シャーロット・ラム(別名義:ローラ・ハーディヴィクトリア・ウルフ


夕映えのロンドン R-44 ハーレクイン社  発刊:1980.07.20
ヒロイン:リー・ウェスト(弁護士事務所秘書→マティソンの秘書・27歳) ヒーロー:マティソン・ヒューム(新聞社経営)

あらすじ
ホテルの食堂で見かけた女性から、マティソンは目が離せなかった。
同席している男性と親しげに会話を交わしながらも、2人の間には隔たりがあるとしか見えなかった。男性が身を乗り出して手を取ったにも関わらず、かの女性は冷ややかに身を引くのだ。
あの様子なら、自分にも分がありそうだ。
こちらに振り向けと強く思いながら見続けていると、その女性が頭をめぐらせて、マティソンと視線があった。
しかし交わったかと思えたその視線は、マティソンをただの背景としか見なしていないものだった。
席を立ったその女性を、マティソンはエレベーターのところまで追いかけていった。

17歳の時に、妻子ある男性に騙されて危うくベッドを共にする寸前までいったことがあるリー。それ以来、どこか感情が凍ってしまっていて、特に男性に対しての態度は氷の女王様。
そんな女王様を見初めてしまったマティソンは、氷を溶かすべく犯罪チックな行動へと猪突猛進。
エレベータを急停止させ、ディープキスをしてみたり、応募もしていない仕事の採用通知を出したり、住居を紹介して勝手に上がり込んだり……ヤバイくらい強引に迫ってます。
しかし、マティソンてば、自分によろめく若い女性(20歳ぐらいの)に対しての態度が、オジサンくさいです。
その態度が、トラブルを招いていることを充分、自覚して欲しいものだ……。


炎のコンチェルト R-59 ハーレクイン社  発刊:1980.10.20
ヒロイン:リザ・ベイナード(開業医の長女・家事と医院の受付に忙殺・24歳) ヒーロー:マット・ウルフ(人気テレビ俳優・トップクラスの元カーレーサー)

あらすじ
故郷の生家にほど近い田舎の断崖に建つ「ストーム・ダンス」という異名をもつ屋敷を、マット・ウルフは購入しようとしていた。
カーレーサーとして大成したものの盟友でもあった幼馴染みを亡くしたレース事故は、当人の命も危うく奪うところだったのだ。事故後、スタントマンに転向し、そのままテレビ俳優として人気を得たものの、芸能界やロンドンでの狂騒にマットはただ疲れ果てていた。
屋敷に向かって車を運転していたマットの目の前に、突然、若い女性が飛び出してきた。急ブレーキとカーブを切ってなんとか人身事故を免れたマットは、怒気を隠さないまま無謀な横断をしようとした女性リザ・ベイナードに文句をつけるのだった。
しかし、「あなたのおかげでバスに乗り遅れたわ」と言い返すリザに、マットは自宅まで送り届けることを強引に申し出ていた。

一目惚れした女性リザの側に婚約者に準じるような男性ピーターがいることを知ったマットは、ひたすら強引に彼女にまとわり付いていきます。
物語前半は、ピーターがリザに似合う男性でないと臆面もなく言い放ち、その関係を早々にぶっ壊そうと毒を吐きつづけます。
マットの直裁的な物言いに、ピーターと自分の関係を見つめ直すことになったリザ。
そして、リザの家族(特に医者である父と新聞社勤めの我が儘な妹)は、母亡き後、ベイナード家の家事と医院の仕事を一手に引き受けさせてきた事に気付きはじめます。
ということで、骨休めにロンドンに遊びに行っておいでと、送り出されることになったリザ。
親友チェリーのアパートに宿泊させてもらいロンドン観光を楽しもうしていたところ、マットに急襲されることとなります。
後半は、チェリーの恋人である弁護士のアダムとリザとの関係を邪推して嫉妬に身悶えするマットが、そこかしこで読めます(笑)
マットはトップクラスのカーレーサーだけあって、リザをしぶとく追い掛け回してます。そして、リザに図星を指摘される度に、運転速度をあげまくりーの、コーナリング効かしまくりーのという意地悪を仕掛けてます。
なんとかリザを、自分のものにしようと頑張るマットですが、あまりに強引すぎたばかりに肘鉄を喰らいまくってるのが美味しい♪


愛の雪解け R-73 ハーレクイン社  発刊:1980.12.20
ヒロイン:ローラ・ベルサイズ(ベルサイズ商会の令嬢・22歳) ヒーロー:ダン・ハーランド(ベルサイズ商会の重役・37歳)

あらすじ
ダン・ハーランドの上司であるマーカス・ベルサイズの孫娘自慢は底がないようだった。一人息子のジミィが浮ついた生き方をし続け、失望ばかりを生み出している中、孫娘ローラに対して過剰な思い入れがあるのだろう。
ローラの愛らしさ、その知性の素晴らしさを口にし、何度も写真を見せられたりすれば、マーカスが何を考えているかすぐに察することができた。
ローラとダンを結婚させて、自分が起こした会社を任せたいのだ。
そんな中、ジミィが高速道路を逆送した上に事故を起こし、重体に陥った。
ダンは、マーカスに頼まれて、ジュネーブで働いているローラの元に、父親の事故の知らせを伝えに行く事になるのだった。

友達付き合いの域を出たことがないローラの異性関係を、華々しいものだと誤解したダンは、彼女に対して大層冷ややかな態度を取ることとなります。
けれども、ローラのことが気になるって仕方がありません(抱きたくて仕方がない)。その上、尊敬しているマーカスは孫娘と引っ付いて欲しいとお膳立てをしまくり〜。
で、ちょっとローラに接近してみれば、毛嫌いされている雰囲気がありあり。
ローラは、ダンが近づいてこないよう、他の男性を防波堤にしてきます。
その防波堤となった男たちを次々と排除していくダン。ローラと付き合い出した同僚を東京へ栄転させたり、親しくしている昔馴染みの後ろ暗い取引きを暴露すると脅して交際を止めさせたりとやりたい放題。
そして、ついにマーカスのひどく悪くなっていた体調を逆手に、結婚を承知させることとなります。まぁ、無理矢理、結婚させたツケは当然あるわけで、敵愾心丸出し+怯えられているという間柄が続くこととなります。
ダンの暗い情念につきまとわれたローラの怯えが、そこかしこから漂ってくる作品でありました。
それだけ求められているのに、彼の愛情に気づかないローラは、 ダンは私の身体が目当てなんだわと最終告白まで悩み続け〜。


懐しのサルコンヌ R-90 ハーレクイン社  発刊:1981.03.20
ヒロイン:アレックス(ホテルの受付係・22歳) ヒーロー:フィリップ・ド・ヴィヨーヌ(フランスの伯爵・34歳)

あらすじ
早朝の浜辺で、自分と同じように散歩している若い女性がいた。しかし、その女性が軽やかに走っているのは砂浜ではなく、木製の突堤の上だった。
強く吹きつける西風をものともせず、楽しそうに両手をいっぱいに広げている。
フィリップが魅入っていたのに気付いたのか、彼女が立ち止まり視線をこちらに向けた。
その瞬間、バランスを崩した彼女が突堤から落ちかけたのをフィリップはその腕に抱きとめるのだった。
フィリップは動揺のままに、彼女と素っ気無い言葉を交わし、別れた。時を置かず、その彼女と再会したのは宿泊していたホテルの受付であった。
ホテルの従業員として受付で働いている彼女アレックスに夕食を共にしたいと誘うフィリップだったが、婚約者のいる彼女は見向きもしてくれない……。

