ダイアナ・パーマー
牧場ものが多い作家さん。清純無垢なヒロインを誤解しているヒーローという設定が多いです。その為、しなくていい苦労を強いられるヒロイン多数……

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富と愛 L-771 (株)ハーレクイン  発刊:1997.09.20
ヒロイン:ニコル・ホワイト(秘書・上流階級出・22歳/愛称ニッキー) ヒーロー:ウィンスロップ・クリストファー(牧場主・34歳)

あらすじ
弟ジェラルドが、胃潰瘍を患っているらしい。1ヶ月ほど、静養したいからと秘書伴って帰省してきた。
見るからに若いその女性ニコル・ホワイトとジェラルドとの間に流れる親しげな空気が、ウィンスロップには羨ましくて仕方がなかった。
卵形の輪郭、大きなグリーンの目、形のいい唇、高い頬骨、白いサテンのような肌。
どれをとっても、ウィンスロップの琴線に触れてくる……。

ニコルの父親は女遊びが激しく、彼女自身を愛してくれていると思っていた元婚約者は金目当て。
ウィンスロップの元婚約者(裕福な家の娘)は、自分が引き起こした事故で彼に負わせた片脚の怪我が一生治らないぐらいひどいものだったと知り、捨て去ります。そのため、金持ちの我が侭娘など金輪際相手にしないと固く決意をしています。
互いに、愛していた人間に裏切られて更に痛手を負った二人。
しかし前向きに人間関係を築いていこうとするニコルと、女性に対する不信の塊のままのウィンスロップという温度差が、順調にいくはずのロマンスをややこしくさせてます。
女性経験豊富であるウィンスロップの方が、押され気味で物語が展開していきます。


砂漠の君主 PS-21 (株)ハーレクイン  発刊:2003.06.20
ヒロイン:グレッチェン・ブラナン(法律事務員) ヒーロー:フィリップ・サボン(カーウィー国首長)

あらすじ
長い闘病生活を送っていた母が亡くなった上に、恋人は財産目当てだったと知ったグレッチェン。
友人のマギーは、今度新しくカーウィーで仕事に就くことになり、落ち込んでいた彼女を旅に誘った。
メキシコにすら行ったことのない私が、中東に来てる……グレッチェンは、心が浮き立った。しかし、それは、マギーに一本の電話が入るまでのことだった。
マギーの乳兄弟が失明をする程の大怪我を負い彼女を呼んでいると言うのだ。
慌てて、帰国の途についたマギーがグレッチェンを唆す。
「わたしの代わりにカーウィーで働けばいいのよ」
それは、一度は、良い案に思えたものの、やはり無理だと思わざるを得なかった。そんなグレッチェンに、ひょんなことで出会ったフィリップ・スーヴランと名乗った男性は、冒険してみるべきだよとけしかけるのだった……

内紛後、順調に復興しつつあるカーウィーの現状に、まずは良かった〜と思った作品。
フィリップが地雷に因る負傷の後遺症で性的不能という条件の中、どんなヒーローぶりを見せてくれるのかしらという下世話な(笑)期待感で読み始めた作品でもあります。
……フィリップの懊悩はとっても深いんですが、やることは他のヒーローと遜色はないってぐらいの熱々ぶり〜。グレッチェンにしてみたら、ある意味、詐欺だわ♪
フィリップがする「面接」も怪しいし……グレッチェン頑張れ〜。
終盤にかかっての一悶着は、フィリップがグレッチェンのことを「ただの秘書」だと紹介するくだり。
マッズイわー、といことで当然、温厚なグレッチェンでさえ、ブチ切れ。テキサスに帰国しちゃうグレッチェンですが、周囲は全て彼女の味方の中、フィリップ、さぞかし居心地が悪かったことだろうと思います(笑)
読んでてとっても楽しかった作品。
……あと、ヒーロー予備軍(?)の名前が列挙されていて、何が何やらちょっとドキドキ。混沌のスビンオフ作品かもしれない(苦笑)


汚れなき花嫁 ウェディングストーリー2004 (株)ハーレクイン  発刊:2004.09.20
ヒロイン:シェリー・アスター(ソーン大学一年・24歳) ヒーロー:フォークナー・スコット(銀行員・34歳)

あらすじ
投資家の父がシェリーに望んでいるのは、同じ家柄の男性に嫁ぎ、良き妻、良き母になることだけのようだった。何度もぶつかりあって、ようやくシェリーは、大学に入学することを了承してもらったのだ。
「 将来、ソーシャルワーカーになりたい」なんて夢が、両親にばれようものならどうなることやら……。
試験が終了し、春休みを迎えた今、シェリー達学生は、ちょっとばかり羽目を外して砂浜で騒いでいた。これから1週間、勉学から離れて浮かれて過すのだ。
シェリーは仲間の男子学生のしつこいアプローチから逃れるために、ある男性に熱をあげている振りをしていた。その男性のたぶん息子にあたる少年を、水難事故から救うことになるとは、思いも寄らぬ事だった。

