リン・グレアム
清純なヒロインが多いです。清純すぎて、ちょっと天然が入ったり暴走したりするヒロインも。あと、ファッションセンスが、世間とずれているような……。
ヒーローは、俺様ルールな方が多いです。俺様ルールでヒロインを傷つけ、その改善に四苦八苦する姿を楽しみに読んでます(笑)

十七歳の花嫁 R-1330 (株)ハーレクイン  発刊:1997.07.20
ヒロイン:リー・アンドレキアス(ニックの名ばかりの妻・特技ピアノ・22歳) ヒーロー:ニック・アンドレキアス(実業家・30歳)

あらすじ
この5年間、ニック・アンドレキアスの名ばかりの妻という地位にあったリーは、漸く自分の馬鹿さ加減に気付き始めた。一目惚れの彼と結婚できると有頂天になれたのは、ほんの一瞬だった。いつかは自分の存在を気にしてくれるだろうと願い続けたこの5年間は全く無駄だった。
父が亡くなり、その遺産をニックに勝手に処理されるほど無視されるいわれは無い筈。そして、この私のことを素敵だと言ってくれるポールの存在が、ニックとの離婚を考える勇気を与えてくれた。
離婚を切り出そうとするリーにニックがせせら笑った。脅迫という手段をとって娘に、自分という夫を与えたマックスからその証拠書類を取り戻すまでは、自由にする気は全く無い……初夜にさえ一指たりとも触れようとしなかったニックが、半分引き裂くようにリーの洋服を脱がし始めたことに彼女はぼう然とした。

リーの父親マックスの脅迫に屈して、17歳の彼女と結婚することになったニック。互いに一目惚れだったらしいのですが、プライドを傷つけられたニックはマックスへの悪感情をリーを無視することで溜飲を得ようとしています。無視され続けた5年間、ひどすぎるわ〜。
でもって、その年月の間(最後の1年間は全く遊んでいなかったらしいんですが、)好き放題をしていたのにリーが離れていくのを目の当たりにして怒り狂ってます。
……勝手だよナー、本人も自覚してるけど(苦笑) マックスが脅迫に使った書類を見つけ出すまでは自由にできないと逆にリーを縛りつけ、ベッドに押し倒し名実ともに妻にしちゃったり。やること為すこと無茶苦茶ですが、リーを手放したくない一心の行動 ← 裏目に出て彼女の怒りの告発に、自己嫌悪街道まっしぐらの彼♪ キレたリーの言動に、大声援ですわ。
翌日に恨みを持ち越さない彼女に
「今、きみを抱くためなら、生命を十年縮めてもいい気持だ」と告白してますがッ、ウォッカで酔わせて自分への愛情の度合いを聞き出そうってのは……それだけ必死なのよね(笑)


孤独なバージンロード R-1636 (株)ハーレクイン  発刊:2000.12.20

ヒロイン:エリナー・モーガン(書店員・売店員・21歳・152cm/愛称エリー)

ヒーロー:ディオニシオス・アレクシオス(実業家・29歳・190cm以上/通称ディオ)

あらすじ
結婚を強制してきたために不仲になってしまった父との関係をディオは何とかして、改善したかった。
その取っ掛かりとして、父が手放さざるをえなかった会社を買い取ろうと、大規模な株売買に着手しはじめた矢先、父が亡くなったとの連絡が入った。
……死に目にすら会えなかった。父を喜ばせたくて仕掛けていた株取引は根本で不要となってしまったが、動き出しているものを止めるとなると損が出る。
「水曜日、取引所があいたらすぐに実行する」
今後の方針を、部下と打ち合わせていたディオは、戸口に人の気配があるのに気づいた。
ドアを開けたそこには、入室を禁じられている筈の清掃人がまごついた顔で立っていた。名前を問い質し、顔を良くみようと被っているスカーフを取り去った。
エリナー・モーガンと名乗った年若い娘が、ディオを見上げている。余りに小柄な彼女だったが、乱れ落ちた髪は豪奢に銀色に輝いていた。

