リンゼイ・マッケンナ(別名:ベス・ブルックス


ベス・ブルックス(別名:リンゼイ・マッケンナ)

アンデスの光のなかで SCAL-29 (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.04.19
ヒロイン::ケイト・F・モナハン(大規模プロジェクト指導監督官・29歳) ヒーロー:ドミニク・トバル(架橋工事現場責任者・旧家出身・35歳)

あらすじ
ドミニクがパイプラインプロジェクトの架橋工事部門の現場責任者として着任した時から、このプロジェクトはトラブル続きだった。資材の納期遅れは日常茶飯事で、そのことを上司に訴えても改善は一つもなされない。工期の遅れはもうごまかしようがないところまできているというのに、何の手立てもされていないのは確信犯がいるからだ……。
自分がスケープゴートにされているらしいと気づいた時から、ドミニクは全体的な遅れを気にするのは止め、孤立してでも、任されている架橋工事の工期を守ることに力を注ぐようになった。
プロジェクトの総責任者ハンクが心臓病で倒れ、その後任を小型飛行機で迎えに上がるのを押し付けられたのも嫌がらせに違いない。
飛行場に後任がやってこないために苛立ちが募る中、目の前を魅力的な女性が横切った。相好を崩しかけたドミニクは、その女性がハンクの後任のC・F・モナハンであることを知り不機嫌になるのだった。

親に押し付けられた結婚であっても妻アリシアを愛するようになっていたドミニクですが、手痛い裏切りが彼を襲います。アリシアは結婚当初から浮気を重ね、その上、愛人との結婚を望み離婚をつきつけてくるんですよ。それから10年間、恨みがましく全ての女性に対して冷笑的に接していたドミニク。そんな彼の前に現れたのが、仕事に対して誠実で、他人を信頼する度量の広さをもつケイト。彼女は、プロジェクトが遅れている原因を探りにやってきた人間です。
現場で孤立しているドミニクの窮状にいち早く手を差し伸べてきます。工期の遅れの原因を探り出すことにドミニクとケイトは力を合わせることになります。
資財横領の実態が判明し、その関係者に懲罰がくだるまでの緊張感が良い感じ。ケイトは仕事のできる女性なんですけど、権力を振りかざすのではなく労力を地道に積み上げていくタイプ。仕事に没頭する彼女をドミニクが支える構図も凄く好みの展開です。
資財横領の件が一段落したあと、恋人同士となったドミニクとケイトが描かれます。ドミニクはケイトがうなされている悪夢から解放されるよう努力していくこととなります。
一年前に、夫を鉄鋼の落下事故で亡くしてしまったケイト。鉄鋼の下敷きとなった夫を目の当たりにした彼女は、ドミニクが危険な目にあうことをパニックになるほど恐れています。そのパニックをどう抑えていくのかが終盤の中心となります。
パニックになってしまう自分はドミニクを心から愛していないからかという不安や、そんな自分をドミニクは愛さないかもしれないと、ケイトは恐怖を必死に克服しようとするんですよね。ドミニクも危険の中に2人で挑んでいくのを強要するし。
うーん、そんなに危険の中で愛を確かめあわなくてもいいんじゃないかとごにょごにょ。最終的に、危険の中にケイトが一緒に飛び込んでいかなかったとしても
「ぼくは同じようにきみを愛してたよ」
それならさー……。


夜霧のアンカレッジ SCAL-70 (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.11.19
ヒロイン::ストーム・レイノルズ(パイロット・32歳) ヒーロー:ジム・タルボット(旅行代理店支配人・准緊急医療看護人の資格をもつパイロット・35歳?)

あらすじ
2週間の休暇を終えて仕事場に戻ってきたジム・タルボットを待ち受けていたのは、まだ癒えていない過去の傷だった。
5年前、優秀な女性パイロットであった妻ヘザーが、飛行中、吹雪にあい墜落事故で死亡した。ヘザーの身を案じ続けたあの二日間の恐怖をジムは未だに克服できていなかった。
確かに、繁忙期へと突入しようとしている今、優秀なパイロットは咽喉から手が出るほど欲しい。けれども、ヘザーの父親であったダンが、何故、女性パイロットを採用したのだ。
ジムは、何としてでもこの採用を無かった事にしたかった。
アンカレッジまでの御足労分として、一カ月分の給与の小切手を切って採用取り消しをしようとしたジムに向かって、その女性は食ってかかってきた。
「その小切手はしまっておいたほうがいいわ、タルボットさん。わたしはどこへも行くつもりはないわ」

