メアリー・ハスケル
心の歌がきこえる 84 (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.01.20
ヒロイン:マーシィ・ハンスン(有名歌手・32歳) ヒーロー:ダーク・バクスター(大複合企業のオーナー・39歳)

あらすじ
マーシィ・ハンスンの歌謡ショーが、開かれているという広告を見た時から、ダークの思考は彼女一色に染まった。
3年前、更なる高みへと駆け上がっていこうとしていた彼女に、歌か自分のどちらかを選べとダークは迫った。あれだけ愛しあっていたのだから、勝算は自分にあると思い上がっていたのだ。
マーシィは、ダークを追ってこなかった。あれから連絡ひとつ寄越さなかった。
あの破局から3年経った今、すぐ近くでマーシィが歌っていると知っただけで、彼女のことしか考えられなくなる自分が嫌だった。
……歌っているマーシィを観覧すれば、3年前の愛が既に終わったことを本当に納得できるのではないか。
無理矢理に理由づけてダークは、ショーが行われているホテルに足を運ぶのだった。

3年前、破局したカップルの再会もの。
破局の原因はダークが、売り出し中の新進の歌手だったマーシィに、家庭におさまるよう迫ったことによります。
ダークは、歌うことが大好きだったマーシィの気持ちを、全く理解してなかったらしい。
嫌いになって別れた2人ではないので、再会後、即効燃え上がってます。
特に、ダークがなー……はぁ。
婚約者ジェニファー(名家出身、高学歴だけどダークのためならそんなのうっちゃっても全然オッケーの25歳)がいるにもかかわらず、マーシィに復縁を迫り、やっぱり仕事中毒の彼女に辞めろと圧力をかけてます。
成長してねーよ、この男。
一応、マーシィの歌唱力に敬意を払ってはいるんですが。自分の独占欲の強さに、嫌気がさしているダーク。読んでる方もだ。
すったもんだがあった2人は、最後、仕事も家庭も大事にしていこうと譲り合っていくこととなります。
マーシィをデビューした頃からずっと支え続けていたアンディ・ウォリス(ピアニスト)が、かなり格好いい。ずーっとマーシィに片思いなんですよね。彼女が失恋した時でさえ、その弱みにつけ込まず、親友の立場にあり続けるアンディ。ダークに入れ込むマーシィの姿に、自分が確実に失恋したのだ思い知らされ、その痛みを乗り越えて、尚、彼女のことを愛し続けてる人物です(でも下半身は不品行……)


バミューダに燃えて 158 (株)日本メール・オーダー  発刊:1985.05.20
ヒロイン:エリザベス・アン・ベントレー(デパートチェーンのスポーツウェア部門の買付部長兼商品開発部長・35歳/愛称リズ) ヒーロー:ウィリアム・オースチン・へイル3世(投資コンサルタント・ボストン旧家出身・37歳/愛称ビル)

あらすじ
8年間の結婚生活は惨憺たるものだった。幼馴染みだった妻が、あんなにも情のない女だったとは思わなかったのだ。ビルの家族との付き合いを拒んだのは、血の繋がりがないからと仕方がないと思えたが、自分の家族とさえ、彼女は馴染もうとはしなかった。
ビルは、ひたすら仕事に没頭していたのが、ただ、妻がいる自宅に帰宅したくなかったからだと気づいた時、離婚の決意を固めたのだった。……元妻は、ビルが離婚を決意した理由を最後まで本当に理解していないようだった。
そんな女性とおさらばして5年も経つのに、未だに暖かな家庭をともに築ける女性と出会えずにいた。
それが、休暇先のバミューダで、人生を謳歌している運命の女性と唐突に出会ったのだ。

いたずら&冗談好きな女性と堅物な男性の恋物語。あと、ボストン旧家の出自をビルが、誇っているわけではないのですが、出自&育ちの違いが少しばかりからんでます。
リズはカリフォルニア育ちで、父親は10歳の時に出奔。食べるために仕事に明け暮れている母親との関係は希薄。笑いを作りだしてつらい生活をのり切った過去を持ってます。最初の夫とは死別(バイトでしていたスタントマン中に事故死)、二人目の夫はパイロットで、余りの浮気性に離婚。
もともと、大らかで冗談好きだったビルは、妹のモードが言うには、「8年間も口をヘの字に結んだ女と結婚したから、すっかり時代遅れのかたぶつになってしまった」らしいです。
しかし、読んでてビルの方がまともだとしか思えない〜。リズ(とその仲間たち)がしでかすいたずらの数々は、聞いている分にはいいんだけど、その当事者になるのはご勘弁としか……ビルの忍耐が末長く持ちますように。


