と宿敵ネビル家に宝の地図を残したと記されていた。
家同士の確執を乗り越えて、地図を見つけ出すのに、ネビル家の当主フィリップの協力を仰ごうと、カサンドラは機会を窺っていた。それが、ひょんなことから顔見知りを通り越し、裸のお付き合いにまで発展しかけたのだ。
そう、まさか、彼が寝室に夜這いしてくるとは……。

宝の在り処と、それを横取りしようとする(妨害しようとする)人物は誰か?が謎解きとなってます。謎解き不得意の私なので、そこらあたり……以下略(笑)
夢想家のヴェレル家と実務家のネビル家。最初、宝探しに夢中になっているカサンドラを、馬鹿にするフィリップの態度に、面白みのない人物と、らく印を押してはなりません。
あっという間にカサンドラに感化され、宝探しに夢中になりだしてます。屋根裏で埃まみれで地図探しに没頭し出すフィリップが、本当に楽しそう。
物語が進行するにつれて、カサンドラがフィリップを何度も疑うのが……ちょっと多すぎて、うーむ……。
互いに惹かれ合って、フィリップがカサンドラに触れずにはいられないんだと困ったように言い訳する姿は、ナイス。


 黒い瞳のエトランゼ  CC01-06  MIRA文庫  発刊:2004.12.15
ヒロイン:アレクサンドラ・ウォード(米国海運会社の相続人・24歳) ヒーロー:セバスティアン・ソープ(英国貴族・インドで財を成す)

あらすじ:運命のモントフォード家1
会社を任している部下が、自宅まで若い婦人を伴って訪ねてきたと執事が告げに来た時、セバスティアンは好奇心をそそられて会って見る気になった。部屋で待っていたのは、スラリと背が高く黒髪の絶世の美女。
アレクサンドラ・ウォードと名乗ったその女性は驚いたことに、セバスティアンの会社が米国へ送り出そうとしている紅茶を運ぶ海運会社を取り仕切る幹部だった。
その率直な物言いも含めてアレクサンドラに惹かれたセバスティアンは、滅多に出席しない舞踏会への同伴を口にしていた。
舞踏会で、正装したアレクサンドラをお披露目することが、彼女の命を脅かすような事態を招くとは思いもしないことだった。

アレクサンドラの出自の謎と母娘の命を狙うのは誰か?という謎解きを中心に、セバスティアンとのロマンスが展開されていきます。
まぁ、2人とも一目惚れなんですが、性的なものだと言いきって憚らないセバスティアン……ある意味、失礼な男です。
まあ、打てば響く見事な言葉の応酬をするアレクサンドラに、押されぎみ。
女性不信が原因で、アレクサンドラを詐欺師扱いするという手痛い落ち度もしちゃったりするわけですが、彼女を窮地から救い出すことを数回もしている内に、恋していることを自覚していく過程が可愛かったりするのです。
最初からベッドをともにしたいと、公言していたわりに遂げれたのは終盤で、何度も我慢を強いられてるヒーローでした。


 盗まれたエピローグ  CC01-07  MIRA文庫  発刊:2005.04.15
ヒロイン:マリアンヌ・コターウッド(泥棒一家の内偵役・28歳) ヒーロー:ジャスティン・ランベス(侯爵・公爵家の跡継ぎ)

あらすじ:運命のモントフォード家2
ジャスティンが最も忌み嫌うのは、退屈だった。だから、招待されたパーティのあまりのつまらなさに、早々に引き上げようとしていた。しかし、視界に入ってきた赤毛の女性の容貌に、息を呑んだ。あれほど美しい女性に出会うのは生まれて初めてだったから。
不躾なほどに見つめ続けていたら、視線に気付いたのかその女性は、こちらに振り返ったもののすぐに顔を背けてしまった。女からそのような態度を取られたのは、それこそ初めてで気になって、その動向を見張っていたら、鮮やかに隠し金庫の場所を探り出しのだ。
……未亡人であると言い張るマリアンヌ・コターウッドと名乗るその女性はどうやら、泥棒を生業としているようだった。