一目惚れした女性アレックスの左手の薬指に婚約指輪が輝いているのをみて、その婚約者であるハルを見かける度に嫉妬を抱かずにいられないフィリップ。しかし、そのハルがとんでもない女たらしでホテルに宿泊している女性客と後腐れのない情事を楽しんでいることを聞き及び、自分にもチャンスがあると拳を握っております(笑)
ハルから、アレックスを略奪し、彼女が動転しているのをいいことにさっさと結婚してフランスにお持ち帰り。
ここまでが、前半。そして、後半はフィリップの弟ガストンが恋敵として登場してきます。
貞操観念の全くない妻との不毛の夫婦生活に疲れていたガストンの前に現れたのは、敬愛する兄の妻。少女のような無垢な彼女の緑の瞳が柔らかい笑みを浮かべ、慕ってきてくれたら、そりゃーもう、イチコロ〜。妻との離婚を決意し出しちゃうわけですよ。
思わぬ人物が、ライバルとなったフィリップは嫉妬に荒れ狂い、アレックスにつらくあたります。そのことも原因の一つになって、アレックスは流産というつらい経験をすることとなります。
強引に物事を運んでいくフィリップですが、アレックスのことが愛おしくて、愛おしくて仕方がないというのが滲み出ている作品。


嫉妬 R-107 ハーレクイン社  発刊:1981.06.20
ヒロイン:ローラ・ホーラム(心臓の悪い母を看病・19歳/愛称ローリー) ヒーロー:ランドール・メルシエール(多角経営会社のオーナー・36歳)

あらすじ
慈善パーティの主催者が企画した宝探しに参加した甥とその仲間達は盛大に酔っぱらっていた。酔っ払い達に運転させるわけにもいかず、ランドールはハンドルを握ることになったのだ。
「警察官のヘルメットに左側通行の標識、医者の看板、そして最初に会った女の人の持ち物……」
手に入れるために、あまり治安の良くない区画を流していたら、前方に女二人連れが歩いているのが目に入った。
車を飛び出した甥達が、気の強そうな女性の叱責にへらへらと受け答えをしている。怯えた風情を見せていたもう一人の女性が被っていたフードを甥が押しのけると、銀色がかった髪がランプに照らし出された。
まだ、大人になりきっていないその若い女性を一目みただけで、ランドールは何としてでも手に入れたいものが、この世に存在するのだということを知るのだった。

ランドールが一目惚れした女性ローラには、片想いをし続けている幼馴染みのトム(医者)が存在します。
「 ローラがトムに寄せる想い」に、全編を通して嫉妬し続けるランドール。
激情に駆られて、無理やり唇を奪ったり、押し倒したり、ローラが母からもらった大事なロケットの中にトムの写真がしまってあるのをみつけて、怒り心頭の余り鎖を引き千切って捨てたり。
もう、心底、惚れまくっているというのが、手に取るようにわかるのですが、ローラはその思いを気付いてません。
美味しいなー。
出会いが悪かったから、ちょっと品行方正路線で頑張ってみたりと、必死になってローラの気持ちを自分に向けさせようと努力するランドール。
……けれど、実らず(笑)
で、ローラの父親が長年、横領していたことが発覚し、その罪を取り消す見返りに結婚を迫るという手段に出ます。
身体から始まる関係であっても、次第に愛情も湧かせてみせると強気だったランドールが、いろいろと挫折しちゃう過程などは美味しすぎる作品。


あなたにお熱 R-149 ハーレクイン社  発刊:1982.01.20
ヒロイン:サラ・ニコルズ(画家・24歳) ヒーロー:ニコラス・ロウドン(老舗銀行頭取・35歳?/愛称ニック)

あらすじ
ニックは、サラ・ニコルズを一目見ただけで、どうしても自分のものにしたくなり、パーティの主催者に紹介するよう頼み込むのだった。
しかし、老舗銀行の経営者である自分が名乗っているのに、彼女は上の空で、向こうでウィスキーの杯を重ねている男をひたすら心配そうに見やっている。
サラの意識をこちらに向かせたくて、ニックは彼女の手をぎゅっと掴んだ。
「僕の言うことをちっとも聞いていませんね?」
案の定、彼女にもう一度名乗る羽目に陥ったニックは壁に手をつき、サラの気を一身に集めている男を視界から遮るのだった。

サラに一目惚れのニック。開始早々、サラが尋ねもしないのに、熱烈告白大会を開いてます(笑)
「僕は君を自分のものにしたい。全力を捧げて」
「かわいいなぁ。思ったとおりだ。あなたのすることなすこと、みんな楽しいね」
「君なら自分の兄貴からだって奪うさ。君を奪うためなら手段は選ばない」
これだけ、熱い告白をしているのに、サラがなびかないのは、彼女が恋をしたことがないから。その上、同居している義兄グレッグとサラの仲を邪推するという早とちりをニックが嫉妬にかられてしてしまったから、恋の道行きは前途多難〜。
その早とちりのおかげで、ニックは嫉妬に身を焦がして、食欲不振、不眠症と恋煩いをおもいっきり堪能することとなります。
押せ押せで迫っているニックですが、運がなく、お預け状態が続く展開が、読んでて楽しい♪


光と影のはざまで R-155 ハーレクイン社  発刊:1982.02.20
ヒロイン:ジョアンヌ・ロス(女優である母の付添い→高級ホテル付きの秘書・20歳→26歳) ヒーロー:ベン・ノリス(実業家・29歳→35歳)

あらすじ
ジョアンヌの母であるクレア・ソープは、信じられないくらいの美貌を備えた女優だった。いつも周囲に取り巻きの連中が、クレアを賛美していた。しかし、その賛美者に陰りが見え出した。
クレアを撮ろうという映画に出資する人がいなくなっていたのだ。
そんな苦境にたたされていたクレアの前に、突如として現れたのがベン・ノリスだった。
彼の父ジェブ・ノリスは22年前、妻子ある身でありながらクレアに夢中になり、決闘までしでかした過去がある。父の引き起こした騒動のおかげでベンの母親はアルコール中毒の末に亡くなった。
家族をめちゃくちゃにされた償いをクレアにしてもらおう。
ベンは、復讐心を抱えて彼女に会いに来たのだ。しかし、ベンの思惑どおりに事は進まない。クレアの娘であるジョアンヌのことが気になって仕方がないのだ……。

