リンゼイ・アームストロング
主のない椅子 I-415 ハーレクイン社  発刊:1988.03.05
ヒロイン:インディア・バランタイン(会社重役・新進の画家・未亡人・25歳) ヒーロー:ジャイルズ・バランタイン(リゾート会社社長・33歳)

あらすじ
世界で一番欲しいと思った女は、父親の後妻になったひとだった……。
ひっそりと挙げた結婚式のあとのささやかな披露宴に参列したジャイルズは、父の側できれいな白いドレスに髪を白い花で飾って、とまどいがちに立つインディアの若さに驚いた。そして彼女を欲しいという思いが痛烈にその身を貫いたのだ。
49歳の父に嫁いできた彼女は、まだ20歳にもなっていなかった。父の金が目当ての女だと決めつけたジャイルズの邪心と当てつけた態度は、その後の父達の仲睦まじい様子に引っ込めざるを得ない筈であった。
しかし、ジャイルズのひどい態度を、インディアが夫に告げ口しないことを笠に着ての卑劣な行為は密やかに続けられるのだった。
彼女が、父しか見ていないという状況で、それ以外の態度をどう取ればよかったと言うのか……。
幸せな結婚生活は、 父の急死によって4年で終止符が打たれることになった。
「こんどは僕の番だ」
父が亡くなって、悲しみと絶望のさなかにいるのに、思わず希望してしまった自分に、嫌悪するしかなかった……。

たまたま画廊で買った絵画がインディアの描いた作品であることを知ったジャイルズ。
誰も座っていない椅子を、床に座っている娘が寂しげに眺めている絵に、彼女がどれだけ父がいないことで寂しがっているかを思い知らされます。
けれども、なんとか冷えきっているこの関係を修復したいと彼女を、リゾート開発の下見旅行へと連れだすのに成功。
南国の楽園で、少しずつインディアがまとっている警戒心(元はといえば自分がした仕打ちが原因)をなくそうとしいた中で、彼女から聞かされた告白はジャイルズを堪えさせることとなります。
「あなたは絶対に私に欲望を示さなかった。妙な話だけど、その点であなたを尊敬していたの」
……一目見た時から、欲しくて欲しくてたまらない存在だった彼女から、釘を刺されてます。
つらいよねー、ジャイルズ。
メモ:会社を売却して、インディアへの愛を表明しようとするジャイルズ。妊娠、出産後、私生児だった自分がどれだけ父親の存在を求めていたかを思い出し、勇気をかき集めてジャイルズの元に戻ってくるインディア。

きみ去りしとき I-541 (株)ハーレクイン  発刊:1989.12.05
ヒロイン:ナイリー・ウエストブルグ(英語教師・副業で人材派遣会社に登録・26歳) ヒーロー:リード・マシューズ(薬剤関連会社社長・39歳)

あらすじ
最愛の父が遺してくれた船をナイリーが維持するためには、教師以上の収入が必要だった。熟慮を重ねて副業に選んだのは、パートタイムの家事手伝いの仕事先を常時紹介してくれる人材派遣会社に登録することだっだ。
今回、人材派遣会社から依頼されたのは美しい島で休暇をとる10歳の男の子サイモンの面倒を、父親がやってくるまでみること。
両親が離婚した後、母親が亡くなり叔母夫婦の元で暮らしているサイモンは無口すぎる子どもだった。その口から、父親のことが語られることがない理由は、早々に判明することになった。

情人の子どもを身篭ったからと離婚していった元妻が亡くなって、明るみに出たのが、子どもの本当の父親が自分であったという事実を受け止めきれていないリード。
学生時代に真剣にお付き合いしていた相手が、離婚したと言っていたのに実は別居中なだけだったということから、男性不信を振り切れてないナイリー。
互いが抱えている心の傷を、癒しながら……というより、傷口に塩を擦り込むような荒療治な言い合いをしながら、ロマンスが進展していきます。
特に、リードの態度がなー……何かにつけ偉そうなんですわー。
メモ:嫉妬に狂って暴言を吐いたことから三行半を突きつけられ、色々と裏から手を回して買い取って改造中の大牧場(彼女が夢見た生活を具現するために)へとナイリーおびき寄せるリード 。

