エマ・リッチモンド

青い瞳の虜 R-1596 (株)ハーレクイン  発刊:2000.07.20
ヒロイン:ジラン・ハート(フリーの写真家・29歳) ヒーロー:レファーロ・ミカレフ(ホテル及び船舶会社経営・37歳)

あらすじ
年の離れた妹ネリーナが白血病に倒れたのは3年前の出来事だった。病院で先のない闘病生活を受けていたネリーナが助かったのは、運良く骨髄提供者が存在したからだ。
骨髄移植のおかげで助かったネリーナには、年相応の楽しい生活を送って欲しいというのが兄としての願いだった。
しかし、ネリーナが友人として親しく付き合い出したのは一回り年上の女性だった。
骨髄移植をうけた患者たちを支えるボランティアをしているという触れ込みでネリーナに近づいたその女性ジラン・ハートのことをレファーロは、日頃の用心から調べ上げるのだった。
大事な妹をミカレフ家の莫大な財産に惹かれて近づいてくる輩の餌食にさせるわけには行かないのだから。
しかし、レファーロの心配をよそにして、ネリーナは自宅のある島に観光パンフレットに掲載する写真を撮るカメラマンが必要だからとジラン・ハートを呼び寄せていた。

レファーロの周囲には、ミカレフ家の財力に惹かれておもねる人間ばかりという状況の中、ジラン・ハートがやってきます。彼女は、レファーロの好みのタイプの女性ではないのですが、どうしようもなく惹かれていくという展開。ジランもレファーロの美貌と印象的な銀がかった青い瞳に強く惹かれています。
が、写真のこととなるとレファーロのその魅力は二の次になるらしく
、おざなりな応対をうけて彼が苦笑する場面にクスクス。
レファーロを父親だと思って島に訪ねてきた14歳の少女フランチェスカやネリーナがジランと兄をひっつけようとしてついた嘘など、ジランの身上を悪くすることが立て続けに起こります。でも、誠実で寛大で、言い負かされないジランの性格が、困難な状況を打破したり、フランチェスカの傷付いた気持ちを癒していく筋運びは読んでて気持ちがいいです。
又、レファーロが放った暴言に、ジランが島を飛び出した後の船舶追突事故での救出劇が印象的な作品。手を離せば海に投げ出されてしまう少年を掴みながら、足は窓から落ちそうになっている老人を押さえつけているジランはスゴイ。


冬過ぎて春 R-1847 (株)ハーレクイン  発刊:2003.02.20
ヒロイン:セアラ・ベバリー ヒーロー:ジョン・アースキン・デーン(作家/愛称ジェド)

あらすじ
最初から一方的な愛だった。妊娠したから結婚したのに事故で流産。その上、ジェドには足を引きずる後遺症まで残してしまった。私は、ジェドから自由を奪い、重荷を背負わせてるわ……離婚して自由にしてあげるべきなのに、この結婚生活が諦め切れない。どうしたらいいんだろう……

ジェド、作家なのに自分の気持ちを表現できなくて、溝が深まるばかりです。というより、自分の気持ちを言いだせば、逃げ出してしまうかもと臆病街道まっしぐら。二人でまっしぐらなので、読んでてやきもきすることこの上なし。だから、最後まで読んじゃうんだけどねぇ(苦笑)


不本意な恋 R-1863 (株)ハーレクイン  発刊:2003.04.20
ヒロイン:ソレル・ジェイムズ(造園家) ヒーロー:ガルド・シュヴネー(実業家引退中)

あらすじ
今度こそ、妹ジェンのお説教通り、仕事は前金を貰うわ。前雇主のニックは本当に最悪の人間だった。振られた腹いせに、一切の支払いをしなかった上に、泥棒だとソレルを訴えたのだ。そのおかげで、仕事にもつけなくなる始末。この荒れ果てた庭を、任せてくれたらと願わずにはいられなかった。庭の持ち主、ガルド・シュヴネーに自薦の手紙を送ってもなしのつぶて。それなら、直接交渉あるのみよとソレルは、出向いたのだった。土と格闘するのが本職だけど、まさか、面接を受ける前に、穴に落ちた子犬救出作戦で、泥だらけになるとは……威厳もなにもあったものじゃないわ。ソレルは、冷たく見据えてくるガルドに愉快そうに微笑みかけた。

その楽しげな瞳の輝きが、男性に過分な期待を抱かせると身内の心配を一身に集めてるソレル。無邪気ではないんですが、お人よしの部類には必ず入ると思う。「人を疑って、化けの皮が剥がれ、豹変するのを待つのは」イヤなソレルだから、妹ジェンの口が酸っぱくなるほどの苦言を、聞き流してしまうんだよね〜。堅物で猜疑心の塊のガルドが、ソレルの開けっ広げな性格と行動に、癒されていく過程が楽しい。ソレルも前雇主から受けた傷が、あるんだけど楽天的すぎるのか根本的に傷つけられてなくて、実はとっても芯の強い女性。天衣無縫の強さって敵わないです。


過去を忘れたい R-1892 (株)ハーレクイン  発刊:2003.08.20
ヒロイン:ケリス・ディーバー(アンティークの宝石、稀覯本の専門家・28歳) ヒーロー:トリストラム・ジェンセン(建築家・37歳/愛称トリス)

あらすじ
ここ最近ケリスは、仲の良い隣人エヴァの甥であるマイケルの世話を、頻繁に引き受けるようになっていた。ケリスがフランスで夏の休暇を過すことを聞いたエヴァに頼まれて、仲良くなったマイケルを父親の元に送り届けることを承知したのだ。その父親が待ち合わせの時間になってもやって来ない。エヴァから伝え聞いていた彼の悪評にさもありなんと妙に納得しつつも、マイケルが不憫でならないケリスだった。
マイケルの父親トリスは、待ち合わせの時間から2時間近く遅れて悪びれもせずにやってきた。左足の膝の上までギブスをはめて、着ている服は目を覆いたくなるほど、彼には似合わない暗褐色のシャツだった……

結構どころか大層身勝手なエヴァから吹き込まれたトリスの悪評。初めて会った時の彼の真剣味のない態度に、マイケルが可哀想だと憤慨して、ケリスの誠実さを印象づけてます。不実な父に捨てられ頑なになった母に育てられたケリス。自分自身も男性不信であるにも関わらず、トリスについてなんとか公平な見方をしようと頑張ってます。が、とらえ所のない彼の態度が、エヴァの毒のある見解にそっていて……トリスも全く反論しないし〜。ちょっともどかしいです。最後に、亡くなった前妻(エヴァの妹)との結婚生活を告白するまで、嵐が通り過ぎるのを待っていて、ある意味、泰然自若ヒーロー。なんか、自分の正当性をここまで主張しないヒーローを読むのって初めてかも(苦笑)