嵐の海が愛の灯を 8(エメラルドロマンス) (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.04.20
ヒロイン:ジェニファー・アンドリュース(ハーバード大学歴史学の教授の論文手伝い・38歳/愛称ジェニー) ヒーロー:ローレンス・アンドリュース(アメリカ有数の瀬整理事務所のパートナー・39歳/愛称ラリー)

あらすじ
結婚して15年になるラリーとジェニー。アメリカ有数の税理事務所のパートナーとして仕事は充実し、2人の子ども達(息子と娘)にも恵まれ順風満帆な家庭生活。
仕事も家庭も全てにおいて、満足していたラリーの元にある日、昔、ひどい別れをした恋人、カイ・ケイルが成功したデザイナーとなって戻ってきた……。
もう19年前に終わった関係で、今は大切な妻子があると、口ごもりながらも言うラリーの言葉を消すように、カイは熱い唇を押し付け
「あなたはわたしのもの。そしてわたしはあなたのもの」

ラリーが、そりゃあもう、カイへの情欲に惑わされて、家庭を蔑ろにしだしてます。
ラリーの母親曰く
「中年の危機」
一線を超えてないからとか、いろいろとジェニーにいい訳満載で、カイへと揺れる気持ちの理解を口に出した時には、アホンダラーッッ。
温厚なジェニーも、息子のリックが頭部挫傷&虫垂炎で苦しんでいる時に、ラリーがカイへ電話をかけていたと知った時にぶち切れ。
まぁ、その時点で終わっていた恋(カイ)よりも、家庭(ジェニー)の方が本当に大切なものだと気づいたラリーだったんですけど、怒り心頭で三行半をつきつけたジェニーに何も言えず仕舞い。
それから2週間強、ジェニーに許してもらえないのではないかという不安に苛まれながら、過去の清算をつけてます。
ラリーのよろめきにいらいらしながら、読んだんですが、ジェニーの切れっぷり&ラリーへのお仕置き(?)が良くて読了感はなかなかのものとなりました。
息子のリック(14歳)が、父親の浮気に気づいて、母親の味方につくという展開も良かったー。
19年前、カイが妊娠したのもラリーと結婚したくてわざとしたこととか、ラリーの母親視点のカイの恋人としてのあり方(ラリーを不健全に束縛していた様子がサラリと説明)など、魔性の女として描かれているカイは、日系だそうです。日系ってミステリアスなのか?
ジェニーに思いを寄せている近所の学生(18歳)や、ジェニーが助手をしているハル・クレメンテス教授の紳士(ハーバード大学で歴史学を)ぶりとかも美味しい。


風のささやき 17(エメラルドロマンス) (株)日本メール・オーダー  発刊:1984.08.20
ヒロイン:ビクトリア・ラーセン・ベック(児童専門のカウンセラー・所長/愛称ビッキー) ヒーロー:ヨーゼフ・アントン・ベック(大学院修士課程首席・27歳/愛称ジョー)

あらすじ
ここまで、頑張れたのはビッキーがひたすら支えてくれたからだ。
ビッキーは、ジョーが勉学に集中できるよう2人分の生活費を稼いでくれていた。所長という肩書きをもち、児童専門のカウンセラーとしての激務につきながら、帰宅後はジョーの修士論文のタイプ打ちまでしてくれたのだ。
そのおかげで、修士論文も無事に提出でき、成績も首席となった。
これで、望みのままの就職先が約束される筈だった。
そして、今、ジョーは感謝をこめて、ビッキーを天にも昇るような心地にすることができる贈り物を用意していた……。

ジョーが修士課程を終えるまで、ひたすら支え続けたビッキー。
そんな2人の元に、ジョーの伯父アントンからオーストリア旅行の航空券と多額の小切手が贈られきます。
オーストリアに出向いた2人を待ち受けていたのは、伯父が経営する大会社の後継者としてジョーを迎え入れたいという申し出。
伯父には優秀な一人娘、グレートヒェンがいるにもかかわらす、伯父の地位にゆくゆくは就くことが出来ると野心の塊となってしまったジョーの言動や児童専門のカウンセラーとしての仕事を誇りとし、アメリカをこよなく愛するビッキーは戸惑います。
互いに、どんな結論を選択するのか、2人の絆の深さを確かめ合いながら愛情を確かめ合う物語。
最初にジョーを評する父親の言葉があるんですが、展開を暗示していて凄い。
「おまえは頭でっかちだ。考えばかりが先走りする」
あと、アントンとグレートヒェン父娘の間に漂うぎこちなさを、ビッキーが真摯に指摘して健全なものにしていく課程が良かった。
ジョーが、あれも欲しい、これも欲しいと駄々をこねる子どもでありました。