パープル・レイン I-577 (株)ハーレクイン  発刊:1990.06.05
ヒロイン:セレナ・セント・ジョン(ウェイトレス→家庭教師・18歳→19歳) ヒーロー:ショーン・ウェントワース(牧場主・32歳)

あらすじ
柄の悪い男が、雨の夜道で若い女性をいたぶろうとしているのをショーンは、見過ごすことができなかった。しかし、男の手から助けだした時、彼女はいかにも男を誘っているとしか思えない衣装を身に着けていた。
純真な素振りと顔立ちをしながらも……と、彼女の様子を窺ってみれば、どうやら堕落の道に落ちる寸前にいるらしい。どれだけ、世間が厳しいものか、男が怖い存在になるのかを思い知らせるために、ショーンは彼女の身体に教え込むのだった。

セレナの母が亡くなったあと、父が再婚。再婚後、父が心臓発作でこの世を去ります。継母は、莫大な遺産を受け取ることになったセレナを牛耳るために、自分の弟ラルフを夫にあてがおうとします。ラルフのセクハラに耐えかねて、セレナは家出をし、自活するために場末のウェイトレスを必死になってこなそうとしているのですが、失敗ばかり。そんなときに新聞の求人欄に載っていた
「求む、家庭教師」に応募することになります。面接会場にいたのは、あの夜、セレナを助けてくれたものの、いらぬ説教をしてきた男性ショーン。
男性に対して嫌悪感を感じているセレナは、その育ちからも異性に対しての機微が発達してません。そんなセレナを見守っている内に、深く愛し始めてしまったショーン。彼女が大人になるまで待たなければと、思いつつも待てません(笑)
事故で亡くなった兄と離婚した女性デルヴィンとの昔の恋愛沙汰もからめて、セレナとショーンのロマンスが進展していきます。
メモ:乗馬で帰宅が遅れた時に、3人がした言い訳の数々。

花嫁の賭 R-1881 (株)ハーレクイン  発刊:2003.07.20
ヒロイン:タティアナ・コンスタンティン(ボーフォート牧場後継者/愛称タティ) ヒーロー:アレックス・コンスタンティン(真珠養殖業経営)

あらすじ
タティが受け継いだ遺産に群がるかもしれないハイエナを心配して、母が結婚相手として見繕った相手アレックスは、出自も経営している会社も最高の男性だった。アレックスと付き合い出し、婚約した時点でタティは彼を愛し出していることに気づいた。そしてアレックスが自分を愛していないことも。この結びつきは、両家の財産を守るためだけの政略結婚なのだ。そして、彼には愛人がいるということをご丁寧に注進してくれる友人の言葉にタティは、決意を固めた。「本当の夫婦になるのに、一年間の猶予が欲しい」
その一年間が、過ぎようとしている……これから、私はどうしたらいいのだろう。 一年間経った今、2人の感情的な関係は何も変わっていないのに。

読んでて面白いんだけど、突き詰めて考えてみると不完全燃焼な作品。
「一年間、ベッドは共にしない」と結婚式の後に、アレックスに提案するタティの子供っぽい潔癖さがねぇ……既に、愛人とは別れていたのに。アレックスを愛人の元に帰しただけの提案となった「一年間」
感情的な摩擦を先延ばしにしただけで、そういうごたごたは婚約期間中にやっとけーと思いました(笑)
兄妹のようなおままごと結婚生活一年の間に、アレックスがタティの芯の強さとか本質的な明朗さに心惹かれて愛していることに気づいたからいいんだけど……。タティが、観光牧場経営にのめり込んで、自分よりも牧場を選ぶんじゃないかと嫉妬したりするアレックス。ギリシア系なんで、もうちょっと傲慢でも許されるよと、突っ込んでました。


いつか恋を R-1983 (株)ハーレクイン  発刊:2004.08.20
ヒロイン:メリンダ・エスリッジ(牧場後継者・19歳/愛称メル) ヒーロー:エティエンヌ・ハースト(海運業を営む・30歳)

あらすじ
エティエンヌ・ハーストの姉マーゴットが、軽飛行機の事故で夫ともに亡くなった。姉が遺したのは、夫の連れ子だったた4人の姉弟と、贅沢に暮らすことの代償に膨れ上がった莫大な負債だけだった。
だから、葬儀の日、一番年長である長女のメルが、エティエンヌに対して反感を抱くのは仕方がないと理解していた。
しかし、ハースト家の人間とは、2度と係わりたくないとメルが思っていることを重々知りながらも、エティエンヌは、葬儀の日に気付いた彼女への深い思いを、諦めることができなかったのだ……。