2部構成となってます。
ベンが、アルコール中毒の末に亡くなった母の復讐のためにクレアに近づき、そこで一人娘のジョアンヌに出会い、これは復讐の一環だと思い込んで無体を強いるまで。
ジョアンヌをヨットに連れ出し、身体を奪おうとしたところ、抵抗にあい、海に飛び込まれてなんとか引き上げます。
「もし僕が君を追いかけていかなかったら?」
「追いかけないでくれればどんなによかったかと思うわ!」
ベンに助けられるくらいなら溺れてしまった方がいいと言われて、色を失うベン。自分が何を壊してしまったのか、茫然自失のまま退却を余儀なくされます。
5年後、ジョアンヌの働いているホテルに宿泊したベンが、秘書が必要となって呼び付けたところ彼女が派遣されてきて再会。
「1ヶ月で君のことを忘れようと決心した。しかし、五年後に部屋のドア開けて君を再び見たとき、僕は何一つ忘れていない自分に気付いて愕然とした」
しかし、ジョアンヌには婚約者が!!
これを逃したらもう機会は得られないとばかりに、猛攻勢をかけるベン。ジョアンヌの婚約をぶち壊し、彼女を手中におさめたかと思った瞬間、クレアがちょっかいを出してきて又々一波乱。
美貌が衰えていくことを極度に恐れるクレアは、美しくなっていくジョアンヌを最後まで罵倒していて、なんだか哀れだった。


レイチェルに拍手! R-161 ハーレクイン社  発刊:1982.03.20
ヒロイン:レイチェル・オースティン(ナイトクラブの歌手・24歳/愛称レイ) ヒーロー:マーク・ハモンド(米国石油王・39歳)

あらすじ
マークの一人息子ニッキーの最近の行状について、祖母から取り乱したかのような連絡が入った。
ニッキーが、多額の小遣いが振り込まれていた銀行口座から大金を引き落としたというのだ。
マークがすぐに探偵に命じて、ニッキーの素行を調べた結果、近ごろの息子はナイトクラブに通い詰めで、女性歌手レイチェル・オースティンに入れあげているという報告があがってきた。
引き落とした大金で、ダイヤの腕輪を購入しプレゼントをしたらしいのだ。
ロンドンに急いでやってきたマークは、ナイトクラブに出向き、その女性がステージで歌う様を、侮蔑も隠さずにつぶさに見やるのだった。

マークの周囲には、その権力、財力のおこぼれを預かろうとする人間達ばかり。特に18歳で実業界で成功してしまった彼の人間関係は、かなり殺伐としていたみたいで、性格が大層ひん曲がってます。
最初からレイチェルのことを、金目当ての女だと信じて疑わず、言葉を交わしても彼女の善意が信じられず、という人間不信の塊。
野心というものを持たないレイチェルのような人間が、この世界に本当にいるんだとマークが気づいた時には、不埒千万な言動をしまくったあと。
レイチェルの側に、誠実で彼女との結婚を望んでいる男性イアン・マッキンタイアが出現するに至って、思い悩んで一度は身をひくこととなります。
結局、彼女がイアンを選ばなかったことを知った時、
「私は君にふさわしくない男だ。しかし、どんなに大変であっても、私は君を幸せにする覚悟がある」


もう一度あなたと R-191 ハーレクイン社  発刊:1982.08.20
ヒロイン:ローレン・グレー(売り出し中の画家) ヒーロー:アンドリアス・ケラリデス(大富豪の実業家)

あらすじ
5年前に離婚に至った時、ローレンをずたずたに傷つけたアンドリアス・ケラリデスが交通事故で瀕死の重傷を負ったと義母だったリディアから連絡が入った。ようやく離婚の痛手から立ち直り、昔馴染みで画家としての彼女も支えつつづけてくれたフィリップと婚約した矢先の出来事だった。
見舞いに来てくれないかとのリディアの頼みを、もう関係ない人だからと一度は断りかけたローレンに、リディアはアンドリアスの記憶がこの5年間分、失われている事実を告げた。自分の側にローレンがいないのは、事故で亡くなったからではないかと疑い、生きる気力を失いかけてるとリディアは切々と訴えるのだ。枕元に立つだけでいいからとの懇願に負けて、ローレンは5年ぶりにアンドリアスの元を訪れたのだった……

ギリシャ人の家族の絆が強いってちょっとなんだかなーと思う点が多々あり。家族として一番大切で身近な存在は、奥さんだと思うんだよね。その奥さんを疎ましく扱う、両親や妹弟、親戚がいるのならそれは、彼にとって家族の一員ではないように思うんだけど……認められているのはそっちの家族の方で、大概、ヒロインが割を食ってる場合が多い〜。だから読んでて、きーっとなるんですが(苦笑) 今回も、何度も身を投げ出してきている小娘に自分はなびくつもりもないし、身内だからと側に置いてたアンドリアスの傲慢さがね〜。
奥さんがどれぐらい傷つくかとか、そこまで思いやらない男は結婚するんじゃねーと、突っ込んでる私。交通事故によって死の瀬戸際を彷徨わないと、本当に大切な人の存在が誰だったのかわからないのかと、つくづくローレンの男運の無さに涙する作品。
記憶が戻らない振りをして彼女を自分の権力が最大限に発揮できる島に連れていったりと画策。画策しなければローレンを取り戻せないと自覚してるぐらいなら、もっと態度を小さくしろと言いたいんですが、そこはギリシャヒーローです。うっひょーと引くぐらい自分の正当性を滔々と述べてます(苦笑) 嫉妬に駆られて彼女を殴ったり(それも2度も!!)……本当にこんな男でいいのかローレン。最後の最後までフィリップに猛烈に嫉妬してる姿には、クスッと笑っちゃうんですが。


よみがえる愛 R-197 ハーレクイン社  発刊:1982.09.20
ヒロイン:オーリエル・メルストック(裕福な未亡人・29歳) ヒーロー:デヴィル・ハガード(大農場主/本名ジェイムズ・ダーヴィル)

あらすじ
12年前、将来を誓い合った相手デヴィルに裏切られたオーリエルは、あまりのつらさと誇りを保つために、父が事業を営んでいたアフリカへと旅立った。しかしアフリカで癒される筈だった傷心は、更に深い傷を負うことになった。
デヴィルが、従姉のクレアと結婚したというのだ。
自暴自棄になりかけていたオーリエルは、父の事業が破産寸前だということを知らされ、その建て直しのために年の離れた大富豪の男性の4番目の妻になることを了承してしまうのだった。
世間の誰もがうまくはいかないと思っていた結婚生活は、50歳になっていた夫エゴンに、初めて自分の子供をそれも息子をオーリエルが産んだこともあって仲睦まじかった。
だから2年前、夫が急死した時、一人息子とともにオーリエルは心の底から悲しみに浸ったのだ。
夫の死を悼んで暮らしていたオーリエルに、「チャーントリ屋敷」がオークションにかけられるという連絡が入った。
その屋敷は、彼女が幼い頃からアフリカに移住するまで暮らしていた場所だった。
オーリエルが落札しなければ、デヴィルがあの屋敷を手に入れてしまう……オーリエルは、故郷の地に戻る決意を固めるのだった。

デヴィルとオーリエルは相思相愛だったんですが、従姉のクレアがデヴィルに横恋慕。クレアは何としてでも彼を手に入れようと悪巧みをして、2人の仲を壊してしまいます。
そのことを12年後に知ったデヴィルの、やり切れなさと怒りは相当なもの。ただ、怒りをぶつけたくても妻であるクレアは、 アルコール中毒で肝臓がやられていて余命いくばくもない病人となってます。
オーリエルは美しい未亡人となっていて、再会した途端、不眠症になるくらい恋の病に陥っているデヴィル。夜半に、オーリエルが寝泊まりする小屋を徘徊したりと、その執着度はかなりのものです。
オーリエルの伯父とデヴィルの母が、過すことになった空しい日々を過してなるものかと、誇りのために何かを犠牲にすることはやめようと決意して頭を下げるオーリエルが格好いい。
「チャーントリ屋敷」が修繕されていくにつれ、もつれた過去がときほぐされていく展開となってます。
クレアが中盤以降まで生き長らえているので、不倫ものが苦手な方はご注意を。


