ケイシー・マイケルズ

マギーはお手上げ マ16-1 二見書房  発刊:2004.09.25
ヒロイン:マギー・ケリー(ミステリー作家・31歳) ヒーロー:セント・ジャスト(子爵・35歳/通称アレックス)

あらすじ
摂政時代のミステリー小説セント・ジャスト子爵シリーズの5作目を執筆中に、マギーはとんでもない出来事に巻き込まれた。
作中で殺人事件を鮮やかに謎解き、女性の心を欲しいままに大活躍していたセント・ジャスト子爵とその相棒スターリング・ボールダーが、目の前に現れたのだ。
2人はマギーの部屋に遠慮もなく居候を決め込み、テレビの見放題、自分の利便を図るために彼女のクレジットカードを限度額まで使い切る、その馴染みように、マギーの怒りの沸点は上がりっぱなしだった。
そんな中、マギーの元彼であり出版会社経営者のカークが毒殺されてしまった。
……全ての状況が、犯人はマギーだと指し示している。
マギーに着せられた濡れ衣を晴らすために、セント・ジャスト子爵が立ち上がる!?

殺人事件が起こるわりには、緊張感が全く漂わないのは、殺された人物が俗物なだけで悪党(セクハラ親父なんですが……)ではないからなのか。
各人の性格を際立たせるために書かれたエピソードが、笑えます。
セント・ジャスト子爵の事件解決の折りに、いつも死体役を仰せつかるスターリング。
摂政時代の2人が、現代に見事なほど馴染んでインターネット生活を謳歌してます。
作品中における濡れ場を次作からどうするかを説明するマギーとそれを拝聴する羽目に陥った子爵の会話が、全く艶っぽくなくて吹き出します。これだけミステリーで売れたから次作からは濡れ場は無しという方向でいくわと宣言したマギーですが、言った先からファンの意見(濡れ場を何度も読み返すという告白)には逆らえないということで、書く気満々になってしまったり……。
「ロマンス作家あがりだもの」という自嘲に、笑っていいのやら〜。
人間関係の大層シンプルなバーバラ・カートランド作品仕様になっている今の私の脳に、多人数の似たような登場人物をさばくのは、難しかった……。


サファイアの花嫁 SC-1(選ばれし花嫁たち) ハーレクイン  発刊:2004.09.20
ヒロイン:サバナ・ハミルトン(大学院卒業・23歳) ヒーロー:ハリソン・コルトン(実業家・31歳)

あらすじ
サパナ・ハミルトンが、面会を求めて一時間も秘書室で待っていると知らされた時、ハリソンが思ったことは
「6年前の自分が、お人よしで、いかに能天気だったかを思い出させる人物になど、会いたくはない」だった。
サバナの姉アネットと婚約していた6年前、婚約者がハリソンを愛してたのではなく、彼の父が有していた富や地位を目当にしていたという事実は、忘れてしまいたい思い出なのだ。
……でも、ハリソンにとってサバナが悪い人間だったことは一度もなかった。それどころかサバナと一緒に過した宿題を手伝ったり、ピザを食べに寄宿舎から連れ出した時間は、楽しい思い出ばかりだった。
彼女が会いたいというのなら、話を聞くぐらいのことはしなければ……ハリソンは、サバナを部屋に通すのだった。

サバナの父サムが経営する会社が倒産寸前。起死回生するには、娘サバナが大金持ちと結婚すればいいと、裕福ではあるけれど身持ちの大層悪い男を押し付けてきます。その際に、彼女の出生の秘密を明かして、今までの恩を返せと迫る父と姉……最低な人間性をサムとアネットが、ご披露してます。進退窮まって思い出したのが、ハリソン・コルトンの存在。サバナは17歳の頃に憧れていた男性に助けを求めるのでした。
父親が押し付けてきた結婚相手に対抗して、ハリソンが申し込んできた求婚を受ければ助かると、急激な展開を一度は見せるのですが、落ち着いて考えてみたら、父親にそこまで義理立てする必要はないと気付くサバナ。
「気付いちゃったか……」と残念至極なハリソン。
そのまま自活の道を進もうとするサバナに仕事先が見つかるまでの下宿先として自宅を提供し、2週間の同居生活に突入。この間、友人から恋人への昇格を頑張ってたハリソンを想像すると楽しくてなりません〜。
コルトン家に伝わる花嫁が身に付けるサファイア。花嫁となる人がベストパートナーであれば燦然と輝き、それ以外の女性が身に付ければ、ただのくすんだガラスに見えるという代物。
身につけてくすんでしまったらどうしようと怯えるサバナに
「木の下にでも埋めてしまおうか」
輝いても、くすんでもサバナに対する愛情は変わらないと言い切るハリソンが、格好いい。