リンダ・ハワード
描かれる熱々ヒーローぶりが、大好きです。結構、我慢させられたりすることが多いので、弾けた後なんて(笑)もう最高かも。……いつでもどこでもの彼ら♪
ヒロインは、大人しいだけ守られるだけのタイプではなく、彼女なりの方法でヒーローを守ろうと奮闘する姿勢が好きです。芯がしっかりしている女性が多いかな〜。
初期作品、入手困難というのが一番のネックですよね……読むには図書館から借りるのが一番、手っ取り早いかも(全作品、復刊済みになってます、たぶん)

HQ  リスト

心閉ざされて ハ7-3 二見書房  発刊:2000.01.25
ヒロイン:ロアンナ・フランシス・ダベンポート(旧家の当主の補佐役・17歳→27歳/愛称ロー) ヒーロー:ウェッブ・タラント(旧家の跡取り→アリゾナの牧場主・24歳→34歳)

あらすじ
10年前、妻殺しの容疑をかけられたウェッブは、故郷を去った。無実であった彼を支えてくれる筈だった、一族は、あろうことか彼を犯人扱いにしたのだ。彼らに幻滅したウェッブはアリゾナへと出向き、牧場の経営を元に、鉱山の開発に取り組もうとしていた。
そんな時、絶ちきった筈の一族から、一人の使いがやってきた。
ロアンナ・ダベンポート
20年前、両親を車の事故で亡くした彼女を、慈しみ、気にかけていたのはウェッブだけだった。
10年ぶりに再会したロアンナは、記憶にあったおてんばで天衣無縫に浮かべる笑顔の持ち主であった少女とかけ離れた存在となっていた……。

「あなたがパチンと指を鳴らしさえすれば、わたしはいつだって駆けつける。そして、あなたのいいなりになってしまう」と、ウェッブへの思いを隠さないロアンナ。
保護しなければならなかった存在から、大人の女性に成長した彼女を見て、戸惑いを隠せないウェッブ。再従兄妹でもあり幼馴染みでもある二人が、過去のいきさつ(ウェッブの妻ジェシーが殺害されたこと)で互いにすれ違ってしまった思いが切ない。
ジェシーは、何故殺されたのか?
ウェッブが帰郷したことで、噴出する軋轢と頻発するトラブルに2人がどう対処していくかを絡めて、ロマンスが進行していくこととなります。


夢のなかの騎士 ハ7-5 二見書房  発刊:2000.11.25
ヒロイン:グレース・セントジョン(考古学財団所属の古文書翻訳者・31歳) ヒーロー:ナイル(中世の騎士・39歳)

あらすじ
わけがわからないまま、最愛の夫と兄が銃殺された。それも、上司のパリッシュ・ソーヤーに。
2人が殺される場面を目撃することになったグレースは、パリッシュの追撃の手から辛くも逃れ、身を潜めることになった。
何故、2人が殺されることになり、執拗なまでに自分が追い駆け回されなければならないのか。
発端は、現在、彼女が翻訳しようとかかりきりになっていた古文書のようだった……。

敵が何を狙っているのかを知るため以上に、古文書の翻訳を取り憑かれたように進めていくグレース。完璧、仕事中毒。
翻訳している古文書に出てくる「ナイル」という人物に傾倒していく中、現実味のある夢を見出してます。ナイルとのムフフフ。
あと、身を守るための術も否応なく体得していく中で、グレースがかなりワイルドに進化。行動力のある彼女がテンプル騎士団の秘宝を守るために、命をかけてます。


Mr.パーフェクト ハ7-6 二見書房  発刊:2001.05.25
ヒロイン:ジェイン・ブライト(会社員・30歳) ヒーロー:サム・ドノヴァン(刑事)

あらすじ
銀行の口座をスッカラカンにして、購入した家に2週間前に転居した時は掘り出し物だと思い込んでいた。今でも、家自体はお気に入り。傷んでいるところを手直していけば更に愛着は湧く筈だけど……
隣に住んでいるのがどんな人間なのか、調べればよかったとジェインは、心底悔やんでいた。
夜中の3時にいかれた排気音を轟かせて帰宅するくたびれた髭面のうさん臭い男が、隣人だなんて。近所中を叩き起こしている自分の所業を棚に上げて、ジェインが朝の出勤時にごみ箱を車のバックで倒してたてた、ちょっとした(?)物音に怒鳴り込んでくるんだからッ。
むしゃくしゃした気分直しは、定例の飲み会で晴らすべき。会社で仲の良い、女性達3人とジェインは、男運の無さを肴にしていた。そして、自分たちにとって「完璧な男」はどうあるべきか、リストにしていくのだった。
そのリストが殺人事件を引き起こすような大事になるとは、思いもしなかった。