株の大規模な売買の打ち合わせをしていた所に行き合わせ、機密事項を立ち聞きしてしまったエリー。
人の気配を察したディオに取っ捕まり、株の売買が終了するまで身柄を拘束される状況に陥ります。
そのまま、ギリシアまでお持ち帰りされて、そこで一夜の情事。
結果が妊娠という展開で、物語りが進みます。
お約束のライバル女性は、ディオの婚約者ヘレナ。ディオが5歳、ヘレナが8歳の時に、親同士が決めた婚約です。
お約束通り、ヘレナが、暗躍してます。エリーに中絶を迫ったり、彼女の過去をほじくり出してゴシップ記事にさせたり。そして、そんなことをしているヘレナをこれぽっちも疑っておらず、聖女化しているディオという三角関係です。
今回、再読だったんですが、やっぱり思ったことは、
「エリーって頭が弱い」だった……。人が良いんじゃなくて、ただ頭が弱いだけのような。
その弱さにべろんべろんに、ディオが酔わされてるから、構わないのか。
でもなー。……ヘレナの資質を全く気づいてなかったぐらいなんで、ディオって女の趣味が悪いのかも。


アラビアの花嫁 R-1857 (株)ハーレクイン  発刊:2003.04.20
ヒロイン:フレデリカ・サットン(ナニー/愛称フレディ) ヒーロー:ジャスパー・アル・フセイン(クアマール王国皇太子)

あらすじ:華麗なる転身1
従姉のエリカが2ヶ月前に、スキー事故で亡くなった。その忘れ形見のベンは、未熟児として生れてからは、フレディが育ててきたと言っても過言ではなかった。エリカが亡くなって、フレディはベンの父親をなんとか探そうとしていたのだが、糸口はとんでもないところからきた。クアマール王国の先の皇太子アディルが、死の間際にベンの父親は自分だと言ったのだ。フレディを素行の悪かったエリカと混同し、ベンをフレディから引き離そうとやってきた現皇太子ジャスパーの傲慢とも思える態度に、フレディはただ敗北を感じるだけだった……

フレディが強いです。愛情をそそいで育ててきたベンと一緒に暮らすために、自分ができることを必死になって考えて(ブランデーを飲まされた上に、鎮静剤を打たれた状態にも関わらず)出した結論が、「ジャスパーの妻になるっ!!」←酔った勢いの思考なんで、むちゃくちゃですが、覚めた後も実現させるあたり、なんというか凄いです。……それを受けてるあたり、ジャスパーは、案外とお人好しの部類に入るかも。似たもの夫婦(笑) フレディは我慢の上に我慢を重ねてというか、なかなか言いたいことを言えない性格なので、それが弾けちゃうと結構、キツイ一言をジャスパーにくり出してます。ジャスパー、クリティカルヒット当たりまくり(苦笑) 惚れた弱みで、あたふたとするジャスパーですが、クアマール国の未来は安泰だわ。


危険すぎる契約 R-1865 (株)ハーレクイン  発刊:2003.05.20
ヒロイン:メリッサ・カールトン(ケータリング会社経営/愛称ミスティ) ヒーロー:レオーネ・アンドラッキ(巨大グループトップ)

あらすじ:華麗なる転身2
経営するケータリング会社が急激に傾いて倒産の危機にある今、ミスティとしては、レオーネ・アンドラッキとの契約がどうしても欲しかった。レオーネがどんなに、いけすかない人間だったとしても背に腹は代えられない。でも、無表情な視線で、ケータリングの様子を観察してるレオーネの視線が時折、自分に集中してる気がするのだ。視線があったこともないのに、自意識過剰だといさめても、レオーネが醸し出す雰囲気に不安を感じずにはいられないミスティだった。