氷炎 R-203 ハーレクイン社  発刊:1982.10.20
ヒロイン:ヘレン・イーストウッド(秘書・24歳) ヒーロー:マーク・エリオット(会社経営・29歳)

あらすじ
仕事の疲れを吹き飛ばすかのように、雨が降り続いている中、マークは荒野で馬を走らせていた。天候が不順な冬の間、荒野にいるのはマークだけの筈だった。
しかし、目前に車が停車していたのだ。馬を跳躍させ、ボンネットを軽く越えることに成功したマークは運転席で身をすくませていた若い女性に視線を軽くめぐらせた後、荒野を後にした。
翌日、その女性との再会を心待ちにしていたマークは、町の中心で道を渡ろうとしている彼女を見かけ声をかけた。警戒心を露にする彼女をなだめすかして、昼食に誘うマークに返ってきたのは、
「残念ですけど、そういうことに夫がうるさいんですの」

ヘレンの夫ポールは女と酒と金にだらしなく、毎度、失敗しては妻に泣きついて後始末をしてもらっているという大人になりきれていない見目が麗しいだけの男。
度重なる浮気にヘレンも怒りを解くことができず、この一年はベッドを共にしていない仲となってます。手に負えない子供の面倒をみる母親のような立場になっているヘレン。
そんな男の屑のようなポールに対して、貞節を崩そうとしないヘレンの身持ちの固さにマークがきりきり舞い〜。
結婚生活をなんとかして続けようと努力したヘレンの真情を踏みにじることを次から次へとしでかすポールとは、別れてくれと懇願しております。
が、一歩が踏み出せないヘレン。それは、どうしようもないポールに対しての憐れみであったり、母性愛であったりと複雑。加えて、キレたポールが何をしでかすかわからない恐怖が根底にあります。
……読者は延々とポールの面倒を見つづけるヘレンを読まなくてはイケマセン。最終頁に至るまで、ボールの妻でありつづけたヘレン。マークが不憫ですなー。


ニューヨークに乾杯 R-210 ハーレクイン社  発刊:1982.11.20
ヒロイン:サラ・エリオット(不動産会社経営代理・23歳) ヒーロー:ルーク・エリオット(叩上げの実業家)

あらすじ
この2年間、闘病生活を続けていた父が亡くなりサラは茫然自失だった。もう、先は長くないと心積もりをしていたとはいえ、父が亡くなったことは身を切られるようにつらかった。
破綻した結婚生活の痛手を父の元で癒しながら、ようやく次の段階に進もうという気持ちになった矢先の出来事だった。
動揺している心を静めるためにキッチンでコーヒーを用意していたサラに、2年前から別居している夫ルークが声をかけてきた。
ルークは世界中で一番、会いたくない人間だった。

3年前、パーティの席上で出会った少女ともよべるサラに、一目惚れしたルークはあっという間に彼女を自分の妻にしたのですが……結婚生活においても、仕事と同じような居丈高な態度をふりかざしたもんだから、バッテン。
サラのことを保護する家族が一人増えたと感じていたルークは、彼女のことを対等な妻として決して見ていなかったために、二人の間に大きな溝をつくることとなります。
確かに多忙を極める仕事をこなすために昼夜を問わず奮闘していたのはわかるのですが、そのことにサラが触れてくるのを一切合切拒絶したツケを支払うのは必至なのでした。
イギリスの父親サムの元に逃げ帰ったサラを、連れ戻そうとしかけた時、サムが病に倒れ連れ帰ることができなくなって2年間。近ごろでは、サラの周りに男性の影も見え始めて、焦りもひとしお。
仕事とサラ。どちらが自分にとって、大切なのかを身にしみて思い知らされた年月となります。
……その割りに態度がデカイのは、ハーレクインヒーロー仕様なのであります(笑)


センセイション R-216 ハーレクイン社  発刊:1982.12.20
ヒロイン:ケリー・リンカーン(秘書の派遣会社共同経営者・ピアノは玄人はだし・5歳の息子あり) ヒーロー:ドルー・リンカーン(建設会社経営)

あらすじ
ドルー・リンカーンが、名目上の結婚だからともちかけてケリーと結婚したのは6年前のことだった。
ドルーと同業者で、ライバルでも友人でもあったグレイの一人娘であった彼女は、両親から早く結婚して息子を産むことを強いられていたのだ。
ケリーとどれほど親しくなろうとしても、彼女は冷静にたたえた笑みを崩すことはなく、性急なキスをしても鼓動すら速くはならない。
「ぼくといても燃えないくせに、なぜぼくと会うんだ?」
「両親の命令よ」
そんな彼女が、どこの馬の骨とも知らぬ若いだけの男とのデートをしていた帰りに出くわしたドルーが見たものは、自分には決してみせてくれなかった屈託のない笑みと、自らキスしている姿だった。
他の奴らにケリーだけは取られたくない。
名目上の結婚を餌にケリーを手に入れたドルーだったが、新婚初夜に有無を言わさず、逃げ回る彼女を奪った。
翌朝、前夜まで確かにあった友情にも及ばない親しささえ、自分が粉砕してしまったことをドルーは突きつけられるのだった……。

恋したことさえなかったケリーに情欲の限りをぶつけたドルー。
その上、翌日の夜はお酒の力を借りて事に及ぶという暴挙に出て、ケリーの目から絶望の涙を流させるに到ります。
泣きたくなるほどの自己嫌悪にかられたドルーは、その日からケリーの身体に触れようとすることすら自分に禁じることとなります。
運良く(?)息子ステファンが誕生するにあたって、ケリーとの仲が少しは進展するかと期待するも叶わず。
結婚生活はすれ違いの6年間があっという間に過ぎ去ります。
転機はステファンとの電話から。
「シェームズおじさんがしょっちゅうママに会いにきて困る」
異性の影が全くなかったケリーの周囲に男が現れたことで、ドルーは冷静さを失ったまま彼女の生活に踏み込んで、築き上げられていた壁をドカバキと強引に粉砕。
ドルーの部下であるフィリップ(多情な妻が3ヶ月前に水難事故死したばかり)がケリーに懸想するわ、部下の片思いの様相ならまだしもケリーと意気投合している様子に嫉妬心メラメラ展開がかなりオイシイ作品でありました。
メモ:娘の美しさを妬み、夫婦仲に不和の種をまく母親レオナのいやらしさにはすごいものが……。


遠い記憶 R-226 ハーレクイン社  発刊:1983.02.20
ヒロイン:クレア・バリー(人気若手女優・27歳) ヒーロー:マーシー・ジャンスン(人気脚本家)