御託が多すぎるよ、フォークナー。
年が違う(シェリーのことを二十歳前だと思い込んでいる)、育った環境が違う(彼女が貧しい階級の出だと思い込んでいる)と色々と、理由をつけて彼女と永続的な関係を持つことは出来ないと結論付けてます。
結局、自分の不甲斐なさが原因だということを気付かず、シェリーを貶めてるフォークナー。そして、性的に惹かれちゃってもう辛抱できないと……ほとんど、やったも同然だと思うような寸止め場面が何度か繰り返されます。
思い込んでいた女性像と違っていたことが判明して、シェリーから三行半を突き付けられて、初めて自分がしでかした過ちに気付く彼。姿を消したシェリーを探すために割いた労力を、息子に告げ口され慌ててる姿に、当然だーと思うのであります。
そして、当て馬となった女性マリーの品性の低さは、読んでてかなり爽快です。シェリーにこてんぱんにやられちゃってますもの。


あなたが見えなくて ハ1-1 ランダムハウス講談社  発刊:2005.09.13
ヒロイン:クレア・ラング(車の運転と修理が大好きで、ドレスデザインの素質がある・20歳) ヒーロー:ジョン・ホーソン(銀行の副頭取・元陸軍所属・銀行一家の出・31歳)

あらすじ
長年、想い続けていたジョンからの求婚は、急逝した叔父を埋葬したばかりだったにもかかわらずクレアを舞い上がらせた。
しかし、現実は、苦いものだった。
ジョンが副頭取として務めている銀行の上司夫人であるダイアンとの仲が、世間で取り沙汰されているのを帳消しにしたいというだけのものだったのだ。
ダイアンの名誉を守りたいからという理由だけで、求婚されたことにクレアは深く傷つくしかなった。
できることなら、断ってしまいたい。
しかし、経済状況がそれを許してくれず、そして、万に一つジョンが自分を愛してくれるかもしれないという望みをクレアは抱いてしまったのだった。

両親をコレラで亡くした後、クレアは叔父に引き取られて育つこととなります。叔父との仲は良好で、二人は自動車の運転と保全に夢中。
けれども、叔父が亡くなり、住んでいた家は抵当に入っていたため出るしかなく、他に身よりのなかったクレアは経済的に苦境に陥ってしまうことになります。
そんなクレアに救いの手を差し伸べてくれたのが、ジョン。
彼と結婚したことで、住む家も、経済的にも、身分的にも上流の暮らしができるようになります。けれども、ジョンにはひたすら想い続けていた女性ダイアンがいる上に、彼女への思いをクレアに対して隠そうとしない、なんとも耐えがたい新婚生活を送る羽目になります。
ダイアンの性根の悪さが次第に明らかになっていくのですが、それでもクレアを蔑ろにするジョン。
なんだかなー。
女性は経済的に自立をしていた方が良いということを、身にしみて理解してしまったクレアが、ドレスのデザイナーとして起業していく過程はザカザカと読み進むのに、ジョンが登場してクレアと絡み出すと途端にペースダウン。身勝手な男の言い訳は、見苦しい〜。


淡い輝きにゆれて ハ1-2 ランダムハウス講談社  発刊:2006.04.01
ヒロイン:テス・メレディス(付添い看護婦・26歳) ヒーロー:マット・デイヴィス(私立探偵・32、3歳/ネイティヴアメリカン・本名レイヴン・フォローイング)

あらすじ
医師だった父が亡くなり、テスが頼れる人は、もうこの世にただ1人。
「マット・デイヴィス」
シカゴで、探偵事務所を経営している彼だけが、父が亡くなったことで心にぽっかり空いた穴を埋めてくれる人だった。
彼が、マットと名乗り出す前は、レイヴン・フォローイングというスー族の勇猛な戦士だった。ウーンデッドニーの大虐殺の犠牲者となりかけていたのをテスと父親の献身的な看護が救ったのだ。
出自を隠して、大都会のシカゴで生きている彼を頼るしかない身であることに、心細さを強く感じるテスだったが、マットに会える喜びが身体の内から湧き上がってくるのも事実だった。

