パトリシア・ウィルソン

きらめく海のように R-578 ハーレクイン社  発刊:1987.12.20
ヒロイン:オリヴィア・スクラディス ヒーロー:アンドレアス・スクラディス

あらすじ
祖父が倒れたとの電報に三年ぶりに戻ってきたオリヴィアを空港で迎えてくれたのは、離婚したアンドレアスだった。離婚したのに「君はまだ妻だ」と言い張るアンドレアスに絶対に隠しておかないといけないのは……息子ニッキーの存在。ニッキーの事を知られたら、どうしよう。離婚を承諾したくせに、どうして私を自分のものだと言い張るの……

アンドレアス、オリヴイアに最初から最後までのめり込んでます。そんなにのめり込んでるのに、よくも三年間、我慢したことよ。自分への愛情と信頼に気づいて欲しかったというけどさ、自分から「愛してる」を言わないで、それはムリ(苦笑) それにしてもアンドレアスが、二人の仲を引き裂く原因となった女性に対して、鉄槌をくだすところなんて、読んでて本当にスカッとした。


スペインの光と闇 R-626 ハーレクイン社  発刊:1988.08.20
ヒロイン:ローラ・マーシュ(看護婦) ヒーロー:ロドリゴ・エスティバン・ディヤース(伯爵)

あらすじ
婚約者の医師デービットとの結婚を、離れて考えたかったローラはロンドンの病院での看護婦長を辞めてスペインにやって来た。モンタナス伯爵家の看護婦募集は、渡りに舟だった。
確かにちょびっと浮かれて事故った自分が悪いけど、こんないけすかない男が伯爵だったなんて。見てらっしゃい、看護婦として、どれだけ有能か認めさせてみせるからッ。

表紙イラスト……それは、看護婦長が着るような代物じゃないと思うんだけど、ピンクの下着? 伯爵が看護婦長に見えないっと言い張ってるのは、正しいと思いまーす。この二人のやりとり、ローラが伯爵に負けてないのが楽しい。ロドリゴが婚約者がいようと傲岸に迫っていったり、婚約者やお約束の邪魔する女性の登場も花を添えててグー。ロドリゴの義理の母親の心臓蘇生の場面がクライマックスといって過言ではない作品。


トレビのコイン R-704 ハーレクイン社  発刊:1989.09.20
ヒロイン:レイチェル・ゴードン(秘書) ヒーロー:ニック・オルシアーニ(実業家)

あらすじ
親会社の社長が乗り込んでくるということで、会社中が大パニック。あと2ヶ月で結婚退職をする自分は、関係のない話だわと思い込んでいたレイチェルは、自分の考えが甘かったことを思い知らされる羽目になった。……どうして、私の幸福をこの人は、潰そうとするの? 婚約は破棄になるわ、イタリア語もろくに分からないのに、ローマに連れてこられ……そんなに、引っ付かないでよ……

イギリスとの合併話は、レイチェルが写った写真を見るまでは、どうでも良い仕事の一つだったニック。見た途端、合併話に自らをアレンジして、満を持してイギリスに乗り込んできたところ、レイチェルには婚約者がッ!!(笑) 婚約者のクリスを仕事を餌に追い払い、ローマまで連れ去って自分の秘書にしてしまってます。その上、レイチェルに言い寄ってくる(と思い込んでる)男達を取り除くあらゆる手段は尽きないようです。押して押して押しまくって、ようやく手に入れたのに逃げられて、ある意味、苦労人です(笑)


人魚の変身 R-728 (株)ハーレクイン  発刊:1990.01.20
ヒロイン:エリザベス・クレイグ(古書店員・19歳/愛称ベス) ヒーロー:ガエタン・ヴェルネ(人気デザイナー・32、3歳?)

あらすじ
ファッションデザイナーとしてパリで飛ぶ鳥を落とすほどの勢いのあるガエタン・ヴェルネが一人の少女の行方を掴もうとヤキモキしながら奔走していた。
ガエタンにとって、命の恩人である男性が亡くなった。彼が最後まで気にかけていたのが姪にあたるベスのことで、ガエタンは後見人を頼まれていた。成績の良い彼女のことだからゆくゆくは大学までと思い込んでいたガエタンに、ベスが寄宿学校を自主退学し、行方をくらましたという報告が入ったのだ。
学校を辞めれば仕送りを止めるというガエタンの脅しをベスは歯牙にもかけず……。