あらすじ
マーシーがクレアを愛し始めたのは、演劇学校で知り合った時からだった。
7年も前のことになる。
しかし、マーシーが付き合い出したいと、クレアを誘っても彼女はすっと身を引くのだ。
余りに押せば、今ある友情という絆さえ、断ち切られてしまうのは、彼女の断固とした様子から伺い知れた。
だから、文字通り「親密な友人」という立場を甘んじるしかなかった。
しかし、ともすれば身の内に蠢く彼女へのもの苦しいまでの強い感情が噴き出してしまいそうになる。
多忙な日々を過ごした自分たちに、しばらくぶりの休暇をとやってきたニース。
別荘のプールサイドで魅力的な水樹姿でくつろぐクレアは、本当に美しかった……。

7年前、女優になること夢見て、田舎町から出てきたばかりのクレアは、慣れぬパーティの喧騒と飲みすぎたお酒のせいもあって、行きずりの男にレイプされています。
この事件をひたすら引き摺って話が展開するので、ご注意を。
7年越しの恋をしているマーシーの熱い告白は秀逸なんですが……。
「きみから離れようとしたんだ。でも、強がりだったんだね。結局、きみのところへもどってしまうんだ。きみを見ているだけでも、離れているよりましさ。きみのいない人生なんて、色あせたものだからね」


昨日にさよなら R-263 ハーレクイン社  発刊:1983.02.20
ヒロイン:マリーサ・ラッドリー(タイピスト・23歳) ヒーロー:ガブリエル・ラッドリー(投資家・38歳?)

あらすじ
夕刊記事にでかでかと掲載された写真に、ガブリエルは息を呑んだ。3年近く前、短い書き置きを残して家を出ていった愛妻マリーサが載っていたのだ。それも、彼女の一人息子が誘拐されたという記事とともに。
激しい雨が降る週明けの忙しい朝、外出しようと正面玄関を出かけたところで、少女に近い容貌をもつ若い女性とぶつかった。見上げてくる大きな瞳の青さに、ガブリエルは魅入られてしまった。それがマリーサとの出会いだった。
15年という歳の差、育ちの違い、そんなものどうでもよかった。
マリーサなしの人生など、考えられなかった。

マリーサが、秘書室の末席に座るタイピストだと知った時から、ガブリエルは
「きみはうつむいてタイプを打っていて、ぼくを見向きもしない。きみの姿を見ようと、ぼくは何回、必要もないのに、きみたちの部屋を行ったりきたりしたことか。きみは全くぼくに無関心だった」
度を越した愛情の強さに押し切られ結婚したマリーサは、ガブリエルとの生活に馴染めず萎縮。そんな愛妻の様子に焦れて更に強く求めてしまい、時には暴行に近い形で彼女を抱くこともしたガブリエル。ガブリエルがニューヨークへの出張中に新聞を賑わしたトップモデルとの逢瀬写真も引き金となって、マリーサは出奔する道を選んでしまいます。行方をくらましたマリーサを狂ったように探し求めるガブリエル。
幼過ぎたマリーサにも問題はあるのですが、そんな彼女に年の功という立場を忘れて猪突猛進してしまったガブリエルの手際の悪さが、なんとも濃い愛情だだ漏れで読んでて好みでありました。
取り戻したジェイミーに対して、自分の息子としての愛情が湧くのは当然のことなんですが、息子が懐いてくればマリーサが去っていく可能性が低くなるという計算もしてるようなので……。
どうすればマリーサが側にいてくれるかが一番重要事項となっているガブリエル、怖いよー、でも好きなタイプ。


傷心旅行 R-311 ハーレクイン社  発刊:1984.04.20
ヒロイン:デボラ・リントン(ニュース記者・27歳) ヒーロー:マシュー・ティレル(製薬会社社長・36歳)

あらすじ
イギリスの親戚どもの目が煩わしくて、息抜きも兼ねてマシューがやって来たのはベニスだった。霧の中、歩いていると裏通りで女性の悲鳴が聞こえた。
「どうかしましたか?」と、声をかけても返事がない。
慌てて声のする方に駆け寄っていけば、壁によりかかって荒い息をついている若い女性が目に入った。
「少年たちに襲われたんです」と、その女性は蒼白な顔つきで言ったものの、周囲に人の気配はなかった。
緑の瞳でモデルばりの容姿をもつその女性に興味が湧いたマシューであったが、彼女自身はこちらに一かけらの関心もない様子だった……。

失恋したその心の痛手を癒すために休暇をとってベニスにやってきたデボラは、到着早々、トラブルに見舞われることとなります。霧の中、少年たちにゲーム感覚で襲われかけたデボラを助けたマシューが、更に大きなトラブルを引き起こしてくれるのでした。
少年たちから助けてやったのだから、その借りを返してくれ、曰く、取引相手の娘の求愛の盾になってくれと頼まれることとなります。
お酒で気分がほぐれてたデボラは、つい了承してしまい、とんでもない場面をゴシップ記者にスクープされてしまうのでした。
で、雪だるま式に婚約を発表されたり、誘拐同然に山荘まで連れ去られたり、強引に迫られたりと、息つく暇も無い休暇を過すデボラ。
そして、イギリスに逃げ帰ったデボラを、猪突猛進で追いかけてくる展開なんて完璧♪
癇癪もちのマシューと、機転が利くデボラの会話が洒落てる作品です。


夢の中のスーキ R-365 ハーレクイン社  発刊:1985.01.20
ヒロイン:スーキ・ブラック(人気歌手・22歳) ヒーロー:ジョエル・ハーロー(米国の大富豪)

あらすじ
米国でも大手のレコード会社を手中におさめたジョエルは、次に英国の会社に狙いを定めた。ロンドンに出向いた後、すぐに買収予定のレコード会社と契約している人気歌手スーキ・ブラックのコンサートに足を運ぶのだった。
舞台上で、その細い身体をスポットライトの中に浮かび上がらせ、歌い上げているスーキにジョエルは酔いしれた。
何としてでも彼女を手に入れたい。
コンサート後に出かけたナイトクラブで、打上げパーティをしていたスーキをみかけたジョエルは、連れの女性をその場に残して、近づいていくのだった。
コンサートの感想を告げたジョエルに、スーキに怯えたように小さな声で礼の言葉を口に出す。
舞台の歌姫と目の前にいる女性が同人物だとは思えない、そのアンバランスな様子に、ジョエルは何としてでも彼女の心の内まで入り込んでやると、決意するのだった。

権力を駆使して、スーキに近寄っていくジョエル(若い頃に妻を出産で亡くすという過去を持つ)
スーキは生後2、3時間の内に道端で捨てられていたのを発見されるという出自。孤児院を出てから、言い寄ってくる男性のいやらしさに恐れをなし、辟易としていたスーキは、保護してくれるマネージャー夫妻の言うがままの生活をおくることに疑問も不安も感じていません。
そんな状況下にいたスーキに、ジョエルがブルドーザーのごとく、がっついてくるから動転するばかり。
ジョエルの押しの強さに対して、きちんとスーキが抵抗して嫌だと意思表示をし、彼も自分の行き過ぎた行動を反省……してないですなー(苦笑)
スーキが、生きていくために止むを得ず築いた壁を打ち破るジョエルの姿勢が、強引すぎ。そういう場面が何度となく出てくるのが、ゴニョゴニョ……


リッツで夕食 R-400 ハーレクイン社  発刊:1985.07.20
ヒロイン:クインシー・ジョーンズ(獣医師である父の手伝い・22歳) ヒーロー:ジョー・アルドネス(米国有名歌手/本名ホセ)

