エマ・ダーシー 場所設定に、オーストラリア多いようです。 時折、「それはないでしょう……」という私のツボからかけ離れた設定や結末を用意してくれて、ぎゃーッ(T_T) ヒロインがお亡くなりなった作品を読んだ時は、「そんなオチはいらないッ」と壁に叩きつけかけました(遠い目) 私の中で、好みが両極端に別れる作家さんです。
リスト(リンクきちんと出来てません。その上、穴だらけですが……)
あらすじ:ジェームズ家シリーズ 「20年前のあの時に戻ることができるのなら、この命を喜んで犠牲にしてもいい」 ……しかし、過去を作りかえることはできないのだから、現状で甘んじるしかない。 これから一生、贅沢に遊び暮らしても使い切れない財力、大事業の完成をこの手に掴んでも、ジョエルの中には虚無感が溢れていた。 そんな彼の前に突然、姿を表わしたのが、因縁の『かわせみの羽の色と同じ瑠璃色の瞳』をもつ女性ティファニーだった。彼女はジョエルが捨て去った故郷の再開発をなんとかして軌道に乗せようとしている人物だった。 もっとも関係を持ちたくない女性なのに、他人のために奔走することを全く厭わないティファニーの豊かな心と楽天的な行動にほだされ、ジョエルは彼女の頼みごとに救いの手を差し伸べていた。
ジェームズ家の一番年上の義姉とその息子が住む漁村の過疎化を止め、更に発展させようと努力するティファニー。 村出身の大実業家ジョエル・フェイバーの力を借りることが出来たなら、成功間違いなしなのに、彼は救いの手を差し伸べる素振りを見せない上に、村民でさえ彼を当てにする気配すら見せない。そんな状況下で、ティファニーが村民とジョエルとの橋渡しに奔走することとなります。 初めて出会った時から、2人は互いに惹かれあい、ジョエルの方はそれを隠そうともしない態度で接してきます。めろめろな感じが垂れ流し〜♪ まぁ、ほんの短いお付き合いになる可能性もあるけれど、今のところは君に夢中だよと、正直過ぎる態度も見せてくれてます。 村民とジョエルの間に横たわる確執が一番、不安なティファニー。その上過去に、結婚を考えていた男性から「愛人」としか見ていないと言い放たれた経験が、恋愛に飛び込むことを躊躇させています。 ティファニーより、ジョエルが抱えている傷の癒しが中心となった作品。
あらすじ 3週間の出張では激務が続き、ケインは疲労困憊だった。 飛行機に飛び乗って、早く恋人のリサと久しぶりの熱い逢瀬を楽しみたいと彼女に電話をかけたところ、なんだか態度がよそよそしい……。 リサと会話を交わすほどに、話しがすれ違っていく。そして、とうとう別れを切り出されてしまう始末に陥った。 今まで、あれほど従順な恋人だったリサに何があったのだ? 他の男が現れたのか? ケインは、リサが面前にいないことが歯がゆかった。 なんとか、週末を一緒に過ごす約束を取り付けたケインは、急いで飛行機の予約をとるのだった。
両親から精神的な虐待をうけて育つことになったケインの胸の内にある闇の深さと対峙していくこととなるリサ。 リサが盲目的に追随してくることを当然だと思っているケインに、彼女は必死になってそんな関係はいびつで、耐えられないと訴えます。改めることが出来ないのなら、別れるしかないと決意しているリサに、ケインは譲歩を重ね出します。 何としてでも彼女を失いたくないケインは、言動を改めていくことわけですが……。 といっても、ケインばかりが譲歩しているわけではなく、リサも自分を抑えこみ瀬戸際まで傷ついていてと、その塩梅が絶妙。 経営する会社が存続の危機に立たされた時、リサが勤める会社の内部事情を漏らしてくれればと、頼んでしまうケイン。上司が寄せている信頼を裏切られないと情報を漏らすことをリサが拒絶していくくだりは読みごたえがあります。 悪阻で苦しんでいるリサに、献身的に尽くすケインは、物語当初の彼とは別人でしたねー。心に残る作品です。
あらすじ:ジェームズ家シリーズ 兄の急死に伴ってヒューが負わされたものは、爵位だけではなかった。手に負えない騒動をところ構わず平然と引き起こす7歳の姪セレストの保護者という役割まで担うことになったのだ。 問題児であるセレストの面倒を見切れず、雇ったナニー達は早々に辞職していくばかり。少しでも長続きする可能性があるナニーを雇おうと、世界中で一番たくましいオーストラリア人を寄越すようにと、派遣会社に依頼することになった。 待ちに待ったそのオーストラリア人のナニーを一目見て、ヒューは驚きの余り立ち尽くしてしまった。