「理想の男性とは」と、酔った勢いでリストを作成していたジェイン達。このリストが、ひょんなところから社内報に載り、インターネットに流布し、マスコミが飛びついてと火だるま式に大騒動になっていきます。
その間に、ジェインは隣人サムと良好な関係を築くべく、努力。飲んだくれと思っていたサムが実は、刑事でただ仕事疲れでくたびれていただけで、身だしなみを整えればかなりいかした男。脱げば更に男ぶりが上がることを知り、
ムフフフフ。
それにしてもジェインの口調がかなり乱暴。男言葉を普段の生活の中で使ってるようで、悪態をつく度に罰金を支払うことで矯正しようとしてます。あまり効き目がなくて、口に出さずに頭の中で止め置けばいいのよと達観しだしてます(苦笑)


夜を忘れたい ハ7-7 二見書房  発刊:2001.08.25
ヒロイン:マーリー・キーン(銀行勤め・会計・28歳) ヒーロー:デーン・ホリスター(刑事・34歳)

あらすじ
なくなったと思っていた霊能力で、6年ぶりに見せられたのは、男になぶり殺しにされる女性の姿だった。
マーリーは、人々からうさん臭そうに見られることを覚悟して、情報提供のために警察に行くのだった。
捜査のトップに、自分が見たものを伝えていたところ、呼びだしされた刑事が連れ立って部屋に入ってきた。

物心ついた時から、他人の感情を読み取ってしまう能力を自覚していたマーリーは、その力を6年前に失います。
しかし、一般の人たちと同じように生活をし、このまま人生を送っていけるのかもと思っていた矢先に能力が戻ってきます。
マーリーに見えた映像は、男が女性をなぶり殺しにしている場面。
彼女が見た殺害現場を捜査することになった刑事デーン。
2人は、出会った当初からアチチのチー。というより、デーン(の下半身)がいきなり暴走しだしてます(笑)


パーティーガール ハ7-9 二見書房  発刊:2002.03.25
ヒロイン:デイシンダ・アン・マイナー(図書館長・34歳/愛称デイジー) ヒーロー:ジャック・ラッソ(警察署長・元SWAT隊長・36歳)

あらすじ
都会だけでなく田舎の生活も過させてやりたいという両親の考えで10歳の夏に、ジャックは大おばベッシーの元に送り込まれた。魚釣りや狩りの仕方を新しくできた友人達の父親から教わったりした夏は、6年ほど続き、それは人生の内で最高の部類に入る期間だった。
それから20年が過ぎ、ニューヨーク市警のSWATチームに属している生活は充実していたが、神経をすり減らすのも事実だった。亡くなった大おばが自宅をジャックに遺してくれたことも引きがねとなって、ジャックはSWATを退職し、第二の故郷とも言えるこの地に警察署長という職を得て戻ってきたのだった。
田舎だけあって、犯罪率は低かった。
退屈だからというわけではないが、気になってついかまってしまう女性が1人。警察署と通りを挟んだ場所に建っている図書館に勤めているデイジー・マイナー。大おばみたいに堅物でやぼったくて生真面目な彼女をからかうのが、とても楽しくて仕方がなかった。
そんなデイジーが、大変身を遂げナイトクラブのダンスフロアで、ご機嫌に踊っている!? あろうことか、男の膝の上にまで座ったー!!

図書館で働いているから、いろいろと興味深いことは、知っていても実世界の経験となるとないに等しいと自覚しているデイジー。34歳の誕生日に、真面目だけが取り柄だと、このままでは独身で一生を過す羽目になると気付いてしまって、一大決心。同居している母と叔母から独立して、独り住まいを確保、容姿も大変身を遂げようと努力(母と叔母達も大協力)し、それから生真面目だという周囲の人たちの見方を変える為に、浮いた噂をまき散らそうと頑張ります。
その行動にことごとく抵触してくるのが、好みのタイプでないジャック。
「あなたが周りをうろうろすると、他の男性が寄りつかないじゃない」
デイジーのからかわずにはいられない愛すべき生真面目さに、ノックアウトされているジャックが本当に楽しそうに彼女にちょっかいを出してます。
不まじめなお付き合いではないけれど、結婚までは考えてないジャックですが、デイジーが他の誰かと真剣に付き合う素振りを見せたら、
「汚い手を使ってでも彼女を勝ち取ってやる」と決意してるのめり込みようがグー♪
……人身売買、殺人事件、デートレイプとかの犯罪が、絡み合ってます。


