キャサリン・グレンジャー

愛のリターン 51(セカンド チャンス アト ラブ) (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.07.19
ヒロイン:キャセイ・アダムズ(パーティコンサルタント会社経営・料理の腕は抜群・未亡人) ヒーロー:マシュー・ストナー(実業家・大富豪・36歳/愛称マット)

あらすじ
上司であるマシューの妻の座をどうしてもパメラは獲得したかった。秘書としての能力を高く買ってもらうだけでなく、私生活も共にありたかった。
しかし、夜遅くまでマシューの住む邸宅で仕事をし、泊まり込むことになっても2人の仲は、雇われた一年前当時と同じ上司と秘書の関係の域を出ない……。公私の区別が明確なマシューは、欲しいものを何でも手に入れてきたパメラの所有欲に更に火をつけていた。
それでも、マシューが主催するディナーやパーティで女主人役をするまでになっていたパメラは、それだけで有頂天になっていて、他の女性に対して油断があったのかも知れない。
ボストンでもっとも成功している女性10人を紹介していた地方紙をマシューの目に触れさせてしまったのは、痛恨の極みだった。
一面に掲載されていた、パーティコンサルタント会社を経営しているキャセイ・アダムズに目を止めたマシューが、
「彼女に電話してくれ。彼女こそわたしの望む人だ」
パメラは、公私の区別を明確にしていた彼が、キャセイ・アダムズを手に入れるために財力も権力も利用していくのを間近で見続けるだけの女ではなかった。
キャセイ・アダムズを何としてでも追い払ってやる……。

高校生の頃に父を、その頃から付きあっていたアンディと結婚した年に母を亡くし、その上、五年前に、交通事故で最愛の夫を亡くして身寄りのいないキャセイ。寂しさを仕事に没頭することで埋めていた彼女は、マシューと出会い、自分に何が欠けていたかを気付くこととなります。
最初から何が何でもキャセイを手に入れようと、財力をちらつかせ、彼女の自尊心をつついて仕事を受けさせたり、自分の魅力を十分に把握しているマシューは最大限にそれを発露してムードとお酒で盛り上げて早々に彼女を見事に搦め捕ってます。
まっすぐに育ってきたらしい彼女は、マシューの秘書であるパメラから向けられる悪意と侮蔑が何故自分に注がれるのか、よくわからない状況にあります。
マシューがキャセイにはまっていくのを目の当たりにしたパメラは、何とかして2人の仲を裂こうと暗躍。
無断で部屋に入るのを嫌うマシューの執務室に、ノックなしで入ってもいいからと嘘を言ってキャセイに入らせて、年若い恋人(志願の娘を躾けようとしていたらしい)との絡み合ったキスを見せつけたり、キャセイの仕事をバカにしたり、マシューが仕事を依頼している期間に更に条件の良い仕事を裏から斡旋したり、挙げ句の果てに、キャセイの作った料理を台無しにしたりと八面六臂の動きをしてます。しかしまぁ、画策はことごとく頓挫して、キャセイとマシューとの仲を更に深めるという王道のパターン。


ひそかな願い 13(エメラルドロマンス) (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.06.20
ヒロイン:メーガン・クロフォード(保険会社人事課長・34歳/愛称メグ) ヒーロー:ジェイソン・クロフォード(大病院の外科部長・39歳/愛称ジェイ)

あらすじ
結婚して10年。メグはもう2年も前から、子どもが欲しいと思い夫のジェイにも言い続けていた。毎朝、基礎体温をつけて、排卵日にはベッドをともにして……と、気を揉んでいるのに、ジェイは病院からの呼び出しで側にいないことが多かった。
かかり付けの産婦人科医からは、仕事にのめりこんだことで家庭を壊してしまったという自分の過去を引合にだして、ジェイとメグに2人で過ごす時間をもっと作るように助言するのだった。

メグとジェイは互いに深い愛情を抱きあっているものの、2人とも仕事が多忙すぎて、じっくりと触れ合う機会がもてない状況にあります。
子どもが欲しいと思いだして2年が過ぎているのですが、妊娠の兆候すらなし。
不妊について調べてもらおうとやってきた産婦人科では、こんなすれ違いの生活をしていたら、妊娠は難しいに決っていると先生に指摘されることとなります。
生活の見直しをはかろうと動き出すメグですが、ジェイの方は新たに仕事を増やしてと、危機感がうまれてこない様子が描かれてます。
その上、赤ん坊をほしがっているメグに、余り乗り気でない様子を見せてしまうジェイ。男の我が儘なんですけどね。赤ん坊が生まれたら、子どもに夢中になって自分のことがないがしろになるんじゃないかと不安を感じているらしい。そんなことないわっっと愛情深く宣言するメグに感動するジェイ。
仕事にやりがいも使命感もどんどん深まるけれど、一番、一緒にいたいのは誰なのかを再確認していく物語となってます。


恋のニューハンプシャー 71(シルキーロマンス) (株)サンリオ  発刊:1989.10.30
ヒロイン:トレーシー・ホリディ(能率技師・経営コンサルタント・26歳) ヒーロー:ウェイド・モンゴメリー(地方紙の経営発行者)

あらすじ
ニューイングランド・ローカル新聞協会が主催した編集者の年次大会で、ウェイドは議長を務めていた。部下のヘンリーは杓子定規な男で、会場内に紛れ込んで、顧客獲得をしようとしている女性の後をつけ回しているようだった。確かに、商業行為は禁止されているのだが……。
ウェイドは、ヘンリーに詰め寄られながらも果敢に応戦しているその女性のもとへと足を向けた。トレーシー・ホリディと名乗った彼女をそれとなく、今、付きあっている女性だと仄めかしヘンリーを体よく追い払ったのだが……。

