ラス・スモール(別名:キャリー・ヒューズ

妖精がみる夢 L-334 ハーレクイン社  発刊:1988.08.20
ヒロイン:タルラ・メトカルフ(教師・29歳) ヒーロー:ジョン・ピール(小説家・31歳)

あらすじ
7年前、幼馴染みのタルラが婚約したと聞き、ジョンは失意のままに、傷ついた魂を執筆に注ぎ込んだ。その結果、本は驚異的に売れて、名声を得ることになった。
けれども空しい日々が続く中、同郷の者から、彼女が結婚していなかったを聞き、最後のチャンスを逃すものかと、故郷に戻ってきたのだった。

「おとなになったら結婚するんだって、ずっと思ってました。タルラもそう思っていると信じて疑わなかった」
ということで、のんびり構えすぎて、一度はタルラが他の男と婚約するという事態に陥ったジョン。
けれども、今回は、絶対に自分を選んでもらおうと決意します。
これが、かなり前途多難。
ジョンがこんなにタルラのことを思っているのに、彼女はこれっぽっちもそのことに気付いていない。ジョンを見るその瞳には、異性に対する情熱の一欠片すらも浮かんでいません。
タルラの祖母、町の世話役達が、ジョンを応援してタルラと二人っきりになるよういろいろと画策してくれるのですか……彼女は兄を慕うように接してくれるのみ。
だから、タルラがジョンに対して、頬を染めたりなど反応をし出した途端、嬉しくて嬉しくて、 突っ走りそうになるのを必死になって抑えて、タルラのペースにあわせようと渾身の努力を積み上げてます。
しかし、このペースが、タルラにはもどかしい限りという、タルラ視点があって、じれじれ感が、あちこちに漂ってます。


ラブ・アゲイン D-320 ハーレクイン社  発刊:1989.06.05
ヒロイン:フェリシア・パターソン・ティベンズ(幼稚園の臨時教員・26歳) ヒーロー:ナサニエル・ジョーダン(家業の養豚業に従事・自警団員・31歳/愛称ネイト)

あらすじ
人口250人余りのテキサス州ロッキー・ガルチの幼稚園に通っている園児は11人。子ども達を教えている先生が、3カ月ほど休むことになって、臨時教員としてミセス・ティベンズがくることになっていた。
しかし、町から2キロほど離れた飛行場にその女性が到着する間際に、麻薬の密輸人が取り引きにその飛行場を利用するという情報が入った。
密輸人の捕獲と、ミセス・ティベンズの安全確保のために、町の自警団員であるネイトは、身を隠して彼女が飛行場に降り立つのを待っていた。
現れた女性は、 華奢で今にも崩れ落ちそうな印象をネイトに与えていた。
彼女が経験したのは理不尽な悲劇としか言いようがなかった。沈没事故は、彼女の夫の命を奪っていったのだから。

半年以上前に巻き込まれた沈没事故で、身体的にも精神的にもフェリシアは打ちのめされてます。
無気力に陥ってしまってる彼女を心配して、父親とその友人である主治医が、手を回して、田舎の幼稚園の臨時教員という仕事を見つけてきます。
フェリシアが出向いた町にいたのが、大柄のネイトという強引な男性。
初めて会った時から、ネイトはフェリシアをロックオン。ひたすら、真剣に軽妙に口説く、口説く。
そして、同時進行で、フェリシアが負った精神的な傷を、少しでも軽くしようと心を砕きます。
前半は何事にも無関心だったフェリシアが周囲に関心をもつまでを描き、後半はネイトといちゃいちゃしております。


キスで誘惑 D-737 (株)ハーレクイン  発刊:1998.03.05
ヒロイン:リリー・トレヴァー(大学卒業したばかり・23歳/愛称リリー・ベイビー) ヒーロー:ブライアン・ウィラード(宿屋のコック兼、責任者・30歳)