「あのおてんば娘」と、口から出てしまうほど思いもかけない言動をとるマリアンヌから目が離せないでいるジャスティン。
お近づきになって懇ろになりたいと切望しちゃうわけですが、簡単に事が運ばないのはお約束。
友人よりも自分の方がお買得だと売り込めばいいものを、人の良い友人を傷付けることは許さないと偉そうに宣言しちゃって、マリアンヌから肘鉄されること数回(笑)
ジャスティンの尊大な態度が大きな原因で、いいところまでいくのに自分で墓穴を掘って、寸止めをくらってます。
2人の荒れ模様の恋に、マリアンヌの命を狙う魔の手が上手い具合に絡んで更に2人の結びつきを強くしていくこととなります。
ジャスティンの婚約者(自称)が、馬脚をあらわして見苦しい様を見せたあと、バッサリとうち捨てられる展開はホント胸がすく〜。
マリアンヌには8歳になる娘がいて、メイド時代に雇い主の息子に乱暴されて出来たという設定がイタイよなぁ……


 追憶のフィナーレ  CC01-08  MIRA文庫  発刊:2005.11.15
ヒロイン:ニコラ・ファルコート(貴族令嬢・慈善活動家・27歳) ヒーロー:ジャック・ムーア(追い剥ぎの首領・ギル・マーティン・30歳/本名ジョン・モントフォード

あらすじ:運命のモントフォード家3
ニコラは十年前に出会った初恋で最愛の人だったギルに、貞節をたてていた。彼が、エクスムア伯爵リチャードの手にかかって命を落とした日から、ニコラの心の奥にまで入り込んできた男性は1人もいなかった。
そんなニコラの前に現れたのは、義賊と地元の人たちが称す追い剥ぎ団首領ジャック・ムーア。
相次ぐ流産が続いた妹デボラが妊娠し、今回もまた体調を崩しがちとのことに、看病のため出向く道中のできごとだった。
追い剥ぎ団の首領は、ニコラから財布と貴金属を取り上げた上に、唇も奪っていったのだ。

追い剥ぎの首領ジャック・ムーアが、実は、誰だったかというのは、ロマンスの王道なので、わかりきっているわけです。
そして、モントフォード家の遺児で、行方がわからなかった長兄ジョンが誰であったかも、ロマンスの王道なので、わかりきっているわけです(笑)
このわかりきっている展開であるにも関わらず、読んでしまうのは見せ場が詰っているハッピーエンドロマンスのため。
十年間、亡くなったとばかり思っていたギルが生きていたことに歓喜するニコラですが、相手のギルが、彼女のことを自分を裏切った性悪女だと思い、その復讐を遂げるために過酷な日々を生き抜いてきたという告白に地獄の底に落とされます。
自分が彼のことを愛して信頼するほどに、ギルはニコラのことを信頼していなかったのだと落ち込むのは当然のこと。再会した2人の仲が一朝一夕に大円団とはいかなくて、ますます一気読みの加速がつく〜。
エクスムア伯爵リチャードの悪行に対する報いというか弾劾もきちんとなされているので、満足な大円団なのでした。


魅せられた瞳  CC01-09  MIRA文庫  発刊:2006.05.15
ヒロイン:オリヴィア・モアランド(公爵令嬢・三女) ヒーロー:スティーヴン・セント・レジャー(伯爵・ブラックホープ領主)

あらすじ:モアランド公爵家の秘密
兄ロデリックが狩猟中の事故で亡くなって1年が過ぎた。
兄の急死に伴って、アメリカで銀鉱山事業を営んでいたスティーヴンは急遽、呼び戻され、爵位と領地を任されることになったのだった。
帰国したあと、華やかなロンドンの社交界に顔を出すこともなく、スティーヴンは領地の管理に奔走していた。そんな彼が、ロンドンに出向かざるを得なくなったのは、母親が霊媒師という名の詐欺師に取り込まれかけているという現状からだった。
どうやら、母が懇意にしている霊媒師マダム・ヴァレンスカヤが、亡くなった兄を降霊させては金品を巻き上げているのだ。
長男を失った悲しみに打ちのめされていた母が、ようやく立ち直りかけていた矢先の出来事だった。
なんとしてでも、霊媒師の詐欺行為を暴き出したい。
そのための力を貸してくれるのは、先日、自分がとても失礼な言動をとってしまった若い女性しかいなかった。
レディ・オリヴィア・モアランドの機嫌が少しでも治まっていてくれたらいいのだが……。
何せ、本人に面と向かって「いかれたモアランド一族の人間じゃないだろうな?」と言ってしまったのだから。

