フィオナ・ブランド
特殊空挺部隊(SAS)に関係のある作品が多い。

永遠の宿る場所 LS-211 (株)ハーレクイン  発刊:2004.10.20
ヒロイン:レイチェル・シンクレア(美容室経営・27歳) ヒーロー:カレン・ローガン(休暇中の特殊空挺部隊隊員・牧場経営)

あらすじ:特殊空挺部隊(SAS)シリーズ/ロンバード一族従弟
荒れ果てた牧場をなんとかしようと奮戦して、くたびれていたカレンの目の端に引っかかったのは、許されない暴力行為だった。
薬か酒をやっている若い男が、暗がりで女性に襲いかかろうとしていたのだ。
暴漢の顎に一発、拳をお見舞いし気絶させたあと、尻餅をついていたその女性の手をとり立たせた。
小柄なその女性はレイチェル・シンクレアと名乗った。
彼女は、はっとするほど女らしく優美で、自分のような男を相手にしてくれる女性ではないとわかりきっているのに、カレンは欲望を強く感じてしまうのだった。

虐待の連鎖を断ち切る」という重いテーマを根底に据えてロマンスが進行。
レイチェルのことを高嶺の花、自分のような男が触れていい存在ではないと何度も何度も自分に言い聞かせているカレン。でも強く惹かれ合う2人は、ちょっとした接点でさえ、あっというまに情欲に流されてしまいそうになってます。なんとか、踏み止まろうと頑張るカレンと、押し進めたいレイチェル。
カレンの亡くなった父親の死の真相を暴れたくなくない人物の暗躍を搦めて、2人は急接近してしまい、レイチェルの妊娠へと到ります。
虐待の連鎖を恐れるカレンが、どう心を癒されていくのかが描かれている作品。
それにしても、レイチェルがカレンを洗髪する場面の気持ち良さそうなことといったら!!
いいなぁ、私もしてもらいたい。
メモ:特殊空挺部隊のチーム員/ブレイド・ロンバード(カレンの従兄・女癖悪し)/ベン/カーター/ウェスト


真夜中のレクイエム LS-215 (株)ハーレクイン  発刊:2004.11.20
ヒロイン:サマンサ・マーロウ(ホテルの支配人・29歳/愛称サム) ヒーロー:グレイ・ロンバード(特殊空挺部隊隊員・35歳)

あらすじ:特殊空挺部隊(SAS)シリーズ/ロンバード一族次男
グレイ・ロンバードは諜報部員として、大物犯罪者であるイーガン・ハーパーを破滅させようと、7年もの歳月を費やしていた。
しかし、先日、ハーパーが取り仕切っていたコロンビアのアジトを壊滅させたものの、あと一歩のところで取り逃がした。
その時、押収した資料の中に、グレイを驚愕させる写真があった。
粒子の粗いものだったが、サマンサ・マーロウが写っていたのだ。
ハーパーが彼女のことを調べ上げていた理由はただ一つ。
グレイを潰すために利用しようと画策しているのだろう。
彼女を何としてでも守らなければ……。
7年前、自分のミスで、兄ジェイクとその婚約者をハーパーに殺害されたような過ちは2度と犯してはならない。

恋人同士の再会もの。
何もしないでも女がよってきて、別れる時は自分の都合で、という異性関係しか経験がなかったグレイ。人生の伴侶とも言うべきサムに出会った時も、今までの女性と同じような態度で接したことからすれ違いが始まってしまいます。
7歳の時に、祖父以外の近親者全てを飛行機事故で亡くしたサムは、深い人間関係を築くのが苦手。
7年前、思わず妊娠してしまったサムは、グレイが情事を楽しんでいるだけだと思い込み、彼から立ち去る道を選びます。もしかしたら、グレイが追いかけてきてくれるかもしれないと期待していたサムの願いは叶わず……。
その頃、グレイは兄達をハーパーに殺害され、自身も生死の境を彷徨う程の怪我を負ってます。完治後、サムの様子を見に行きはするのですが、そのままハーパー追跡に身を投じてしまいます。
7年後、ハーパーにつけ狙われているらしいサマンサを守ることと、その彼女を囮にしてハーパーを捕まえようという作戦をたてるグレイ。
主な舞台となる倒壊寸前のホテルと同様に、
「それって穴だらけの計画のような気がする」のは、気のせいなのかな(笑)
サマンサへの執着がだだ漏れなアチチシーンの描き方は上手かったです。
フィオナ・ブランドって、手を出さずにはいられないという情欲の描き方が上手い作者なのかしら?
前作の「永遠の宿る場所」のカレンもそうだったし……
メモ:特殊空挺部隊のチーム員/ブレイド・ロンバード(グレイの弟・司令官)/ベン・マッケイブ(4歳の娘バニー)/カーター/ウェスト(必要以外に濡れるのが大嫌い)


さまよえる相続人 LS-219 (株)ハーレクイン  発刊:2004.12.20
ヒロイン:アンナ・タラント(ウェイトレス・消息不明間の遺産相続人・小説家志望・26歳) ヒーロー:ブレイド・ロンバード(元特殊空挺部隊隊員・裕福な家業の一端を担う実業家・33歳)

あらすじ:特殊空挺部隊(SAS)シリーズ/ロンバード一族三男
また、彼女が逃げ惑う夢を見た。
ブレイドはもう何年も、ある女性が心細い思いを抱いて、逃げ回っている姿を夢の中で見続けていた。夢の中で幼かった彼女がどんどん大人の女性に成長していく。
「現実に、存在する相手だったら」 と願わずにはいられない。
しかし、手がかりのないまま、時が過ぎてゆくばかりだった。
そして、先ほどまで見ていた夢の中で、排水溝に落ちた彼女がピクリとも動かない様子にブレイドは焦った。夢の細部を思い出した時、微かな手がかりを掴んだ。
「ゲームゾーン」
夢の中で見た鮮やかな赤と青のネオンサインを思い出したのだ。ブレイドは、慌てて電話帳の頁を繰り出すのだった。

父親が亡くなった後、母親が再婚した相手に命を狙われるようになったアンナ。車の事故にみせかけて殺されかけた時、とうとう、身を隠すことを選びます。それから、7年間、ひたすら義父の魔の手から逃れ続け、父親の信託財産を得ることの出来る27歳まであと少しというところで、罠に陥ります。
危機的状況に陥ったアンナを救い出したのが、ブレイド・ロンバード。彼との間には、不思議な力が通い合ってます。夢を共有したり、危険な目にあっているアンナの状況をブレイドが夢見たり。
怯えながらも、果敢に立ち向かっていこうとする(一人で逃げ延びる道を選ぶ)アンナを守護したいブレイドという図式で物語が進んでいきます。
ツボをつくような展開なのに今一つ、のめり込めず。淡々とし過ぎてるからかしらん。アンナとブレイドが顔見知りだったという設定が余計だったような……。
メモ:攫われたアンナの救出劇