シカゴで再会したテスとマット。テスは、何から何までマットに頼るのではなく、父の元で学んだ看護を生かせる職業である付添い看護師として働き出します。そして婦人運動にも意欲的に取り組むこととなります。その会合で出会った若い女性ナンが、夫デニスから暴力を振るわれていることに気づき、力を貸したいと親身になっていたところ、殺人事件が起こります。
デニスが何者かに殺害されたという事件は、ナンが逮捕されるという結末に。けれども、テスもマットもナンが犯人でないことに気づき、真犯人探しを始めます。
真犯人の解明を軸に、テスとマットのロマンスが紡がれます。
互いに、好きあっていることを知りながら、肌の色の違いから身を引こうとするマット。でも、心の底から好きな女性が近くにいるんだから、ついつい迫ってしまうのはお約束。
色々と、いちゃいちゃする場面が豊富♪
主人公達を含めて登場人物全般の心の逡巡が、なんだか薄っぺら。


伯爵と一輪の花 ハ1-3 ランダムハウス講談社  発刊:2006.10.01
ヒロイン:バーナデッド・バロン(父親は成り上がり・次女・20歳) ヒーロー:エドワルド・ロドリゴ・ラミレス・イ・コルテス(左前の牧場を経営・スペインの伯爵・36歳)

あらすじ
父がバーナデッドを20年間もの間、疎んじているのは、最愛の妻が彼女を産んだ時に命を落としたから。
息子に背かれ、無理やり嫁がせた長女がお産の際に亡くなり、手元に残っているのはバーナデッドしかいないのに彼女に優しくできないのだ。
バロン家の帳簿付けは彼女が一切合切受け持っているというのに、喘息の持病をもち寝込むことが多いせいもあって、彼女を穀潰し扱いにしていた。
そんな父親の態度を少しでも諌めてくれていたのが、隣人の牧場主エドワルド・ラミレスだった。

浪費家の母親のおかげで、牧場経営が傾いている今、どうしても融資が必要な状況に陥っているエドワルド。
金はうなるほどあるけれど、出自の低さから上流階級への階段に上れないバロン家。融資と称号を取引にして、バーナデッドとエドワルドの結婚が取り決められることとなります。
もともと、幼い頃からエドワルドに恋い焦がれていたバーナデッドは、冷酷な父の元から去ることが出来るしと一石二鳥の取り決めとなります。結婚すれば、そのうちエドワルドも自分に好意を抱いてくれるだろうという希望を抱くのですが、そこに現れたのが、エドワルドの祖母と婚約者候補の令嬢。ありとあらゆる手を使って結婚を遅延、阻止、破綻させようと頑張ります。
毒を吹き込まれてふらつくエドワルドが、アイタタタなんですけどねー。
バーナデッド以外の人たちは、全て悪者という構図があるんですが、悪辣さに一貫性がないせいか小粒。今作品、ヒロインの感情ですら上滑り感が否めず。エドワルドが祖母に尻尾を巻いてる姿なんて情けなさ全開ですわ。


金色の砂塵の向こうに ハ1-4 ランダムハウス講談社  発刊:2007.04.01
ヒロイン:トリルビー・ラング(上流階級出身・父がメキシコ国境沿いで牧場経営するのに付いてくる・24歳) ヒーロー:ソーントン・ヴァンス(古株の牧場主・妻を事故で亡くしたばかり・34歳/通称ソーン)

あらすじ
隣人であるソーントン・ヴァンスからのいわれのない侮蔑にトリルビーは困惑を隠せなかった。
緑したたるルイジアナから、砂塵が舞うアリゾナにやってきて、その生活に慣れるのに四苦八苦している中で取った行動のどれかが彼の意にそぐわなかったのかもしれない……。事故で亡くなった彼の妻サリーからも毛嫌いされていたから、トリルビーは彼らをなるべく避け、自宅に閉じこもるような生活を続けていた。
しかし、そんな思惑を省みず、洗濯物を干し終えて乾いた空気から砂嵐がやってくる気配にうんざりしていた彼女の前に、ソーンがやって来た。
彼の敵意にも似た態度に怯えながらも、トリルビーは礼儀正しい態度で挨拶を返すのだった。

トリルビーといとこのカート(妻帯者)が不適切な関係であるという話を妻サリーから聞き、それを信じてしまうソーン。妻が不審な事故で亡くなった後も、その毒を信じていたソーンは純真無垢なトリルビーを商売女のように扱います。
それが間違いであったとわかり、自分がどれだけトリルビーのことに惹かれていたのかに気付いた時には、彼女との間に深い溝ができあがっていることを思い知らされます。
そんな中、トリルビーの恋人と思わしき人物であるリチャードがやってきた周囲をうろちょろしだして、イライラが募るばかり〜。
惜しいことに、リチャードにはべったりとしなだれかかっている女性が存在するのでそのあたりの、焦燥感が低めとなっております。
でも、トリルビーを獲得するために押せ押せで迫っていくソーンはよろしいかと。
脇のロマンスが多すぎて(四つから五つ)、ソーンとトリルビーの関係が何やらぼんやりとしていたのが、ひたすら勿体ない。