ガエタンがベスを捜し当てた時、彼女はインフルエンザに罹患中。なのに、休みもせずに古書店で働いているという光景を目の当たりにします。
ヤセ細った彼女の姿に、ガエタンの保護欲が燃え上がる〜。
有無を言わさずにベスをパリの自宅へと連れていきます。そして、始まる同居生活。
ベスが衣装を揃えていく中で、腰まであった金髪をボブにしてしまいます。そのことを心の底から残念がっているガエタン。
後見人の立場に立ったガエタンが、必死になってベスへの愛情を抑えようと頑張るのですが……だだ漏れ(笑)
メモ:腰まであった金髪がボブになった事を悼む。高所恐怖症のベスを3階からころげ落とそうと画策するガエタンの秘書


天使はいじわる R-771 (株)ハーレクイン  発刊:1990.08.20
ヒロイン:タラ・フロスト(広報部トップ・24歳) ヒーロー:ベン・シャピーロ(複合企業社長・36歳)

あらすじ
トラックとの衝突事故で父親は即死、母は下半身不随の重症を負ってしまった。会社で順調にキャリアを積んでいたタラは、父の死と母の看病に忙殺されることになった。そんな彼女を社長のベンは見守り、援助の手を差し伸べるのだった。しかし、タラにとってベンの保護者気取りは気詰まりで、威圧されているとまで感じているのだった。

「小猫ちゃん」のタラが、何かとベンに突っかかりすぎ。律義にベンも応えて賑やかな展開が続きます。タラがモテモテなのもベンにすれば気にくわないし〜。
それにしてもボーイフレンドのマーティンの格が下品すぎて、それと付き合っているタラの品位も貶めているよなー。タラが余りに妄想に振り回されて引き起こす言動が多すぎて、ちょっと辟易という感想もあったり(苦笑)


薔薇の飾り R-792 (株)ハーレクイン  発刊:1990.11.20
ヒロイン:ジュリア・レッドフォード(看護婦長・24歳) ヒーロー:リュック・マルシャン(サン・ミショー侯爵・36歳)

あらすじ
脳神経外科医の父ポールの腕を頼って、フランスからリュック・マルシャンが交通事故の後遺症で突然、意識不明に陥る姪ジュスティーヌをつれてやってきた。事前連絡もなしに自宅まで押しかけて、何としてでもポールに執刀してもらいたいと意気込んでいるリュックにジュリアとポールは3年前、妹のルーシーを手術で救えなかった時以来、父がメスを握っていないことを告げるしかなかった……

ジュスティーヌのためなら、どんな障害でも取り除いて絶対に幸せにしてみせるッと固く決意しているリュック。まずは、ポールにメスを握らせることに成功したジュリアへの感謝の気持(?)から、彼女にしつこく言い寄ってきている元婚約者グラハム医師の排除に乗り出します。このグラハム、開業するための資金提供をしてもらえるからとジュリアを捨てたくせに、金持ちのお嬢さんと婚約した後、ジュリアのことが忘れられない、今まで通り付き合おうと迫ってくる身勝手医師。そんな馬鹿男にジュリアの周りをうろつかせて姪の看護がおろそかになっては困るからと病院→自宅までの運転手に勝手になってしまう強引さ。ジュリアが近々病院を退職予定としれば、フランスまで付添い看護に来るべきだといつの間にか手配する周到さ。ジュスティーヌのために、という大義名分の元、しっかりジュリアを抱きしめ♪キスして♪押し倒して♪……ものにできてません(笑) 今、まさにッというところで姪に邪魔されているリュック、自業自得かも〜。


スペインの家族 R-841 (株)ハーレクイン  発刊:1991.06.20
ヒロイン:キャスリン・ハート(インテリアデザイナー・25歳/愛称ケイト) ヒーロー:ディエゴ・アルバレイス(旧家の実業家・36歳)

あらすじ
相次いで両親が亡くなって、ケイトは意気消沈していた。ロンドンで、インテリアデザイナーとして活躍している彼女だが父の後を追うように亡くなった母の死は、本当に身に応えたのだ。寒空の中、教会の墓地からようやく出口に向かった彼女を高圧的に呼び止める声がかかった。最初、見覚えのない男性に思えた人物に警戒心が沸き上がったが、古い記憶を呼び覚まされた時、それは怒りに変わった。ディエゴ・アルバレイス……8年前に、母と一緒に訪ねたスペインで彼に追い出すように帰国させられたことを思い出したのだった。