フレディの妹達にあたる双子の片割れで、上の妹の物語
前作では、フレディが嘘をついたということで、分が悪いところがあったんですが、今回のヒロインであるミスティには、何も悪いところがないです。強いて言うなら、苦労を背負い込みすぎるということだけ。父違いの姉、双子の妹に対して接触を試みようと努力もし、拒絶されたつらさを一人で抱え込み、レオーネが出した陰険な取引にだって、里親の借金さえなければ応じずに済んだのに……と、むちゃくちゃ健気です〜。ただ耐え忍ぶだけじゃなく、レオーネがあんまりにもひどいことを言うたびに、言い返しちゃう言葉が的を得すぎてレオーネが絶句してる場面がしばしば。溜飲がプチ下がります(笑) この気の強さは、赤毛の為せる技なのか……恐るべし、ヒロインの赤毛。何も悪くないミスティを一番ひどい目にあわせてしまうことになったレオーネは、罪悪感と惚れた弱みで気も狂わんばかりに、ミスティを追いかけてくれて(12時間、自ら尾行してる必死さがいいわ♪)とっても良かった作品。


愛なきハネムーン R-1873 (株)ハーレクイン  発刊:2003.06.20
ヒロイン:イオーネ・ガキス(養女) ヒーロー:アレクシオ・クリストウラキス(実業家)

あらすじ:華麗なる転身3
養父のミノス・ガキスは、暴力でイオーネ達家族を支配していた。4年前に、島から脱出しようとして失敗して以来、イオーネに自由の一かけらもなくメイドのような扱いを受けていた。昨年、兄コスマスが自家用機の墜落事故で亡くなったあと、彼女を気にかけてくれる者は1人もいない。イオーネがたった一つだけ役立つ存在としてミノスが思い出したのは、跡継ぎを産ませることだけだった。近年、広範囲な事業で頭角を現してきたアレクシオ・クリストウラキスを婿に貰えと事も無げに命じたのだ。父の命令は、嫌悪感以外なにものでもなかったが、彼と結婚することによってこの牢獄のような島から、ミノスの元から去ることができると考えれば考えるほどこの命令は渡りに船のような気がしてきた……。

ミスティと双子の妹の物語。
島からほとんど出たことがない彼女の行動は、幼いというか無垢の一言に尽きて、アレクシオをきりきり舞いさせてます。ガキスのボディガードを苦々しく思っていたアレクシオが、彼らの存在をホッとすることもしばしば。多分、これからもホッとすることしばしばのことをしでかしてくれそうなイオーネ(笑)
愛されること、大事にされることの無かった彼女が、アレクシオが見せてくれた普通の優しさに
「今までこんなに幸せだったことはなかった」と告白する辺りで、彼がノックアウトされてます。もっと、もっと大事にしなければいけないと固く決意する姿が、いいです〜。
夫同士の間で、彼女達姉妹の末の妹の行方探しが競争となっているようです。誰が一番先に、情報を得ることができるかを競ってるようで……そりゃ、情報を入手すれば奥さんの尊敬を一心に集めることができるから、頑張るよなー(笑) アレクシオの鼻が高くなったようです♪


復讐は恋の始まり R-1890 (株)ハーレクイン  発刊:2003.08.20
ヒロイン:リサ・デントン(裕福な家のお嬢さん・22歳/愛称リジー) ヒーロー:セバステン・コンタクシス(エレクトロニクス業界に君臨)

あらすじ
3歳しか違わない義母が、恋人だと思っていたコナーとベッドを共にしている場面を見せつけられて、リジーは一挙に目が覚めた。義母は妊娠しているから夫に言わないでくれと涙ながらに懇願し、コナーはまるでリジーが理由もなしに手ひどく振ったと友人達に言いふらしたのだった。そんな中、コナーが自殺を疑わせるような飲酒事故で命を落とした。マスコミ・友人・父親までが、リジーの冷酷さが原因だと彼女を侮蔑しのけ者にするのだった……

