イーディス・セント・ジョージ
NO.
題 名
備 考(設定・アクセサリー・キーワード等)
D-137  悦楽の島  美術鑑定家と画家・視力の低下・フィジーの孤島で自然を満喫
D-141  愛で殺して  水中カメラマンと実業家・エクアドルでの難破船探査・メキシコへの誘拐
 双子の弟、元恋人に嫉妬
L-24  愛しているというあなたに  秘書と牧場主・料理人の代わりを務める・ピューマ射殺・兄弟の確執
L-70  愛は夜より深く  貿易会社員とぶどう農園&ワイン醸造会社経営者・婚約破棄3回・双子姉妹
 フランス視察旅行
L-92  愛されて夢のなか  ミステリー作家と羊牧場主・料理人の代わりを務める・ガーネット
 弟夫妻達の独立の契機をつくる・羊泥棒
L-288  あなたの岸へ     女優志願(タイピスト)と保険会社経営・物まね・作家の臨時秘書
 ミシシッピ川のクルージング

悦楽の島 D-137 ハーレクイン社  発刊:1985.09.05
ヒロイン:ロビン・スチュアート(美術鑑定家・29歳) ヒーロー:フィリップ・ホルト(肖像画家→抽象画家)

あらすじ
上司のウィンスロウとの関係は仕事上のものでしかなかったが、彼が今度の出張から戻ってくれば、男女の仲に進めたいという思いがロビンにはあった。
しかし、若手画家の発掘出張から帰ってきたウィンスロウが、ロビンに命じたのは、彼女のことを仕事の駒としか思っていないという事実だった。
2年前、忽然と姿を消した肖像画家フィリップ・ホルトの消息を掴んだウィンスロウは、彼が居住しているフィジーの小島まで押しかけ、絵を1枚、掻っ攫ってきたのだ。
繊細な色のタッチを得意としていたフィリップ・ホルトが、南の楽園で描いたのは、強烈な色彩の抽象画だった。彼が住む小屋には、でき上がった画が積み上がっており、ウィンスロウはそれを全て欲しがった。
島での2年間、女性に餓えた生活をしているフィリップを篭絡してこいと、ウィンスロウはロビンに命じたのだった。

フィリップが肖像画家として名を馳せ出した2年前に、ロビンは展覧会場で初めて出会い、2人は互いに惹かれあいます。
けれどもフィリップの腕には頭の悪そうな女性がぶら下がっていたために、ロビンはそのまま立ち去るという過去とも呼べない過去があります。
その後、フィリップは視力の低下で画家生命が危うくなり出した頃に、フィジーの小島に隠遁生活へ。
都会の洗練された女性が、南の楽園で、自分の中に潜んでいた情熱を盛大にほとばしらせてます。
視力の低下に苦しむフィリップを何とか支えたいと願うロビンの思いは深いのですが、フィリップは視力を失った時、ロビンに何も与えてやるものがないと悩み、拒絶。
立ち去っていくしかなかったロビンをフィリップが、どう追いかけていくのかが、最終場面となります。


愛で殺して D-141 ハーレクイン社  発刊:1985.10.05
ヒロイン:アリソン・ビー・オハラ(水中カメラマン・28歳) ヒーロー:イワン・ディオニソス・キリオコス(実業家)

あらすじ
エクアドルの沖で、難破したとされるスペイン船の探査に、イワンは多額の投資を行っていた。探査は大詰めを迎え、優秀なダイバーを世界各地から雇う予定にしていた。
その中の一人、ボブ・オハラの優秀さは際立っていたが、彼には付随するものがあった。
ボブの双子の姉であるアリソンが、彼のダイバーとしての能力を更に高めているらしいのだ。アリソンが水中カメラマンとしても一流の腕前を持っているのは、身上書にも記されていた。
添付された写真の中のアリソンは美しかった。
水中から頭をもたげた瞬間をとらえた写真には、短い赤褐色の髪が後ろに流れ、印象的な緑の瞳、肌には水滴が輝くようについていた。
直接、彼女と会うことにイワンが心が浮き立つのだった。