8年前、17歳だったケイトに心惹かれたディエゴ。年の差と幼さの残る彼女を、手の届かない女性だと諦めつつ忘れられなかった8年間。両親の墓石の前で悲しみにくれるている彼女を見て、思いが再燃……したのに「何たることか、彼女は、自分のことを覚えてないッ!?」
特大級の「ムッ」がディエゴを襲います(笑) 「病身の祖母が会いたがっている」と言うのは真実ですが、それ以上に自分の目の届く範囲に置いておきたいというのが見え隠れ〜。でも、ケイトは気付かないというのはお約束。自分だけ反発されて、やっきもきの嫉妬しまくってます。
兄ディエゴへのやっかみから、二人の仲を引っかき回す弟ハビエが、うっとおしさの華(?)を添えてます〜。


氷が解けたら R-918 (株)ハーレクイン  発刊:1992.05.20
ヒロイン:ヘレン・アンドリュース(秘書・24歳) ヒーロー:ロス・マクリーン(国際的な電子工業会社の跡取り・35歳)

あらすじ
ロスが跡を継ぐことになっている会社は、ニューヨークを本拠地にしていたが、近い将来、ヨーロッパ市場が更に成長していくだろうという予測に、比重をイギリスへと移すことを決定するのだった。
手始めに、イギリス支社にロスが出向き、経営戦略を練ることになった。
渡英したロスは、休みもいれず早朝から出社し、届いていた郵便物に目を通し始めた。そして、前支社長が机の上に置いていった書類を手に取った。
そこには、ロスの秘書となるヘレン・アンドリュースの有能な仕事振りへの賞賛と、取り扱いについて記載されて在った。
「ヘレン・アンドリュースはこのオフィスを独力で円滑に能率的に運営していく能力を持っています。プライベートな問題を職場に持ち込むようなことはありません。物柔らかな扱い方が彼女には向くようです」

前任者がこれ程までに気遣う秘書は、どういう人物?と、思っていた所に、彼女が出勤してきます。やってきたのは、黒い髪と青紫の瞳をもつほっそりとした若い女性。
ヘレンは仕事に対してはびっくりするほど有能なのに、その立ち居振る舞いには隠しきれない怯えの影がちらほら。
ロスは気付けば、ヘレンの言動を観察しだしています。一緒に仕事をしていくにつれ、彼女が離婚した夫にどれだけ痛めつけられていたかが、判明していくこととなります。
男性全般に対して、恐怖心を抱くヘレンに思いを寄せることになったロスは、彼女に嫌われたくない一心で、強く迫りたい気持ちを抑制せざるを得なくなります。
ヘレンの前夫の動向を早々に探り出したりと、用意周到なのは流石、辣腕の実業家。
彼女の気持ちを獲得しようと、ひたむきに頑張り続けるロス。
「君をひと目見るためにだけここへ来たくなるんだよ」


美しき脅迫者 R-925 (株)ハーレクイン  発刊:1992.06.20
ヒロイン:ルシンダ・バルフォア(叔母の雑用係・23歳/愛称ルーシー) ヒーロー:ギイ・シャブロル(ショーヴレ伯爵・銀行家・34歳)

あらすじ
作家である叔母の雑用係としてフランスまでやってきたルーシーは、叔母の仕事がどうにも理解できなかった。失礼な話し、叔母が書く本は売れていないと思いこんでいたのだ……もしかして売れているのかしら? 格式の高いホテルに逗留し次の題材を探してるなんて。そんな叔母が目に付けたのは、ショーヴレ伯爵ギイ・シャブロルという倦怠感が漂う冷たい感じの美丈夫。取り入って彼の城に滞在し、伯爵の一族について執筆しようというのだ。そんなに上手く事が運ぶわけが無いと思っていたら、ギイは叔母を城に招待しているではないか。もしかしたら、伯爵は見た目ほど頭がよくないのかもしれないなどと、失礼な物思いにふけるルーシーだった。

自分の才能に自信だけは持っている大人たちに育てられたというか言いように利用されていたルーシー。ほんのたまに作品が売れる画家の母と、全く売れない詩人の父に田舎で育てられ、13歳になるまで靴も履かずに過していたとか(←だから靴を履くとよく転ぶのかとギイにからかわれてます〜) ルーシーのやりくりで、両親は生きていたといっても過言ではないくらい世間の常識から外れた暮らしをしていたのでした。なので、ちょっと(かなり?)ずれたルーシーの言動がギイの女性不信・世知に長けた心情をくすぐって、何としても彼女を自分のものにしなければと画策に走らせてます。
そう嫌がるルーシーにキスするのが、たまらなく好きらしい。逃げ腰になっている彼女をドアに押し付けたり、壁に追い込んだりと思うままにキスして翻弄しては「嫌じゃないだろう♪」 稀覯本を盗んでは贅沢に暮していた叔母の所業を明らかにしたギイが、ルーシーに刑務所か一年半(子供を産むまで)の結婚生活のどちらかを選択させてやるよという二者択一をご披露。しかーし、ルーシーが唯々諾々と流される筈は無く、結婚式直前に逃亡を図った彼女を血相を変えて捕まえたりと心臓の休まる暇もないほど振り回されてます(笑)