1年前に離婚を経験したストームには男性不信が根底にあり、5年前に有能なパイロットだった妻を墜落事故で亡くしたジムは、女性が飛ぶことに強い恐怖を抱いています。
そんな二人が出会うわけですが、ストームに飛んで欲しくないジムが職務権限を悪用してます。
過酷なフライトスケジュールを彼女に科したり、つっけんどんに対応したり。
そんな態度を取り続けるから、本当に心配になって配慮のある態度をいきなりとられても信じることなんてできないと思うんですよね。
ジムの言葉を悪くとってしまうストームに、機嫌を悪くするのはお門違いではないのかしら〜。
小さなトラブル及び急患の輸送等から、墜落事故という大きなトラブルがストームとジムに降りかかってきます。その度に、協力しあい助け合って解決していく二人は、互いが抱えている心の傷を癒しあうこととなります。


翼にたくす熱い想い SCAL-92 (株)日本メール・オーダー  発刊:1983.04.19
ヒロイン::エアリン・クインラン(大手週刊誌記者・29歳) ヒーロー:タイナン・フィリップス(戦略空軍大尉・32歳/通称タイ)

あらすじ
全米で最も購読者が多い週刊誌から取材の申し込みがあり、上層部はそれに受けて立つことに決めたようだった。
雑誌社の経営者が、現在、空軍が配備されている爆撃機を新機種にしようとしていることに反対を表明している上に、その週刊誌の編集者の著作も偏向傾向がある。
……やってくる記者の態度は想像できた。
資料によれば、取材にくるエアリン・クインランは、週刊誌内でも腕利きの女性記者らしい。
記者の対応を任されたタイとしては、うんざりするような状況であったが上層部からの命令であれば従うしかない。
空港まで記者を出迎えに上がった大尉の瞳に飛び込んできたのは、見事な黒い髪に深い色合いを持つ印象的な青い瞳の女性だった。
一目みて虜になったのに、彼女が身にまとっているのは空軍に対する強い敵愾心だった。

9年前に、陸軍将校だった夫を空軍パイロットの操縦ミスによる空輸事故で亡くしているエアリン。その時の恨みを抱き続けているために、タイへの態度が悪いのなんのって。
八つ当りとしか言えない態度でくってかかっている姿は痛いです。
そんな彼女に、ムッとするタイ。だって、自分はこんなに彼女に魅せられているのに、それと反対の感情をぶつけられてくるのだから機嫌も悪くなるんだろうなーと。
でも、節度ある態度を心がけて頑張ってます。
度量の広さを見せ続けるタイに、強く惹かれていくエアリンは、新機種配備の必要性も理解していくこととなります(その必要性を詳細説明されているところが、この作者さんらしい。えっと、私には理解不能だった……)
タイが、エアリンに猛追をしかけるからなと宣言するシーンが格好いい。
「時間をかけ、慎重に計算し、熟慮したうえでないと行動を起こさない。だけど、いったん行動を起こせば、それはもう永久的なものだ」


ジャワの熱い夜 SCAL-127 (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.11.20
ヒロイン::マッケンナ・スコット(土壌の専門家・建築技師・32歳) ヒーロー:ブロック・ハンプトン(建設会社経営・38歳)

あらすじ
6年間の幸せな結婚生活は、夫ライアンがマラリアに罹患し命を落としたことで終わりを告げた。
ライアンがこの世にいないことが辛くて仕方がないマッケンナは仕事にのめり込むことで、何とかバランスを保っていた。
現在、請け負っているジャングル内に道路を通す仕事は、トラブル続きで16時間労働もざらである意味、悲しみをまぎらわすのにうってつけだったから。
しかし、大きな損失を出しつつあるこのプロジェクトを視察にやってきたのは、会社を買収した新しい経営者で、冷徹と評判のブロックだった。
彼は、到着早々、プロジェクトの責任者を首にしたらしい。そして、矛先は現場責任者であるマッケンナに向かってきた。

夫を失った悲しみにどっぷり使っていたマッケンナですが、マラリアに罹患して生死を彷徨ったことで「生きる」ことの喜びを再認識し、前向きになり始めます。
誠実で楽天的なマッケンナに対して、妻でもあった女性から手ひどい裏切りをされたブロックの態度は、とげとげ。
女性に対して疑心暗鬼のブロックの攻撃の矢面にマッケンナがたたされる展開から始まります。マッケンナの粗を探し出そう冷酷に接してくるブロックに、何度も悔しい思いをさせられるわけです。けれども、マッケンナは工期が遅れた原因を冷静に説明し、泥と汗にまみれて率先して働くことで少しずつですが、ブロックの信頼を勝ち取っていきます。
男のエゴと下半身の身勝手さをぶつけられても、凛と頭をあげているマッケンナの強さが素敵で切ない。
思いを通じ合わせかけたものの、急な仕事の呼び出しをうけて現場を離れた後、2カ月間全く連絡を寄越さなかったブロックのへたれ振りがねー。戻ってきてみれば、マラリアで危篤状態に陥りつつあったマッケンナの状況にブロックは後悔に苛まれることとなります。当然だー。