見知らぬあなた ハ7-10 二見書房  発刊:2002.09.25
ヒロイン:ディライラ・ジョーンズ(治療師・20代後半/ライラ) ヒーロー:ジャクソン・ブロディ(保安官・35歳)
ヒロイン:セオドラ・マーロー(ペンキ塗り・壁画家・29歳/愛称シーア) ヒーロー:リチャード・チャンス(特殊部隊中佐・35歳)
ヒロイン:ホープ・ブラッドショー(貸しキャビン経営・未亡人・31歳) ヒーロー:プライス・タナー(保安官助手・34歳)

あらすじ:短編3作品所収
【ブルームーン】
犯罪率が高くなるのは満月の頃。そして、ひと月に2度目の満月となれば、おかしな連中が夜な夜な動き回っている可能性がある。ジャクソンは、信頼できる連絡係から回されてきた情報を元に、ボートを借り出し、水路を慌ただしく駆け上がって行った。

【夢のほとり】
リチャードは、今度こそ、彼女を捕まえようとしていた。
今生を逃せば、次はもうないことを感じていた。何としてでも自分のことを信頼してもらい、彼女とともに歩む未来を勝ち取りたい。
これが、12回目の転生だった。

【白の訪問者】
ブリザードの中、ようやくたどり着いたキャビンの戸を叩いたプライスは、そこで意識を失った。
助けてくれたのは、貸しキャビンの経営者であるホープだった。凍りついた衣服を脱がし、凍傷になりかかるほど冷えきっていたプライスの身体を人肌で暖めてくれたのだ。
プライスは目が冷めた途端、側に寄り添うように眠り込んでいたホープの身体を無意識の内に奪い取ろうと動き出してしまっていた。

短編集(三作品)で、すらっと読みきれる作品ばかりの一冊となってます。
一目惚れしあった男女が、あっという間に仲良しさんになってしまう作品。
「夢のほとり」は、まぁ転生もので、前世で深い仲だったので厳密に言えば、一目惚れとは違うことになるのですが……。
しゃれた会話が読んでて楽しい作品となってます。


くちづけは眠りの中で ハ7-13 二見書房  発刊:2005.07.25
ヒロイン:リリアン・マンスフィールド(CIAの契約エージェント・37歳/愛称リリー) ヒーロー:ルーカス・スウェイン(CIAの諜報員・39歳)

あらすじ
血の繋がりはないだけで、愛娘だったジーアと親友夫妻が殺された。
3人の殺害を命じたのは、サルヴァトーレ・ネルヴィ。
クロアチア紛争の被害者で、捨てられ息絶えかけていた赤児だった ジーアの命を救ったのは、リリーだった。CIAの契約エージェントとして優秀な腕前を持つリリーが、ひたすら愛情を注いだ愛娘だったのだ。
何としてでも、復讐を完遂させてみせる。
リリーは、サルヴァトーレに近づいてその命を絶つ計画を丹念に練り始めた。

リリーの復讐は果たされ、サルヴァトーレは命を落とします。サルヴァトーレの組織からはもちろんのこと、契約以外の殺人をしたことで、リリーは、CIAからも追われる身となります。
そのCIAの追跡者であるスウェインが、お茶目。
「うずくまっているトラをわざわざ棒でつつくタイプ」の人間で、多い軽口でリリーの懐に深く入り込んでいくこととなります。
親友夫妻が何故、引退した仕事に再度、手を染めることになったのかが判明し、リリーはその後始末にどっぷり漬かっていきます。
極限状態にまで張りつめていたリリーの精神を、スウェインが弛めていく過程はなかなか良い感じ。
気軽で楽しそうな雰囲気をまとっているスウェインは、自分がCIAの追っ手であることをリリーに黙っていることで苦悩する場面が、サラリと描かれてしまうのがちと、残念かなぁ。