あらすじ
「どうして了承しちゃったのかしら」
ロンドンの喧騒は好きになれないし、誰も彼もクインシーに感情があることすら気付かないのか、こづき回すのだ。早く家に帰りたい……戻ったら、ボビーに文句を言ってやらなきゃ気が済まないんだから。
弟ボビーがクインシーの名前を騙って、有名歌手ジョー・アルドネスの懸賞クイズに応募したのだ。そして、見事、一等賞当選。賞品は、ロンドン観光とジョー・アルドネスとのディナー。
弟が申し込んだもので、自分には権利がないと断ったクインシーを、よってたかって受け取るよう説得と買収がなされたのだ……田舎娘に、恩恵を与えてやっているという態度には本当、うんざりだった。

スターの生活は、狂乱の渦に翻弄されるかのようで、巻き込まれたクインシーは早々に自分とは相容れない世界だと思い知らされます。
そしてジョー自身が、その生活に心底、疲れを感じてます。疲労がピークに達した時、すがった先がクインシー。
何としてでも手に入れたいと強迫観念にも駆られて、自分のホテルに騙して連れ込んでとなりふり構ってないのがいやはや。まぁ、その時は邪魔が入って、クインシーに逃げられてしまうわけで、本人もなんてことをしてしまったんだーっ、嫌われちゃったよーと落ち込みくん。
その後、 仕事に身が入らず、かなりはた迷惑な荒れように突入した模様。自分の歌手としての人生はクインシーに苦痛を与えるばかりだと身を引こうとするのですが、
「忘れようとしたんだが、忘れられなかった。あまり思い続けて、頭がおかしくなりそうになったんだ」


戸惑いの午後 R-414 ハーレクイン社  発刊:1985.09.20
ヒロイン:サーシャ・レウィス(駆け出しの舞台女優・臨時の子守り・24歳) ヒーロー:ジェイク・レドウェイ(人気映画俳優・34歳)

あらすじ
駆け出し俳優だった頃から親しくしていた友人マギーが出演している舞台が楽日を迎えるということで、ジェイク・レドウェイはもう一人の親しくしていた友人キャロと一緒に観劇に来ていた。
舞台がはねたあと、マギーの楽屋に顔を出したジェイク達は、昔話に花を咲かせた。
マギーと楽屋を一緒に使っているらしい駆け出しの女優サーシャ・レウィスは、その存在を主張しようともせず背景に溶け込もうとしているみたいだった。
マギーが紹介をしようとしなければ、ひと言も声を発せずに終わったに違いない。
印象的な肢体と容貌もつサーシャに、ジェィクはなぜかしら惹かれるものを感じるのだった。
だからいくつもりの無かった打ち上げパーティに顔を出し、ジェイクのことを気づきもせずに側を通り過ぎようとした彼女を引きとめるために声をかけた。

駆け出しの俳優だった頃の仲間であった女性キャロライン・フォックス(愛称キャロ)の結婚生活に波風を立たせているジェィク。
夫である弁護士ジェイムズ(←かなりのハンサムさんらしい)が、自分以外の人間に妻が興味を持つのを嫌がっていることを「よく」わかって、キャロとの親しい付き合いをこれ見よがしにしています。
一人の女性に入れ込んでいるジェイムズ(優しい笑顔を見せるのはキャロと愛娘にだけという徹底ぶり)を針でつつくような行為を平然としでかしています。
しかしながら、その罰当たりな言動は自分に跳ね返ってきます。
サーシャを一目見たくて訪ねてきているとは、全く思いもせずに、彼女はキャロとの仲を訝しみ、(ジェイクにとっては)理不尽な非難をしてくるんだもんなー。
今までの派手な女性関係も仇となって、一向に進展する気配がないサーシャとの仲にイライラドカーンとなっているジェイクです。
あと、4年前に新婚旅行中だったサーシャと夫フィリップが海で溺れていたところ、ジェイクは救助にかけつけるのですが、助けることが出来たのはサーシャだけだったという過去の因縁があります。


セカンドハネムーン R-418 ハーレクイン社  発刊:1985.09.20
ヒロイン:レオニー・ワイルド(広告代理店勤務・21歳) ヒーロー:ポール・カプレル(ギリシアの大財閥の跡取り・30歳)

あらすじ
ポールは、曽祖父アルゴンの体調が芳しくないとの連絡を受けて帰省するために搭乗した機内で見かけた魅力的な若い女性にひどく惹きつけられた。
彼女が、再従妹にあたるレオニーだとは露とも思わなかった。
曽祖父に結婚を反対され駆落ちした両親が飛行機事故で亡くなった後も、イギリスにとどまり続けたレオニーを、曽祖父は相続人から外した。
孫娘の形見としてレオニーをギリシアに連れ戻そうと権力、財力を振りかざしたアルゴンを、イギリス側の親族は一蹴したのだ。
イギリスで堅実に育てられた彼女を間近にみて、アルゴンはもう一人の曾孫ポールの行状を憂えた。
このまま、ポールに全財産を譲れば、遊蕩に食いつぶされてしまう。
アルゴンが、書き換えた遺言は、レオニーとポールとの間を更に複雑にすることになるのだった。

2人のロマンスは、曽祖父アルゴンの思惑に、翻弄されます。
ポールの乱れた私生活を憂えていたアルゴンは、品行方正なレオニーに、全財産の権限を譲るという爆弾発言を落とします。
2人が結婚すればいいという思惑で、提示された条件に戸惑うレオニー。
レオニーが混乱しているのに乗じて、名目だけの結婚だからと言葉巧みに彼女を搦め捕っていくポール。
でも、手を出すのを我慢できるわけなく、レオニーをかなり強引に奪っていくこととなります。
信頼という基礎がなかった2人は、ちょっとした障害でもこじれていくのは必須で、互いにつらい思いを抱きながら結婚生活が続くこととなるのでした。
ポールの友人ジェイクが既婚者だろうと関係なく、レオニーに迫っているし、ポールの友人ジョージの妻ディアーヌは夫よりもポールに色気を振りまいてるし。
互いに嫉妬をしあうことになるのですが、束縛度はポールの方が高め。買い物に出かけたレオニーが、ジェイクと逢引しているんではないかと妄想をたくましくしております。


愛のアルバム R-424 ハーレクイン社  発刊:1985.11.20
ヒロイン:ニコル・ロートン(保険の調査員・27歳) ヒーロー:フレーザー・ホルト(人気作家・元新聞記者・35歳?)

