ルーシー・ゴードン
ブラノック島の真珠 L-315 ハーレクイン社  発刊:1988.03.20
ヒロイン:モラグ・ルイス(看護婦) ヒーロー:ジャービス・ダークル(ダークル産業経営者)

あらすじ
モラグの育ったブラノック島は、世間の開発から取り残された美しい島だった。付添い看護婦をしていた島主のダンカンが亡くなった後、ギャンブルにどっぶり漬かっていた息子から島を買ったのはジャービス・ダークルという男だった。
観光産業センターを作るらしい、借地料の値上げは確実らしいと不安を噂している島民は、新しい島主がブラノック島を急激に変えていくことに恐れをなしていた。
そのジャービスが一方ならず、モラグに興味を抱いてると察した島民たちは、彼女になんとかしてくれないかと暗に伝えてくるのだった……

モラグだけが、ブラノック島とのつながりを保つ唯一の糸という自分の弱点を巧妙に使って、モラグに結婚を承諾させる賭け方は、正にギャンブラーなジャービス。でも最初からモラグだけには顔色を読まれてるんだけど……あぁ、これぞ、運命の出会いっていうのね♪
「いつもそばにいてくれ。それ以上はむりを言わない」
……十分、無茶を言ってるんだけど、モラグがいなくなるとダメな人ですから、彼。冷徹な企業家の姿とのギャップがいいの。片時も自分の側から離さず、危ない目にあっていると思うだけで、取り乱して、モラグ一筋にうっとり〜な作品。
モラグとの思い出の品をブラノック島で大事に仕舞っている彼ですが、多分、ロンドンにはモラグが昔から使い馴染んでいたもの(カバンとか水着とかタオルとか)をこっそり隠し持ってる筈(笑)


ガラスの花嫁 D-278 (株)ハーレクイン  発刊:1988.08.05
ヒロイン:ビクトリア・マーカム(貿易会社の秘書・23歳/愛称ビッキー) ヒーロー:マウリツィオ・バレッリ(老舗ガラス製造会社経営・37歳?)

あらすじ
腹違いの弟クラウディオが、また不始末をしでかした。
結婚を1週間後に控えた身でありながら、婚約者以外の女性を妊娠させたというのだ。それも、妊娠させたのはバレッリ家が面倒をみていた従妹でまだ17歳にしかなっていなかった。
婚約者がイタリアにやってくる前日に判明したトラブルの尻拭いは当然のことながら家長であるマウリツィオがすることになった。
マウリツィオは、意志が弱くて女性関係にだらしがないクラウディオが結婚相手にと選んだのだから、やってくる婚約者は軽薄に違いないと思っていた。しかし、目の前に現れたのは、自分を愛してくれる家族を持つことを切望している心優しいビクトリアだった……。

ビクトリアに出会って、高速回転しだすマウリツィオの思考。
両親亡きあと、有名俳優夫妻に育てられていたビクトリアが、イタリアの資産家の一員と結婚するという慶事は、マスコミが大々的に報道済みとなっています。
ここで、花嫁が捨てられたこととなれば、貴女の名誉が傷つくから自分と結婚することで償いたい、結婚期間はほとぼりが冷めるまで、とかなんとか言いくるめて、ビクトリアに結婚を了承させています。
結婚したあとも、彼女がクラウディオと二人で会うことを禁止したり、色々と束縛したりと冷静沈着な経営者とは思えない行動が続きます。
マウリツィオは、その身に抱えるビクトリアへの気持ち(独占欲の強い愛情)を自覚していないのですが、行動がもう一途。
仕事一筋で女性に見向きもしなかったヒーローが、ヒロインのためになりふり構わない言動をするお話しが好きな方には、オススメな作品となっております。