初めて会った時から互いに強く惹かれあったオリヴィアとスティーヴンは、霊の存在を全く信じていないため、霊媒師マダム・ヴァレンスカヤの詐欺行為を暴く為に早速、動き出します。
しかし、間も無く、自分たちの信念が揺らぐような体験をすることとなります。
まるで自分が体験しているかのような夢を見たり、目前を幽霊が通り過ぎるのを目撃したり。
夫のある身でありながら、一人の騎士を愛してしまった女性の心情を体験するオリヴィア。
忠誠を誓った主人の妻を愛してしまった騎士の人生を夢の中で体験するスティーヴン。
過去の亡霊が2人に見せようとしているものは一体何なのか。
そんな中、うさん臭かった筈の降霊術が、真実味を帯びてきて、兄ロデリック以外の霊を呼びよせ臨調感が高まります。
オリヴィアとスティーヴンの仲の進展とともに、人妻と騎士との切ない思いが、随所に挿入されることで、二重のロマンスを読む仕組みとなっています。
メモ:モアランド公爵家の子ども達…長男テオドシウス(探検家/愛称テオ)長女シスビー(科学者・テオと双子・夫も科学者)次男リード(公爵家の中で唯一の堅実家・財政を取り仕切る)次女キリア(社交界の華・独身主義者)末っ子の双子達…アレクサンダー(医者希望・10歳)コンスタンティン(生物学者希望・10歳)
スティーヴンの親友レイフ・マッキンタイア(米国で銀鉱山を共同経営していた仲)


薔薇色の女神  CC01-10  MIRA文庫  発刊:2006.12.15
ヒロイン:キリア・モアランド(公爵令嬢・次女) ヒーロー:レイフ・マッキンタイア(米国人の富豪)

あらすじ:モアランド公爵家の秘密
親友でもあり、米国で銀鉱山を共同経営していたスティーヴン・セント・レンジャーの結婚式に出席するために、花嫁の実家であるモアランド公爵家をレイフ・マッキンタイアは訪れようとしていた。
見事な栗毛の馬を手に入れて、乗馬を楽しみながらの訪問の筈が、屋敷の正面で何やら騒動が起こっているのが目に入ってきた。
……何故、樫の木の上に淑女がいるのだろう。
落下しそうになっているその女性を助けるために、慌てて駆けつけたレイフは、
「手を離して。僕が受け止めるから」
躊躇しているように見えた彼女は、掴まっていた枝から手を離し、レイフの胸に落ちてきた。
それが、モアランド公爵家の女神と称されるキリアとの出会いだった。

モアランド公爵家の次女キリアは、独身主義と周囲からは見られていますが、単に、今までビビッとくる男性と出会わなかっただけの模様。
レイフと出会って、初恋に落ちる彼女の様子が初々しい。
明るくハキハキと言いたいことを言って、行動力もあって、しっかり者のキリア。
妹オリヴィアの結婚式の準備に奔走し、双子の弟達が引き起こす騒動の尻拭いも厭わず、とてもできた女性であります。
キリアの性格、身上がプラスの要素ばかりのせいか、読んでいて心が鷲掴みにされるという展開には到らず。
対して、レイフの南北戦争に従軍したという凄惨な過去(南部出身なのに政治的信条から北軍に参加)があるのですが、それが物語に影をおとすわけでもなく。
やっぱり、こうなんというか陰影のある人物の方が、読み終えた満足感は高いような気がしますな。
サラリと軽く読むのにはオススメ。
物語は、キリアが受け取った精巧な象牙の箱にまつわる謎明かしと騒動をからめてロマンスが展開。
メモ:コンスタンティンの特技はパズル解き


過去の眠る館  CC01-11  MIRA文庫  発刊:2007.05.15
ヒロイン:アンナ・ホルコム(名家令嬢・26歳) ヒーロー:リード・モアランド(公爵家の次男)