逼迫した牧場の建て直しと、里子に出される可能性の高い弟達。それを打開する見返りに、結婚するようメルに迫るエティエンヌ。
混乱のまま結婚を承諾し、ハネムーンに出かけたものの、ベッドを供にする勇気がまだ足りなかったメルに、譲歩する羽目に陥った彼は、そこからひたすら忍耐という修業の道に踏み込むこととなります(笑)
まぁ、メルが片足を骨折しちゃったんで「致せない」んですけど、医者に「致してもよいか」の確認をとっているところが、切羽詰まってるなぁと。
騒動を起こしてばかりいるメルが、実は純粋で正義感の強い大人の女性である知った時、彼女が異性と付き合う過程を奪ってしまったと罪悪感を抱く展開となってます。
メモ:家の手伝いに来てくれていた女性が父親から虐待を受けていると知り、ショットガンをぶっ放して父親を追い返したりという武勇伝。


恋は誤解から R-2043 (株)ハーレクイン  発刊:2005.06.20
ヒロイン:シャーロット・ウィンズロウ(家庭科の教師・22歳/愛称チャティー) ヒーロー:スティーヴ・キーネン(牧場経営・32歳)

あらすじ
10歳、年の離れた弟マークは、スティーヴにとって手のかかる家族の1人だった。
長続きしない労働意欲。マークが気に入って手を出す「類型的な女の子たち」との別れのこじれた後始末。
2日前に出かけた家畜用の井戸掘りからの帰宅途中に、拾った女性チャティーもどうやら、弟の毒牙にかかったのか、彼のバックグラウンドに惹かれたのか、こんな奥地の牧場まで追いかけてきたようだった。
弟の恋人だった女性になど、一度も惹かれたことがないのに……彼女の愛らしい容貌、その耳の素敵な形にまで目がいってしまう、自分の感情にスティーヴは戸惑った。

3歳違いの妹ブリジットがモデルの研修期間だというのに妊娠。相手の男性マークと別れた後に判明した事実であったけれども、そのことを知らせる義務と、妹が経済的援助を受ける権利があることを伝えようと、つわりでダウンしかけてる妹にかわってマークの元にやってきたチャティー。
しかし、マークは既に兄が経営する牧場の仕事に嫌気をさして、出奔中。
マークの行方がわかるまで、牧場に滞在することになったチャティーは、心臓発作で倒れたハウスキーパーの代理も務めることになってと、大忙し。
そうこうしている間に、スティーヴがチャティーを弟の恋人だと思い込んでいるくせに強く迫ってくるし……。必死になって身をかわそうとするチャティーの抵抗を封じて押せ押せのスティーヴ。
彼女を手中にするために状況など何もかもを、利用して動いてます。


聖夜の晩餐 クリスマス・ストーリー99 (株)ハーレクイン  発刊:1999.11.05
ヒロイン:メリン・ミラー(スチュワーデス・24歳) ヒーロー:ブレンダン・グレイ(土木技師・建設コンサルタント会社経営・33歳/愛称ブレン)

あらすじ
両親が車の事故で亡くなったのは、メリンが4歳の時だった。父の親友であったトムおじさんに引き取られ、家族の一員に加えてもらったが、どんなに大事にされても寂しさは拭えなかった。
そんなメリンを支えてくれたのが、トムおじさんの長男で9歳違いのブレンダンだった。
ブレンダンへの幼い思慕は、成長とともに深い愛情へと変っていく。しかし、ブレンダンにとって、自分がいつまでたっても小さな妹でしかないことを、メリンははっきりと自覚していた。

3年ぶりに会ったブレンダンは、相変わらず素敵で、彼への思いから卒業しなければと、思っていた気持ちはあえなく揺らいでしまうメリン。
対してブレンダンは、いつまでも小さな妹だと思っていたメリンが、美しい知的な女性に成長していて、慌てます。
居心地の悪さから、つい機嫌が悪くなるブレンダン(大人げなーい)
メリンの(男関係の)現状と心境を探ろうとしているのですが、うまくいかなくて、いらだっているブレンダンの様子がいいですなー。