アリソンには双子の弟ボブがいて、2人の仲はとても親密です。
その仲の良さが気に入らないらしいイワンが、そろそろ自立をしてもいい頃じゃないかと口出し。
あと、アリソンの一年前の元恋人にも盛大に嫉妬しております。
イワンがアリソンに真剣なお付き合いを求めていると感じ取ってもらえないのは、それまでの派手な女性関係が災いしているから。特に、初顔合わせをした時、昨晩、一緒に過ごしたらしい女性が立場をわきまえていないことに苛立ちを募らせながら無慈悲に追い払ってるんですよ、イワンてば。
女性を陥落させることなどお手のものなイワンが、アリソンに迫っていきます。
写真集の原稿ができ上がったお祝いをちょっとセクシー気分になって「一人」でしていたアリソンを連絡もなく訪ねたイワンが、彼女に付き合っている男がいる!?とギョッとする場面が楽しい。
アリソンはイワンに惹かれてはいけないと抑制するんですが、すぐにその魅力に陥落してしまい、でもそれでは駄目なのにと気持ちを立て直そうとしている姿が切ない。
イワンは、何が何でも彼女との関係を深めたいと仕事にかこつけて誘拐までしでかしてます。彼ののめり込みっぷりは、ある意味、清々しい。


愛しているというあなたに L-24 (株)サンリオ  発刊:1982.03.05
ヒロイン:デブラ・ウェイフィールド(弁護士秘書・臨時料理人・25歳/愛称デビィ) ヒーロー:マーカス・リード(牧場主・30際/愛称マルク)

あらすじ
長期休暇を利用して、西部の広大な自然を満喫しようとやってきたデビィが出会ったのは、療養中の脚の傷を更にいためて岩棚の上で身動きが取れないでいる大男だった。

弁護士秘書(臨時で牧場の料理人)デビィと牧場主マルクのロマンス。
西部にたいする憧れを、瞳をきらきらさせて語るデビィ。
そんな彼女の高揚感は、牧場での問題事(弟夫妻が牧場地をスキー場兼観光地にしようとしていてもめている真っ最中)で、ささくれ立っていたマルクの心を癒していくこととなります。
マルクは牧場を見学したいというデビィの切ないまでの希望を叶えてあげたいと連れてきてみれば、雇っている料理人が盲腸になっているとのトラブルが。
牛の焼き印をするために雇い入れた男たちの胃袋を満たすために四苦八苦している様子に、デビィが臨時の料理人に早変わりし見事、大任を果たすこととなります。
ワイン1杯で陽気に酔っぱらったりする可愛らしい姿を披露したり、誕生日ケーキを工夫して作ったり、牛を襲い馬を襲いかけていたピューマを撃ち殺す羽目に陥ったりと、大活躍するデビィの様子が生き生きと描かれてます。
彼女に一目ぼれに近かったマルクは、機会があるごとにキスをしかけ、2人の間に流れる情感が盛り上がっていく過程も素敵。
デビィの性格の良さが本当に滲み出ていて、ほのぼのとした作品でありました。
手に取る機会がありましたら、是非。
残念なのが、リード兄弟関係、ウェイフィールド兄妹関係の記述があちこちで間違ってまして……校正しないのかしらん。


愛は夜より深く L-70 (株)サンリオ  発刊:1983.03.05
ヒロイン:ヒザー・アシュトン(米国の貿易会社員・23歳) ヒーロー:アンドレ・ラトゥーシュ(ぶどう園&ワイン醸造会社経営・フランス人)

あらすじ
アンドレが兄デニスと経営しているワイン醸造会社は、ヨーロッパでは有名だったが、米国までその名は届いていない。デニスが隣のブドウ園の娘と結婚したことから、ぶどうの作つけ面積は増え、販路の開拓が必要に迫られていた。
そのため、米国の貿易会社にワインの売り込みにアンドレはやってきた。
仕事に集中しなければならないのに、米国の友人ハリーが付き合っている魅力的な女性から意識を離すことが出来ずにいた。
見事な金髪とすみれ色の瞳をもつヒザー・アシュトンが、アンドレの鼓動を早くするような艶然とした笑みを送ってくる。彼女は、婚約者を3度も捨て去ったのもうなずけるほどの色香の持ち主だった。

若い頃(16歳〜18歳)、婚約を3回破棄したという過去を持つヒザーは現在、23歳。
16歳の時のままごとのような婚約は親に引き裂かれますが、彼女の心に何の痛手も残してません。
17歳の時には、白血病に蝕まれた同級生の願いに引きずられて婚約。
18歳、父が若くして亡くなった時、父の友人にあたる男性が慰めてくれてそのまま流されて婚約。
婚約破棄の経緯が微妙……ですな。
アンドレが、ヒザーの婚約破棄の過去を元に彼女が男にだらしない女性だと思い込んでしまうのですが……。
未だに、ヒザーの男性に対する態度がどう贔屓目に見ても、男たらしにしか見えないですよ。
お酒をしこたま飲んで、友だちだと言い張っている男性(ハリー)にいちゃついたりしたら、そりゃ誤解をさら深めるしかない展開となってます。
ま、彼女に一目ぼれしてしまったアンドレが、嫉妬の余りにことを複雑にしてしまっているのは確かなんですけどね。
兄夫妻と仲良くするヒザーに、兄を誘惑しないでくれと釘をさしてるぐらいなので、胸の内は嫉妬の嵐が吹きまくり。