あらすじ
こじんまりとした宿屋【コーヒーポット・イン】で、コック兼、責任者として、ブライアン・ウィラードは働いていた。
ブライアンお手製のドーナツのおかげで、宿屋は大繁盛。
オーナーであるトム・トレヴァーとの仲も良好で、ブライアンは資金が貯まれば、ここを買い取りたいと申し出ていた。
しかし、トムが亡くなり、【コーヒーポット・イン】を引き継いだからと女性が訪ねてきたのだ。
トムの曾孫にあたるリリー・トレヴァー、23歳。
165センチのすらりとした体に漆黒の豊かな髪、ブルーの瞳。そして、保護欲をかき立てる無邪気な雰囲気を身にまとっていた。
ブライアンは、自分も含めて他の男どもが彼女に夢中になる様がみてとるような気がした。

リリーのデートの日は、彼女が帰宅するまで起きて待っているブライアンの保護者ぶりが立派です。
自分には、リリーが若すぎるとか、仲の良い家族の中で大事に幸せに育った彼女と自分との育ちの違いを気にして、最初は身を引くような態度に徹するブライアン。
けれども、彼女の魅力にイチコロ状態なので、とうとう抑えが効かなくなった途端、押しの一手で迫っていくのでした。
リリー、ブライアンともに、心の葛藤をあまり見せることがない、あっさり目な仕上がりとなってます。


気まぐれな恋 D-863 (株)ハーレクイン  発刊:2000.10.05
ヒロイン:ジェリ・ジョーンズ(会社員・28歳) ヒーロー:フランク・シェブロッキ(建物改修、建築現場責任者・30歳すぎ)

あらすじ
フランクは通りの向こうからやってくる女に釘づけになった。てっきり、彼女もそうだと思ったのにフランクの前を素通りしていく……。
脈がなさそうだとがっくりしたフランクを、悪友達がけしかける。気分が少し浮上したフランクは、彼女の住まう場所が探って、悪友共々、帰宅してくるのを待った。

ハーレクイン・ロマンスって基本的には、描かれている「恋の駆け引き」に読者が一喜一憂、涙茫々とするわけですが、この作品、読んでてわけがわかんない。
ジェリとフランクの「恋の駆け引き」に萌え要素が……。
笑うツボを見つけられなかったアメリカンジョークってな感じ〜。
で、更に驚くことにこの本には編集部からの「おすすめピンク帯」までついてて、この作品でオススメはないだろう……。
フランクが、ジェリのことをかきくどこうとしているのですが、彼女の中には地雷原がたくさんあるらしく、踏む度に肘鉄をくらっているんですわ。
でもその地雷原って、男女の考え方や捉え方の違いで、そこまでフランクを罰する必要があるのかという代物にしか感じられない。
……フランク、そんな女でいいのか。



キャリー・ヒューズ(別名:ラス・スモール

ガラスの約束 SCAL-63 (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.09.20
ヒロイン:アデリーナ・メアリー・ローズ・キルディア(デザイナー・未婚のシングルマザー・27歳/愛称アディ) ヒーロー:サミュェル・グラディア(小児科医コンサルタント・39歳/愛称サム)

あらすじ
母に頼まれてファッションショーのチケットを取りにきたサムの目に入ってきたのは、舞台の上で化粧着を優雅に身にまとった金髪の美しいモデルだった。
モデルがローブの一番上のホックを外した途端、肩のストラップの一方がするりとすべり落ちた。
続けて二番目のホックが外される。
両方のストラップが完全にすべり落ちたのに、豊かであろう彼女の胸はかろうじて見ることが叶わなかった。
化粧着の有能性をセクシーな声で喋っている彼女から、サムは視線を外すことが出来なくなっていた。