チアガール★ブルース ハ7-14 二見書房  発刊:2006.01.15
ヒロイン:ブレア・エリザベス・マロリー(フィトネスクラブのオーナー・30歳) ヒーロー:ワイアット・ブラッズワース(警部補)

あらすじ
夜半にワイアットの元に入った事件の報は、彼を震え上がらせるに充分なものだった。
フィットネスクラブ「グレイト・バズ」の従業員用駐車場で、ブロンドの女性が銃殺されたというのだ。
そのフィットネスクラブの持ち主であるブレア・マロリーは、見事な金髪の持ち主だった。そして、2年前、クラブの会員だった母からの紹介で、3度、デートした相手だったのだ。
慌てて現場に駆けつけたところ、被害者はブレアではなく、会員の女性ニコルだったことが判明した。現場の確認と先に事情聴取していた警官から、その女性とクラブの間にトラブルがあったことを聞き取ったあと、ブレアの元へと急いだ。
「ブレア、大丈夫か?」
「あの……ええ、大丈夫です」
心配の余り近づいたワイアットを、ブレアは見知らぬ男が、なれなれしくも近づいてきたことに警戒するような表情を浮かべて身を引いたのだ。
自分が2年前、ブレアにした仕打ちを棚において、ワイアットは、その態度にむかっ腹を立てるのだった。

ブレアの一人称で物語が進むので、ワイアットの心情は、居ても立ってもいられずに彼女と繋がっていたいという押せ押せのベッドシーンから汲み取る仕組みとなってます。
2年前のデートの時、初回、2回と熱々だったワイアットが、3回目の時、よそよそしくて挨拶もそこそこに帰ってしまい、それ以降、連絡もないという幕切れ。
大恋愛の上に結婚したジェイソンとの仲がいまひとつ上手くいかなくなりだしたものの、なんとか立て直そうと頑張っていた矢先に、一番下の妹と熱いキスを交わしていたのを目撃して、一挙に冷めたのと怒り心頭の極致に入ったブレアは、有利な条件で離婚にこぎつけます。
その時の経験を元に、問題解決のための努力をしないで歩き去った男は、こっちから切り捨てるという信条を持つわけで、ワイアットとは2度と関係をもちたくないのですが……そんな、ブレアの気持ちなどお構いなしにサカッテイルのがワイアット。
二人の関係がどう修復されていくかの過程で、ブレアを狙った狙撃事件、車のブレーキライン切断による事故が絡み合ってきます。
カタルシスを得たいと思って読まれると肩透かし作品。
けれども、キュートなブレアの言動に、周囲の人間はギュッと心を鷲掴みされているように、読んでいてわくわくするような幸福感にひたれる仕上がりとなってます。


未来からの恋人 ハ7-15 二見書房  発刊:2006.08.25
ヒロイン:ニキータ・ツーリア・ストーヴァー(FBI捜査官・30歳) ヒーロー:ノックス・デイヴィス(ケンタッキー州ピーク郡の主任捜査官・35歳)

あらすじ
ケンタッキー州ピーク郡でノックスは、主任捜査官に就いている。警察の仕事は、彼にとって天職だった。気になったことを調べ上げずにはいられない性分なのだ。
だから、郡庁舎前の広場に20年前、埋められたタイムカプセルが、何者かに持ち去られたという事件にも入れ込んでしまう。
埋められていた場所を2台の防犯カメラが監視していたことから、ノックスはテープを確認するのだった。しかしろくでなしの誰かが掘り返していたと思われる時間に映っていたのは、白い閃光だけだった。
時を同じくして、殺人事件が起こった。弁護士アレンが槍で心臓を一突きにされて、殺害されたのだ。アレンは、恨みを買うような弁護士稼業に精を出している人物ではなかった。
そして、その現場に不思議な雰囲気を身にまとっている女性が現れた。殺害現場を検分していた彼女は、職務質問をしたノックスに、
「ニキータ・ストーヴァー、FBIです」

重い枷を背負って生まれてしまったニキータは、感情を抑制した人生を送らざるをえない状況にあります。そのことを、ノックスとの会話で思い知り、感情が爆発。
彼女のことを「きみはロボットか?」と尋ねてしまったノックスの失態は、顎に鉄拳を喰らうというお返しが。そのことに関して、ノックスの義母がニキータ側につく会話とかがいい感じ。
不正タイムトラベルをしているのは誰なのかという、事件の真相を調査していくニキータとノックス。次々と起こる殺人事件(未遂も含めて)淡々と進行していて、起伏に欠ける仕上がりとなってます。


