あらすじ
従妹のジュリーが、莫大な遺産をちらつかせてでも手に入れたいと思っているのが、ブライア・ライトンだった。しかし、マーシュの勘はブライアが信用のならない男だと告げていた。
だからといって、そのことをジュリーに告げる事は躊躇われた。少女の頃に両親を亡くしたジュリーが自分の家族を持ちたいと切望しているのをよく知っているマーシュとしては、彼女の為に万難を排するしかなかった。
ジュリーは、ブライアがよく話題にし、仕事上のパートナーであり、兄妹のように一緒に育てられたらしい「ジョー」という女性の存在に、怯えているのだ。
ジュリーの為なら何でもする気で、婚約披露パーティに乗り込んだマーシュに、件の女性が紹介された。
優雅な雰囲気を身にまとった美貌の持ち主である彼女は、確かにジュリーを脅かす存在だった。
ブライアを見つめるその瞳の切なさを知れば、なおさらのことだった。
そして、マーシュの事を、髪の毛一筋たりとも気に留めていないという事実に、腹立たしさを感じずにはいられなかった。 |