依頼していたナニーは、セレストに小屋に閉じ込められていて、その時たまたまやってきたレブルをナニーと勘違いするヒュー。まぁ、早々に人違いであることも判明し、レブルがここにやってきた理由も知ることとなります。 幼い頃に死に別れた母親が、懐かしそうに幸せそうに思い出していたディヴンポート・ホールを訪問し、母のルーツを調べたいと願ったレブル。 その屋敷には、問題児である少女がいて、その子の所行は、過去に自分がしでかしたことにそっくり。なんとか力になってあげたいと、レブルは手を貸すこととなります。 断絶しているヒューとセレストの絆を作ろうと、頑ななヒューに俄然と立ち向かっていくレブルが格好良い。 ヒューを狙っている女性シンシアがレブルを貶めようと、紡ぎ出す悪意の言葉にムカッとして行動に出るところなんて、そっくり〜な叔父と姪であります。
あらすじ 前妻との見栄だけが立派で、浮ついた結婚生活に疲れ離婚したリードが、出会ったのは恥ずかしがり屋のジーナだった。クリスマスのアルバイトで児童書を販売していた彼女に一目惚れしたのだ。 出会ってから7年。二男一女に恵まれ、会社も順風満帆だった。 新しく雇った秘書ペイジは、3人の子持ちであるのに未だにオクテな妻とは対極にあるような、淫らな美しさを身に備えている。 リードの中で、少しずつペイジが醸し出す毒が回り始めていた。 彼女の誕生日に昼食をともにする約束をしたことに、なんの咎めも感じなかったのだ。
結婚して7年、倦怠期夫婦のやり直しもの 妻のことを家具か何かと思っているリード(←最近、雇った美人秘書と不倫するのもやぶさかではないと思っているすかぽんたん)に、果敢にアタックしていくオクテの奥様ジーナの奮闘記。 ジーナが必死になって、2人の関係を作りなおそうと働きかけているのに、それを気づかない、拒絶ばかりするリード。オクテのジーナが、意を決しておしゃれでアチチな格好をして誘惑しているのに、迷惑そうな態度をとりまくってます。 それでも、果敢に迫っていくジーナですが、秘書の暗躍のおかげで、リードが不倫をしていると思い込まされ、夫を見捨てる行動に出ます。 慌てたのはリード。大人の女性へと美しく生まれ変わっていくジーナに再度、恋をし出していたところに、見限られてしまうんだから。 ジーナを取り戻すべく、リードはロマンティックな演出をと頭を捻るのでありました。
あらすじ 養父が闘病生活の果てに亡くなり、看護疲れのせいか脱殻のようにクリスティは生きていた。しかし、このままではいけないと、自分のルーツ、本当の両親の行方を探そうと決意したのだった。幼児の頃、トルコで起こった大地震に遭遇し、寸でのところで救出されたのだ。助け出してくれたのが、養父母だった。 本当の両親を探すことが、養父母への裏切りに思えてクリスティは後ろめたかった。踏ん切りをつける為に養父母がハネムーンで宿泊したパリの高級ホテルで、二人を偲ぼうと思い立ったのだ。 ホテルは優雅でうっとりするほど素敵だった。しかし、ドアマンもフロント係もクリスティの顔を見る度に、ギョッとした表情を浮かべてくる。 極め付けは、洗練された、さも上流階級に属していますという雰囲気を漂わせている男性がテーブルのワインを床に落とすほど動揺を見せたことだった。
クリスティは、初めて自分に双子の姉コレットがいたことを知るのですが……時、既に遅し。コレットが2年前に失踪した日を聞いて、その死を確信します。 その日、クリスティ自身も原因不明の呼吸困難に陥り、生死をさまようことになったから。 夫であったアルマンから、コレットが味わった疎外感、痛みを知るにつれ、その原因を作り上げた人間の存在を暴こうという彼の申し出を受けることになります。 亡くなった姉の夫、姉とは双子の姉妹という、設定的には苦手なんですが、なぜか再読率の高い作品。 多分、クリスティのしっかり芯の通った所とか、感情を爆発させて自分を不当に扱う人たちに対して抗議する場面が、スカッとするからなんだろうなー。
あらすじ:ジェームズ家シリーズ 砂漠で遭難し亡くなった妹夫婦の側に、一人娘のエイミーの亡きがらは無かった。リースは、万に一つの可能性を求めて、エイミーの生存を祈っていた。妹夫婦の検死結果を聞きに出向いた医療センターでリースは、つらい事実を突きつけられるのだった。そして、センターで出会った看護婦スザンヌが既婚の身であると知りながらも、惹かれずにはいられなかった……。