とらわれのエーゲ海 R-1101 (株)ハーレクイン  発刊:1994.07.20
ヒロイン:エイプリル・スチュアート(インテリアデザイナー・24歳) ヒーロー:ミカリス・コンスタンチン(ギリシア旧家出・実業家・36歳)

あらすじ
婚約を間近に控えた弟ペトロスが、英国留学時代に世話になった女性をギリシアに招いてもてなしたいと、言い出した。
弟は意中の女性を母親に紹介することで、家同士が決めていた結婚話を潰す気でいるらしい。
ミカリスは、弟の愚行を許す気など、毛頭なかった。
どうせ、金目当てに近づいてきた女などに、弟の人生をめちゃくちゃにさせるわけにはいかない。
空港まで出向こうとしていた弟を出し抜いたミカリスは、到着ロビーでその女がやってくるのを待ちかまえていた。
部下に持たせた「ミス・スチュアート」という名札に反応した女性にミカリスは、驚きを隠せなかった。
世間に俗されていない雰囲気を身にまとった若い女性が、心細げに名札を見やっていたのた。

ペトロスのついた嘘のおかげで、ミカリスに身持ちの悪い女というレッテルを貼られてしまったエイプリル・スチュアート。
ペトロスと再会させたくないミカリスの策略にかかったエイプリルは、誘拐、監禁という目にあってしまいます。
で、大人しく監禁されていないエイプリルは果敢に、脱出を試みるのですが成功せず。
これ程までに、頑強に抵抗する彼女の言動に、弟が嘘をついたのではないかとミカリスも思い始めるのですが……。
ペトロスが何故、嘘をつかざるを得なかったのかという真相を聞いた後、エイプリルは協力するしかない状況に追い込まれます。
ミカリスに小突かれまくるエイプリルの受難が続くわけですが、彼の方も大変な感情の翻弄にさらされてます。
直感に従えば、彼女は「純真無垢な女性」
でも、弟ペトロスの言い分を信じれば「悪女」
両極のどちらが、本当のエイプリルなのか……冷静沈着なミカリスが、振り回されて激高しまくってる姿にニマニマ。
メモ:アテネの邸宅での監禁時に、ミカリスがエアコンのスイッチを入れ忘れる。


初めてのときめき R-1274 (株)ハーレクイン  発刊:1996.09.20
ヒロイン:セーラ・ソープ(書店経営・23歳) ヒーロー:アルマン・クーヴィエ(実業家・34歳)

あらすじ
2週間前に母の愛人であった男性ジョン・ソープが亡くなったらしい。母親に愛人がいたことを、昨夜、聞かされたアルマンの機嫌は悪かった。
その上、その愛人の娘セーラを一ヶ月も預かるというのだ。セーラがつきあっている男友達の素行に問題があるらしく、少し距離を置かせて、2人の関係を冷ましたいらしい。
折角の休暇を、死の間際まで、親に面倒をかけるような不良娘の世話などしたくない、というのが、アルマンの正直な気持ちだった。
しかし、母の願いを無下にすることもできずアルマンは、その不良娘を出迎える為に空港に向かうのだった。

我が儘で、箸にも棒にもかからない女がやってくると思っていたアルマン。でも、迎えに出向いた空港にいたのは、心細げに立っていた若い女性セーラ。無垢で、俗世間に塗れてない風情を身にまとっている彼女に対して、アルマンは急速に傾倒していくこととなります。
が、最初に思い込んでいた女性像からの切り替えができなくて、かなり居丈高な態度を取りまくり。セーラを怯えさせてます。
彼女につきまとっている男友達に、嫉妬したりと今まで味わったことのない恋の醍醐味を34歳にして経験するアルマン。
暗闇と雷と蜘蛛に怯えるセーラが愛おしくて、愛おしくて、つい頂いちゃったりvv
そして、アルマンの女友達(もちろん、性格悪し)が、2人の仲を引っかき回す王道の展開を読むことができます。