あらすじ 父と兄が盗賊に襲われ惨殺されたあとに明るみに出たのは、反逆罪だった。王に忠実で、公明正大であった父が反逆など企てる筈が無かった。 盗賊の襲撃時に負った傷は、少年であったウルフをもう少しであの世に連れ去るほどひどいものだった。襲撃事件と反逆罪の裏にいているのは、きっと叔父の一家だ。何としてでも証拠を掴み、亡くなった父兄に降りかかった汚名をそそいでやる。そのためにも、早く、故郷のウィンダミアに足を踏み入れたかった。
酔いどれの義父サマズ男爵の暴力から逃れたいキットと、父兄の仇と汚名をそそぎたいウルフ。 キットの出自の謎を搦めてのロマンスが前半、後半はウルフが仇敵を追いつめつつも反撃され窮地に追い込まれる中、キットが救援にかけつける展開となってます。 華奢なキットの容姿にウルフの保護本能はかき立てられっぱなしですが、守られるだけの存在ではなく、果敢に敵方を倒してます。 ……血気盛んというより血なまぐさい場面が多いのは、中世のロマンスだから仕方ないのかしらん。ヒロインが思いっきり殴られてるのが、痛そうで……。