初めて心惹かれた女性が既婚者で、それも夫に誠実なの突きつけられて 「君は臆病だ」と言い切るリース。うわっ、これも(苦笑)不倫ものかッ!?と引きかけ〜。リースに傾く心の有り様が、不倫ものの範疇に入るのかなーという程度なんですが。確かにスザンヌがリースを歯牙にもかけなかったらお話しは進まないんですけどね。 砂漠で行方不明になったエイミーが、1年半後に見つかり、スザンヌの夫がその3ヶ月前に急死。そして、リースとの再会。再会した時には、リースの傍らにはダニカという婚約者が立っています。立場が逆転した時、リースとスザンヌは前回、互いが葛藤した心情を理解し合うのでした。 婚約者のダニカが、打算ばかりではないけれど上流階級の都合のよい結婚にしがみつく様相を呈していたのですが、あっさりと退散。とことんいけ好かない女性でも良かったのになぁという思いがふつふつと(笑) まぁ去り際の捨て台詞がスザンヌに勝利宣言を与えてしまうというプチ溜飲で我慢。 修復できないくらいにこじれていたリース側の家族の絆が癒されていく展開が、最後に彩りを添えてます。
あらすじ そろそろ生活習慣を変えるべきだ。ニックは、一人の女性セリーナから突きつけられた憤然たる態度に、自分の褒めたものでない 生活を省みるのだった。 子供が望めない姉夫婦が、可愛がっているペットの犬クリーオの世話を重々頼まれていたにも関わらず、恋人との逢瀬にかまかけて中途半端にしたこと。恋人がクリーオに虐待ともとれるべき扱い方をしたのを止めようともしなかったこと。 セリーナの指摘は至極全うで、ニックは手始めに恋人との仲を清算するのだった。そして、よそよそしいセリーナに感じる性的欲求の激しさを持て余していた。
セリーナとはどこかで会ったような記憶が有るのに、どこで会ったのか全く想い出せないニック。 対して、セリーナにとってニックは六週間前に婚約を破棄することとなった直接の原因。 パーティの席上で、元婚約者とニックが、美容師風情のセリーナを見下していたのを聞かされたのが、婚約破棄の元となってます。 セリーナに興味をもったニックは強引に彼女のテリトリーに侵入し、誘惑をしかけます。出会ってから1週間で彼女を手中におさめるという手際の良さを見せるニック。 でも、セリーナがふっと一線を画したように冷たく身をひいてしまうのが、不満で仕方がない。 ニックが過去に起こした過ち(セリーナを見下していたこと)と、コケにされたことのある男性ニックを信じられないでいるセリーナ。 2人が互いに歩み寄っていく過程を、濃厚なシーン(←詳細で長め)とからめて描かれた作品(キッチンであははーんなことをいろいろとなさってます)
あらすじ:シェームズ家シリーズ 一目見て、ロザリー・ジェームズというトップモデルの存在に、アダムは心を奪われた。しかし、彼女の目が自分を素通りしていったのは、認めたくないが事実だった。 2度目に見かけた時、彼女は威風堂々とした大男にエスコートされていて、2人の親密な様子に今まで一度も感じたことのない、黒い嫉妬の波にアダムは飲み込まれそうだった。 そして、3回目、 アダムはロザリーに紹介される立場を得ることが出来た。娘ケイトが夏季休暇に世話になっていた英国貴族の屋敷において、伯爵夫人の義妹であるロザリーが滞在していたのだ。 これで、一挙に彼女に近づくことができると思った矢先に、当の本人から釘を刺されてしまった。 「時間をつくるべきよ……お嬢さんのために」
トップモデルであるロザリーは、恵まれない子供達を一人でも救おうと収入の全てとあらゆる時間を慈善事業に注ぎ込んで、生きています。 そんな彼女が出会ったのは、カゼール父娘。 娘ケイトは、社交に忙しい両親達(母の再婚相手が政治家、実父のアダムはガールフレンドの入れ替わりが激しい)の間で、物分かりのよい子供であることを演じ続けています。親に見捨てられたと感じているケイトの心を癒し、アダムに手痛い忠告をするロザリー。 早々に父娘は、ロザリーにめろめろ。 慈善事業を使命として、世界を飛び回っているロザリーの原動力(トラウマ)を知った時、アダムは彼女を側においておけるだけの吸引力が自分にないことを痛感。 それでもなんとか、ロザリーの傍らにいる権利を得ようと立ち向かっていく父娘の共闘がなかなかのもの。