17歳で結婚したトレーシーですが、性生活の不一致から、半年で離婚することとなります。その時に受けた心の傷は今なおトレーシーを苦しめています。男性とのお付き合いに消極的なトレーシー。
そんな彼女を見初めてしまったウェイドが軽佻浮薄な振りをして迫ってます。
肩肘張って仕事をしているトレーシーに対して、真面目な態度をとらないウェイドはごにょごにょ。まぁ、トレーシーが仕事を盾にし過ぎているから仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。そりゃ、彼女を引きとどめる作戦なんですが、挑発ばかりし続ける戦略は……好みの問題かー。


アポロンを探して 108(シルキーロマンス) (株)サンリオ  発刊:1991.04.30
ヒロイン:リビー・ピーターソン(小さなホテルの経営者・33歳) ヒーロー:ラッシュ・メーソン(ヒッチハイカー・37歳/本名ラッシュウッド・ジェイムズ・メーソン・複合企業の経営者

あらすじ
故郷をあとにして18年。ラッシュはひたすら金もうけに全人生を捧げていた。高校時代から付きあって結婚したローラから離婚をつきつけられ、その後、彼女が手痛い裏切り行為をしていたことがわかった後でも……。しかし、そんな生き方に疲れ切ってしまい、心も身体も休ませたいと放浪の旅に出たのだった。この一年間、ラッシュは身体を資本に日々の糧を稼いでいた。それなりに充電を終えたような感触を得たラッシュは、そのままニューヨークに戻るつもりだった。しかし、つい、故郷に足を踏み入れてしまのだった。
思い出の中の風景は、けばけばしい観光地に成り下がってラッシュの気を削いだ。こんなことなら戻ってくるのではなかった……そう思っていた彼の目に小さくて趣のあるホテルの前で、仔猫と戯れる女性の姿が入ってきた。

3年前に癌で夫を失ってから、ホテル経営を一人で成し遂げていたリビー。大学時代の友人ディアドリが雑誌記者となっていて、リビーのホテルを取材するからと連絡があって嬉しいものの、修繕費用の捻出に頭を悩ませます。そんな状況の所に、ラッシュがやってきて修繕係を格安でやることを申し出ます。2人の間には、当初から惹かれあうものがあるのですが、リビーはひと夏のロマンスをするという心情の持ち主ではないので何とか踏み止まろうとします。反対に、リビーと肌を合わせたいラッシュは姑息な手練手管を駆使していきます。ある一定の親しさを見せては引いて、リビーの感情を高めていこうとするんですよね。
ラッシュの素性は早い段階で、彼からの告白で周知されるのですが、その後、前妻との離婚の真相が明るみに出る過程でリビーとの間がこじれる展開が続きます。
行き違いが正された後は、2人のしっとりとしたお付き合いが進行していくのですが、ニューヨークに戻らないといけないラッシュとの別れの予感が影を差すことなります。
2人が一緒に暮らしていくためには何を諦めていかなければならないのか……2人が静かに互いを思いやって結論を出すのでした。
メモ:ハンサムで物腰の柔らかいアレックス・キャッスル(RJMエンタープライズ副社長)のロマンスはあるのかな? あと、雑誌記者ディアドリ・レイノルズのも。


あなたを夢みて 123(シルキーロマンス) (株)サンリオ  発刊:1992.01.31
ヒロイン:ジェシカ・ディロン(広告会社アシスタント・29歳/愛称ジェシー) ヒーロー:ジェイク・マクガイヤー(休職中の経営コンサルタント・37歳)

あらすじ
満足のいく大学を卒業し、野心のままにシリコンバレーで稼いできたジェイクは、声をかければいくらでもベッドを暖めてもらえるが、遊び相手の女性しかいない暮らしのやりきれなさを感じてしまったのだ。経営していた会社の権利を共同経営者に買い取ってもらい、ジェイクは高校卒業まで暮らしていた街に戻ってきた。育った家は、既にアパートとして改築されており、運がいいことに一部屋だけ空いていた。
空いていた部屋を購入し引っ越したジェイクは、高校まで使っていた部屋の住人が誰なのか、気になって仕方がなかった。荷物を整理しながら隣人が帰宅するのを待っていると、赤みがかった茶色の髪のほっそりとした女性が荷物を抱えて戻ってきた。積み上げられた引っ越しの荷物を避けながら、ドアにたどり着いた彼女が鍵を取り出そうとしている後ろ姿に向かって、
「やあ、こんにちは」
驚いて振り向いた彼女の緑の瞳がジェイクをじっと見つめ……。

4年前の離婚の痛手からまだ立ち直っていないものの、デート会社に登録して、生涯を共にできる相手を真剣に探しているジェシーですが、全くうまくことが運んでいません。大恋愛の末に結婚したクラークが次第に仕事にばかりのめり込むようになり、温かい家庭を築きたかったジェシーと相いれなくなり離婚に至った経緯が影を落としてます。結婚は理知的にしないと駄目だという結論に至っているジェシーは、自分の好みの男性を除外して、好きでもないタイプの男性とばかり付きあおうとしているんだから、うまくいくわけがありませーん。
そんな彼女の住む家の隣の部屋に越してきたのがとってもセクシーなジェイク(これがジェシーの好みど真ん中らしく)で、彼は初見からかなり図々しくジェシーの生活に入り込んできます。
彼が発散する魅力は、離婚した夫が持っていたものと同じでジェシーにすれば、絶対に避けなくてはならないタイプなのに、また同じ轍を踏もうとしている……と必死に押し留まろうとするのですが、ジェイクの魅力に抗えてません。
ジェシーが、うだうだと悩み、ジェイクが溌剌と誘惑している作品。