「セバステン、発情しっぱなし」と書いたら下品?(笑)
異母弟コナーを死に追いやったのをリジーだと思い込んで、コナーが受けた仕打ちを彼女にし返そうと画策。その画策がばれた時、「最低なやり口は、やっぱり兄弟だわね」とリジーに言わしめちゃうぐらいひどかった。
でも、画策を突き動かしてるのはセバステンの下半身というか、一目惚れの力というか。リジーに対してのみ抑制が効かず、失態ばかりしでかしてます。リジーは、全く悪くなかったとマスコミに真相が流れた時、これで2人の仲は上手くいくと思っている傲慢さは、ある意味あっぱれです。ギリシア魂は健在だわ〜。
一度も会社勤めをしたことがなかったリジーが、セバステンの(甘やかされたお嬢さんの根性をたたき直してやるという)悪意の中で働くことになるのですが……会社の損害の方が大きかったかもというぐらい失敗の連続をしています。 


誘惑の千一夜 R-1924 (株)ハーレクイン  発刊:2003.12.20
ヒロイン:ポリー・バリントン(破産した父を持つ・20歳) ヒーロー:ラシッド・イブン・サウド・アル・アザリン(ダレイン王国皇太子・32歳)

あらすじ
幼なじみで初恋の人であったクリスが自分を女性だと見てくれない事に気付いたポリーは、自暴自棄だった。丁度、そんな時期に父親が破産したことを知り、その融資と見返りにダレイン王国の皇太子との結婚に同意してしまったのだ。4人の妹弟達から自分が享受してきた贅沢をする機会を奪い取るわけにもいかず、ましてやあの両親が貧しい境遇に耐えていけるわけもない。
両親の言うままに婚約したものの、その当人が訪問してきて金目当ての女性だと侮蔑し、東西の文化の違いを滔々と述るに至っては、「早まった」という後悔しか思い浮かばないポリーだった。

一目会った時から、惹かれ合った二人。でも二人とも性的に惹かれ合っただけだと思い込んでます。それでも全然構わないと開き直ったラシッドと初恋のクリスに思いを引きずるポリーとの温度差。
東西文化の違いを強調し過ぎたラシッドの説明を鵜呑みにしてダレイン王国にやってきた後のポリーの行動に、自分の意地の悪さを見せつけられてかなり赤面するラシッドが可愛い(笑)
インフルエンザで初夜に倒れ込んだポリーを必死に看病したにも関わらず、弟が贈った見舞いの花束のお礼を言われて弟に八つ当たりしたらしい彼。ぎこちなく絆を築きあげていく恋愛下手な二人がなかなか微笑ましい作品。
180cm以上と153cmという身長差カップル ← 表紙を見る限りではそうは見えないし、ポリーの背中……厚みがどっしり過ぎるよ(泣)


裸足の花嫁 R-1930 (株)ハーレクイン  発刊:2004.01.20
ヒロイン:リリー・ハリス(幼稚園教諭・家族経営の旅行会社の名義上だけ取締役員・23歳) ヒーロー:ラウフ・カサビアン(メディア王・30歳)

あらすじ
リリー・ハリスがトルコに出向かなければならなかったのは、家族で経営していた旅行会社の業績は芳しくなかった上に、ラウフ・カサビアンから配当金の未払いについて督促状が届いたからだった。そのラウフ・カサビアンは、3年前、リリーを手ひどく振った相手だった。
今なら、振られても仕方のない態度を取っていたと思える彼女であったが、当時は困惑と絶望のまっただ中だった。冷静に対処できるかしら……不安の中、リリーは待ち合わせのホテルに向かうのだった。