あらすじ 母が楽しみにしていた旅行が、同行者の骨折というアクシデントでキャンセルもやむを得ない状況だった。落ち込みの激しい母の気持ちをなんとか引き立てようと、コールは週末を一緒に過していたが成功しているとは言えなかった。 2週間の旅行の間、時間にルーズになりがちな母親の面倒を任せられる人物の心当たりは、一人しかいない。 コールの個人秘書であるリズ・ハート。2週間の休暇を取っていた有能なリズを、また旅行に送り出すのはコールの仕事上、大きな痛手であったが、母の為なら致し方ない。 秘書のリズに、旅行の同行者になってもらうからと母に告げたところ、詮索が始まった。 服の趣味、年齢、目の色、きれいな人? 小柄? 痩せてる? 母の質問に、コールはきちんと答えることができずにいるのだった……。
仕事に関しては有能なリズですが、容貌は地味で目立たない存在。そして、3年間つき合っていた男性には、 「きみといると息がつまる」と言われ、失恋したばかり。落ち込んでいるリズの手助けをしようと、姉妹3人が彼女の変身を手助けしてくれることとなります。その上、上司のコール・ピアンソンを誘惑してみたらと、そそのかす始末。 髪形から、メイク、服装まで一新して、コールが出勤してくるのをドキドキとしながら待っていたら、彼は彼女を見て開口一番、 「いったいどうしたんだ? これはきみじゃない! なんてことだ!」と、なじられる始末。 地味だった秘書の変貌ぶりに慌てまくってるコールが初々しい。3年前に赤ん坊だった息子を亡くして、元々相いれなかった妻とは、更に溝が深まってあと5日で離婚という状況下で、リズの存在が重きをなしてくることとなります。 仕事上の付き合いしかなかった男女が急激に惹かれあって、ムフフフ〜な展開が繰り広げられます。 コールの離婚間近の妻が、とっても「いい性格」していたり、リズの元恋人(噂だけの存在)に対してコールが嫉妬したりとライバル達が具合良くしめてくれてます。
あらすじ:旅立ちの大地 ララは夫ゲイリーの暴力に結婚当初からさらされていた。何度ともなく企てた逃亡は、いつも失敗に終わっていた。ララの動向を四六時中、ゲリーに雇われた人間達が監視しているのだ。 その失敗した逃亡の顛末が、写真に撮られていた。自宅にまで届けられた写真にララは、顔色を失った。 写真には、空港でゲイリーにあざができるほど肩と腕を強く掴まれている自分が写っていた。 かけているサングラスの縁からは、目の周囲にできたあざが、唇の端は無残に腫れ上がっている自分の顔があった。 写真を持参してきた男リック・ドネイトに会うしかいない。彼は、ララにとって初恋の男性でもあった。
ララに虐待を働くゲイリーから、彼女を助け出すリック。 権力、財力をもつゲイリーの魔の手から、ララを完璧に守るためにリックが囮となって世界のあちこちを駆け回る展開……ということで、なんとなくリックの影が薄くなってしまった作品。 ゲイリーが軽飛行機の事故であっけなく亡くなるし、妊娠したララの身を引くという決断が「リックのためにした」という自己満足の行為。 リックにしてみればゲイリーを叩きのめす機会は失われるし、ララからはもう無用の存在だと切り捨てられたとしか受け取れない感じで、やり切れないよなーと。
あらすじ:旅立ちの大地 ミッチは、親友リックから 「夫から虐待を受けている女性ララの代理人になって欲しい」と 頼まれた時、諸手を挙げて協力を申し出た。妻に虐待をはたらいているゲイリー・チャペルは、18年前、姉をひどくレイプした男だったのだ。 あの男の異常性格を知っているミッチは、ララが逃亡する際に力を貸すことになったリックの部下キャスリンの身の安全を確保するのだった。 ミッチの執務室へ、護衛に連れてこられたキャスリンを初めて見た時、心に浮かんだのは他の女性を選んだリックの気が知れないだった。 しかし、彼女の左手に婚約指輪がはまっているのを見て、胸に一撃をくらった気がした。
