リン・エリクソン

時の旅人 S-280 (株)ハーレクイン  発刊:1995.04.20
ヒロイン:テス・ボニー(史学科の大学院生・補助講師・26歳/400年前に飛ばされた時はビリーと名乗る) ヒーロー:リチャード・ネヴィル(400年前の海賊船の船長・30歳ぐらい?/通称ブラック・リチャード)

あらすじ
略奪するために乗り込んだスペインの船に繋がれていた奴隷達の中に毛色のちがった少年が乗り込んでいた。
やせっぽちであきれるほど筋肉がついていない。そのうえ女のようにまつげが長くてえくぼができる。
……こういう少年は、スペイン人の不道徳な楽しみの相手をさせられるのだ。
とにかく助けだしたからには、ビリー・ボニーと名乗った少年の面倒をみるしかない。
リチャードは、ビリーをキャビン・ボーイとして雇用することにしたのだが、彼を見る視線がつい不道徳なものになりがちなことに悩み出すのだった。

400年前のフロリダ沖にタイムトラベルしてしまったテスと、彼女の面倒をみることになった海賊船の船長リチャードとのロマンス。
身の安全を図るために少年の振りをすることにしたテスはビリーと名乗り、リチャードのキャビンボーイになります。
ビリーが醸し出す色気に、くらんくらんのリチャードの姿が、笑いを誘います。
ビリーが女装(!)している姿に、心中、毒づくリチャード。
「信じられないほど華奢な足だ。それに何とも細い足首をしている。いまいましい。男のくせにあれほどかわいいのはもってのほかだ」
自分が何故、400年前に飛ばされることになったのか。発端となったねじれた太い金鎖にスクエアカットのコロンビアエメラルドが3つもついているネックレスの所在を搦め、無鉄砲なリチャードが命の危険に晒される度に、必死になって支え看病をするテスの踏ん張りを描くこととなります。
当然、未来に戻るか否かの選択も用意されています。その時のリチャードの対応の仕方とテスの体験が比較され、物語の終盤へ向かいます。
リチャードの竹を割ったような真っすぐな心持ちが、新鮮〜。