ラウフがリリーを性悪女だと判断して、誤解のままに突っ走っては反省を繰り返してます。で、反省中に、とれだけひどい誤解をしていたか言わなければ「ばれない」→「嫌われずに済むかもしれない」とリリーを喪失する恐れから、保身を図ろうあたふたと考えてる彼が(苦笑) 結局、盛大に謝ってるんですけど。
再会して4日で、いろいろとこじつけて結婚するような男が自制心の強い人間である筈がないと自己反省しきり。リリーに対しての欲望が抑えきれないのに、自分の母、祖母、曽祖母から勝手に結婚式を挙げたと責められて、婚約者同士(清らかな交際を命じるカサビアン家三代の女性達♪)の振りからしなければならないと絶望に陥っているラウフ。心情吐露が激しいヒーローでしたね〜。
リリーの心情も丁寧に描かれてるけど、ラウフの熱情にほだされっぱなしのアッチチ展開が繰り広げられてます。


ひと夏のシンデレラ R-1978 (株)ハーレクイン  発刊:2004.07.20
ヒロイン:ダビー・バーンサイド(細密画家・21歳) ヒーロー:クリスチャン・ラロッシュ(航空会社経営・裕福な旧家出身・29歳)

あらすじ:異国の王子様1
先日亡くなった大伯母が、ラロッシュ家が所有する広大な土地の端にある別荘を一族以外の人間に遺贈
したと聞いて、クリスチャンは不快感を隠さなかった。その上、受取人があのダビー・バーンサイドと知れば、不快感に怒りまでが湧いてくる。
4年前、プロポーズまでしようと思っていたダビーに二股をかけられ捨てられたのだ。
ダビーの父が飲酒運転で、父アンリ・ラロッシュの車を大破させ、その命まで奪ってしまっても、なお、彼女のことを求めていたのに……。
別荘地には滅多にいかないクリスチャンだったが、ダビーが自領地の近くに滞在すると考えるだけで、苛立ちを抑える事ができない。
相場価格以上の金を積み上げてでも、別荘を彼女から買い上げる気で、クリスチャンはロンドンのダビーの元に出向くのだった。

4年前、ダビーの父親が引き起こした飲酒運転による事故は、多数の死傷者を出し、遺族の人たちに大きな傷を残してます。(ダビーに責任は全くないのですが)そのことに対する罪の意識が希薄だと思うのは、ヒロインに辛口すぎるんだろうなぁ。
何不自由なく裕福に生れ育ち、失敗をしたことがなかったクリスチャンの傲慢さと初めての挫折に対する脆さが、4年前、ダビーとの関係が壊れてしまった原因です。きっぱり。
だから、「もっと反省しろよ」と思うのですが、相変わらず……がつんとダビーに反論されて、初めて自分の非に気付く彼。結婚後、多いにダビーに教育してもらって欲しいものだわ(笑)
再会した途端、抗い難い性的欲求に屈してばかりいるダビーの描写が余りに多い。それにほとんど逡巡もなくヒロインが素っ裸でプールで泳ぐってのが、慎みの無さを露呈してるとしかとれないんだけど……私の感性が最近のHot感溢れる文調に付いていけなくなっていることの現れっすかねー。


ナポリから来た恋人 R-1985 (株)ハーレクイン  発刊:2004.08.20
ヒロイン:ピッパ・スティーブンソン(財務部長代理・23歳/偽名フィリー) ヒーロー:アンドレオ・ダレッシオ(実業家・30歳前後)

あらすじ:異国の王子様2
アンドレオは、吸収合併した会社へ視察に来ていた。そこの会社の重役連中が歓迎のつもりで開いたパーティは、彼にとって迷惑なものでしかなかった。
長いスピーチも、既に酒が入っている社員達から聞かされるお世辞も、退屈以上に苦痛でしかない。
一息つこうと抜け出したアンドレオの目は、パーティに遅れてやってきた1人の女性に釘付けとなった。
引き締まった白い肩に女らしい体の線、それに驚くほど長く美しい脚を持った女性。
フィリーと名乗ったその女性と、信じられないほど素敵な一夜を過したアンドレオは、付き合いを更に深めることに情熱を感じずにはいられなかった。
まさか、 一夜明けて自分の正体が知れた時、彼女から拒絶と批判を浴びようとは思いも寄らぬことだった。
アンドレオが発した心ない一言が原因で、彼女の昇進を潰してしまったというのだ……。

