不誠実で男遊びの激しかったイニッドの姪だから、マラもそういう女に違いないと思い込んだグラントの態度はひどいものです。
2年前に最愛の夫を不慮の事故で亡くし、絵を描くことだけを生き甲斐にしていたマラを誤解しまくってます。
自分がとんでもない誤解をしていたことに気付いたグラントは、不承不承、謝ることとなります。
でも、誘惑をしかけてきたじゃないかと、悪あがき。
ところがどっこい、マラにとってグラントは「非常識なことで言いがかりをつけてくる大層迷惑な隣人」でしかなくて、よくて、「絵のモデルにしたらいい線いきそうだわ」ぐらいの認識しかありません。
そのことを思い知らされたグラントは、思わず怒声をあげてしまいます。
「ぼくが恋煩いにかかったばかな男のようにうろうろしているあいだ、きみはぼくのことを見てもいなかったわけだ」
ここから、グラントは自分の魅力をひたすら「押し売り」(笑) していくこととなるのでした。
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