夜を抱きしめて ハ7-16 二見書房  発刊:2007.03.25
ヒロイン:ケイト・ナイチンゲール(宿泊所経営・32歳) ヒーロー:カルヴィン・ハリス(便利屋・元海兵隊員/愛称カル)

あらすじ
男の双子の赤ちゃんを抱えたケイトに出合ったのが、3年前のことだった。カルは一目見て、彼女に恋をした。しかし、最愛の夫を亡くしたばかりのケイトは生活の建て直しを図るだけでも手が一杯のようだった。
カルの一途な思いは、ケイトと言葉を交わす度に赤くなるおかげで村中に知れ渡っていて、住民は2人を引っ付けようとお節介を焼きまくっている。
ケイトが経営するB&Bは年月を経て修理が必要な個所があるのは確かだった。しかし、こうも頻繁にカルが呼び出されるほどの物ではなかった。そう、住民が、力を合わせてケイトが彼を呼び出すよう小細工をしているからだ。
いつか、ケイトがカルの存在を便利屋としてではなく、男として見てくれるよう、その時をまち続けていた。

今作では、2つのロマンスが進行してます。
ケイトと言葉を交わすだけで、赤面しているカル。悪さをして叱られている双子をかばいたがる様子もほのぼの。
カルの元上司クリードが、飼料屋を営むニーナ(元修道女)に長年の片思い。片思いに身を焦がしている彼らにキュンとなります。
二重帳簿を盾に大金を分捕ろうとした男レイトンが、ケイトの宿泊施設から忽然と姿を消します。レイトンが残した荷物を奪おうとやってきた二人組の男たちをカルが撃退するのですが、何としてでも二重帳簿データが欲しい二人組は、村を封鎖して脅してでもと銃による襲撃をかけてきます。飛び交う銃弾をかい潜って、カルは住民たちを助けていきます。その姿は内気な便利屋さんとは程遠く、ケイトはカルを異性として意識していくこととなります。


ゴージャス ナイト ハ7-17 二見書房  発刊:2008.01.15
ヒロイン:ブレア・マロリー(フィトネスクラブのオーナー・31歳) ヒーロー:ワイアット・ブラッズワース(警部補)

あらすじ
ブレアとの結婚式を早々に挙げてしまいたいワイアットだったが、何やらいろいろと準備期間がいるらしい。頭を悩ませているブレアに、
「郡庁舎で結婚するのもありだな」と、口を滑らせたら部屋の温度がガクンと下がるような目つきでこちらを眺めてきた。挙げ句の果てに、ブレアは
「あなたとは結婚できません」ときたもんだ。
一ヶ月以内に結婚していなかったら、こちらのやり方で結婚するからなと最後通牒をつきつけたら、どうやらブレアのエンジンがかかったらしい。手配の何もかもをするブレアから、言い渡されたのは
「花を担当してちょうだい」
その花が、花嫁のもつブーケでないことに気付いたのはしばらくしてからだった。
……花、用意できるのか……?

前作「チアガール★ブルース」での騒動からそう日にちは経っていません。2カ月後くらい。ワイアットとの挙式の準備に奔走するブレアは、時間がいくらあっても足りない状況にあります。
なのに、轢き逃げされそうになったり、車でつけ狙われたり、自宅の放火にあったり、銃で脅されたりと大忙し。
ブレアの命を狙うのは誰で、何故か?という謎解きと、ブレアとワイアットの考え方、対処の仕方の違いからでてくる仲違いを、どう解決していくか(折り合っていくか)が描かれてます。


氷に閉ざされて ハ7-18 二見書房  発刊:2008.09.20
ヒロイン:ベイリー・ウィンゲート(未亡人・投資家・32歳) ヒーロー:キャメロン・ジャスティス(チャーター機の共同経営者兼パイロット・元将校・30代後半/愛称キャム)

あらすじ
結婚して一年もしない内に、資産家の夫は癌でこの世を去った。
ベイリーに遺されたのは、莫大な資産をあっという間に食いつぶしてしまうだろう継子が2人。
セス・ウィンゲートとタムジン・ウィンゲートの兄妹は、救いようのない穀潰しだった。
毎月、振り込まれる途方もない額の生活費ですら足りなくなるほどの、暮らしをしている2人は、何かというとベイリーを侮辱し続けていた。
そんな2人にほとほと嫌気がさしていたベイリーは、2週間の長期休暇をとるために、弟夫婦がまつ地へチャーターした小型飛行機で向かうのだった。
パイロットが、いつものブレッド・ラーセンではなく、キャメロン・ジャスティスだったところから、もう運気が悪かったのかもしれない……。