あらすじ:モアランド公爵家の秘密
3年前、手ひどく振られた相手であるアンナの夢を見た。彼女に出会った当初から、今なお、あつく悩ましい夢を幾度となく見ている。
けれど、飛び起きてしまうほどの悪夢は初めてだった。
「リード!」
悲鳴をあげながら、こちらに走ってくる彼女の元に駆け寄りたかった。なのに、リードは手を差し伸べることすらできなかった。
夢の中のできごとだと片づけられないほどに、リードは焦燥感に駆られた。
3年ぶりに、アンナが住む地に、リードは出向くのだった……。

2件の殺人事件が立て続けに起こり、詳しく調べてみれば、50年ほど前に同じような事件があったことが浮かび上がってきます。アンナの身を案じるリードは、邪険に扱われながらも、彼女の安全に気を配り続けることとなります。
振られた相手に、強い想いを引きずっているリードの生真面目さが好みだわ。3年前は、紳士に接していた彼が、今回、感情の赴くままにアンナにキスしてしまうシーンなんて、そりゃーもう。
物語が中盤を過ぎるまで、リードの3年前の求婚をアンナが何故断ったのかが、隠されています。

遠い夢の秘宝  CC01-13  MIRA文庫  発刊:2007.11.15
ヒロイン:ミーガン・マルカヒー(ニューヨークの新聞記者・家庭教師・26歳/偽名ミーガン・ヘンダーソン) ヒーロー:テオドシウス・モアランド(探検家・公爵家の長男:レイン侯爵・33歳/愛称テオ)

あらすじ:モアランド公爵家の秘密
テオ は、近ごろ、気持ちが落ち着かなかった。探検旅行に行きたいのかと胸の内に問うて見れば、そうでもないような気がする。ただ、社交シーズンの真只中、ロンドンにいれば娘を未来の公爵夫人にしたいと願っている母親達や、我こそはと思っている未亡人達の、攻勢に晒されなければならなかった。やはり、ロンドンを早々にあとにするかと決意を固め出した矢先、双子の弟達の家庭教師に雇われた女性と対面して愕然とした。
ミーガン・ヘンダーソン
ニューヨークからやってきた彼女は、この10年来、テオにとって至宝ともいうべき少女が成長した容貌を持っていたのだ。

復讐もの。
10年前に南米を探検していた兄デニス・マルカヒーを殺害したらしいテオに、正義の鉄槌を下したいマルカヒー家の面々(ミーガン、父、ディアドリー)は、ニューヨークからはるばるロンドンへとやって来ます。事の発端は、ディアドリーが見た白日夢。デニスが沈痛な面持ちで、大事なものを盗まれた、何としてでも取り返したいと彼女の枕元に立って訴えたことから始まります。
モアランド家に双子の家庭教師として潜入したミーガンは、 いろいろと探りを入れるのですが成果をなかなかあげることができずにいます。
その内、まぁなんというか、ボロがポロポロとでまして正体がばれて、デニス殺害の真相も語られるという展開となってます。おどろおどろしい場面があるのですが、爽やかな仕上がりの作品。

罪深きウエディング  CC01-15  MIRA文庫  発刊:2008.07.15
ヒロイン:ジュリア・アーミガー(貴族令嬢/愛称ジュリー/偽名ジェシカ・ナナリー) ヒーロー:デヴェレル・グレイ(ストーンヘヴン卿・30歳過ぎ/愛称デヴェ)

あらすじ
暴漢に襲われたのはこれで3度めだった。1度めは単なる追い剥ぎかと思ったが、おそらく同じ奴らが襲ってきたのを考えれば、何か理由がある……?
デヴェレルの身辺が何やらきな臭い状況になりつつあるようだったが、そのあとに出会った一人の女性に存在に、そのことは頭の隅からも追いやられてしまったのだ。
軽く賭事をするために訪れたマダム・ボークレールの館で、見事な赤い髪をもつ美女に出会ったのだ。
ジェシカ・ナナリーと名乗ったその若い女性の世慣れた風情の中に見え隠れする、清らかな物腰にデヴェレルは目を離すことができなかった。

