あらすじ
上司であるマシューの妻の座をどうしてもパメラは獲得したかった。秘書としての能力を高く買ってもらうだけでなく、私生活も共にありたかった。
しかし、夜遅くまでマシューの住む邸宅で仕事をし、泊まり込むことになっても2人の仲は、雇われた一年前当時と同じ上司と秘書の関係の域を出ない……。公私の区別が明確なマシューは、欲しいものを何でも手に入れてきたパメラの所有欲に更に火をつけていた。
それでも、マシューが主催するディナーやパーティで女主人役をするまでになっていたパメラは、それだけで有頂天になっていて、他の女性に対して油断があったのかも知れない。
ボストンでもっとも成功している女性10人を紹介していた地方紙をマシューの目に触れさせてしまったのは、痛恨の極みだった。
一面に掲載されていた、パーティコンサルタント会社を経営しているキャセイ・アダムズに目を止めたマシューが、
「彼女に電話してくれ。彼女こそわたしの望む人だ」
パメラは、公私の区別を明確にしていた彼が、キャセイ・アダムズを手に入れるために財力も権力も利用していくのを間近で見続けるだけの女ではなかった。
キャセイ・アダムズを何としてでも追い払ってやる……。 |