極寒の山中に小型飛行機が墜落したものの、なんとか命はとりとめた2人。
頭の裂傷と強い脳震盪をおこして意識が混濁しているキャムの手当をベイリーは悪態をつき、這いずり回りながらも淡々とこなしてます。
その前向きな献身ぶりがツボに入ったー。腕に大怪我を負っているのに、そのことはうっちゃってキャムの看病をしてます。
あと、ベイリーがどれだけ、命を削るような労力を割いたのかをキャムがきちんと理解している展開も好き。
母親が離婚、結婚を繰り返す不安定な人間関係の中で大人になったベイリーが、「お付き合い」に躊躇しているのもわかるし、そんな彼女を怯えさせたくないと気を配るキャムの姿勢は好み。
小型飛行機が何故、墜落したのかという謎解きと、ウィンゲート兄妹が行き着いた先などを搦めながらロマンスが進行してます。
今作は、サラッと読み切れる仕上がりとなってます。


天使は涙を流さない ハ7-19 二見書房  発刊:2009.07.20
ヒロイン:アンドレア・バッツ(マフィアのボスの愛人・30歳) ヒーロー:サイモン(暗殺者/本名サイモン・クロス、35歳

あらすじ
頭の弱い女のフリをして、マフィアのボスであるラファエルの愛人を2年間もしているドレア。
ラファエルに飽きられないよう、飽きられても贅沢な生活ができるようしっかりと金策をしてるそのしたたかさ。
そんな彼女の将来設計をぶち壊したのが、薄気味悪い暗殺者だった。
彼は、ラファエルが仕事上、邪魔となる人間をこの世から消してもらうために雇った人間だった。
成功報酬の上乗せ分として、アンドレアを一度だけ抱きたいと要求してきたことから………。

面白かったー。
アンドレアも、サイモンも、そしてラファエルも好みの人物でありました。
いや、一番のお気に入りはラファエルかもしれない。
嗜好がマイナーすぎる……っっ。
恋にとち狂って、裏切られて、怒髪天のラファエルのあれやこれやを一番、妄想したような……。
もともと味のある性格の持ち主だったアンドレアが臨死体験後、不思議な能力を持つことになり、ますます人を惹きつけてます。そんな彼女とラファエルが再会したらとか、まぁ、そんなことを妄想しては悶えてました。サイモンそっちのけで。もちろん、ラファエルの恋は成就しないという身も蓋もないフラレ役妄想なんですが。
いや、サイモンの人物造形もいいんですよ。いいんだけど、ラファエルのアカンタレなところが更にツボだった。上記のあらすじをラファエル視点で書き出してました(笑)


ラッキーガール ハ7-20 二見書房  発刊:2010.08.20
ヒロイン:ジェンナー・レッドワイン(宝くじ成金・元精肉工場員・30歳) ヒーロー:ケール・トレイラー(監禁一味のボス)

あらすじ
7年前、精肉工場員だったジェンナーは宝くじで2億9500万ドルの大当たりを引き当てた。小さな国一つ買いたたけるくらいの大金持ちとなったジェンナーにたかる親友、父親に見切りをつけ、セレブの仲間入りを果たしたジェンナーだったが、その世界にも馴染めずにいた。
しかし、新しく親友が2人できた。その一人であるシドに誘われて、豪華客船シルヴァー・ミストの航海を2週間楽しむことになっていた。
しかし、とんでもないトラブルがジェンナーを襲った。宿泊予定のスイートルームに拉致監禁されてしまったのだ。その一味のボスは、ケール・トレイラーと名乗ってきた。

悪役(フランク・ラーキン)に、全く存在感がありません。フランクは、脳腫瘍を患っていて、余命わずかな状況のなかで、人生の幕をはた迷惑な方法で終えようとしてます。
そんなフランクのいっちゃった行為をなんとか止めようとしてるのが、ケールという設定。
全然、萌えない。どこに萌えたらいいのやら……な作品。
ケールも中途半端な人物造形で、一人、ジェンナーが気炎を吐いてるけれど、それもガス欠状態での気炎で、盛り上がらないのなんの……。