復讐もの。
3年前に横領の罪を着せられ自殺した兄セルビーの無念を晴らそうと、妹のジュリア、妻のフィービが動き出します。
セルビーを糾弾したストーンヘヴン卿が、横領の真犯人ではないかという憶測のもと、動き出すのですがなかなかうまく事が運びません。
色仕掛けを使ってでも真相を暴こうと頑張るジュリアですが、トラブルに見舞われ、デヴェレルと結婚する羽目に……。
表面上は反目し合う2人ですが、甘い空気は流れっぱなしな作品。
それにしても、横領事件、デヴェレル自身、当時、もっときちんと調査してから告発すればこんな悲劇は起こらなかったわけでして……ということを考えると、デヴェレルってお間抜けさん?と思ってしまうのでありました。
デヴェレルの母がね、息子のことを他人の痛みに共感する能力に欠けていると評する場面があるのですが、その通りだなぁと感じながら読了。


伯爵とシンデレラ  CC01-16  MIRA文庫  発刊:2008.12.15
ヒロイン:ジュリアナ・ホルコット(下級貴族の話し相手・27歳) ヒーロー:ニコラス・バール(伯爵・31歳)

あらすじ
幼いころ、つらい境遇にあったために、問題児となったニコラスを何の見返りも要求せずに肯定してくれたのは、ジュリアナだけだった。
財産を築き、成功を築いたあかつきには必ず、迎えに来る、待っていると、約束を交わしたのは、ニコラスが16歳、ジュリアナが12歳の時。
それから15年、離れ離れになっていた幼馴染みたちが偶然、パーティの席上で再会した時、そこには厳然たる身分の差が存在した。
ニコラスは自力で財産を築き上げ、伯爵となっていた。
ジュリアナは、貴族の末端にようやく引っかかっているような家に、話し相手兼付き添いとして雇われているだけのとうの立った女でしかなかった……。

幼馴染みもの。
財力も地位も手に入れたニコラスが、ジュリアナのことを忘れずに行方を探し求めていたという下りで、大満足の作品。
苦労をしているジュリアナに楽な生活を甘受させたいと願うニコラスが好き。そして、妹のように大切にしていた彼女に対して情欲を抱いてしまう自分を猛省している彼が、素敵です。ジュリアナに不埒なことを考える奴がいたら絶対に殴ってやると思っている自分が、いけないことを考えてしまうんですよ(笑)
そのあたりの展開が中盤まで。
それ以降が、幼い頃つらい境遇で過ごした領地に凱旋した2人に降りかかってくる不愉快な出来事及び人間関係。
ニコラスを虐待し抜いた叔父一家の末路が描かれるのですが、従弟のクランダルの造詣が多面的に描かれていて憎むべき人物なのに、もやもや感を残してます。
(領地経営の才能を発揮し、何よりもその土地を大事にしていたという記述がある意味、いらないような……)
あと、クランダルの友人ピーター・ハックボーンが唐突な登場も違和感を感じます。クランダル殺害の犯人探しは余り練られてないようなごにょごにょ。
メモ:エレノア・タウンゼント(ジュリアナの友人、米国人)


オペラハウスの貴婦人  CC01-19  MIRA文庫

 発刊:2009.07.15

ヒロイン:エレノア・タウンゼント・スカーボロー(米国の富豪・未亡人・27歳) ヒーロー:アンソニー・ニール(伯爵・36歳)

あらすじ
甥のエドモンドが、異国の地で命を落とした。肺を病んでいたエドモンドに温かい土地で、静養するのは良いことだからとイタリアにいくのを止めなかったのが、いけなかったのか……。
エドモンドの母で、アンソニーの姉ホノリアは、息子が結婚した相手エレノアのことを、ひたすら悪く言う。挙げ句の果てに、エドモンドを殺害したのは、エレノアだと言い始めた。
その真相をなんとしてでも明かして欲しいと、ホノリアはアンソニーに泣き付くのだった。

身分差もの。
アンソニーの姉ホノリアの息子、エドモンドと結婚したのが、エレノアという関係にあります。
エレノアのことを、金目当てにエドモンドをたらし込んで、結婚したと勘違いしてるアンソニー。
そんな2人が、エドモンドの突然の死によって、再会を果たすこととなります。
最初は反発しあっているのですが、徐々に打ち解けあっていきます。
中盤からは、エドモンドが何故、殺害されてしまったのかが、分かるようになってます。