愛されて夢のなか L-92 (株)サンリオ  発刊:1983.08.05
ヒロイン:ジェニー・ロビンス(ミステリー作家・臨時料理人・24歳) ヒーロー:ワイアット・ダブロー(羊牧場主・31歳)

あらすじ
すぐ下の弟フレッドがシカゴで出会ってから2週間余りで結婚した相手のキャロラインは、気立ての良い勝ち気な若い女性だった。2人の熱愛ぶりは端から見てもわかるほどだったが、ここ最近、しっくりとしていない時もあるようだった。
荒野のような広大な牧場に、都会暮らししか知らないキャロラインはどうしても馴染めないものがあるらしい。
華やかなキャロラインが、田舎暮らしの中で精彩を欠いていく様子に、フレッドが心を痛めているのがワイアットにもわかった。何か、手を貸してやりたがったが、夫婦の問題にまで口をはさむのは、いくらなんでも憚られた。
しかし、ここしばらく元気のなかったキャロラインが久しぶりに華やかな笑みを見せている。
自慢の従姉でミステリー作家のジェニーが、ようやく原稿を書き上げ、牧場に休暇を取りにやってくるらしい。
……ワイアットには。都会の女性が、こんな辺鄙な地で休暇を過ごせるとは思えなかった。

女に人生をふりまわらさせてなるものかという心情の持ち主であるワイアット。
そのため、彼が何を考えているのか、ジェニーは全くよみとれません。
つんけんと突っかかってきたワイアットが、ジェニーに歩み寄ってきたかと思った瞬間、またつんけんしたりとジェニーにとっては悩む日々となっております。
嫉妬の余り、弟(2人とも)達にジェニーが親愛の情を見せるのすら苛立たしくて仕方がないワイアット。
兄弟3人が一つ屋根の下で暮らしている上に、従姉まで居候させているので一家の主婦の座があいまいという状況のいびつさをジェニーが気にしていると気づいたワイアットは、すぐさま弟達の独立を促し始めたりしています。
ジェニーとの意志の疎通をはかる前から、彼女が快適に暮らせるよう着々と巣作りを始めているところがなんだかカワイイ。


あなたの岸へ L-288 ハーレクイン社  発刊:1982.08.20
ヒロイン:フランシーヌ・ガーウッド(女優志望・有能なタイピスト・25歳) ヒーロー:チェイス・バリスター(会社経営)

あらすじ
若い女性が、会社の重役達の物まねしていく様子がチェイスの目に入ってきた。周囲にたむろする秘書達が楽しそうに笑い声をあげている。
そして、彼女が次に選んだ人物は、チェイスだった。
人を圧倒するような眉の上げ方、口ごもる部下を突き刺すように射る冷たい視線。
演技に夢中になっている彼女が、こちらに傲然と歩いてくる姿はチェイスの攻撃的な性格を端緒にあらわしていた。
チェイスの前でピタリと歩みをとめた彼女が、ゆっくりと面を上げていく。チェイスと視線のあったはしばみ色の瞳が大きく見開かれた…。

異性を無駄に惹きつける何かをもっているフランシーヌ(本人はそのことに無自覚)
彼女に真剣に惹かれていくのが、腹立たしくてならないチェイスですが、まぁなんというか、さっさと身上調査をしたり、名付け親の臨時秘書として雇う手配をしたりとやることが早いです。
見かける度に彼女の周囲には大勢の人がいて、男性の割合が高いことにチェイスのもやもや度は増加の一途をたどってます。
とり合えず会社の男どもから引き離そうと2週間のミシシッピ川クルージングに送り出したのですが、船上であっという間に崇拝者を獲得したと名付け親から聞かされて更に悶々。仕事を無理矢理遣り繰りしてクルージングに参加するのでありました。
彼女をさっさとものにしたくて誘惑していくのに最後までは押し切らせてもらえなかったり、自分で我慢しちゃったりと致せない関係が最後まで続いております。