黄昏に生まれたから F-ハ2-1 ヴィレッジブックス  発刊:2002.01.20
ヒロイン:パリス・サミル・スウィーニー(画家・31歳) ヒーロー:リチャード・ワース(大富豪の投資家・元軍人・39歳)

あらすじ
平凡でない才能は画才だけでいいのに、1年ほど前から、他に特技があるのにスウィーニーは気付いた。
プラスなのは、枯らしてばかりいた鉢植えの成長具合の良さ、何せシャコバサボテンは今年に入って6回目の花盛り。そして、車の移動で赤信号に当ったことはなく、駐車したい所でスペースが空くのだ。
不具合なのは、幽霊が見えるようになったこと。体温調節が上手くいかなくて、いつも大体、寒いことだった。
極め付けは、自分の描くものが変化してきていることで、その上、就寝中に意識の無いまま、描いたものは、知り合いの殺害現場だった……。

独占契約している画廊のオーナーであるキャンドラ・ワースから回して貰う予定の仕事(肖像画を描くこと)のために、出向いた先で彼女の別居中の夫リチャードと視線があったスウィーニー。何度か顔は会わせていたにも関わらず、初めて彼を異性と認識するとともに、美術学校で場数を踏んでいるおかげで、服を着ていないリチャードの姿を正確に想像できちゃうーッ、そんなこと考えちゃダメッとかなり楽しい問答を頭の中で繰り広げてます。
自分が惹かれているのは充分承知してるけれど、離婚調停中は結婚しているのと同じだし、キャンドラには恩があると誘いを断るスウィーニーに、新鮮さを感じてハンターモードに入ったリチャード。気長に構えるつもりだったキャンドラとの離婚調停を今すぐ、決着させることを通告。
殺人事件に至る恐喝が動き出します。
金策に走るキャンドラ。殺害現場を描くことによって起こるスウィーニーの低体温症は生命の危機も伴うほどのもので。
しかし、そんな緊迫した状況よりもスウィーニーとリチャードの恋愛の進展が主体となって熱々ぶりをご披露している作品。


ふたりだけの荒野 F-ハ2-4 ヴィレッジブックス  発刊:2002.11.20
ヒロイン:アニス・セオドラ・パーカー(医者・29歳/愛称アニー) ヒーロー:ラファティ・マッケイ(元南軍の騎兵隊・殺人の汚名を着せられて逃走中・34歳/愛称レイフ)

あらすじ
シルバー・メサという新興の町でアニーが開業してから8カ月が経っていた。
故郷のフィラデルフィア、次いでデンバーでの開業が失敗に終わったのは、男の医者がいる都会では女である自分に患者は足を運ばないという現実からだった。
医者のいなかったこの町でさえ、住民がアニーを認めてくれるのに時間がかかったのだ。しかし、今では忙しくない日の方が少なかった。
幼い頃から、医者として身を立てていくことを夢見ていたアニーにとって、シルバー・メサはようやくたどり着いた土地だった。
若い農婦の初産を成功に導いて、心地よい達成感に包まれて帰宅したアニーを待っていたのは、脇腹に銃弾をうけている無法者だった。
そして。化膿していた銃創の手当てをし、安静を言い渡したアニーに向かって、男が銃を向けてくるとは思いもよらない出来事だった。

父親は判事で、自身も法律を勉強していたレイフが、やってもいない殺人の汚名を着せられて逃亡する羽目に陥って4年。彼の首にかけられた賞金はその間に1万ドルにも達していて、名うての賞金稼ぎ達に追われる身と成り果てています。
悪名高き賞金稼ぎに撃たれて傷ついた身体を治療してもらうために忍び込んだ診療所に、戻ってきたのは女医アニー。その診療技術は、確かで、傷を治してもらうために数日間の同行を拳銃で脅して了承させることとなります。
アニーの手が癒しの力を持つことを早々に気付くレイフ。彼女に触れてもらいたくて仕方がないし、そんな体力など全くないのに、いますぐ押し倒したくなってる自分にあきれ返ってる……。
レイフの視点、アニーの視点が上手い具合に切り替わって、引き込まれるように読み進めることができます。
レイフのアニーに対する情の強さが、どんどん深くなっていくのが読み取れる展開に、うっとり〜。