アディに一目惚れしてしまったサムの熱い言動が、淡々と書かれてます。彼女に近づくために、母親の社交場の地位や自分の職業を利用しまくり。
誘惑をしかけてくる男性に対して鉄壁の守りをしていたアディも、その熱心さに押されっぱなし。3歳になる一人娘を交えて追い駆けっこをしている内に、二人きりになって押し倒されたりと、熱い場面もばっちり。
サムがかなり強引に事を運んでいくんですが、アディの腰が引けているのにも気付いていて、彼女が「NO」と主張した時は、その意志を尊重する大人な対応も見せます。
アディが妊娠したとわかった途端に、トンズラした昔の男が自分の都合のよい手紙を寄越してくるけれど、それは小さな波風が立つ程度のものとなってます。
本筋は、アディが、男性に対して愛情を感じることについて厭わなくなるか、そして信頼していけるかが描かれている作品。
結構、熱い場面が展開されているにもかかわらず、ヒーローが冷静なせいか全体を通して温度が低い感じのする作品。


無邪気な誘惑 SCAL-95 (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.04.20
ヒロイン:アイリーン・ヤンガー(イラストレーター・2年前に離婚・28歳) ヒーロー:ジョン・タルボット・ウェンデル(国際電話電信会社経営管理部長・30歳?)

あらすじ
イラストレーターとして人気のあるアイリーンの稼ぎは、かなりのものだった。その点もあって、男性に面倒な女だと思われてしまうのか、離婚してから2年、男性とのお付き合いが上手く行ったことがなかった。実を言えば、離婚の原因だって、アイリーンの稼ぎが夫より多かったのが大きな要因でもあった。
そんなアイリーンのくたびれていた心をときめかせたのは、 タルボットという男性だった。
タルボットに惹かれて、何とか話をし続けようとするアイリーンだったが、彼の言動は、どう取っても、彼女をさけようとしているようにしか、思えなかった。
「私のどこが、気に入らないのかしら?」
アイリーンは、悩むのだった。

タルボットがアイリーンを高級娼婦だと、間違った思い込みをしてしまったから、さぁー、大変。
アイリーンの言動全てが、その手の職業に照らし合わされていくこととなります。
そういう女性と関わる気など、これっぽっちもないのにアイリーンに惹かれずにはいられないタルボットの焦燥感と、離婚して2年ぶりに男性に対してときめいて、ちょっと羽目を外してしまっているアイリーンの高揚感が、コミカルに描かれた作品。
もちろん、高級娼婦だという思い込みは正されるのですが、最終まで気付かないという引っ張り展開となってます。
そして、タルボットは背水の陣で、アイリーンに謝罪をし続けて、最後を飾ります。
アイリーンに許してもらって、安堵の様子を浮かべる場面に、こちらもホッ。


別れてもあなたと E-15 (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.07.20
ヒロイン:マーシー・フォスター(主婦・2児の母・23歳→24歳) ヒーロー:サディアス・フォスター(会社員・26歳/愛称サッド)

あらすじ
このところ、サッドは不安を感じていた。
結婚して5年になる最愛の妻マーシーは、今でも本当に自分のことを愛してくれているのだろうか?
だから試しに「離婚」をそれとなく仄めかしたのだ。
彼女が反論してくるか、うろたえて説得してくれるだろうか、という期待は見事に裏切られた。
マーシーは、「離婚」をすんなり受け入れてしまったのだ!!

サッドが思っているほどに、マーシーは自分のことを愛していないのではないか。
自分がいなくても彼女は平気ではないだろうか。
サッドは、マーシーの気持ちが知りたくて「離婚」を仄めかします。
あれよあれという間に、「離婚」が現実のものとなっていく過程で、サッドの親友ニックが彼女にアタックしている場面に出くわし大慌て(笑)
マーシーが他の男に走ったらどうしようなどと、身から出たサビで熊のようにうろつく羽目に陥るサッド。
なんだかんだとマーシーを言いくるめて、離婚後の情事を持つことを約束させたりしております。その情事を楽しむ場所として選んだホテルで、ニックが商談をしていたのは偶然ではなく、サッドが謀ったような気がするわ。
メモ:身長差もの(157cmと187cm)