あらすじ
親友であるタイが、脳腫瘍を患って急死してから一年が過ぎた。
その期間は、ネイルが、タイの最愛の妻ステファニーが嘆き悲しむのを側で支え続けた日々でもあった。
四年と半年もの間、ネイルは手に入る見込みのない女性に思いを寄せ続けていた。
タイが自分の恋人だとステファニーを紹介してくれたあの時から、叶わない恋に身を焦がしていたのだ。
ステファニーという最上の存在を知ってしまった今、他の女性に目が行くはずがなかった。
だから、タイが亡くなった時、
「これで彼女を手に入れることができる」
そんな考えが頭をよぎったのも事実だった。親友を裏切ったという罪悪感を抱えながらも、それでもステファニーのことを諦める気にはなれなった。
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