自分が発した何気ない一言が、ピッパの将来を潰してしまったことに、素直にあやまることのできないアンドレオ。その上、軽く付き合っていた女性リリと、きちんと別れないままに、ピッパとの恋愛にのめり込んだ報いは、当然、受けるわけであります。
アンドレオを訪ねてきたリリの親しげな様子を見て、自分に自信のなかったピッパはさっさと逃げ出します。
会社は退職、自宅は閉めて、友人夫妻のいるフランスへ。
アンドレオが追いかけるのはもちろんのことで、強引に迫っていくこととなります。
その間に、ピッパが自分の欠点にも気付いていくという展開となってます。
メモ:アンドレオの弟マルコに電話ごしで数学を教える。家政婦の無謀な運転による事故。


愛する人はひとり R-2190 (株)ハーレクイン  発刊:2007.05.20
ヒロイン:プルーデンス・ヒル(富豪の相続人・27歳/愛称プディング) ヒーロー:ニコロス・アンゲリス(実業家・30歳)

あらすじ
8年前、当主の間違った投機が原因で傾いた家業を建て直すためには、早急かつ巨額の融資がアンゲリス家には必要だった。
きれい事など言っていられない状況の中、アンゲリス家の御曹子ニコロスは、悪名高きディマキス家から融資をしてもらうかわりに、花嫁をあてがわれることになった。
花嫁の名はプルーデンス・ヒル。
彼女は、ディマキス家の当主テオの血をひく立った一人の孫娘であったが、私生児という出自から社会的に冷遇されている存在だった。
みっともないほどに、冴えないあの女と結婚!?
敵愾心と侮蔑を隠しきれないニコロスに、プルーデンスは
「友だち同士みたいに振る舞えないかしら?」
彼女が望んだのは本当に些細な願いだったのに、ニコロスはぶち壊してしまったのだ。
結婚初夜が明けた時、ニコロスには前夜の記憶が全くなかった。
残されたのは、夫が近づくと顔色を失ってまで部屋から逃げ出す新妻の姿だった……。

別居夫婦のやり直しもの。
書類上だけの夫婦だったプルーデンスとニコロス。
2人の関係は友だち同士というより、プルーデンスが直面するトラブルを解決したり未然に防いだりする役をニコロスがしているという保護関係のようなものとなってます。
けれどもプルーデンスはニコロスに守られていることを余り理解していません。名目上の妻であるだけで、各地に愛人がいるような夫との関係に眠れぬ夜を過ごしていたようです。彼から離れていったのはプルーデンスなんですけどねー。
ニコロスとの関係がこれからも変りがないことにようやく気付き、気持ちの整理がなんとかついたプルーデンスは自分の人生を生きようと一歩を踏み出すことを決意。誕生日のお祝いに来てくれたニコロスに、離婚を言い出すのですが……。
プルーデンスの良さがじわじわとしみていたニコロスにすれば(←そろそろ正常な夫婦関係になっても良い頃だと都合のいいことを考えてたらしい)、離婚をつきつけられてびっくり仰天。
その上、8年前の初夜の真相が明かされ、タガが外れます。
ニコロスとプルーデンスが同年代のカップルで(3歳差)、精神的にも互いに大人になった所で止まっていたロマンスが動き出す設定となってます。
といっても、ニコロスの自負は相当なもので、それがプルーデンスの悲痛な告白や鋭い指摘で「やや」謙虚になっていく過程が良かった〜。
メモ:ニコロスが選んで贈った花柄の長靴