前作カップルより、2人で行動する場面が多いので、ロマンス色高め。 ミッチは付き合っていた女性が、自分の仕事に有利になるなら他の男とベッドを共にするという事実を知って、別れたばかり。 婚約指輪をはめているキャスリンに対して、 「まだ結婚はしていない」と、闘志を燃やすところとかが、そそられるー。 キャスリンの婚約者が出世のためなら弱者を犠牲にすることに何のためらいも見せない性格の人間。その本性を目の当たりにして、キャスリンはさっさと婚約を解消することを選びます。 紳士であろうとするミッチが(まずは、食事に誘って、それから観劇に誘ってと、手順を踏んで求愛しようと計画中)、色々あって腕力を振るってしまったり、過去の出来事が明かされたりして、キャスリンに軽蔑されたり、怯えられてしまったらどうしようと動揺しているシーンとかがいいなぁ。
あらすじ:旅立ちの大地 カントリーウェスタンの歌手として人気を博していたジョニーに、映画出演の話が舞い込んでいた。 カウボーイ役として、カメラの前で演技をしている彼を、親友であるリックが訪ねてきた。クリスマス以来の再会を喜んだジョニーに、リックは感情を抑えた声で 「パトリックは逝ってしまった」と、告げるのだった。 売春婦であり麻薬中毒であった母を二歳で亡くした後、里親に虐待されて育ったジョニーに、初めて安定した場所を提供してくれたのが、パトリックだった。本当の父のように、慕っていた彼がもうこの世にいない。 そして、ジョニーをさらに動揺させたのは、パトリックの遺言だった。干ばつ被害が原因で、多額の借金を背負っている牧場の権利49%をジョニーに譲ったと言うのだ。 ジョニーはすぐに、 パトリックの末娘メガンの反発する顔が目に浮かんだ。
メガンが、我が儘だなぁ……と。自分だけが特別だと思い込んでいたのはわかるけれど、それが違っていたと知った時から、刺々しい態度しかとれなくなったというのが……。 育った環境が原因で、周囲に愛想を振りまいて生き延びてきたジョニーの苦労を思いやらずに、28歳にもなっているのにメガンは責めてばかり。 そして、未だに世間知らずというのは、うーむ。 そんなお子様の彼女を、愛してしまったジョニーが憤慨したり、保護欲丸出しにしたりと、頑張った作品となってます。
あらすじ 親しくなったばかりの友人ピーター・ラムジーを訪ねて、年始を迎えようとしているオーストラリアに、ダミアンやって来た。ピーターの家は、オーストラリアでも有数の富豪で、彼の父親ロイドの卓越した経営手腕は富に有名だった。ピーターを介して知り合うことができたロイドは、流石に強いカリスマを持った人物だった。 男ばかり3人で、心地よい歓談をしていた空間に、突如として現れたのが、ラムジー家の愛娘シゃーロットで、見栄えのするドレスに身を包んだ彼女を一目見た時から、ダミアンは彼女を欲した。 ためらいもなく、シャーロットをむさぼるように眺めていたダミアンに、ピーターが、 「妹の相手は決まっているぞ」 彼女こそ、長年探し求めていた相手だと高揚していたところに、落とされたピーターの言葉に我にかえった。 2週間後に彼女が結婚する相手マーク・フリードマンは、ラムジー家にとって招かざる人物だという事実にダミアンの頭脳は目まぐるしく計算を始めるのだった。
ヒーロー、ヒロインともに肉食系であります。 夜の秘め事と言うより、咀嚼する音が聞こえてくるような性欲のぶつかり合い。ガツガツ。 シャーロットの財産によだれを垂らしていた婚約者マークもいただけないのですが、恋に溺れていたシャーロットが目が覚めていくというより、打算でダミアンと引っ付いていくのが何とも不快な展開で……。 結局、結婚は両家の出自、育ち、財力のバランスが一緒でないと駄目なのだとシャーロットは、気づいて父親の推すダミアンを選択するんですよ。 マークに婚前契約書(離婚してもシャーロットが元々保有していた財産を要求できない)へのサインを強要して、それにマークが素直にサインしないことで目が覚めるわけ。自分がそんな試されるようなことをされたらとは思わないんですよね。シャーロットの方が財産を持っているから、マークの財産なんてちっぽけなもんという意識が透けて見えてます。 ……シャーロットに対して全然、萌えない。 あと、シャーロットが赤ちゃんが欲しくて仕方がなかったのに流産するんですが、今すぐ子どもが欲しいのなら養子をとろうと提案してくるダミアンの無神経さに唖然として読んでいたら、その提案を自分のことを本当に愛してくれているから言ってくれるのだと大感激しているシャーロットに、ええーー!? ……そこは、「私は赤ちゃんを産んで育てたいのっっ!!」と泣いてなじる場面じゃないのか。 わ、わからーん。