あらすじ
8年前、ニコルは親友だと思っていたメラニーから、フレーザーと結婚することになったと聞かされ愕然とした。フレーザーは、ニコルが初めて愛した人で、自分と相思相愛だと思っていたのだ。
信頼していた二人に裏切られ、ニコルは少女から大人の女性にならざるを得なかった……。
ニコルの生き方までを変えてしまった張本人のメラニーが、2年前に亡くなっていたと知ったのは偶然の出来事だった。メラニーの兄ベビスが路上で、複数の男達から制裁を受けているところを助け出したのだ。 ベビスから聞いたメラニーの最期は哀れだった。
都会で暮らすことが大好きなメラニーが、ギリシャの孤島で溺れ死んだと言うのだ……。その事故の真相を詳しく知りたがるベビスを、フレーザーはけんもほろろに島から追い返したらしい。
ニコルは、メラニーの溺死の真相を探るために、ギリシャに赴くのだった。

8年ぶりに再会したフレーザーは、にこりともしない冷酷な表情をニコルに見せます。その様変わりしたフレーザーの様子にびっくりするニコル。
そして、フレーザーは夢にまで想い続けていたニコルが目の前に現れて、混乱気味。
相思相愛だった二人が別れてしまうことになったのは、メラニーが画策したから。
そして、亡くなってもなお、二人の間に壁として立ちはだかってます。
メラニーの溺死の真相を探るニコルと、真相が明らかになることで再び傷つく人間が出てくることを懸念するフレーザー。
そうこうしているうちに、フレーザーの情欲は抑えきれなくなって、ニコルへと向かっていくこととなります。
ニコルがちょっとばかし、自分勝手に行動しすぎたりするんですが、きちんと説明をしないフレーザーもいけないんですけどねー。
フレーザーが、後生大事に持っていたアルバム一冊には、何が貼られていたのかというのが、締めとなっております。


パリの青い空 R-430 ハーレクイン社  発刊:1985.12.20
ヒロイン:ローラ・クロフォード(看護婦次長・25歳?) ヒーロー:ドメニコス・アエゲソス(実業家・38歳?)

あらすじ
ローラは15歳の時に、両親を交通事故で亡くした。
後部座席にいたローラはかすり傷だけで済んだが、まだ息のあった母を腕の中で看取るというつらい経験をすることになった。
救急医療の知識があれば、母を救えたかもしれない。
その強い思いが、ローラを看護婦という職へと導いた。
18歳の時から、病院で骨身惜しまず働いたローラは、自分の身体にも限度があるということを知ったのは過労と肺炎で倒れた時だった。
勤務している病院に緊急入院し、ようやく自宅療養を経て、職場復帰をそろそろと思い出した頃、知り合いの弁護士から顧客の孫で16歳になる少女アマンダの話し相手になってくれないかと頼まれるのだった。
件の少女の素行には目を背けるほどのものがあるらしい……。

アマンダの父親であるドメニコスは、女性に対してかなりひねたものの見方をもつ人間です。
8歳の時に母親が、愛人に走りつらい子ども時代を過ごさなければならなかったこと、若くして結婚した妻がアマンダを産んだ後、度重なる浮気をこれみよがしにし続けたこと。
そんな2人の女性の血を受け継いでいるからと、偏見に満ちた態度をアマンダに対してとるドメニコスをローラが、やんわりかつ毅然と非難する姿勢が格好良いです。
ローラが、クールにドメニコスの偏った態度を指摘していくのですが、その際に、ユーモアも忘れていなくて本当に素敵。
そんな彼女の良さに一目惚れすることとなったドメニコスは、彼女を追いかけるために仕事を作り出してパリに出張してくるわけでして。
そして、ローラの良さに気づく男性が他にも出てきて、ドメニコスの嫉妬心を煽ることとなります。
無我夢中で押し倒して逃げられて、あっ、もしかして初めてさんだったかも……と、ソフト路線に渋々変更(笑)しつつも強引に迫ってます。
メモ:アマンダと真面目な付き合いをしようとする少年の叔父マルセルの大人の態度が好印象、……所詮、当て馬なんだけどさ。


ラブ・ゲーム R-436 ハーレクイン社  発刊:1986.01.20
ヒロイン:ダイナ・シェラトン(プロデューサー・27歳) ヒーロー:クイン・ハワード(プロデューサー)

あらすじ
7年前、ロンドンのメトロ・テレビの重役であるマークの秘書に就いてから、今のプロデューサーの地位に上がってくるまでに、ダイナはひたすら身を粉にして働いてきた。
視聴率を上げるために、革新的な題材とアイデアを出してきたのだ。賞を2度もとったことで、実力も認められてきたけれど、それでも女性がプロデューサーという地位にあるのは、何かと風当りが強かった。
ダイナが会議で出してくる新しい企画を鵜の目鷹の目で吟味して、弱いところを突いてくる他のプロデューサー達。
その筆頭には、いつもクイン・ハワードがいた。

愛している女性ダイナから目の敵にされているクイン。
まぁ、なんというか身から出た錆。
相手を押しのけてのし上がっていくテレビ業界で、トップを走り続けているダイナに対して嫉妬する輩が多い中、真面目な彼女をからかうのが楽しくて仕方がなかったらしいクイン。
クインの言動は、ダイナからしてみれば自分のあら探しをして、今の地位を脅かそうとしているとしか取れないものとなってます。
真剣に付き合っていた男性から手ひどい裏切りを受けたダイナは、女性としてのセックスアピールが自分にはないと思い込み中。だからクインの言動が、ダイナとお近づきになりたいからのものだったとは思いもつかないのでした。
……正直言って、クインの手練手管がね、お粗末すぎるわけでして(笑)
で、余りに通じないからと実力行使にでるクイン。
乱暴に扱って、首筋と肩にアザができるくらいに押さえつけて唇を奪うのは、強引すぎ……。


恋は盲目 R-443 ハーレクイン社  発刊:1986.02.20
ヒロイン:ジュデス・マリー(銀行員・退職後ルークの元で働き始める) ヒーロー:ルーク・ドールトン(国際的な会社を経営・30代)

あらすじ
仕事も充実しているし、女遊びもさほど面白みもなくなった。後は、身体の弱っている母親を喜ばせるためにも結婚して早々に孫ができればー。
なんとも、相手の女性に対して失礼な魂胆で、ルークは婚約するのだった。
長年、付き合っていたアシスタントのカロラインが子どもを持ちたがらなかったことを理由に捨て去り、たまたまパーティで知り合った性格の素直そうな美人モデルのバーバラを婚約者として選んのだ。

その天罰はてきめんにあらわれた。
婚約者が「とても大切な幼馴染みなの」と紹介してくれたジュデスのことが気になって仕方がないのだ。
ジュデスのしっかりとした仕事振りもさることながら、無邪気にクロッケーに興じる彼女の愛らしさを思い出すだけで心が浮き立って仕方がない。
バーバラと話をつけようにも、ルークと同じように彼女もまたモデルの仕事で世界中をいったりきたりと大忙しでつかまらない。
その間にルークとジュデスの仲は一触即発の雰囲気が漂いだしたにもかかわらず、高い倫理観をもつ彼女は、幼馴染みを裏切れないからの一点張りで身を引くのだ。
欲しいものは、即座に何でも手に入れてきたルークが、この世に手に入れられないものがあるのだということを思い知った瞬間だった。

ルークは、ジュデスと出会ったのは婚約者のバーバラに紹介された時が初めてだと思っていたのですが、実はアメリカで2度ほど顔を遭わせています。
ジュデスが勤めていた銀行に、乗っ取りに対して異議を申し込みに怒鳴り込んだ時と、その後、食事をしていたジュデス達のテーブルに挨拶に行った時。
その時に、側にいた彼女の存在に気づいていればこんな八方塞がりの状況におちいることもなかったんですが……。自分にとって利用できるものしか目に入らない、興味が無いという傲慢な性格が原因で、ジュデスに手を出せない立場にたつこととなります。
彼女が他の男性と親しくしてもそのことに文句が言える立場でないとわかっていつつも、嫉妬のあまり文句を言ったりと苦しんでます。
そんな状況なので、仕事上の付き合いでしか、ジュデスの側にいることができないルークが、彼女の肩越しに書類を覗き込んだりと怪しげな行動をとりまくり。
触れたいのに触れることのできない一触即発の男女の緊張感がぐぐーっともりあがっていく後半となってます。
メモ:婚約者のバーバラの愛称が「ババ」というのがなんだかなぁ。原文が「ババ」だったにしてもバーバラにしちゃってて問題ないと思うんですが……。


大人の領分 R-449 ハーレクイン社  発刊:1986.03.20
ヒロイン:スザンナ・ハワード(挿し絵画家/愛称スージー) ヒーロー:ニール・アードリー(実業家・28歳?)

