あらすじ
ローガンは、親身になって後援している画家アントン・バータノリの個展で、若い女性が傍若無人な人間に突き飛ばされるのを目の当たりにした。ローガンが腕を掴まなければ、飾られている絵に突っ込んだに違いなかった。
「ありがとうございます」
助けた女性がローガンに向けた心もとなげな笑みは、最初、彼女を目にした時に感じた、冷ややかさを身につけている女性だという印象をがらりと変えた。
どこか世慣れていないその印象に、好感を抱いたローガンだったが、それはすぐに崩れ去った。ローガンが連れだってきた女性と離れた途端、さっと側にやって来て
「お電話番号を教えてください」
彼女は、男を追い掛け回すような人間だったのか……。 |