あらすじ
ニューヨークでの仕事を早くに切り上げて、ロンドンに戻ってきたニールを待ち受けていたのは、妹シーアンの置き手紙だった。
ニールが経営する会社の子会社で働いているアレックス・ハワードという若者と駆け落ちをするというのだ。
早々にその駆け落ち相手のことを調べ上げたニールは、暗澹たる思いを抱くしかなかった。
転職ばかりしているアレックスには、貯金などなく無一文に近かった。
そんな男が妹と将来を誓い合うなど……。
シーアンが将来受け取ることになっている多額の遺産目当ての男から、妹を何としてでもとり返さなければならない。
アレックスのルームメイトを締め上げて得た二人の行き場所ーーアレックスの姉スーザン・ハワードのアパートに怒鳴り込みに行くのだった。

2年前に母親が亡くなり、家族は弟のアレックスだけというスザンナ。
その大事な弟が、まだ17歳の少女ともいえるシーアンと駆け落ちしたということを兄であるニールから怒鳴り聞かされたスザンナはびっくり仰天。
弟達が隠れている場所に行って事情を聞いてみると、シーアンの心には何やら複雑な家族感情が押し込められていることに気付きます。
ひたすら、スザンナとアレックスを責めるだけのニールに対して、公平で誠実なものの見方をするスザンナ。
唯々諾々な人間しか周囲にいなかったニールにとって、スザンナの余りに正直な物言いは、彼の逆鱗に触れること数回。怒りの余りに、その口を閉じてやるッとばかりにキスをしかけたら、思いっきり頬を叩かれたりと、意のままにならないスザンナに、どんどんと深みにはまってます。
スザンナを追い掛け回して夕食に連れ出した先で、カウンターの若いバーテンと彼女が知り合いだと知った途端、自分の身体をずらしてバーが見えないように視界をふさいだりして嫉妬心がちらほら。
スザンナの毒舌(ユーモアのある切り返し)が小気味よく、展開していきます。
ニールも馬鹿な態度ばかりとっているわけではなく、アレックスが旅先でチフスに罹患した時に見せた行動力は、ピカイチで惚れるしかないよなぁ♪


描きかけの恋 R-478 ハーレクイン社  発刊:1986.08.20
ヒロイン:ローラ・スローン(子ども用の科学絵本画家) ヒーロー:サイモン・ヒリヤード(新鋭のコンピューター会社経営)

あらすじ
カリスマ性を持った父の情熱は、会社経営にだけ注がれている。亡くなった妻を結婚当初から蔑ろに扱い、3人の子ども達に父性愛の欠片も見せることない彼は、家庭人として最低の人間だった。
そんな父から、ローラは一歩も二歩も身をひいていた。父のいいなりになって精彩なく働いている兄と小遣いを与えられて遊び暮らしている妹の中で一人、挿し絵画家しとて自立の道を歩んでいたのだ。
だから、父とはもう何週間も声を聞くことも稀な関係がずっと続いていた。その父から、妹アネットの最近の行状について電話があったことに顔をしかめるしかなかった。
「名うてのプレイボーイであるサイモン・ヒリヤードと、夢中になって付き合おうとしているアネットの頭を冷やしてくれ」
自分勝手なアネットが、姉の忠告など聞くわけがないのに……。
妹が開こうとしているパーティに、件のサイモンが出席することを聞き及び、ローラは、深いため息をつきながらもその尊顔を拝みに行くしかないと、重い腰をあげることにするのだった。

8年前、妹がスローン親子から受けた仕打ちへの復讐の機会をひたすら待っていたサイモン・ヒリヤードは、アネットが自分に興味を持ってすり寄ってくることも利用しようと目論んでいます。そこに現れたのが、アネットの姉であるローラ。
彼女は見た目は華奢で楚々とした風情。ところがどっこい、かなり辛辣なユーモアの持ち主です。サイモンも、ばっさばっさと切り捨てられてます。それがまた、サイモンの「狭い」ストライクゾーンにドンピシャリ(笑)
気概のあるローラに、どんどん惹かれていく気持ちを止められないサイモン。けれど、復讐を諦めるには、余りの長い年月を費やしてきたから気持ちがおさまらない。
かなり悩みに悩んでいたらしいのですが、それでもローラに会わずにはいられないサイモンは、彼女の周囲を強引にうろちょろ。これっぽっちも呼ばれていないのに、マメにお宅訪問をしまくってます。で、機会を逃さず、唇を強奪♪
メモ:動物園でサイモンをあおさぎにみたてたスケッチを描く


春の吹雪 R-492 ハーレクイン社  発刊:1986.10.20
ヒロイン:ミランダ・ボストン(社長令嬢・パッケージデザイナー・22歳) ヒーロー:ショーン・ヒントン(重役)

あらすじ
婚約者であるショーンの態度に、ひっかかるものがあったのは、事実だった。ただ、ミランダはそのことに目を瞑っていたかったのだ。
半年間の交際中、彼がこちらを向いてくれていると感じたことは一度もなかった。仕事が一番大事なビジネスマンらしく、ミランダと一緒にいても他のことに気をとられている様子が窺えた。
それでも、いくばくかの愛情をミランダに抱いてくれていると信じていたのだ。
その願望にも似た信頼は、父の秘書がそのいとことたたいていた陰口によって脆くも崩れ去った。ミランダと結婚することで、
「ショーンには専務取締役のポストと莫大な財産がころがりこむんですって」

20代の初めに両親を亡くし、12歳の弟を養っていかなければならなくなった、ショーンは仕事一筋。 他人に勝たないと気が済まない性分で、出世していきます。
そして尊敬する社長ファーディーが猫かわいがりする愛娘ミランダとデートをすることになって、交際が始まるわけです。
半年間の交際後、結婚することになるわけですが、どうにもこうにも温度の低いの交際期間だったようで、ミランダの中に不安の種が……。
父の秘書であるダイアナの中傷のおかげで、その種が一気に発芽。
ミランダが結婚式の前日に逃げだそうとするわ、ハネムーンはプラトニックなままという状況を強いられるわ(悶々が高じてミランダを浜辺で乱暴に押し倒すという暴挙をしてしまったり)で、その上、ミランダに手を出してくる男まで出現してと、散々な目にあうショーン。
ミランダに感情を揺さぶられて、どんどん人間らしくなっていくヒーローでありました。